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NEDOがインドネシア政府と共同で停電時でも太陽光発電に切替え、工場の電力をバックアップするシステムを実証研究

 NEDO,新エネルギー・産業技術総合開発機構が行っているさまざまな再生可能エネルギー分野の海外におけるプロジェクトの内、太陽光発電システム等高度化系統連系安定化技術国際共同実証開発事業と題された内容のひとつがインドネシアでスタートするそうです。関連の資料によると、太陽電池の容量は、80kWpです。大きな工場向けの無停電電源装置ということですが、負荷、系統電力との一定のバランスでどのていどの太陽電池の規模やシステムが必要であるのか? 興味深い実証研究となりそうです。

プレスリリース / 新エネルギー・産業技術総合開発機構、平成20年12月8日
系統電力が変動した時でも、瞬時に太陽光発電に切替え、工場の電力品質を確保
Img02
-----image[”レン・インダストリ社に設置された太陽光パネル(提供:株式会社ニュージェック)”] : 同リリースより

" インドネシア政府との太陽光発電システム等高度化系統連系安定化技術国際共同実証開発事業
NEDO技術開発機構は、インドネシア政府と共同で進めている「太陽光発電を可能な限り活用する電力供給システム」を完成させ、12月6日にインドネシア・バンドンで竣工式を開催しました。竣工後は、系統電力における短時間停電や瞬時電圧低下発生時に、瞬時に電力系統から切り離して自立系統へ切り替え、重要負荷(太陽光パネルの加工機器など)へ供給する電力品質(電圧、周波数)を維持するシステムの実証研究を同国で初めて行います。

1.実証研究の背景・目的 我が国では、新エネルギーの導入・普及に向けて、産学官の役割分担のもと、コスト削減、生産性向上、信頼性向上のための実証試験等を積極的に進めています。本事業の成果は、今後の太陽光発電利用の高度化、特に産業分野への展開に向けて大きな意義を有するもので、インドネシア国における太陽光発電の利用促進にも貢献することが期待されます。

2.竣工式概要日時
2008年12月6日(土)11時00分~13時00分(現地時間)
場所
PT.LEN INDUSTRI
JI Soekarno-Hatta no 442,Bandung 40254-Indonesia
出席者
..........
3.事業概要事業名
太陽光発電システム等高度化系統連系安定化技術国際共同実証開発事業/太陽光発電を可能な限り活用する電力供給システム実証研究(PV+高速遮断器)
研究内容
インドネシアの実際の工場において、電力系統で短時間停電、瞬時電圧低下、周波数変動が発生した場合でも、重要負荷を瞬時に電力系統から切り離して自立運転へ移行するとともに、重要負荷へ高品質な電力を供給する制御方式を開発し、実証・評価を行います。具体的には、太陽光発電、蓄電池及び重要負荷から構成するシステムを高速遮断器により、電力系統から切り離して自立運転することにより、高品質な電力を重要負荷へ供給する制御方式です。

Img01
-----image : 同リリースより

3.実施場所
レン・インダストリ社※(バンドン市内)
※電気機器の研究開発機関であり、家庭用ソーラーシステムや太陽光パネルを用いた街灯などを構成するパネルの加工や、インバータやバッテリ制御機器の製作などを行っている。
4.実施委託先
関西電力株式会社
株式会社ニュージェック .......... "

関連
NEDO / 事業・プロジェクト紹介 / 国際事業 : 太陽光発電システム等高度化系統連系安定化技術国際共同実証開発事業 P05016

New Energy and Industrial Technology Development Organization (NEDO) (E)

コメント
 上の関連資料によると、「電力系統と連系されたマイクログリッド」において、工場の負荷、商用電力との太陽電池のバランスを、停電という工場の安定操業にとって不安定材料となる要素をからめながら蓄電池などの運用システムも含めて、停電から電力復帰後の運転(蓄電池充電)までを評価しようとするものののようです。資料によると、「太陽光発電等の自然変動電源容量の割合を50%以上まで高めた」システムを評価しようとするものということです。工場の規模、太陽電池アレイの規模と商用電源とのかねあいを研究するという分野は、海外でも急速に関心が高まり、エネルギーのベストミックスという表現から、地域、工場などの事業所の都合に合わせた、電力の供給、発電の組み合わせの中で、自然条件に大きく左右される太陽光発電などの再生可能なエネルギーの可能性の追求による、エネルギーの地産地消というより自立、自給を意識した方向性までも枠を広げ議論されるようになってきました。

 市街地の建築物に小型発電機を分散配置して,各発電機と建築物を電力ネットワークで結ぶマイクログリッド、さらにはマイクログリッドを複合的に結びつけたり、発電専門のたとえば、昨日のエントリーのPOSEIDONのアイディアのように、風力、海洋エネルギー、さらには、蓄電、エネルギーの収蔵を含め、陸や海洋も含めて、複合的に開発、利用しながらやがては、工場都市の太陽エネルギーが豊富、風況がいいところ、水力や地熱、海洋エネルギーの利用できるところに生活圏からめて総合的な地域開発につなげていく、、、、もしこれが、現状よりも超省エネ、エネルギー集約性の高い住環境の実現につながれば、単なる夢物語ではなく、あらたな人類の理想にもなりえるのかもしれません。
 気候変動、エネルギー問題に超省エネで豊かな暮らしという一文が付け加わると、天候に左右される希薄で日和見エネルギーと揶揄もされる、再生可能エネルギーの存在価値が、2020年に20%以上、2050年に50%以上といった夢のような、しかし実現可能な貢献度となって現れてきます。
 世界的な金融危機の中で、資源、エネルギー、投資をいたずらに使う技術ではなく、集約的で賢い”いきかた”がなによりも私たちに求められています。

 マイクログリッドという言葉、以前からエネルギーの専門家や関心をもつ人々の間では、よく会話に登場する単語でした、ここに来て、気候変動・エネルギー問題と人間の暮らしという古くも新しい電力をめぐる技術の中で、現実的な取り組みがみられるようになてきました。今回、マイクログリッドというカテゴリーを加え、当ブログとしても勉強しながら、情報交換をしながら、ぼちぼちとみていきます。(t_t)



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