アブダビ、MASDARの集光太陽熱実証実験プラント建設をコスモ石油が発表
-----image : Explore Our Planet - [Abu Dhabi]よりキャプチャー画像
マスダールシティで世界に名を馳せつつあるアブダビの都市開発計画、潤沢な資金を背景に環境やエネルギーに配慮した革新的なプロジェクトが進行しています。そのアブダビのアラブ首長国連邦アブダビ政府系機関のMASDAR―アブダビ・フューチャー・エナジー・カンパニー(MASDAR)の依頼を受け、でコスモ石油がビームダウン式集光太陽熱実証実験プラント建設を建設するということです。
プレスリリース / コスモ石油、2008年11月10日
・アブダビでの集光太陽熱実証実験プラント建設について
" コスモ石油株式会社(本社:東京都港区、資本金:1,072億円、代表取締役社長:木村彌一)は、このたび、アラブ首長国連邦アブダビ政府系機関のMASDAR―アブダビ・フューチャー・エナジー・カンパニー(MASDAR)と共同で、三井造船株式会社に対し、ビームダウン式集光太陽熱実証実験プラント建設を発注いたしました。詳細につきまして、下記の通りお知らせ致します。
1.発注先 三井造船株式会社
2.発注金額 約8億円
3.着工予定 2009年5月
4.完成予定 2009年12月
5.内容 (1)今回発注した実証実験プラントは、昨年12月に首相官邸にて調印された、当社、MASDARならび東京工業大学(以下、「東工大」)間の共同研究開発契約に基づく研究開発推進のため、MASDARがアラブ首長国連邦のアブダビ国際空港近くに建設を進めている二酸化炭素排出ゼロをめざす未来型都市「マスダール・シティー」敷地内のテストサイトに建設される予定です。
(2)今回建設される集光量100キロワットの実証実験プラントの運転を通じて、実際の集光分布と東工大のスーパーコンピュータを利用した集光シミュレータによる計算結果を厳密に比較すると同時に、各種機器の性能を測定することにより、将来の大型商業プラント設計に欠かせない数多くの貴重なデータを収集することが可能となります。
(3)また、現在把握しきれていない商業化への課題抽出、分析、改良を行い、将来の商業化プラント建設の可能性を追求することを目的としています。
(4)現在、中東産油国を含む世界のサンベルト地帯で注目されている集光太陽熱発電技術には、大きく分けてトラフ型とタワートップ型がありますが、今回の共同研究開発では、東工大炭素循環エネルギー研究センター 玉浦裕(たまうら ゆたか)教授が提案する東工大式ソーラータワービームダウン集光技術を実証し、太陽熱発電コストのさらなる低減をめざします。この技術はタワートップ型をさらに進化させたもので、一度タワー先端に集光された太陽光を、東工大独自技術を結集した中央反射鏡により地上近くに設置した太陽炉に再反射させます。太陽炉を地上近くに設置することによって、建設コストやメンテナンスコストを低減することが可能と言われており、他の集光太陽熱技術に比べ、発電コストを低く抑えることが期待されています。 "
プレスリリース / 三井造船、2008年11月10日
・ビームダウン式集光太陽熱実証プラントを受注 無尽蔵のクリーンエネルギーを活用
関連
・東京工業大学 炭素循環エネルギー研究センター 玉浦研 / 研究内容
関連記事
・三井造船、ビームダウン式集光太陽熱実証プラントを受注-----Response,2008年11月10日
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アブダビに建設されるビームダウン式集光太陽熱実証プラントは、集光量100キロワットで東京工業大学の炭素循環エネルギー研究センター玉浦研の技術を利用するということです。
・投資回収は10年程度も,地中海で花開く大規模熱発電-----IT Pro,2008/04/25
" 「東工大式ビームダウン集光太陽熱発電」と呼ばれる最新式。ヘリオスタットと中央反射鏡で、太陽光を溶融塩レシーバーに集める。600℃に加熱した溶融塩で水を沸騰させて、蒸気タービンを回して発電する。熱は溶融塩に蓄えるので、24時間発電できる "
熱を溶融塩に蓄えるという太陽熱発電システムで、安定的な発電が確保できる方式のようです。
関連記事
・第27回 投資回収は10年程度も地中海で花開く大規模熱発電[太陽熱利用]P.3-----日経BP Net エコジャパン、2008年5月30日
・アブダビ発電事業に日本商社が出資へ----AbuDhabist.com アブダビストコム,11 月.25, 2008
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アブダビのマスダールシティプロジェクト、いろいろと人々の耳目を集めるだけでなく、太陽光発電の研究などでも成果をあげはじめています。プロジェクトの中心は、さまざまな研究学園都市的な位置づけのシティプランが進行しています。世界の再生可能エネルギー、環境技術、交通などの技術の研究の”メッカ”を目指す計画、金融危機に端を発した、世界的な経済問題が顕在化する中で、どこまで、理想にこだわり都市を作ることができるのか? 今後の展開が注目されます。(t_t)
参考記事
・Abu Dhabi Aims to Build First Carbon-Neutral City-----NPR,May 6, 2008
MASDAR Headquarters
(snznal,2008年07月03日)
MEMO Masdar City Project -マスダール シティプロジェクト-
プレスリリース / Masdar Initiative,September 23, 2008
・Masdar Invests ?120 Million in European Wind Turbine Manufacturer
・Adrian Smith + Gordon Gill Architecture : MasdarHeadquarters
関連エントリー
・アブダビ、ポスト原油に動く / クリッピング NBonline-----しなやかな技術研究会、2008/01/10
・CO2を排出しない都市の建設、アラブ首長国連邦で開始-----GreenPost -Heuristic Life -,2008/2/13
追加情報
・アブダビ、MASDARとコスモ石油と東京工業大学の共同研究開発、ビームダウン型太陽集熱実証実験プラントが稼動-----ソフトエネルギー、2010/01/20
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