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有機色素による高性能色素増感型太陽電池を開発 / プレスリリース 産業技術総合開発機構

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-----image(pop up) & text : 産業技術総合開発機構、2008年11月19日発表より

" 次世代太陽電池として期待される色素増感型において光吸収材料に新規開発の有機色素(MK-2(注1))を採用。
従来型のルテニウム系のように希少金属を含まないため低コストで製造できるだけでなく、 高効率、高耐久性も実現した。
..........
 従来の色素増感太陽電池に用いられていたルテニウム錯体を使用しないため、希少金属であるルテニウムの資源的制約をクリアしています。またイオン液体電解液の使用により、低沸点の有機溶媒系電解液では耐久性が100時間以下であったものが、2000時間以上の耐久性を得ることに成功しました。

 更に、色素増感太陽電池(イオン液体電解液(注2)タイプ)としては世界最高レベルの変換効率7.6%(セル効率)の高効率を達成し、イオンゲル電解質(注3)タイプでも5.5%の効率を得ることに成功しており、革新的な太陽光発電技術として実用化が期待されます。
..........
1.研究成果概要
 環境負荷を低減する次世代太陽電池のひとつとして、色素増感太陽電池の実用化に向けた研究開発が活発になっています。しかし、従来型の色素増感太陽電池は希少金属であるルテニウム錯体を光吸収材料として用いるため、資源的制約による価格高騰が問題になると予測されます。また、揮発性の有機溶媒を含むヨウ素レドックス電解液(ヨウ素やヨウ化物イオンを含む)を用いており、セルの耐久性の向上が課題となっています。 
..........
2.競合技術への強み
1)
高効率:新規に設計・合成したMK-2色素とイオン液体電解液を組み合わせることで、7.6%の変換効率を達成しました(現在、イオン液体電解液を用いた色素増感太陽電池で世界最高レベル)。

2)
高耐久性:紫外線がカットされた擬似太陽光照射という比較的穏和な条件下では、十分な耐久性を有します。また難揮発性のイオン液体電解液を使用することで比較的高温下でも性能劣化の心配がありません(イオン液体の難揮発性が耐久性の向上に寄与)。

3) 資源的制約がない:希少金属であるルテニウムとは異なり、資源的制約の少ない有機材料を使用しています。

4) 低コスト:セルの作製方法が簡単で、材料も安価なことから低コストで製造できます。



Table081119
-----image(pop up ; ”表1.結晶系シリコン太陽電池(既存技術)と有機系色素増感太陽電池(本技術)との比較表”):同リリースよりキャプチャー画像

3.今後の展望
 エネルギー変換効率については、最終的にはセル効率18%、モジュールでは15%(結晶シリコン系の効率に相当)を目指します(NEDOの太陽光発電ロードマップPV2030における、色素増感太陽電池の2030年での目標値)。当面は屋内用途での早期実用化を目標として、さらなる効率や耐久性の向上を目指していく予定です。そのため、新規有機色素の分子設計と合成、イオン液体やゲル電解質の研究開発の他、新規の電極材料の開発についても連携企業と共同で研究開発に取り組んでいきます。 

 また実用化に向けて、大面積モジュール化技術等についても共同研究を進めていく予定です。 "

コメント
 色素増感型太陽電池の耐久性がアップするとのことですが、耐久性がアップしても、2000時間。それも露天ではなく、疑似太陽光での値ということですから、色素系が屋外の一般の家の屋根で利用というシーンを見ることができるのは、ずっと先のことのようです。一方で、アモルファス系の太陽電池との価格的な競争に打ち勝てば、新しい分野での利用も見えてくるのかもしれません。(t_t)

参考情報

0171 耐久性に優れた色素増感太陽電池を開発-----島根県 産業技術センター 、平成20年2月7日

色素増感太陽電池 : DigInfo

(Diginfonews,2008年03月04日)

関連エントリー
イギリスの世界初の商用色素増感太陽電池メーカーG24 Innovationsは、電力も自給を目指す!-----ソフトエネルギー、2008/01/29

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