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お墓に太陽電池を! Spain、Santa Coloma de Gramenet町、太陽光発電利用計画推進中 + Roadmap 20% by 2020

 私たちは、今太陽の恩恵をどのくらいありがたく日々を生きているだろうか? 
 スペインのSanta Coloma de Gramenetという町で、お墓の未利用なスペースに太陽電池を取り付け、発電電力を系統に流す、つまりお墓を利用した太陽光発電所が建設され話題になっています。太陽電池の舞う数は462パネルで60軒分の電力に相当するということですから自治体が取り組むプランとしてもそれほど大きくはありません。しかし、町の計画はこれにとどまらないのです、利用できるところにはどんどん太陽電池を取り付けていくということです。お墓だけでなく、慰霊のための施設には、すでに100kWpの太陽光発電所が建設されているということです。

 そう、最初の問いかけに、信心深いスペインの人々は、敬虔なる気持ちで、感謝の中で太陽電池を利用するための、未利用なスペースを活用する決意のようです。エネルギー、そして気候変動問題は、課題であるとともに日々の信仰の中でも問われる問題になってきたようです。

Santa Coloma de Gramenet / Photovoltaic energy instalation plan
Santa_coloma_de_gramenet41_466667_2Santa_coloma_de_gramenet41_466667_3
-----image : Google Earthキャプチャー画像、[上左右 : Santa Coloma de Gramenetを上空から。下 : 結局太陽電池は探せなかったが、ストリートビューでみた町のようす。 ]-----Santa_coloma_de_gramenetsvtown

関連記事、情報
Spain's Solar Cemetary-----Huffingtonpost,Nov 23,2008

" .....The power the 462 panels produces _ equivalent to the yearly use by 60 homes _ flows into the local energy grid for normal consumption and is one community's odd nod to the fight against global warming.
..... "

Wikipedia : Santa Coloma de Gramenet

コメント続き
 スペイン、ドイツ、イギリス、そして最近ではポルトガルにおける再生可能エネルギーへの取り組みの報道は金融不況の世界でもひきをきらない。大型案件から小さなものまで、工夫と熱意に満ちている。そんななかで、EREC(European Renewable Energy Council)が発表したロードマップは、これまでのEUの方針を確認し、将来に継承するものとして2020年に20%の再生可能エネルギーという全体としては大きなチャレンジの表明です。来年オバマさんが気候変動問題とエネルギー問題に、従来より踏み込むことが一定の規模で確実視されています。世界は、金融危機の中でも、現状、この問題を技術と創意工夫でのりきろうとしています。

プレスリリース / EREC,17 November 2008
Press-release / The EREC Renewable Energy Technology Roadmap 20% by 2020

" Renewable Energy Technology Roadmap (3.7 MB)

Erec_echnology_roadmap-----image : カバー写真
Feuille de route des energies renouvelables (3.8 MB) "

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再生可能エネルギーを利用する人工の島”Energy Island”+メガフロート情報

 欠かさずにチェックするようにしている、TreeHuggerに海洋温度差発電や風力エネルギー、太陽熱発電といった再生可能エネルギーを利用した人工の島Energy Islandの情報が掲載されていました。ヴァージングループのブラッソンさんも注目している人工島計画、まるでSFのような世界が実際に数年後に実現へと動いていくのか注目されます。

Renewable "Energy Islands" at Sea To Power Cities, Produce Fresh Water and More-----TreeHugger,11.14.08

" Some artificial islands seem necessary. Some just are and some are excessive. And some may sustain human life in the future. Yesterday LiveScience reminded us of a promising idea that we covered earlier: creating rig-like islands that drill the oceans not for oil but for renewable energy. "
-----

 日本の風土を考えるときに、その広大な海洋上の領海について十分な活用を考えるときが必ずくると思われます。海は、いまだ十分に活用されていない、食料、エネルギー、そして可能ならば生活の場とすらなりうる重要な拠点だと考えています。今回は、このエネルギーアイランドについて情報を集めてみました。

Energyisland

Energy Island

(cooperchadwick,2008年03月04日)

関連情報、記事
Solarenergyltd.net / ENERGY ISLAND

Sustainable Modular Islands-----Ultrafutreworld.com,August 18, 2008

Energy islands could use power of tropics, says innovator-----Guardian -Environment,January 8 2008

".....
”Each energy island would operate in a similar way to an oil rig, with about 25 people living there to operate the energy systems and food farms," said Alex Michaelis. "Teams of workers would spend six weeks on the island and six weeks off. The islands can be linked together so if you wanted a bigger power output you could simply build a bigger settlement. In the future these energy islands could be linked together to become eco-tourism attractions.”
..... "

e-architect : Eenergy Island-----Sustainable Maritime Architecture - Energy Generation

コメント続き
 海洋温度差発電に関しては、海洋の表面温度と深海の温度差が24℃以上に達するといわれる赤道地帯とその周辺部分が有望ということです。したがって、日本付近は対象ではありません。しかし、風力と潮流発電を組み合わせることで日本近海でも人工島のエネルギープラントの運用は、魚の海洋における人工養殖と組み合わせた産業の育成などによりより実現可能性は高くなるのではないでしょうか? 今は夢物語でも、検討すべき技術であると思います。

  日本にも以前紹介したメガ・フロートという技術があります。

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南極用風力発電、にかほで試験へ 国立極地研 / クリッピング 河北新報ニュース

" 国立極地研究所(東京)は19日、南極の昭和基地に設置する風力発電機の試験を2009年4月から、仁賀保高原(秋田県にかほ市)で実施すると発表した。10年8月ごろまで行い、同年11月出発の南極観測船「しらせ」で現地に運ぶ計画だ。 "
-----河北新報ニュース、2008年11月20日

News / 国立極地研究所、2008/11/20
南極用風力発電機の国内試験を実施
200811203
-----image(pop up ; ”図3 設置予定と同型の10kW風力発電機(風車部分)”) : 上記発表より

" 情報・システム研究機構国立極地研究所(所長:藤井理行)は、秋田県にかほ市の協力を得て、同市内において、南極昭和基地設置用の風力発電機の国内試験を実施することになりましたので、お知らせします。

目的
 南極昭和基地での環境保全および化石燃料消費量削減の目的から、南極地域観測隊では自然エネルギーの利用を進めている。現在は、太陽光発電パネル55kW分と10kW風力発電機1基が稼働している。しかし、これは基地消費電力全体の3%(年平均約5kW)に過ぎない。自然エネルギーの割合を高めるために、20kW級の風車を複数台設置することを計画している。

 昭和基地では、30m/s以上の風速を伴うブリザードが年平均24回程度襲来する。そのような過酷な状況で風車を運転するには、発電機内部への雪の浸入、スノードリフト(風下への雪の堆積)、静電気ノイズなど、強風および寒冷に伴う複合的な要素が、大きく運転の成否に影響する。それらの影響をできるだけ事前に把握し必要な対策を立てるために、国内総合試験を実施する。また、隊員が南極で建設するための事前組み立て訓練、実地運転に即したメンテナンス訓練も行う。

国内試験地(図1、2参照)
 秋田県にかほ市仁賀保高原風力発電所(秋田県にかほ市馬場)に隣接する市有地
※年間平均風速が7.1m/sであり、昭和基地の6.5m/sと類似している。また、冬期には北西の季節風が強く、昭和基地のブリザードに似た気象条件になり、雪粒によるブレードの摩耗や制御室内への雪の浸入および制御室によるスノードリフトの有無が確認できることから、試験地として選定した。

試験期間
 平成21年4月 - 平成22年8月頃(予定)

南極における実用化の目処
 国内接続試験が順調に進んだ場合、平成22年11月出発予定の南極観測船「しらせ」に積み込み、平成23年1月頃に第52次南極地域観測隊の手により南極の昭和基地に設置予定。平成23年2月より運用開始予定。1号機の運転状況が良好な場合、53次隊以降、合計で5機以上を建設予定。

風力発電機概要(図3参照)
 定格最大出力:20kW
 全高:12m
 全副:6.2m
 重量:6トン
 耐風速:80m/s
 制動方式(強風時の対策):空気圧駆動、ディスクブレーキ "


追加情報
南極に秋田製風力発電、順調に稼働 由利本荘・三栄機械が製造-----秋田魁新報、2016/02/19

" 産業機械製造の三栄機械(秋田県由利本荘市、斉藤民一社長)が設計、製造した風力発電機が2基、南極・昭和基地で稼働している。このうち1基は今月上旬に設置された。国立極地研究所(東京、極地研)は将来的に計5基を設置し、昭和基地の消費電力の6%程度を風力発電で賄う計画だ。.........."
 コメ-この風車、機械屋さんが作った風力発電機というイメージがずっとあり、設計が誰なのか知りたかったが、ようやくヒント。三栄機械。継続調査です。

南極・昭和基地内に風力発電装置 自然エネルギー活用-----日本経済新聞、2016/2/5
" 第57次南極地域観測隊は昭和基地内に風力発電装置..2号機。高さ約13メートル、幅約6.5メートルの小型発電機(最大出力20キロワット).."

極地研 南極で風力発電-----読売新聞、2014年08月01日

".....月間1500キロ・ワット時以上の電力を得られる見通し。稼働が順調なら、5台まで増やす構想もある。

 2011年出発の第53次南極観測隊で設置予定だったが、「しらせ」が2年連続で厚い氷に阻まれて昭和基地に接岸できず、今年1月まで資材を搬入できなかった。

 第53、54次と今年の第56次隊で設営を担当する同社の中村英明さん(43)は「2回も南極に行ったが、非常に悔しい思いをした。ようやく建設できることになりうれしい」と意欲を燃やす。風力発電は日時によって発電量がばらつくため、エネルギー備蓄の研究も進む。水を電気分解して水素を作るなどして、液体メチルシクロヘキサンとして貯蔵。電気が必要な時は、この液体から水素を取り出して使用が可能という.........."

・日本飛行機 : 産業機器

".....『縦軸型風力発電装置NWTシリーズ』は、5,10,20kWの3機種....."

Nippi_wind_turbine
-----image : 上記サイトより

南極(昭和基地)向け風力発電装置の設置工事のため、第53次南極観測隊員としてNIPPI社員1名が参加。-----日本飛行機、2011年7月1日

南極(昭和基地)向けの風力発電装置『NWT A-20』を受注。-----日本飛行機、2011年5月17日
20110511_ph01
-----image(”20kW縦軸型風車の試験稼動。20110511”) : 上記リリースより

" 2008年、NIPPIは国立極地研究所から風力発電装置の開発製造を受注し、極地の環境にも耐える『縦軸型風車NWT A-20』を開発しました。2009年3月から、南極昭和基地の環境に近い『秋田県にかほ市の仁賀保高原』で運用試験を開始し、約1年半の試験によって非常に良好な成果を得ました。この成果が高く評価され、2011年5月には正式に『南極(昭和基地)向け風力発電装置』を受注しました。
現在、2011年9月の納品、11月の昭和基地への運搬・設置(予定)に向けた最終調整を行っています。
航空宇宙機器開発・製造で培った空力設計技術を応用し、風向きに左右されず、過酷な環境下でも確かな性能を発揮する『縦軸型風車NWT A-20』は、再生可能エネルギーへの需要が高まる現在、国内外から大きな注目を浴びています。
.......... "

南極向け風力発電装置を受注(日本飛行機)-----川崎重工業、2011年05月17日


関連(製造会社情報を以下に追加しました。2009/4/16
プレスリリース / 日本飛行機、2008.12
・極地研殿から「20KW縦軸型風力発電装置」を受注[リンク切れにつきURL削除]

" 当社は環境保全に貢献出来る製品として10KWと20KWの縦軸型風力発電装置(NWT Aシリ-ズ)を開発・販売をして参りましたが、この度、情報・システム研究機構国立極地研究所殿から20KWの縦軸型風力発電装置1台を受注しました。
この風力発電装置は南極昭和基地での環境保全および化石燃料消費削減の目的から導入されるものですが、納入後は風速条件が昭和基地と類似している国内(秋田県にかほ市仁賀保高原)で試験を行う予定です。
試験を順調に終えた後、平成22年11月からは昭和基地に移設して運用を開始します。南極には複数台の増設が予定されており、運転が良好であれば、当該風力発電装置の採用される可能性が高まります。 "

コメント
 南極で利用される風力発電機ということで、より高い風速、ブリザードの中でも発電できるという仕様になると想像されます。テストサイトに選ばれた秋田県にかほ市仁賀保高原は、年間平均風速が7.1m/sで風雪の状況が南極に似ているということで選ばれたということです。より厳しい条件で運用できる小型風力発電機、垂直軸ですから、南極だけでなく、国内のさまざまなところで利用できるようにも思えます。すべて、独自開発なのか? どこ製なのか? 情報をご存知の方がいらしたら、是非教えてください。(t_t)

-----Googleサイト内検索 : 風力発電-----

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イベント 12/8 新エネルギーシンポジウム - 新エネルギー財団

-----イベント案内より-----要事前申込

" 目 的
「新エネルギー」に関心のある企業関係者を中心とした一般国民の方々を対象に、基調講演では、グローバルな視点から日本の現状と課題について、また、パネルディスカッションでは、太陽光発電システムの最先端技術や導入の現状、さらに将来展望について有益な議論を展開し、新エネルギー関連業界の活性化を図るとともに、新エネルギーの導入促進を目指します。
日程 平成20年12月8日(月)13:30~17:00(開場13:00)
場所 東京国際フォーラム ホールB7
http://www.t-i-forum.co.jp/function/map/index.html
対象 企業関係者及び一般国民の方々
内 容
13:30~13:35 開会挨拶:経済産業省資源エネルギー庁
13:35~14:30 基調講演:「グローバル時代、日本の課題」
政策研究大学院大学教授 黒川 清 氏
14:30~15:00 第13回新エネ大賞 表彰式
15:00~15:10 休憩
15:10~17:00 パネルディスカッション
テーマ「太陽光発電システムの将来展望(仮題)」
(地球温暖化対策の切り札の1つとして注目を集めている「太陽光発電」、来年度から補助金の復活も決まり、ますます導入促進が期待される「太陽光発電」の将来展望について、各分野の著名な方々によるディスカッションを行います。)
・コーディネーター 日経エコロジー編集長 神保 重紀 氏
・パネリスト
 東京工業大学統合研究院ソリューション研究機構 特任教授 黒川 浩助 氏
シャープ株式会社 ソーラーシステム事業本部 副本部長 佐賀 達男 氏
社団法人日本消費生活 アドバイザー・コンサルタント協会 常任理事 秋庭 悦子 氏
経済産業省資源エネルギー庁 新エネルギー対策課長 渡邊 昇治 氏
参加費 無料
(参加申し込みフォームへのリンク)
※応募多数の場合は抽選とさせて頂きます。ご了承下さい。 "

 以上、財団法人新エネルギー財団Newsより。

 詳細、お問い合わせは、イベント案内をご覧ください。

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北陸電力が風力発電の新たな購入条件に、「夜間の運転停止」??

 北陸電力が来年4月から募集する10万キロ・ワット分の風力発電に、夜間の運転停止という条件をつけたそうです。これにより約2割の発電が失われると見ることもできるようで、、、、なんとも情けない処置に見えます。電線網は、電力会社のものとすれば、確かに電力会社に購入条件の決定権はある。しかし、電線がそもそもどこを通っているのかをよーく考えるとその公共事業としての役割とそれゆえの行政的な厚遇状態も見えてくる。電線網はだれのものなのか? だれのものであるべきなのか? いまさらながらによーく考える必要がある。

クリッピング / YOMIURI ONLINE,2008年11月16日
風力発電参入上がる障壁

" 北陸電力は来年度、風力発電事業者からの電力購入で、深夜などに発電を止めることを応募条件に、初めて加えることを決めた。風力発電特有の不安定な出力に対応するのが目的だ。ただ、事業者側には収入減となるため、専門家は「地球温暖化の一翼を担う風力発電が先細りしかねない」と懸念している。
........ "

 まあ、電線網はだれのものなのか? なんてこだわりのない人にはとんちんかんな話を持ち出さなくても、この気候変動問題、エネルギー問題に国家的な対応、国民的な協力が必要なお時勢に、2割捨てろというのは、あまりにも情けない。
 そろそろマイクログリッドの日本で有効なシステム、最大限に地域のエネルギーを活用するシステムを考えないといけない。コスト高でも、安定しない電力といわれる風車の発電量の凸凹を安価に合理的に運用するシステムを作るのが早道なのかもしれない。発電量があまったときに、足りないときの穴埋めができるようなシステムとなると、蓄電池やフライホイール、水の電気分解などが考えられるのだろうが、、、、。過剰な設備はかえって風車の発展を阻害する。そもそもなぜ、日本の風車だけが、安定や電力質をかくまで要求されるのか?

 安定性や電力の質を人質にとられていると、なにやら本来の風車の目的が見えなくなる。日本は、自前の地域に広く薄く存在する再生可能エネルギーを利用する必要はないのですか? このことのための技術的なチャレンジに対応していく方法はないのでしょうか?

Windturbinepickensf001
-----image : "Wind Mind 2008"より

 なんかもっと工夫できる余地がありそうに思います。
 たとえば、

風力発電で発電し、"冷やす"= 電気の削減 オランダの「大型冷蔵システム運用プロジェクト」-----ソフトエネルギー、2007/03/08

 大型冷蔵施設の電力にまわし、電気を蓄電するのではなく、冷蔵という仕事として”蓄える”システムもオランダでは開発されています。電気の消費量>風力の発電量となるような施設や電力消費地は必ずみつかるはずです。ただし、それには、風車から地域の冷蔵施設に電力を融通できる法律的な整備も必要となります。いたずらに蓄電池で安定化させるという、コストがかかる方法や、今回のように「夜は買わない」ではなく、国全体で再生可能エネルギーの有効利用を進める道をさぐる必要がありそうです。(t_t)

参考エントリー

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有機色素による高性能色素増感型太陽電池を開発 / プレスリリース 産業技術総合開発機構

Fig1081119Fig2081119
-----image(pop up) & text : 産業技術総合開発機構、2008年11月19日発表より

" 次世代太陽電池として期待される色素増感型において光吸収材料に新規開発の有機色素(MK-2(注1))を採用。
従来型のルテニウム系のように希少金属を含まないため低コストで製造できるだけでなく、 高効率、高耐久性も実現した。
..........
 従来の色素増感太陽電池に用いられていたルテニウム錯体を使用しないため、希少金属であるルテニウムの資源的制約をクリアしています。またイオン液体電解液の使用により、低沸点の有機溶媒系電解液では耐久性が100時間以下であったものが、2000時間以上の耐久性を得ることに成功しました。

 更に、色素増感太陽電池(イオン液体電解液(注2)タイプ)としては世界最高レベルの変換効率7.6%(セル効率)の高効率を達成し、イオンゲル電解質(注3)タイプでも5.5%の効率を得ることに成功しており、革新的な太陽光発電技術として実用化が期待されます。
..........
1.研究成果概要
 環境負荷を低減する次世代太陽電池のひとつとして、色素増感太陽電池の実用化に向けた研究開発が活発になっています。しかし、従来型の色素増感太陽電池は希少金属であるルテニウム錯体を光吸収材料として用いるため、資源的制約による価格高騰が問題になると予測されます。また、揮発性の有機溶媒を含むヨウ素レドックス電解液(ヨウ素やヨウ化物イオンを含む)を用いており、セルの耐久性の向上が課題となっています。 
..........
2.競合技術への強み
1)
高効率:新規に設計・合成したMK-2色素とイオン液体電解液を組み合わせることで、7.6%の変換効率を達成しました(現在、イオン液体電解液を用いた色素増感太陽電池で世界最高レベル)。

2)
高耐久性:紫外線がカットされた擬似太陽光照射という比較的穏和な条件下では、十分な耐久性を有します。また難揮発性のイオン液体電解液を使用することで比較的高温下でも性能劣化の心配がありません(イオン液体の難揮発性が耐久性の向上に寄与)。

3) 資源的制約がない:希少金属であるルテニウムとは異なり、資源的制約の少ない有機材料を使用しています。

4) 低コスト:セルの作製方法が簡単で、材料も安価なことから低コストで製造できます。



Table081119
-----image(pop up ; ”表1.結晶系シリコン太陽電池(既存技術)と有機系色素増感太陽電池(本技術)との比較表”):同リリースよりキャプチャー画像

3.今後の展望
 エネルギー変換効率については、最終的にはセル効率18%、モジュールでは15%(結晶シリコン系の効率に相当)を目指します(NEDOの太陽光発電ロードマップPV2030における、色素増感太陽電池の2030年での目標値)。当面は屋内用途での早期実用化を目標として、さらなる効率や耐久性の向上を目指していく予定です。そのため、新規有機色素の分子設計と合成、イオン液体やゲル電解質の研究開発の他、新規の電極材料の開発についても連携企業と共同で研究開発に取り組んでいきます。 

 また実用化に向けて、大面積モジュール化技術等についても共同研究を進めていく予定です。 "

コメント
 色素増感型太陽電池の耐久性がアップするとのことですが、耐久性がアップしても、2000時間。それも露天ではなく、疑似太陽光での値ということですから、色素系が屋外の一般の家の屋根で利用というシーンを見ることができるのは、ずっと先のことのようです。一方で、アモルファス系の太陽電池との価格的な競争に打ち勝てば、新しい分野での利用も見えてくるのかもしれません。(t_t)

参考情報

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緑藻を利用したバイオ燃料製造が実用化に向けて Solix

 砂漠のような乾燥したところでも太陽の光さえあれば、、、まるで太陽光や熱発電のような書き出しですが、今回は緑藻を使った5エーカーの広さのバイオ燃料の生産工場が来年にコロラド州で建設する計画に資金のめどが立ったということです。5エーカーは、検索すると20,234.2821 m2、まあ20,234平方メートル、坪に直すと約6132坪(20.234ヘクタール)でよく云われる例え的には、東京ドームの半分ぐらいの大きさです。ただ、この計画は、このパイロットプラントを経過して、さらに広大な生産工場へとつながっていくだろうということです。いよいよ、Green Algae、緑藻からバイオ燃料という動きがより本格的な規模で開始されます。

クリッピング / NYTimes.com Green Inc. Blog,November 11, 2008
Colorado Company to Take Algae-Based Fuel to the Next Level

" A Colorado company will break ground early next year on an algae farm that is intended to produce thousands of gallons of substitutes for gasoline and diesel at a rate per acre far higher than current biofuel projects.

Solix Biofuels, of Fort Collins, said on Monday that it had raised $15.5 million in capital and would begin with a five-acre plot to produce “biocrude.’’ That will in turn be shipped to an oil refinery in place of crude oil, according to Douglas R. Henston, the company chief executive.
.......... "
-----

Solix Biofuels
Solixsite
-----image : Solix Biofuelsホームページキャプチャー画像


関連情報、記事
Oil from Algae: The Next Generation of Biofuel-----Colorado State University,December 2006-----プレスリリース / COLORADO STATE ENGINES LAB TEAMS WITH SOLIX BIOFUELS INC. TO MASS PRODUCE OIL FROM ALGAE AS DIESEL FUEL ALTERNATIVE

Inside Solix Labs

(Popscivideo,2007年06月08日)

Biofuel from Pond Scum-----VOA.com,22 January 2007

Solix and Colorado State University Commercializing New Algae-to-Biodiesel Process-----Green Car Congress,27 December 2006

コメント続き

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[PR]多結晶太陽電池モジュール SJJ 80 / 多結晶 80W 年末セールのご案内

Sjj80ap004withlogo

2009/3/5 ほぼ完売という状態です。品切れしだい終了となります。

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プロロジス、「プロロジスパーク座間Ⅰ」に太陽光発電システムを導入決定 / プレスリリース

Ph_081113
-----image(pop up ; ”「プロロジスパーク座間 I 」 完成予想図 (左側は計画中の「プロロジスパーク座間 II 」)”) : プロロジス、2008/11/13発表より

" 日本のプロロジスパーク初、屋根に計1メガワットのソーラーパネルを設置
物流施設専門の不動産開発会社プロロジス(日本本社: 東京都港区東新橋)は、このたび神奈川県座間市に開発中のマルチテナント型(複数企業向け)物流施設「プロロジスパーク座間 I 」において、発電出力1メガワットの太陽光発電システムを導入することが決定したと発表しました。

「プロロジスパーク座間 I 」は現在2009年5月の竣工に向けて開発を進めていますが、同施設の屋根部分の約半分(約12,000平方メートル)の範囲に太陽光発電システムを設置するものです。2009年4月から6月末にかけて設置工事を行い、7月より同システムの稼動を開始し、同施設内で使用される電力の一部を賄う計画です。なお、今回の太陽光発電装置の導入にあたっては資源エネルギー庁の「新エネルギー等事業者支援対策事業」としての申請が認められ、同庁より補助金が交付されることになっています。

プロロジスでは全世界でサステイナブル(持続可能)な施設開発に積極的に取り組んでいます。その一環としてすでにヨーロッパ(フランス、スペイン、ドイツ)と北米において施設に大規模な太陽光発電システムを導入していますが、日本では「プロロジスパーク座間 I 」への導入が初となります。

今回、「プロロジスパーク座間 I 」に導入される太陽光発電システムは、年間で一般家庭約280世帯分の年間消費電力に相当する約100万kWhの発電を見込む大規模なものです。また、この発電システム導入により、原油換算で年間246キロリットルの石油代替効果が期待でき、CO2の削減量に換算すると年間約328トンとなります。これは、東京ドーム約20個分の面積の森林が吸収するCO2に相当します。
.......... "

コメント
 さまざまな施設、設備の屋根に太陽電池ということが結構事例としても見られるようになってきました。しかし、屋根に計1メガワットは、かなり大きな設備です。一般家庭280世帯分とのことです。

 またしても検算。一般家庭280世帯分、1MWpの太陽電池。

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海流がバーに当たり引起す渦巻きの振動をエネルギーに変換する新機軸の発電システム Vortex Hydro Energy

 アメリカ版のWired Science : Tapping the Vortex for Green Energyを読んでから、ずっと気になっていたVortex Hydro Energy社の海流から上下振動のエネルギーを取り出し発電に結びつける技術。いつか調べようと考えていたが、今日まで時間がありませんでした。気がついたら、日本語版もアップされていたので、とりあえずメモがてらにアップしておきます。
 その仕組みは、同社のサイトに詳しい論文も掲載されています。関心のある方は、是非お読みください。

Vortex Hydro Energy / News / Vortex Hydro Energy LLC Technical Papers and Presentations
 / EFFECT OF FEE SURFACE ON VIV FOR ENERGY HARNESSING AT 8x10^3 < Re < 1.5x10^5

クリッピング / WIRED VISION,2008年10月31日
新発想の高効率な波力発電:水中の渦によるエネルギーを利用
----------

関連情報、動画
Vortex Hydro Energy - Open Water Test

(webbdavid415,2011/02/17)

University of michigan Engineering for the Marine Environment Staff : Professor Michael M. Bernitsas

VIVACE 22 seconds(Google Video
(Jul 12, 2007 現在は非公開扱いです。)

コメント続き 水中の渦によるエネルギーを利用し高効率な波力発電が実現できるという技術。プロペラ型の弊害をもたないものとしては、人工筋肉を使ったものを前に紹介しました。

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アメリカは、地熱エネルギーで世界をリードし、再生可能エネルギーへの道を牽引する

 アメリカ内務省が、その広大な管理地を地熱エネルギーの利用に供することを発表しました。アメリカのエネルギー政策で地熱が果たす役割への期待と可能性の認識を国として積極的に認め、具体的な計画に着手するということです。発表されたリリースによれば、アメリカは2005年の段階でほぼ16000GWhの設備容量に達し、再生可能エネルギーの中心となってきた水力にせまる貢献をなす存在まですでに育ちつつあります。そして、この傾向をさらに推し進めるだけの十分なエネルギー賦存量と技術的な可能性を認めていく方針を明らかにしています。

プレスリリース / U.S. Department of the Interior,Oct. 22, 2008
Kempthorne Launches Initiative to Spur Geothermal Energy and Power Generation on Federal Lands

" Secretary of the Interior Dirk Kempthorne today announced a plan to make more than 190 million acres of Federal land in 12 western states available for development of geothermal energy resources, an initiative that could increase electric generation capacity from geothermal resources ten times over.

“Geothermal energy will play a key role in powering America’s energy future,” Kempthorne said, “and 90 percent of our nation’s geothermal resources are found on Federal lands. Facilitating their leasing and development under environmentally sound regulations is crucial to supplying the secure, clean energy American homes and businesses need.”

Under the development scenario outlined in the plan ? known as the Final Geothermal Programmatic Environmental Impact Statement ? the initiative could produce 5,540 megawatts of new electric generation capacity from geothermal resources by 2015. That’s enough to meet the power needs of 5.5 million homes. The plan also estimates an additional 6,600 megawatts by 2025 for a total of 12,100 megawatts ? enough to power more than 12 million homes.

When put into action by a Record of Decision, the plan would identify about 118 million acres of Bureau of Land Management-managed public lands and 79 million acres of National Forest System lands for future geothermal leasing. It would provide a list of appropriate stipulations to be applied to leases and amend 122 Bureau of Land Management land use plans to allow for geothermal development.

Kempthorne noted the strong interest states, local communities, industry and environmental groups took in the development of this plan. “This process has benefited greatly from the involvement of both governmental and non-governmental stakeholders, and from the clear direction Congress gave in the 2005 Energy Policy Act,” the Secretary said. “It’s really a model for working together to make decisions about our energy future.”

The United States is already the world leader in generating electricity using geothermal energy, with about 16,000 gigawatt-hours of electricity generated in 2005. Almost half of this production and 90 percent of U.S. geothermal resources occur on Federal lands. (One megawatt of geothermal energy provides enough power to meet all the electricity needs of more than 1,000 homes. A gigawatt, which is 1000 megawatts, can power more than 1 million homes.)

Geothermal leasing revenues and royalties are shared with the States and counties where the leases are located, with 50 percent going to the State; 25 percent to the county and the remaining 25 percent to the Geothermal Royalty Fund of the Bureau of Land Management for investing in further geothermal planning and development.
.......... "

関連情報
Substantial Power Generation from Domestic Geothermal Resources-----USGS Releas : News,9/29/2008

"..........
The results of this assessment indicate that full development of the conventional, identified systems alone could expand geothermal power production by approximately 6,500 MWe, or about 260% of the currently installed geothermal total of more than 2500 MWe. The resource estimate for unconventional EGS is more than an order of magnitude larger than the combined estimates for both identified and undiscovered conventional geothermal resources and, if successfully developed, could provide an installed geothermal electric power generation capacity equivalent to about half of the currently installed electric power generating capacity in the United States.

"The results of this assessment point to a greater potential for geothermal power production than previous assessments," said Dirk Kempthorne, U.S. Secretary of the Interior. "Geothermal energy is not only a renewable resource, but could significantly contribute to our domestic energy resource base."

Results of this USGS assessment indicate that the power generation potential from identified geothermal systems range from 3,675 MWe (95% probability) to 16,457 MWe (5% probability); the power generation potential from undiscovered geothermal systems range from 7,917 MWe (95% probability) to 73,286 MWe (5% probability); and the power generation potential from Enhanced Geothermal Systems range from 345,100 MWe (95% probability) to 727,900 MWe (5% probability).

Geothermal energy is an extremely important but underutilized domestic, renewable energy resource. The nearly 15,000 Gigawatt-hours of geothermal power generated in 2005 constituted 25% of domestic nonhydroelectric renewable electric power generation (a little over 4,055,400 total Gigawatt-hours of electricity were produced in the United States in 2005).
.......... "

USGS : / Assessment of Moderate- and High-Temperature Geothermal Resources of the United States : Fact Sheet 2008-3082 PDF (7.6 MB)
Usgsteothermal2008factsheet
-----image : Fact Sheet 2008-3082カバー

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NODA Solar System FNCC-150 最大出力追尾型太陽電池専用コントローラー / 周辺機器

 最大出力追尾型の太陽電池専用コントローラーがNODA Solar System FNCC-150の登場です。NODA Solar Systemは、海外の太陽電池コントローラーが日本に普及する以前は、多くの太陽電池屋さんが扱う一般的な製品でした。その後海外の充電コントローラーの登場で、しばらく小社のラインナップからも消えていましたが、薄膜モノなどの太陽電池の特性に合わせた仕様の充電コントローラーFNCC-150として登場しました。
 太陽電池の充放電制御器の最大出力追尾型とは、例えばDC12V系では高すぎる電圧36Vから50Vなどの最大出力動作電圧の太陽電池をそのままでは使えませんが、適正な電圧に変換するとともに、電流値もあげ、出力Wを高い割合でキープし充電することを可能にする装置ということになります。で利用できる太陽電池は、最適充電動作電圧範囲18V - 50V(Vpm)のもので、DC12V環境で4A(計算上の最大は、200Wp)まで、DC24V環境で8A(計算上の最大は、400Wp)までとなります。充電電圧は、12V系密閉型バッテリー選択時で14.5V、開放型バッテリー選択時で15.0Vです。充電方式は、PWMとなります。
 さらに、負荷制御端子(過放電時に遮断)とライティングなどのタイマーを内蔵しています。

商品のご案内 / 自然エネルギー事業協同組合REXTAのblog,2008.11.04
FNCC-150 太陽電池専用コントローラー / 商品のご案内
Img_0861002s_3
-----image : 同リリースより
" NODA Solar System FNCC-150 太陽電池専用コントローラー販売のお知らせ
FNCC-150は、高電圧のCIS太陽電池から12V/24V系のバッテリーの電圧に変換を行い高い効率で充電することができるチャージコントローラーです。太陽電池の最大出力をそのままに、バッテリーを充電することができる、コンバーター方式の最大出力追尾型の充電コントローラーです。CIS太陽電池など高電圧の太陽電池での、独立系システムに最適です。
リレーなどの機械的接点を使わず、半導体により電圧を変換して、DC12VまたはDC24Vのシステム電圧のバッテリーシステムに最適化し、無駄なく充電することができます。従来のコントローラーの場合には、電圧変換を行いませんので、電圧が高い太陽電池の場合には、日射量に比例して変化する発電電流のみが充電量を左右することになり、太陽電池の出力を生かすことができない問題がありました。FNCC-150は、この問題を解決することができます。
充電方式は、初期はブート充電、その後はPWM定電圧充電を行います。
また、LOAD端子付きですので、負荷の過放電制御が行えます。過放電制御は、通常モードと夜間タイマーモードを切り替えることができます。タイマーは、日没検出30分後より日昇検出時間まで、任意の点灯時間を30分間隔で設定できます。LOAD端子には、過放電保護、さらには過電流保護、過熱保護回路が付属していますので、負荷とバッテリーの損傷を防止することができます。
システム電圧は、12V/24V選択できます。バッテリーの種類は、開放型(溶液あり)タイプと密閉型(ゲルセルなど)を選択できます。(いずれもご注文時にご指定ください。なお、後日変更可能です。)

製造   NODA Solar System
販売   自然エネルギー事業協同組合REXTA
 お求めは、レクスタ加盟各社までお願いいたします。
.......... "

コメント続き

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太陽電池は薄くなる! Silicon Genesis社の125mm角150um厚セルの登場

 太陽電池は、ますます薄くなる! Silicon Genesis社が開発し取り組む太陽電池セルの厚さはたった150um(マイクロミリメートル)だ。サイズは、125mm角のなじみのサイズだということです。パイロットプラントを完成させ、2009年春からサンプル出荷ということです。薄くなり、セルの削りだし巾まで削減し、トータルにシリコン太陽電池の製造効率を大幅に向上させることができるということです。

プレスリリース / Silicon Genesis,11/6/08
Silicon Genesis New Facility Starts Production of 150um "Kerf-free" PV Wafers-----Businesswire版リリース
Segen150umcell
-----image : 同リリース(pdf)版より

" Pilot line to provide innovative PolyMax. thin-PV substrates
Silicon Genesis, a leader in process and technology for engineered substrates announced today that it has started production of the first ever kerf-free 150um solar-cell substrates at its new solar development and pilot production facility. Located in San Jose, California, the facility includes over 50,000 square feet of specially designed space to house the company’s PolyMax pilot and prototype high-volume manufacturing equipment.
SiGen’s pilot line started producing 150um thick, full size 125mm wafers and will soon be manufacturing 156mm wafers. The expanded pilot line will be used to produce substrate samples and further develop the PolyMax high-volume manufacturing equipment to efficiently convert silicon ingots into thin silicon wafers ranging from 150um to 50um in thickness. The move to a larger facility will enable the company to better ramp up production of innovative PolyMax thin-PV substrates. The new facility represents SiGen’s continuous efforts
to bring the pilot line to sample production by spring 2009.
The production of 150um thick wafers will allow immediate adoption by PV cell manufacturers using existing processes and automation. The kerf-free nature of the PolyMax system will allow a first-order cost savings in cell manufacturing and halve the silicon feedstock material required to manufacture the same amount of MW capacity per year.
.......... "

関連記事
太陽電池用150umウエハー製造開始=米シリコン・ジェネシス〔BW〕-----時事ドットコム、2008/11/10

コメント
 さらに、Silicon Genesis社では、50umのセルも開発し、実験室レベルでの生産技術に目処をつけています。ますます薄くなる結晶系の太陽電池、塗膜的な薄膜の太陽電池に肉薄していきそうです。(t_t)

参考記事

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離陸しはじめた集光型太陽電池、太陽光発電システム SolFocus

 SolFocus社の集光型太陽光発電システムがアメリカやスペインで大型案件の建設を成約させ話題になっています。SolFocus社といえば、ゼロックスのパロアルト研究所が開発したものとして過去に話題になり、実用化にもっとも近い集光型太陽電池システムとして注目を集めてきました。

集光型太陽電池の可能性-----ソフトエネルギー、2006/06/09

 そして、同社はついに10MWを越えたシステムをスペインで建設する計画を成約させ、集光型太陽電池のパイオニアとして次のステップに向けて動きはじめました。そしてカリフォルニアなどでも大型案件の計画がもちあがっているようです。


プレスリリース / SolFocus,November 3, 2008
SolFocus and EMPE Solar Sign $103 Million Deal for 10+MW UtilityScale
Project

" Largest CPV Deal in EU with Generation Capacity to Power City of 40,000 Residents
SolFocus, a provider of concentrator photovoltaic (CPV) solar energy solutions, today announced the signing of a $103 million (.80M) agreement with EMPE Solar to install over 10 megawatts (MW) of CPV solar energy projects in several sites across southern Spain by the end of 2010. SolFocus’ CPV systems use a proven combination of high‐efficiency PV cells and advanced optics to provide high solar energy yields at competitive costs for commercial, industrial, and utility applications. This project will be the largest deployment of CPV technology in Europe, and will be capable of meeting the domestic energy requirements for a city of approximately 40,000 residents.
.......... "

Solfocus_3
-----image : SolFocus社サイトキャプチャー画像-----SolFocus : Concentrator Photovoltaics (CPV) Systems

関連記事、情報
SolFocus Installing World’s Largest Concentrated Solar Project in Spain-----Cleantechnica.com,November 3rd, 20085 CommentsPosted

Energy COOL: SolFocus and Three Critical Rs-----Get Energy Smart! NOW!!!,March 10th, 2008

SolFocus-PARC Collaborate on Concentrator PV-----The Energy Blog,February 19, 2006

Parc Research : Concenrator PV (CPV) Concentrator Photovoltaics

コメント続き
 ところで、SolFocusの集光型太陽光発電システムのコストは、今回の規模ですでに薄膜より安いということですから、今後さらなる投資が行われることでさらにメリットがでてきそうです。エネルギーペイバックタイプは、厳密な計算がすでにされています。1.5年未満ということです。当初、集光型を相手にしてなかった太陽電池屋さんや、途中で断念した開発計画もあります。それらを尻目に、確実な地歩ならしを行ってきているのがSolFocus社です。
 さらに、他社でも集光型の市場への投入がいくつか行われています。集光型の太陽電池の可能性の情報集めも充実してきそうです。(t_t)

関連エントリー

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ベンチャーKANSAI 太陽光発電コスト、原子力並み可能 / クリッピング NIKKEI NET

".....「急加速するエネルギー革新」と題した同日のシンポジウムでは、太陽光発電などの発電コストを2030年までに原子力発電並みに引き下げられるとの認識で一致した。..... "
-----NIKKEI NET,2008/11/6

関連
ベンチャー 2008 KANSAI

コメント
 まさに! こうした機運を関西だけでなく、日本全体で持ち、育てていくことができます。

 そして、この道程は、実はかなり2030年というタイムテーブルでは、実現可能と複数の団体やそして研究者がうたっているものです。たとえば、NEDOにはNEDO PV2030があります。

NEDO :「2030年に向けた太陽光発電ロードマップ(PV2030)」について / ◇ロードマップの概要版 和文版【PDF】、英語版【PDF】

 上は、4年前のもので、20年版(来年発行予定)では、2030年に原発並というタイムテーブルは、海外などでの開発状況を考えると、前倒し必至と思われます。

「戦略策定調査事業 2030年に向けた太陽光発電ロードマップ(PV2030)見直しに関する調査」に係る委託先の決定について -----NEDO,平成20年8月29日

 さらに、海外の情報、今回は原文へのリンクは避けますが、結構有力なソースによれば、2020年にモジュールの製造単価で、35円/W程度の数字がでてきています。GWクラスの工場が前提となっていますが、そうでないもっと小さな規模の生産でも同じくらいの数字なら探すことができます。2030年の原子力並が、現段階で、<50 円/Wが2030年の国内の目標数値なので、今後の技術開発と量産効果が見込めれば、全世界の電力の10%どころか20%程度を賄うエネルギー源の可能性さえみてきます。地震国で原子力という無理難題に挑むのと、この太陽電池の無理難題に挑むのと、私にとっての答えは、後者ですが、議論的には両方の流れに十分な投資を行うことです。

 Yes ! We can. つーことでしょう!(t_t)

MEMO
・2030年に向けた新エネルギー政策のあり方と技術について(平成19年10月4日
資源エネルギー庁、リンクなし)

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イベント 11/15 市民エネルギーシンポジウム2008 -大竹財団

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-----イベント案内より-----ポスターイメージも、(要事前申し込み)
" 環境に負荷をかけないエネルギー社会をめざして

世界では再生可能エネルギーが地球温暖化対策にもっとも有効な手段として導入にはめざましいものがあります。一方、日本では2010年の目標が達成できない現状のなかで、今年6月、サミットを前に出された「低炭素社会・日本をめざして」(通称・福田ヴィジョン)において、導入の具体的な政策や道筋は示されませんでした。再生可能エネルギーの導入数値は極めて低く、取ってつけたような太陽光発電への補助金程度だけでは、将来を見据えた政策とはいえません。
今回の「市民エネルギーシンポジウム」のテーマは、大幅な再生可能エネルギー導入。具体的な提案を示します。当てにならない原子力発電に注ぎ込む莫大な一般会計や特別会計の経費こそムダ。未来世代のためにも一刻も早く再生可能エネルギー普及の大幅導入政策に取り組むよう舵を切って具体的な政策作りに取り組むべきです。


日  時: 2008年11月15日(土)13:30~16:50(13:10開場)
会  場: 総評会館201会議室
      東京都千代田区神田駿河台3-2-11/TEL- 略 -
主  催: 財団法人大竹財団
      市民エネルギー研究所(PRIEE)
参 加 費: 当日1000円/予約800円(大竹財団会員、学生は無料)
予約方法: 大竹財団ホームページ(このページの下方に予約フォームがあります)
      市民エネルギー研究所ホームページ(http://www.priee.org)
      またはお電話(-略-)にてお申し込みください。

【内 容】
・政府の「低炭素社会・日本をめざして(福田ヴィジョン)」政策の問題点
 小泉 好延 (市民エネルギー研究所)
・現場からの問題提起 ~ NEDOの大型太陽光発電
 井田 均 (市民エネルギー研究所)
・風力発電の市場と風車メーカーの現状と動向
 須藤 豊(日本風力開発株式会社執行委員 業務本部副本部長)
・太陽発電の今後と可能性 ~太陽光発電・ソーラーバイオマス
 蒲谷 昌生(季刊「ソーラーシステム」編集・発行人)
・2020年・2030年までの実現可能なエネルギー需給予測
 大東 断(市民エネルギー研究所)
・シンポジウム「これからの社会に向けて ~私たちが望む2050年とは」

ご予約・お問い合わせ: 財団法人大竹財団 "

 詳細、お問い合わせは、イベント案内をご覧ください。

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米国カリフォルニア州の果樹園に、1.2MWの太陽電池モジュールを納入 / プレスリリース 三菱電機

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-----image & text : 三菱電機、2008年10月28日発表より-----E

" 米国リモネイラ社果樹園向け太陽電池モジュール納入のお知らせ
三菱電機株式会社(執行役社長:下村 節宏)は、1.2MW(メガワット)の無鉛はんだ太陽電池モジュール※1を、レモンなどのかんきつ類を栽培・販売する米国のリモネイラ社(Limoneira Company、本社:カリフォルニア州ベンチュラ郡、社長兼最高経営責任者:Harold Edwards)の果樹園向けに納入しましたのでお知らせします。総設置面積は東京ドーム約2分の1の広さにあたる約22,260m2です。
※1: モジュールの鉛使用量がゼロ(0g)で、製品自体の環境への負荷を低減したモジュール

納入の概要
製品   無鉛はんだ 太陽電池モジュール 6,400枚
     (PV-UD185MF5)
納入先  リモネイラ社所有の果樹園 ※2
納入時期  2008年10月
据付会社  パペチュアル・パワー社(Perpetual Power)
設置容量  1.2 MW(1200 kW)
総設置面積 約22,260m2
期待年間発電電力量 2,000,000 kWh
※2: 所在地:カリフォルニア州サンタ・ポーラ市

背景
 米国では、原油価格高騰に伴うエネルギーコストの上昇や、環境貢献意識の向上などから、製造業や小売業を中心とした商業分野で太陽光発電システムの導入が急速に伸びています。
 日本にもレモンなどを輸出しているリモネイラ社では、中長期的視野に立って財務面での健全性を向上させ、環境面での負荷を軽減するため、非再生可能エネルギーへの依存度を下げることとし、総電力使用量の約3分の1に相当する発電量が期待できる太陽光発電システムを導入しました。導入に際して、環境面での負荷軽減を重視するリモネイラ社は、製品自体の環境負荷が小さい当社の無鉛はんだ太陽電池モジュールを高く評価し、納入につながりました。

設置状況
 太陽電池の周囲には草木が植えられており、砂埃がモジュール表面に堆積して発電量が低下するのを抑制します。草木は羊に食べさせて、太陽光を遮らない高さに維持されます。
 果樹園の来訪者が太陽電池を見学できるデッキも併設されています。
.......... "

関連
Company's 'solar orchard' will generate electricity -----Limoneira Company,10/28/08

Historic Solar Orchard Unveiled In Ventura County-----keyt.com News

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豪研究機関が結晶系の太陽電池で最高の変換効率を達成

 結晶系の太陽電池の理論的な最高効率が29%だって知ってました。もう少し上だと記憶していたのですが、、、。
このほどオーストラリアのUNSW(University of New South Wales) School of Photovoltaics が25%の太陽電池セルの開発に成功したと発表しました。最高効率にまた一歩近づきました。

UNSW(University of New South Wales) School of Photovoltaics /
  / ARC Photovoltaic Centre of Excellence

" Announcements
UNSW Photovoltaics Centre of Excellence recognized for world record 25% conversion efficiency
28 October 2008
With the International Electrochemical Commission’s adjustment of the internationally recognized solar spectrum the Centre has now achieved 25% conversion efficiency. For more information see the Sydney Morning Herald article here or to listen to the ABC Radio National Science Show's interview with Prof. Green click here. "

Making Solar Mainstream

(unsw,2008年08月11日)----25%セルについては触れられていませんが、研究の様子がわかります。

関連記事
World's most efficient solar cells created-----Sciencealert,24 October 2008

 次世代の薄膜モノに太陽電池の話題は完全にはシフトせず、いくつかのメーカーと研究機関は、信頼性と実績のあるシリコン系でシリコン次世代をめざす研究を続けています。変換効率があがると、コストと設置面積が縮小します。未利用な土地の面積が日本のように限られている場合、高い変換効率をもつことは重要な要素であるといえます。

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ドイツ、洋上風力発電所のテストプラントを建設、陸地から海へと風車の可能性を広げる

 ドイツが、5MWの洋上風力発電機の実験プラントを建設し、国をあげてさらに風力発電に国のエネルギーの確保の可能性を広げようとしています。今回のものは、実験プラントとはいえ、すでに北海における本格的な建設計画には、来年の春にもとりかかるということです。建設されたBARD Engineering社の5MWの大型風力発電システム「BARD VM」は、翼の直径が122mにもなる巨大なものです。定格出力は、プロトタイプで風速12.5 m/ sの時に、5MWとなります。

BARD Engineering : Projects
Hooksiel
/ Products
Wind energy Converters

".....‘BARD VM’ - Technical data
Rotor diameter 122 m
.....
‘BARD VM’ - Tower
Type Steel pipe tower
Hub height onshore prototype 90 m
Hub height offshore 90 m
.....
‘BARD VM’ - Generator
Nominal capacity (elect. outlet) 5,276.2 kW
..... "

Birdengineeringmz1
-----image : BARD-Magazin als PDF Download (1,5 MB)カバー、Aktuelles 21.09.2007 Mitarbeiterzeitschrift der BARD-Gruppe erschienenより

Mitarbeiterzeitschrift der BARD-Gruppe erschienen "target="_blank">より

関連記事
ドイツ、初の洋上風力発電所を稼働-----AFP BB News,

Germany - International Development in the Offshore Sector ? key subject at HUSUM WindEnergy 2008 : HUSUM WindEnergy 2008-----Windfair.net

Made in Germany | Offshore Energy: Germany Plans Wind Parks on the Open Sea

(deutschewelleenglish,2008年09月25日)

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