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結局太陽電池のコストは、量産能力と電力用太陽電池製造ラインのパッケージ化によるギガワット工場の登場待ちか?

数ある太陽電池ベンチャーのさまざまな動きの中で、昔から資金調達で定評のあるKonarka Technologiesが最近打ち出した方向性は、ギガワットファームによる量産効果をいかに達成するかということです。日本のメーカーがこだわって展開している技術力に関しても、太陽電池の製造工程をまるごとパッケージにするという内外の半導体製造技術の販売網の前に、きびしい競争をつきつけているようです。

米Konarka Technologies社が完成すれば1GWの薄膜”プラスチック太陽電池”の製造が可能になる工場敷地を確保-----ソフトエネルギー、2008/10/16

201X年に太陽電池の価格を半値にという日本政府の目標ですが、結局はどこが信頼性があるギガワットの生産ラインをそろえて世界市場に攻勢をかけるかという、販売網とシェアでのしごくまっとうな競争の時代に入ってきたようです。当然勢いのあるヨーロッパでの展開は、世界的なネットワークの構築につながり、ヨーロッパから北米、アジア地域での争いを2010年というごくごく近未来のバトルに備えているという印象です。国内各社の製造ラインの充実も急ピッチで進んでいます。

 まずはヨーロッパのギガワット工場、"gigawatt" fabから、ドイツの太陽電池メーカーのQセルズの躍進をささえているのは、逆説的に太陽電池という製品をもたず、生産ラインを獲得していった結果だと言われています。太陽電池の製造技術は、もっているところから買えばいいという考え方です。この考え方は、そのまま中国、インドの新規の太陽光発電メーカーに引き継げられ、日本以外の太陽電池屋さんの世界は、かなり多国籍、無国籍化しています。

PV production: The dawn of the "gigawatt" fab-----Solarserver,08/11/2008

 上の記事でも紹介されているApplied Materialsの製造ラインは、次々と中国の企業が導入したことで、話題を呼びました。最新の太陽電池製造マシーンが生み出す太陽電池の大きさは、なんと、2.2*2.6mで、5.7平方メートルに達します。まさに日本で話題のメガソーラー発電所など大型太陽光発電所をねらい、いっきに設置工事全体の価格も含めてコストダウンを可能にする太陽電池です。他のラインメーカーもあるのですが、この大きさがなんとも、、ということでクリッピング。

Applied Materials / Applied SunFab Thin Film Line
Sunfab5_7sqmm2module
-----image(pop up) : Applied SunFab Thin Film Line Brochures : Applied SunFab Thin Film Line よりキャプチャー画像

 まあ、こんなでかいと日本には向かないという人もいるでしょうが、別に小さいほうはこれまでのラインで作ればいいわけですし、原材料からの一貫しての工程で共通で使える部分もあるでしょうから、量産効果も生きてくるでしょうし、工場全体で収益をあげ、さまざまな太陽電池モジュールでの販売シェアの拡大戦略が練られているでしょう。
 こんな量とパッケージ戦略の世界の動きを前に、メディアでは、日本の生き残る道として、より高い技術への期待がこめられているものがあります。そんな中で、Reutersの記事は大いに参考になりました。

太陽電池特集:大競争開始、海外に抜かれる「元祖」日本-----Reuters,2008年10月23日
太陽電池特集:主導権握る装置メーカー、高度化が生き残りのカギ-----Reuters,2008年10月24日

参考エントリー
革新型太陽電池国際研究拠点について / プレスリリース 経済産業省-----ソフトエネルギー、2008/07/09

追加情報・関連エントリー
コニカミノルタ、有機薄膜太陽電池の米コナルカテクノロジー Konarka Technologiesと資本・業務提携-----ソフトエネルギー、2010/03/04

Applied MaterialsのSunfam、巨大太陽電池製造工場+そして設置-----自然エネルギー、2009/09/17



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