« 2008年9月 | トップページ | 2008年11月 »

太陽電池「技術優位」の日本 世界市場で出遅れる訳 / クリッピング J-CAST テレビウォッチ 私見「クローズアップ現代」

" ...........技術はトップにありながら、世界市場での「出遅れ感」が気になる。社会全体が太陽電池の将来性をどれだけ認識しているか、もあるかもしれない。 "
-----J-CAST テレビウォッチ 私見「クローズアップ現代」,2008/10/23

コメント
 クローズアップ現代の3回シリーズ、”シリーズ日本の“技術力”を活(い)かせ”の一回目は、見ることができたが、肝心の2回目の太陽電池を見逃してしまいました。残念に思っていたら、J-CASTのヤンヤンさんのコメント、

”社会全体が太陽電池の将来性をどれだけ認識しているか?”

 を見つけました。

 このコメントににこの番組の肝を見ることができたような気がします。裏返せば、なぜスペインをはじめとするヨーロッパが気候変動とエネルギー問題にこれほど、現実的な危機感を強めているのか? ということなのでしょう。
 ただ、再生可能エネルギーの分野の普及に貢献するとされるフィード・イン・タリフ(Wikipedia : 固定価格買い取り制度)を単純に日本でも導入できない、したくない政治、関係省庁の動きを見ていると、再生可能エネルギーの分野に普通の方よりも思い入れが大きい立場としては、問題を複雑化させているもっと別の理由を考えてしまいます。

- 根本的な問題から国民の目をそらし、そのことで利益を得る、巨悪とか化け物がどこかに巣くっている?” -

 しかし、年金、老人医療関連のさまざまな問題、食の安全などの問題で関係省庁などに政治の監視、主導権がおよばず長い年月をかけて制度疲労を起こし、官僚にはそれを正す権限もエネルギーもないということで、放置されているという、妙に納得できる人の意見を聞くと、複雑化させている別の理由は、実は化け物ではなく、疲弊した官僚依存の国の体質にあるということになるのかもしれません。そうなると、話は単純ながら恐ろしい現実です。

 ところで、再生可能エネルギーがなぜ日本で普及しないかという問題にもからんで、地震に関して気になっています。考えれば、今後30年以内に震度6弱以上の地震に見舞われる確率が26%以上の地域への対策すら十分でないこの国の安全保障は政治の世界では崩壊しているのです。カントリーリスクでは、エネルギー、気候変動をはるかにしのぐ危機を目前にかかえるこの国で、この地震への対応は大きな政治問題化してもおかしくないのですが、、、
 太陽電池から脱線したかにみえますが、世界の危機管理の枠組みと個々の国の危機管理、安全保障への配慮には、それぞれの国の立地、環境、つまり風土を考え、国際社会でその利害を主張するのでなければナンセンスです。政治には、解釈と必要ならば国民が直視したくない問題に耳目を集める努力が必要だと思います。気候変動とエネルギー問題を口にする政治家はいても、首都圏地震を”高い確率で発生する未曾有の国難”として口にする政治家は見当たらないように思います。
 この国で危機に瀕しているのは、現状認識という基本なのかもしれません。太陽電池は、基幹のエネルギー源ではありません。現状の技術、コスト開発の速度では10%程度を目標に、さらに他の再生可能エネルギーも組み合わせて数割、省エネ努力と化石燃料の効率的な利用などの技術でしのぐべき問題だと考えています。
 ただ、地震崩壊後の首都圏でシステムの考え方しだいでは、太陽光発電所は普及可能な電源として機能できる可能性が高いということは書いておきます。
 総合的に国を語れる政治家をいまだ見つけていません。残念です。(t_t)

参考エントリー

続きを読む "太陽電池「技術優位」の日本 世界市場で出遅れる訳 / クリッピング J-CAST テレビウォッチ 私見「クローズアップ現代」"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

オランダで世界最大のバイオマス発電プラント始動。国内の三分の一量の鶏糞で90,000戸分の電力を供給

 オランダで世界最大か最大規模の鶏糞を使ったバイオマス発電所が完成しました。年間の処理能力は、440,000トンで、これは、オランダで生み出されていた鶏糞の三分の一の量に匹敵するということです。

プレスリリース / BMC Moerdijk, 3 september 2008
from litter to electricity
Bmcsite
-----image : ホームページキャプチャー画像

" Wednesday 3 September will see the official opening of DELTA’s biomass power plant in Moerdijk, The Netherlands, by the Minister of Agriculture Gerda Verburg. The facility is the largest of its kind in the world and the first power station on the European continent to produce renewable electricity from poultry litter on such a large scale. It will bring renewable electricity to 90,000 households.
.......... "

関連記事、情報
Dutch Biomass Plant to Use Chicken Manure to Power 90,000 Homes-----TreeHugger,09. 8.08(ソース)

World's largest biomass plant running on chicken manure online in the Netherlands-----Checkbiotech.org,
September 3, 2008

DELTA.nl

コメント
 しかし、かなりおおがかりな施設です。建設の様子の写真の公開されています。オランダでどのくらいの鶏糞が年間にできるか、なんて量の話は今回はじめて知りました。以前、オーストラリアで豚数万頭のバイオマス資源を利用する施設の話は聞いたことがあったのですが、それって何トンの規模だったのだろうか? 日本では鶏糞は肥料として利用されているので、そのまま導入という技術でもないが、豚や牛の糞の処理へ応用できるのなら、是非検討していただきたい技術です。(t_t)

続きを読む "オランダで世界最大のバイオマス発電プラント始動。国内の三分の一量の鶏糞で90,000戸分の電力を供給"

| | コメント (1) | トラックバック (0)

イベント 11/29 新エネルギーフォーラム 2008  - 小水力を利用した新しい地域社会 -

-----イベント案内より-----(要事前申込、11/15締切)

" 富山県小水力利用推進協議会では、富山県、富山市、(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)関西支部との共催で下記の通りフォーラムを開催致します。皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。詳細はチラシ(forum2008.pdf)をご覧ください。
Eventtoyamamycrohydro
-----image : チラシキャプチャー画像
場所 富山テクノホール 2F 会議室
日時 平成 20 年 11 月 29 日(土)13時 ~ 17時30分
参加費 無料(先着 200 名)
※参加申込用紙(新エネルギーフォーラム2008 裏(5).pdf)にご記入の上、11/15(土)までにお申し込みください。
主催
富山県、富山市、(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構 (NEDO) 関西支部、富山県小水力利用推進協議会
後援
農林水産省北陸農政局、経済産業省中部経済産業局、国土交通省北陸地方整備局、(財)とやま環境財団 "

 詳細、お問い合わせ(チラシならびに申し込み用紙pdfの入手)は、イベント案内をご覧ください。

続きを読む "イベント 11/29 新エネルギーフォーラム 2008  - 小水力を利用した新しい地域社会 -"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

結局太陽電池のコストは、量産能力と電力用太陽電池製造ラインのパッケージ化によるギガワット工場の登場待ちか?

数ある太陽電池ベンチャーのさまざまな動きの中で、昔から資金調達で定評のあるKonarka Technologiesが最近打ち出した方向性は、ギガワットファームによる量産効果をいかに達成するかということです。日本のメーカーがこだわって展開している技術力に関しても、太陽電池の製造工程をまるごとパッケージにするという内外の半導体製造技術の販売網の前に、きびしい競争をつきつけているようです。

米Konarka Technologies社が完成すれば1GWの薄膜”プラスチック太陽電池”の製造が可能になる工場敷地を確保-----ソフトエネルギー、2008/10/16

201X年に太陽電池の価格を半値にという日本政府の目標ですが、結局はどこが信頼性があるギガワットの生産ラインをそろえて世界市場に攻勢をかけるかという、販売網とシェアでのしごくまっとうな競争の時代に入ってきたようです。当然勢いのあるヨーロッパでの展開は、世界的なネットワークの構築につながり、ヨーロッパから北米、アジア地域での争いを2010年というごくごく近未来のバトルに備えているという印象です。国内各社の製造ラインの充実も急ピッチで進んでいます。

 まずはヨーロッパのギガワット工場、"gigawatt" fabから、ドイツの太陽電池メーカーのQセルズの躍進をささえているのは、逆説的に太陽電池という製品をもたず、生産ラインを獲得していった結果だと言われています。太陽電池の製造技術は、もっているところから買えばいいという考え方です。この考え方は、そのまま中国、インドの新規の太陽光発電メーカーに引き継げられ、日本以外の太陽電池屋さんの世界は、かなり多国籍、無国籍化しています。

PV production: The dawn of the "gigawatt" fab-----Solarserver,08/11/2008

 上の記事でも紹介されているApplied Materialsの製造ラインは、次々と中国の企業が導入したことで、話題を呼びました。最新の太陽電池製造マシーンが生み出す太陽電池の大きさは、なんと、2.2*2.6mで、5.7平方メートルに達します。まさに日本で話題のメガソーラー発電所など大型太陽光発電所をねらい、いっきに設置工事全体の価格も含めてコストダウンを可能にする太陽電池です。他のラインメーカーもあるのですが、この大きさがなんとも、、ということでクリッピング。

Applied Materials / Applied SunFab Thin Film Line
Sunfab5_7sqmm2module
-----image(pop up) : Applied SunFab Thin Film Line Brochures : Applied SunFab Thin Film Line よりキャプチャー画像

 まあ、こんなでかいと日本には向かないという人もいるでしょうが、別に小さいほうはこれまでのラインで作ればいいわけですし、原材料からの一貫しての工程で共通で使える部分もあるでしょうから、量産効果も生きてくるでしょうし、工場全体で収益をあげ、さまざまな太陽電池モジュールでの販売シェアの拡大戦略が練られているでしょう。
 こんな量とパッケージ戦略の世界の動きを前に、メディアでは、日本の生き残る道として、より高い技術への期待がこめられているものがあります。そんな中で、Reutersの記事は大いに参考になりました。

太陽電池特集:大競争開始、海外に抜かれる「元祖」日本-----Reuters,2008年10月23日
太陽電池特集:主導権握る装置メーカー、高度化が生き残りのカギ-----Reuters,2008年10月24日

参考エントリー
革新型太陽電池国際研究拠点について / プレスリリース 経済産業省-----ソフトエネルギー、2008/07/09

追加情報・関連エントリー
コニカミノルタ、有機薄膜太陽電池の米コナルカテクノロジー Konarka Technologiesと資本・業務提携-----ソフトエネルギー、2010/03/04

Applied MaterialsのSunfam、巨大太陽電池製造工場+そして設置-----自然エネルギー、2009/09/17

続きを読む "結局太陽電池のコストは、量産能力と電力用太陽電池製造ラインのパッケージ化によるギガワット工場の登場待ちか?"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

川崎市と東京電力が合計20MWの太陽光発電所建設計画を発表

 このところ日本各地で、大型太陽光発電所の建設計画が発表されています。今回は、川崎市と東京電力が二箇所で合計20MW(20,000kW)の太陽光発電所とPR館の建設を発表しました。世界的に大型案件の建設が目白押しという中で、この日本の動きは、国内における太陽電池の導入量の底上げにつながると期待されています。

プレスリリース / 川崎市、東京電力、平成20年10月20日
Megasolartemco_n_kawasaki
-----image : 同リリース添付資料「川崎市臨海部におけるメガソーラー発電の設置計画の概要(PDF 140KB)」キャプチャー画像
川崎市臨海部におけるメガソーラー発電の設置計画について

" ~2地点の合計出力が約2万kWとなる国内最大級の太陽光発電所を建設~
 川崎市(川崎市長:阿部孝夫)と東京電力株式会社(取締役社長:清水正孝)は、本日、神奈川県川崎市の浮島、扇島地点において、合計出力約2万kWの太陽光発電所を建設するメガソーラー計画を共同で進めていくことについて合意いたしました。

 本計画は、平成23年度の運転開始を目指し、川崎市と東京電力が共同で進めていくもので、川崎市は、太陽光発電所の一部土地の提供をはじめ、本計画を通じた太陽光発電の普及啓発活動を推進し、東京電力は、電力供給設備としての太陽
光発電所の建設・運転を担います。具体的な計画内容は以下のとおりです。
 ○浮島太陽光発電所(仮称)
  川崎市が所有する浮島1期廃棄物埋立処分地における、出力約7,000kWの太陽光発電所
 ○扇島太陽光発電所(仮称)
  東京電力が所有する土地における、出力約13,000kWの太陽光発電所
 ○太陽光発電等PR施設(仮称)
  川崎市が浮島処理センター内で運営する、川崎市民の皆さまをはじめ、広く社会の皆さまへ太陽光発電等の普及啓発活動を行うためのPR施設

 上記2発電所の合計出力約2万kWは、太陽光発電所としては国内最大級となり、年間の発電電力量は一般家庭約5,900軒分の年間使用電力量に相当する約2,100万kWhを見込んでおります。なお、これによるCO2排出量削減効果は年間約8,900tとなる見込みです。
.......... "

コメント
 今回の計画は、羽田空港にも近い沿岸地域ということで、その大きさから機上へのアピールも可能ということで、大きな宣伝効果が見込まれているそうです。唯一の宣伝ということでなく、第二、段三、、、日本全体の動きにつながっていくといいですね。(t_t)

ガイドマップかわさき : 浮島公園-----Yahoo!地図 :神奈川県川崎市川崎区浮島町周辺

Yahoo!地図 : 神奈川県川崎市川崎区扇島周辺の地図

追加情報
「浮島太陽光発電所」の運転開始について~川崎市臨海部における国内最大級のメガソーラー計画の推進~-----東京電力、平成23年8月10日

いよいよ、川崎の7MW浮島太陽光発電所と13MW扇島太陽光発電所ができてきました-----自然エネルギー、2011/01/18

発電パネル10万枚 国内最大級メガソーラー着々 川崎-----asahi.com,2011年1月13日


参考エントリー

続きを読む "川崎市と東京電力が合計20MWの太陽光発電所建設計画を発表"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

英Carbon Trustが、世界最大の緑藻によるバイオ燃料製造にむけての投資を発表

Carbon Trust が世界最大の緑藻によるバイオ燃料製造にむけての投資を発表したとGudeanが伝えました。この分野、太陽と温度環境さえととのえれば、かなりの量のバイオ燃料を製造できると世界中が注目する中で、欧米で大型の投資計画が動きつつあったので、さらに注目を集めそうです。

UK announces world's largest algal biofuel project-----Guardian.co.uk,October 23 2008

" The world's biggest publicly funded project to make transport fuels from algae will be launched today by a government agency which develops low-carbon technologies. "

関連
Carbontrust : Algae Biofuels Challenge

参考動画
Seambiotic

(SeambioticIsrael,2008年04月19日)

コメント
 今回の記事でも数ある開発計画の中で、ビル・ゲイツさん関連の投資会社が動いたことで名をはせた、Sapphire Energy社が一社だけ名をあげて紹介されています。しかし、この会社の技術は一般の検索だとあまり情報が多くないのです。ガードがかたいのかな?

Sapphire Energy

 ということで、他の動きをひろってみました。

GreenFuel Farms 100 Square Meters of Algae-----Greentech Media,October 23, 2008

 上の記事で紹介されているGreenFuel Technologies Corp.は、スペインで100平方メートルの緑藻の畑を完成、2011年までに100倍の面積にするという計画を発表しています。二酸化炭素の光合成の吸収を一義的にアナウンスしています。食料とバイオ燃料は、副産物という文脈のようです。”畑の写真”は下の記事に掲載されています。

GreenFuel Lands $92 Million For Commercial Algae Fuel Plant-----Groovygreen.com,March 17, 2008

 さらに、イスラエルのSeambiotic社は、燃焼ガス中の二酸化炭素を使って緑藻を繁殖させるシステムを世界で最初に開拓しているとアナウンスしています。この会社は、冒頭で紹介したビデオクリップを公開しています。水車で攪拌しているように見える工程がユニークな緑藻の繁殖池です。

Seambiotic

 この分野、急速に情報量が増加しています。注目の分野ですね。(t_t)

関連情報、エントリー

続きを読む "英Carbon Trustが、世界最大の緑藻によるバイオ燃料製造にむけての投資を発表"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

通信誌 / 「地球号の危機ニュースレター」(10月号)340号

Img340
-----市民エネルギー研究所の記事  2008-09-30より----imageも

" 地球号の危機ニュースレター』No.340(2008年10月号)<発行・大竹財団/編集・市民エネルギー研究所>を発行しました。
目次
オトンルイ風力発電所見学記 井田  均

ミンダナオの紛争状況と非暴力・平和隊(NP)の活動  阿木 幸男

〈メール通信〉より
「グリーン・エネルギー利用拡大セミナーin 東京」レポートと疑問  中川 修治

フィリピン周遊記(3)  井田  均 "

定価 200円(送料90円)
年間購読料 2,000円(送料込)
発行元 財団法人 大竹財団

詳細、お問い合わせは、
市民エネルギー研究所の記事 2008-09-30をご覧ください。

続きを読む "通信誌 / 「地球号の危機ニュースレター」(10月号)340号"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

内7町「自給自足」 自然エネルギー 道外は55市町村 / クリッピング 北海道新聞

" 風力、地熱など自然エネルギーの供給量が、地域の家庭・業務用エネルギー需要を上回る自給率100%以上の市町村が、留萌管内苫前町など道内七町を含む全国六十二市町村もあることが千葉大などの調べで分かった。石油など化石燃料に過度に頼らない社会づくりへの手掛かりを示した形だ。 "
-----北海道新聞、2008/10/20

関連
永続地帯 / エネルギー永続地帯(2008-10-11版)

081021pm1800dailynasa
-----image(pop up) : Google Earthキャプチャー画像。[NASAが公開している地球の姿。2008/10/21PM18:00収録-Composite of daily MODIS TERRA subsets. Built and served using Web Map Service from http://OnEarth.jpl.nasa.gov/. This layer contains images collected the previous day, around 10AM local time. The layer is updated every day, around 09AM GMT.The background is the current month from the MODIS Blue Marble Next Generation.]

プレスリリース / 千葉大学公共研究センター、環境エネルギー政策研究所(永続地帯)、2008年9月16日
・「エネルギー永続地帯」2007年度版試算結果の公表について

" 千葉大学と環境エネルギー政策研究所の共同研究によって、わが国ではじめて国内の自然エネルギー供給の実態が市町村ごとに明らかになった。その結果によれば、日本の62の市町村で、自然エネルギーのみで市町村内の民生用エネルギー需要(電力と熱)をすべて賄っていることがわかった。都道府県では、大分、秋田、富山、岩手、長野、鹿児島、青森の7 県が、区域の民生用エネルギー需要の10%以上を自然エネルギーで賄っていることがわかった。エネルギー源別には、ダムを使わない水力発電、太陽熱利用、風力発電、地熱発電、温泉熱利用(浴用・飲用)、太陽光発電の順で供給量が大きいことがわかった。
<昨年版との変更点>
昨年7月に公表した2006 年度版では、電力のみを取り扱いましたが、今回の試算では、熱についても把握しました。これにより、はじめて、日本国内における再生可能な自然エネルギー供給の実態が市区町村ごとに明らかになりました。明らかになった事実は以下のとおりです。
..........
日本の自然エネルギー供給のうち、小水力が48%を占める
..........
7 県で自然エネルギーによって民生用エネルギー需要の10%以上を賄っている
..........
62の市町村が自然エネルギーのみで域内の民生用エネルギー需要を満たしている
..........
マッピングデータ
エネルギー永続地帯2007年度総合版マッピング.pdf
プレスリリース詳細
エネルギー永続地帯2007年版プレスリリース.pdf

詳細なデータについては逐次掲載していきます。

市区町村総合集計表.xls
都道府県別市町村ランキング.pdf
永続地帯2007都道府県総合ランキング.pdf "

コメント
 このブログでもなんどか紹介させていただいている”永続地帯 ”。国内の県別自然エネルギー供給の実態の貴重なデーターを発表されています。”エネルギー永続地帯2007年度総合版マッピング.pdf”という資料が地図オタクとしては、秀逸なデーターです。100%、50%、20%、10%、5%のエネルギー永続地帯がマッピングされています。この地図をながめていると、日本のソリューションがはっきりとわかります。いいお仕事です。

 ところで、この地図をみていて、自然エネルギー普及の施策を書いてみる気に、、、選挙まえだから、なんでも書き留めることにしているのだ。しばし、空言におつきあいください。

続きを読む "内7町「自給自足」 自然エネルギー 道外は55市町村 / クリッピング 北海道新聞"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

変換効率50%超を目指す太陽光発電システムの研究成果が発表されます

 太陽電池の高い変換効率を追求する研究がアメリカで研究されているようです。研究の音頭をおっているのは、米大統領直轄の軍事関連の先端研究で知られるDARPAで、プロジェクト名は、
VHESC : Very High Efficiency Solar Cells program
 ということです。伝えられる情報では集光型で色ごとのことなる分光特性を生かした太陽光発電素子の可能性を追求しているようです。この方式で計算上は、すでに50%以上の発電効率た可能ということのようです。軍事研究で、あまり商用化の見込みを考えていない分野でのこうした研究が、一般の太陽電池になんらかのいい影響を考えるともおもえませんが、実験室レベルでは、50%をこえつつあるのかもしれないということでクリッピングしておきます。

New Optics For Improved Solar Power Generators-----ScienceDaily,Oct. 9, 2008

関連記事
変換効率50%を実現する太陽電池、米大学で開発中-----Web-Tab,2008-10-13

参考情報
Wikipedia : DARPA-----国防高等研究計画局

Optical Society of America / How Solar Energy Can Help Meet America’s Growing Energy Needs(July 11, 2008 )

50% Efficient Solar Cell Architectures and Designs-----IEEE Explore,May 2006

DARPA pushes for 50% efficient photovoltaics to power soldiers' small tools-----SPIE,

7 Ways the Military is Using Eco Tech-----earth2tech,August 28th, 2007

----------Google検索 : Optics for Solar Cells for Portable Power Duncan Moore----------

コメント続き
 このプログラムの2007年の研究ではUniversity of Delawareの研究が、変換効率40.8%を結晶系の太陽電池で特殊な光の条件環境での値ながら成功させています。軍事利用が目的で、多くの予算が投じられる研究とはいえ、太陽光発電素子の変換効率は、40%台を越え、50%も伺う段階にまで達しつつあるようです。(t_t)

プレスリリース / University of Delaware ,July 23, 2007
UD-led team sets solar cell record, joins DuPont on $100 million project
" Using a novel technology that adds multiple innovations to a very high-performance crystalline silicon solar cell platform, a consortium led by the University of Delaware has achieved a record-breaking combined solar cell efficiency of 42.8 percent from sunlight at standard terrestrial conditions. "

参考エントリー
NREL Solar Cell Sets World Efficiency Record at 40.8 Percent / プレスリリース NREL- U.S.DOE -(宇宙空間用太陽電池セル変換効率40.8%を達成)-----ソフトエネルギー、2008/08/21

----------Googleサイト内検索 : 変換効率 最高----------

続きを読む "変換効率50%超を目指す太陽光発電システムの研究成果が発表されます"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

イベント 11/15-16 くずまき自然エネルギーがっこう「町の産業編」11月

-----イベント案内より-----(要事前申込、要詳細確認)

" 生活に即した自然エネルギー地元学マップを描こう
- 自然エネルギー博物館の全容を解剖する -
人口8千人の町に、年間50万人が訪れるヒミツとは?

前回10月の講座では、葛巻町に住む人々からエネルギーのまちづくりに対する思いを伺いました。一人一人が熱い思いを持っていて、話し始めれば止まりません。町の人々は意識が高く、町民・行政が一丸となっていることがわかりました。話を聞いていると、自分も頑張ろうと元気をもらいます。(参加した高校生は感激して帰って行きました。)
11月の講座もきっと、そんな熱い思いに触れられると思います。

自然エネルギーが地域産業を活性化させる?

 たった人口8000人ほどの葛巻町に、年間50万人の人々が訪れています。その理由の一つとして、自然エネルギーの取り組みがあります。大規模な風力発電や木質ガス化発電など様々な自然エネルギー関連施設を巡り、自然エネルギー博物館と呼ばれる葛巻町の全容を解剖していきます。
 しかし、風車があるだけでは、町の人々は生活していけません。町の主幹産業である酪農や林業の現場に携わる人々を訪ね、現場から見た自然エネルギーまちづくりについて伺います。自然エネルギーと産業がどのように関わりを持ちながら、持続可能な地域づくりを進めていけるのか、明らかにしていきたいと思います。

日程案 11月15日(土)?16日(日)1泊2日
▼1日目 11/15(土)
1300 開講
午後 くずまき自然エネルギー博物館探訪
(町内の風力発電や木質ガス化発電、バイオガスプラントなどを巡ります。)
案内人:深澤口さん(葛巻町役場:農林環境エネルギー課)
夜 夜学「森と風のがっこうと自然エネルギー」
森と風のがっこう泊
▼2日目 11/16(日)
午前 フィールドワーク
(酪農や林業の現場に携わる人々を訪ねます。
「生産の現場から見た、自然エネルギーのまちづくり」)
まとめ
昼 昼食、振り返り
1430 終了
●場所
森と風のがっこう(岩手県葛巻町)
※送迎有り(最寄り駅:東北新幹線いわて沼宮内駅)
●対象 16歳以上 各回20名(先着順)
●参加費
第3回 9,500円、第4回 13,500円(食費・宿泊費含む)
※労働提供割引 4,000円引き

くずまき・自然エネルギーがっこうとは

続きを読む "イベント 11/15-16 くずまき自然エネルギーがっこう「町の産業編」11月"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

日本の自然エネルギー " Outlook 2008 "

 昨日、しな研にアップした資源エネルギー庁の”日本のエネルギー 2008”しな研にアップした資源エネルギー庁の”日本のエネルギー 2008”には、当然のことながら新エネルギーの章もあります。

資源エネルギー庁 : パンフレット / 「日本のエネルギー 2008」(HTMLファイル)    / 新エネルギー (1) / 新エネルギー (2)

 新エネルギー(1)には、太陽光と風力発電について再生可能エネルギーの定義など基本的な情報が説明されています。国が新エネルギーとして定義しているものは、中小水力以下より、バイオマス由来排気物燃料製造までの12項目です。国が新エネルギーとして現時点で推進の俎上にあげているものということです。

-再生可能エネルギー   大規模水力  +新エネルギー  中小水力、地熱、太陽光発電、太陽熱利用、風力発電、雪氷熱利用、バイオマス発電、バイオマス熱利用、バイオマス燃料製造、温度差熱利用、バイオマス由来廃棄物発電、バイオマス由来排気物燃料製造

-その他 波力発電、海洋温度差熱発電

 目標としては2010年度に3%が目標とされています。この数字は、対一次エネルギー供給比で、新エネルギーとして定義されているか疑問が残るいくつかのエネルギー源を含んでいます。2005年ですでに、日本が2%となっている数字を、2010に10%とするということですから、注意が必要です。
 太陽光発電は、設備容量は、ドイツに続き2番で、2005年は生産量では世界でトップというデーターが紹介されています。

 新エネルギー(2)では、水力と地熱発電が紹介されています。新エネルギーには入らない大規模水力を約20%を占める主要な電源の一つとして評価していますが、新エネルギーに入っている中小の水力への展望を示していないのが残念です。
 地熱については、総発電電力量に占める地熱発電の割合は1%にすぎず、今後の導入に課題を残している現状を指摘しています。

/ エネルギー分野における革新的技術開発

 上の章の中では、エネルギー分野における革新的技術開発としてCool Earthエネルギー革新技術計画が紹介されています。新エネルギーの分野では、革新的太陽光発電とバイオマスからの輸送用代替燃料製造がリストされています。

 全体を概観するには、いい資料です。

 エネルギー白書を読むにはかなりの時間が必要ですが、こちらなら10分もあれば流し読みできます。おすすめです。

「平成19年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書)」について / プレスリリース 経済産業省-----しなやかな技術研究会、2008/06/03

コメント続き
 しな研としては、資料を読んで感じたのは、2010年のライフスタイルは、この資料の描かれているように動くとすれば、今とあまり変わりがないということです。化石燃料への依存は継続し、原子力エネルギーも現状維持以上の拡張が進み、六ヶ所村の再処理施設などに大量の資金と国の政策的なエネルギーが注がれるということです。国全体がプレートの境界のようなところに位置している地震国に、原発はそぐわないと考えていますので、底なしの暗い未来を予感させるということもあります。まあ、日本は化石燃料と原子力に依存しているわけですから、急には曲がれないこともわかります。しかし、ならば、2050年といった中期的な未来における国のライフスタイルを描き、国民がそれを選択できる機会が必要です。もちろん控える選挙がその機会となるのでしょうが、非常に大事なエネルギー政策において、現実的な政権交代の可能性のある選択肢の中で、エネルギー問題がメジャーな議論にはならないと考えています。どうしたらいいのだろうと、頭を抱える分野です。一人で頭を悩まして、脳溢血というのも御免ですが、、、、

 日本の自然エネルギー かってな" Outlook 20**"としては、

一次エネルギー供給ベースで、石油を半分に(25%)、石炭と天然ガスは少しへらし(20%)、原子力は基数は現状維持で、浜岡と伊方などやばい地殻構造の上にたつと考えられる原子力発電所の閉鎖で5%。大型水力は、改修維持で、10%。以上ここまでで、2005年の一次エネルギーの供給量の60%となります。残りの足りない部分を新エネルギーの技術開発動向をみながら、おぎなっていく。足りない40%はまず省エネと考えると、新エネ部分が余禄となるという自然エネルギー屋としては、身勝手なシナリオではありますが、、、このあたりが日本としては、落としどころかなと考えています。時期は、2025年以降2050年までの期間に実現する。(参考 : 日本の一次エネルギー供給の推移 2005年度

 根拠のある数字をお望みなら、、、、したのメモにある資料を是非お読みください。(t_t)

MEMO
脱温暖化2050プロジェクト / 報告書「2050日本低炭素社会シナリオ:温室効果ガス70%削減可能性検討(2008年6月改訂版)」

自然エネルギー政策ポータルサイト
/ 「2050年自然エネルギービジョン」実現へ向けた政策提言(pdf)
「2050年自然エネルギービジョン」(pdf)

続きを読む "日本の自然エネルギー " Outlook 2008 ""

| | コメント (0) | トラックバック (0)

米Konarka Technologies社が完成すれば1GWの薄膜”プラスチック太陽電池”の製造が可能になる工場敷地を確保

米Konarka Technologies社が完成すれば1GWの薄膜”プラスチック太陽電池”の製造が可能になる工場敷地を確保。
まあ、工場が確保されただけで結構話題になるのが、この会社の強み? いつもは、あまり画像情報がないのだが、今回は、BusinessWireの動画リリースも同時に行われたので、エントリーとしてはかっこうがつくということでとりあげてみました。


プレスリリース / Konarka Technologies, Oct. 7, 2008
Konarka Opens World’s Largest Roll-to-Roll Thin Film Solar Manufacturing Facility with One Gigawatt Nameplate Capacity
Konarka0810
-----image(pop up ; ”Manufacturing Konarka's Power Plastic(R) Solar Material (Photo: Business Wire)”) : BusinessWire版リリースより

" Former Polaroid Facility in New Bedford, Mass. Prepares Konarka for Large Scale Production of Power PlasticR Thin Film Photovoltaic "
----------

Konarka Opens Worlds Largest Roll-to-Roll Thin Film Solar M

(BusinessWire,2008年10月07日)

" Konarka's Power Plastic(R) Solar Material U.S. Manufacturing Facility - New Bedford, Mass. Complete B-Roll Available Upon Request "

関連記事
【OSC】「効率20%の達成に大きな障害なし」,Konarka社が有機薄膜太陽電池に自信示す-----Tech-On,2008/10/01
Konarka Turns On 1GW Thin-Film Solar Printing Press -----NewYork Times,October 7, 2008

Solar power firm has big plans for old Polaroid plant-----South Coast Today.com,October 08, 2008

Konarka reveals inkjet thin film technology from FUJIFILM Dimatix-----PV TECH,28 March 2008

コメント続き
 同社の色素増感型太陽電池や薄膜プラスチック太陽電池の話題は結構露出度がかつては高かった。イラクの米軍向けに結構な量の太陽電池を供給したようだが、一般市場ではほとんど話題にならなかった。

In the Iraqi war zone, US Army calls for 'green' power-----Christian Science Monitor,September 07, 2006

 同社のことを当時国内の太陽電池メーカーの営業サイドの担当者に聞いたことがあるが、知らないよということだった。いまでこそ、プリンターで太陽電池というような表現で薄膜太陽電池の製造を表現するメーカーは多くなったが、たぶんプリンターで太陽電池と最初に表現したのは、Konarkaだったような気がする。
 最初に同社のことをクリップしたのが2005年。そして今回の話では、生産ラインの稼動も間近いという印象。それが本当に実現するかは、群雄割拠状態が続く太陽電池業界においては、実際の製品がでてみないとわからないということを肝に銘じつつ、注視している企業です。単に資金集めがうまいだけでは説明できない、パワーをもった会社という印象です。(t_t)

関連エントリー
コニカミノルタ、有機薄膜太陽電池の米コナルカテクノロジー Konarka Technologiesと資本・業務提携-----ソフトエネルギー、2010/03/04

続きを読む "米Konarka Technologies社が完成すれば1GWの薄膜”プラスチック太陽電池”の製造が可能になる工場敷地を確保"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

TDKの提案する直流電化住宅とは?

10月4日まで開催されていたCEATEC JAPAN 2008に登場したTDKの直流電化エコホームの話題がずっと気になっていました。その時期に行った同業者の自然エネルギー屋さんとのミーティングにも話題として登場しましたし、シックハウス対策などの健康を考えた住宅を手がける設計士さんからも、「電磁波に過敏な人からの問い合わせが、化学物質過敏症の問い合わせが増えるに従い、同じように増えています。交流でなく、直流で暮らせないかという問い合わせもあるのですが、、、。どう思います?」 なんて、お聞きいただいたのですが、、、、電磁波に過敏で、日常生活に支障がでるという人々の存在も、詳しい情報ははじめてお聞きしましたし、たびたび話題にのぼる、TDKの直流電化住宅についても、ヘッドラインをみた程度の知識しかなかったので、不明を恥じながらも2週間がたってしまいました。先のCEATEC JAPAN 2008にもいかなかったので、なんとか情報を集めようと考えていたところ、YouTubeに動画が掲載されていました。動画は現場の雰囲気をやはりよく伝えてくれます。なんとなくですが、より全体像が見えてきました。

直流電化エコホーム

(Diginfonews,2008年10月06日)

" .....
直流で得られるエコエネルギーを交流に変換することなく、直流のまま直接効率よく活用 する直流電化製品やエコエネルギーを「つくる・ためる・変換する・使う」にTDKの軟 磁性金属材料、色素増感太陽電池、高効率バッテリー充電システム、大容量リチウムイオ ン電池などが提案されています。
..... "

プレスリリース / TDK, Sep. 30, 2008
『CEATEC JAPAN 2008』TDKブースのご案内
Aah73801
-----image : 上記リリースより

".....「デモゾーン」
色素増感太陽電池、ジェネレータ、高効率DC-DCコンバータ、双方向コンバータおよび二次電池など、エネルギー関連技術と製品を、電気を「つくる」「ためる」「変換する」「使う」に分けて、TDKの技術と製品がどのようにエネルギー利用の効率化に貢献できるかを、具体的なデモンストレーションを中心にご紹介します。..... "
----------

関連記事
CEATEC JAPAN 2008:“直流電化エコホーム”とは何か?-----ITmedia Biz.ID News,2008年09月30日

TDK、太陽電池と蓄電池組み合わせた電力供給システム事業化へ-----日刊工業新聞、2008年10月02日


コメント続き

続きを読む "TDKの提案する直流電化住宅とは?"

| | コメント (1) | トラックバック (0)

風力発電設置増える / クリッピング YOMIURI ONLINE

" 長島の発電所稼働県の合計出力13万キロ・ワットに  新エネルギーの柱として世界各国で導入が進む風力発電。県内では3月末現在、76基の発電機が設置され、...... 発電機の数と出力はともに、北海道などに次いで全国4位。 ...... "
-----YOMIURI ONLINE 地域 鹿児島、2008年10月12日より

コメント
 鹿児島県には76基の風力発電が設置され、全国4位だそうです。全国では、どれくらいの数になってきたのでしょうか?
 まずは、比較のために過去のデーターをさがしてみましょう。

資源エネルギー庁 : 施策情報 / 新エネルギー : 3 風力発電

 ここでは、2003年末までに、700基を越え67.7万キロワットとなっています。最新のデーターは、NEDOへ。

NEDO 新エネルギー技術開発部 : 日本における風力発電設備・導入実績 / 日本における風力発電の状況

 2007年の末までに、1409基で約167.5万kWとなっています。2倍以上の数に到達しています。これは、総設備容量です。
 それでも、風力発電の先進国アメリカでは、単年度だけで240万kW(総設備容量は、1160万kW。近年急速に充実させています。)に足するといわれてますので、世界の風力発電ののびからすれば、たいしたことはないのです。なぜ、世界がさまざまな問題を抱えるといわれる風力発電にこれだけ力をそそぐのか? その理由を考える必要があります。特にエネルギー資源の90%を輸入(化石、ウラン)している日本という内容を考えれば、次の選挙の重要な争点にもなると考えています。なにせ、エネルギー政策で暮らしが変わりますから、政治にこの点でも関心をもつ必要があります。(t_t)

参考エントリー
----------カテゴリー : 風力発電----------

続きを読む "風力発電設置増える / クリッピング YOMIURI ONLINE"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

PlanetSolar、2010年に太陽電池だけで運行する船による世界一周計画を発表

 全長が30mあまりの巨大な双胴船のデッキに太陽電池をびっちりと搭載し、2名のパイロットをのせて太陽のエネルギーだけで世界を回るという壮大な計画が発表されました。この計画を発表したのはフランス人冒険家とスイス人の船長。2010年にこの計画が実現すれば10ノットのスピードで、ハイテク機器満載のPlanetSolar号は、日射条件のいい赤道付近を航行し世界をまわることになるそうです。

PlanetSolar

(planetsolar,2008年10月07日)

プレスリリース / Planetsolar,8th October 2008
- PlanetSolar held a press conference in Bern
Planetsolar
-----image : 同ニュースより

" Today at 11am, a press conference took place in Bern at the Allegro Kursaal Hotel, presented by Raphael Domjan, founder and skipper, and Gerard d'Aboville, co-skipper, as well as Stefan Nowak, co-founder and scientist. The main partner of the project, the new boat design as well as the most recent developments were unveiled. "

関連記事
太陽エネルギーだけで世界一周航海、史上初の挑戦-----AFP BB News,2008年10月09日

コメント続き
 どれくらいの太陽電池を搭載するのか? AFPの記事によれば、”470平方メートルの発電用ソーラーパネル”とのことです。でかいなぁ。ここにかりに発電効率10%の太陽電池を敷き詰めたとしたら、47kWpにも達します。一般家庭にして、10軒分以上です。搭載するバッテリーも結構な量、重さになります。昼間走行し、夜は休むというサイクルを繰り返せば、バッテリーはほとんどいらないという考え方もできますが、安定させるためにあるていどは必要。そのあたりの電気、設備、メンテナンスの技術、かなり高度で周到な用意が必要とされそうです。全長30mの船ってどんな感じだろう? 全長100フィートのクルーザー! すごい、豪勢な船ですね。これだけの大きさのものが、世界を一周。開始されれば、大きな話題になることは間違いないですね。航海の目的のひとつが、クリーンなテクノロジーの啓蒙ということです。2010年の航海開始が楽しみです。(t_t)

参考情報、エントリー

プラネットソーラー PLANETSOLAR、世界初の大型ソーラー船を2月25日に公開。2011年4月から世界一周の旅へ-----しなやかな技術研究会、2010/03/04

続きを読む "PlanetSolar、2010年に太陽電池だけで運行する船による世界一周計画を発表"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ソーラーネットの手作り太陽電池、世界をゆく

Solarnetpvset
-----image(pop up ; ”手造り太陽電池、DCポンプ、バッテリーなど。太陽光発電の講習会にて撮影”) : GreenPost 2008

 国際協力NGOソーラーネットのことをご存知でしょうか? ソーラーネットは、これまでインドネシアで太陽電池や周辺機器の製造技術を未電化地域を多く抱える国々に移転することを目的として設立され、1995年から10年以上活動してきた自然エネルギーの技術を中心に展開する国際協力NGOです。太陽電池製造に関しては、太陽電池のセルを市場から調達し、適正に加工、配線し、ラミネーターといういわばパッケージマシーンで、太陽電池モジュールを組み立てる高度な技術をもっています。太陽電池のセルは製造しませんが、それを適切に屋外で利用できる状態にまで仕上げる技術は、セルは市場から適切に調達できれば、対象国で本当にわずかな電力で太陽電池モジュールを完成させることができるので、この太陽電池工場を世界各地に作ることができれば、セルの調達を協同仕入れすることも可能であるという同会のこれまでの仕組みづくりを考えるとさまざまな展開が可能となる非常にユニークな技術を中心とした国際協力を可能としています。

ソーラーネット

 今、このソーラーネットがさまざまな支援者と中心となる技術の確立に努めてきた同会の活動が国の内外で注目を集めています。当しなやかな技術研究会は、過去2回ソーラーネットの海外で援助活動を行っている、また行おうとしている団体、個人のための技術等の講習会に参加してきました。以前から、ソーラーネットとは関係者の多くが友人、知人ということで、情報はいただいていたのですが、実際に彼らの活動に参加してみて、ラミネーター、コントローラー、インバーター、点灯用インバーターの現地での開発支援などの技術的な展開にとどまらず、人と人、地域と地域を国際的に結んでいく彼らの経験に大きな可能性を感じさせていただきました。
 現在、ソーラーネットが講習会などで国内で組み立てた太陽電池は、多くの人の協力を得て、ミャンマーのサイクロンの被災地をはじめ、ルワンダ、ニカラグア、タンザニアなどで活躍しているということです。
 国際協力で、現実に太陽電池をお考えの方がたがいらっしゃれば、上のソーラーネットまで直接お問い合わせください。

 そして、このソーラーネットのもつさまざまな技術、人と人をつなぎ自然エネルギーという、エネルギーの地産地消を可能にする技術が、国内でも注目されはじめたということです。

クリッピング / 山形新聞、2008年08月31日
めざすは「太陽電池パネル」100枚 創立60年記念し製作・東根工高

" 東根市の東根工業高(布川元校長、464人)の全校生徒が、同校の創立60周年を記念し、太陽電池パネル100枚の製作に取り組んでいる。すべて合わせると縦2.5メートル、横13.4メートルになり、これほど大規模な太陽電池パネルを高校生が作るのは全国的にも珍しいという。 "
----------

 上の山形県の工業高校は、山形県の自然エネルギー屋さんの働きかけてで実現したプロジェクトということです。その自然エネルギー屋さん、ソーラーワールドのブログに若干の情報が掲載されていました。

手作り太陽電池-----ソーラーワールドBlog,2008.09.08

 さらに、広島では、原爆投下被災関連施設などに手造り太陽電池を取り付けようという”千羽パネルプロジェクト”が進行中ということです。この動きを進めている広島のグローイングピースさんにはまだ情報があがっていませんが、別のブログに情報を見つけました。

千羽パネルプロジェクト、スタート!-----分散型エネルギー社会を目指して、2008.09.21

 いずれも、ソーラーネットの手造り太陽電池の技術を利用して行われているプロジェクトです。その技術に興味のある人は、英訳付きの資料が下から入手できます。

ソーラーネット / お知らせ : ソ-ラ-ネットのノウハウを詰め込んだ本「手作り太陽電池」を出版しました。
Book-----image : 「手作り太陽電池」カバー

コメント続き

続きを読む "ソーラーネットの手作り太陽電池、世界をゆく"

| | コメント (2) | トラックバック (0)

ブッシュ大統領、再生可能エネルギー関連の優遇税制法案に署名。2009年以降もOK

 好調を続けるアメリカの再生可能エネルギー業界、その好調を支えてきた再生可能エネルギー関連の優遇税制法案にブッシュ大統領が署名し、2009年、それ以降も継続することになりました。好調の風力エネルギー、太陽エネルギー関連の技術、関連業界はもちろん、活気付いてきた地熱、海洋エネルギーなどにも、この法案の行方しだいでは、投資が集まらなくなるとさえ懸念されていただけに、各業界はほっと胸をなでおろしたということです。海洋関連は新設です。
 これで、次期大統領のエネルギー政策が明確になるまで期間、再生可能エネルギー業界は、戦略を落ち着いて練ることができることになります。

クリッピング / Renewable Energy World,2008/10/03
Tax Credits Extended: Renewable Energy Industry Breathes Sigh of Relief

" After a disastrous few weeks on Wall Street, the renewable energy industry has come out a winner. It seems there's always a silver lining in even the worst developments.

The long-awaited extension of the Production (PTC) and Investment Tax Credits (ITC) were finally passed as part of the Emergency Economic Stabilization Act of 2008 (H.R. 1424) and have now been signed into law by President Bush.
.......... "

 各業界が歓迎のコメントを発表しています。米風力エネルギー協会のものをひろっておきます。

プレスリリース / AMERICAN WIND ENERGY ASSOCIATION,October 3, 2008
WIND ENERGY INDUSTRY APPLAUDS U.S. HOUSE OF REPRESENTATIVES’ PASSAGE OF RENEWABLE ENERGY CREDITS

" Following the U.S. House of Representatives’ passage of the Economic Stabilization Act, Greg Wetstone, Senior Director of Governmental and Public Affairs at the American Wind Energy Association, released the following statement:

“We salute Members of Congress in both parties who fought under difficult conditions to keep the renewable energy production tax credit and small turbine investment tax credit on the agenda until the very end, and then pushed them across the finish line. These tax credits are essential to the continued growth of wind energy, to the economic and energy security of the United States, and to a successful beginning in the fight against global warming. We look forward to working next year with a new Congress and Administration to fashion a serious long-term clean energy policy that increases domestic energy, increases our reliance on clean renewable energy, and creates jobs for Americans.” "

参考動画
Clean Energy NOW: Renew the Tax Credits in September

(americanwindenergy,2008年09月18日---議会通過前のクリップ)

参考記事

続きを読む "ブッシュ大統領、再生可能エネルギー関連の優遇税制法案に署名。2009年以降もOK"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『高出力208.4Wモジュール』 10月より市場投入 / プレスリリース 京セラ

0906_01
-----image(pop up ; ”公共・産業用 高出力新太陽電池モジュール”) & text : 京セラ、2008年09月29日
発表より

" 新型太陽電池セル”を採用した国内公共・産業用太陽電池モジュール
 京セラ株式会社(社長:川村 誠)は、国内公共・産業向けの太陽電池モジュールとして、156mm×156mmサイズの新型太陽電池セルを採用した高出力モジュールを開発しました。国内で太陽光発電システムを販売する株式会社京セラソーラーコーポレーション(社長:角 秀男)を通じて、本年10月2日より市場投入してまいりますのでお知らせいたします。
出力208.4Wの新モジュールは、当社従来品比で1枚当り4.2%の出力向上を実現しており、当社が国内市場向けに展開するラインアップの中では最大となる高出力製品です。

地球温暖化問題への関心が高まる昨今、その対策として有効である太陽光発電システムは、世界的に需要の拡大が続いています。日本国内では、住宅用のみならず、官公庁や公共施設、企業などが大規模太陽光発電システムを積極的に設置導入するケースが増えてきました。特に近年、10kW台~100kW台という中規模システムの導入の拡大はもとより、メガソーラーといわれる1,000kW(1MW)クラスの設置例も続々と登場してきています。今回、京セラが投入する新モジュールは、従来よりさらに出力を高め、一定規模の設置面積を要する公共・産業用システムで、設置面積あたりでの効率的な導入を可能にします。
..........
■製品仕様
型式 KD2084X-PPE-S
寸法 縦1,500×横990×高36mm (54直)
公称最大出力 208.4W
変換効率 14.03%
..........
■新型太陽電池セルについて
今回の新製品には、従来の150mm×155mmサイズから156mm×156mmへと拡大した、新サイズのセルを採用しています。モジュール全体の出力向上に貢献する新型セルは、本年2月から米国向けに、本年5月から欧州向けに展開している製品に採用しています。国内向けの製品に採用するのは今回が初めてとなります。 "

コメント
 京セラが最新型156mm角セルを利用した太陽電池モジュールを国内でははじめて、公共・産業用として投入することを発表しました。
 大型の太陽光発電所などもターゲットにした商品ということで、一般家庭用ではないということです。しかし、セルの大型化もどんどん進みますね。多結晶セルで一番大きなものを量産ベースで作っている企業は? と考えて調べてみましたが、わかりませんでした。たぶん京セラが最大級のセルを製造していることは間違いありません。しかし、これだけの大きさの太陽電池となると、結構重量があるでしょうね。
 それにしても、最新のセルを利用した太陽電池は、まず米、欧州地区に投入されているようですね。最も太陽光発技術の評価が問えるのが両地域ということなのでしょうか? 以前、当ブログでも取り上げられたスペインのプロジェクト、さらに大型化し現在では、予定通り30MWの規模に拡大しています。

続きを読む "『高出力208.4Wモジュール』 10月より市場投入 / プレスリリース 京セラ"

| | コメント (1) | トラックバック (0)

ヨーロッパのトップ10、クリーン・テクノロジー企業とは?

 ヨーロッパでは、クリーンエネルギー、そしてエネルギーの分野だけでなく、さまざまな環境技術の企業が存在し、次々に生まれています。そんな中で、Guardianが選ぶクリーン・テクノロジーを手がけるトップ10、トップ100などのリストがウェッブ上に公開されています。その中には、これまで当ソフトテクノロジーで取り上げることができたものもあれば、まったく初耳のものもあります。そして、それらの企業について知ることは、ヨーロッパがこれらの技術を通して、どんな国や地域作りを志向しているのかを占う貴重な情報でもあります。まずは、トップ10リストから、、、

guardian.co.uk : Clean technology 100 / Top 10 / Table

 選ばれた10の企業の中に、6つの再生可能エネルギー関連企業がランクイン

*その1 ランク1に選ばれた、薄膜モノの太陽電池を手がけるドイツのOdersun社。同社のサイトには、 Copper-Indium-disulphide semiconductor on long reels of Copper Tape (CISCuT)の太陽電池と記載されています。30MWの工場をドイツで今年の春に運転を開始しているようです。

Odersun-----guardian.co.uk : Odersun

 関連記事
 ・Odersun Breaks Ground on 30 MW Thin-Film Solar Plant in East Germany-----Clean Edge,March 26, 2008

*その2 シリコンウェハーの製造会社ドイツのSiC Processing社は、hydrocycloneというウェハー加工の高い技術を評価されて、4番にランクイン。この技術を使うことで、シリコンウェハーの製造が、よりローコストになるようです。

SiC Processing-----guardian.co.uk : SiC Processing

*その3 5番には、世界初の商業用潮流発電システム、SeaGenを稼動させたMarine Current Turbines社が選ばれました。同社のシステムは、7月に予定通り稼動し、商用電源に連系し運転を開始しています。

Marine Current Turbines / guardian.co.uk : Marine Current Turbines

プレスリリース / Marine Current Turbines,17 July 2008
World's first commercial-scale tidal power system feeds electricity to the National Grid
Seagendeliversp_445977
-----image : 上記リリースより

" SeaGen, the world’s first commercial-scale tidal turbine, located in Northern Ireland’s Strangford Lough and developed by British tidal energy company, Marine Current Turbines (MCT), has delivered electricity into the grid for the first time.

The tidal current turbine has briefly generated 150kW of power onto the grid as part of its commissioning work, ahead of it achieving full capacity in a few weeks time. SeaGen’s power is being intentionally constrained to 300kW during the commissioning phase, but once fully operational, it will generate 1.2MW of power, supplying clean and green electricity to the equivalent of 1000 homes.
.......... "

 関連エントリー
世界初の英潮流発電機、北アイルランドで設置工事開始-----ソフトエネルギー、2008/04/10

イギリスで、世界初の商業潮力発電所、建設中!-----ソフトエネルギー、2007/07/09

*その4 トップテン入りをした太陽電池関連企業4社のうち3社までがドイツの企業です。ランキング6も、ドイツのCIS薄膜太陽電池メーカーのSulfurcell Solartechnik社です。

Sulfurcell Solartechnik-----guardian.co.uk : Sulfurcell Solartechnik

 関連記事
Bear markets and bull clean-tech investments-----grist,04 Oct 2008
" Cleantech venture investment hits record $2.6 billion in third quarter "

*その5 ランキング7は、波力発電のイギリスのPelamis Wave Power社。こちらも当ソフトエネルギーに関連記事をアップしたことがあります。海蛇のような、印象的なフォルムの波力発電機ですので、記憶されている方もいるかもしれませんね。ただし、かつての開発企業から社名、実体がPelamis Wave Power社に移っています。

続きを読む "ヨーロッパのトップ10、クリーン・テクノロジー企業とは?"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

シャープが動く!? 2016年までに6GWの生産能力を目標

 朝日新聞の報道を見て、次の次への布石をシャープが売ったことを知りました。世界の太陽電池業界で首位の座をかけて、太陽電池の生産規模を、2016年までに40倍の6GWの生産能力をもちたいという構想を発表したことを知りました。まずは、報道へのリンクです。

クリッピング / asahi.com,2008/10/2
薄膜型太陽電池、16年までに生産40倍に シャープ

" シャープは1日、薄膜型の太陽電池の年間生産能力を、2016年ごろまでに現在の40倍近い6ギガワットまで拡大する構想を明らかにした。欧州を中心に世界的な太陽光発電の需要増に対応する。各メーカーとも生産能力を増強する方針で、世界シェア2位のシャープも対抗する。 "
----------

 そして、報道によれば薄膜を主流に、変換効率10%を目指して開発中のものをその構想の柱にしたいとの内容も読み取れる記事になっていました。2016年以降まで、欧州を中心に広がる、あるていどのスペックと価格をもった太陽電池であれば、可能な限り設置したいという諸国の意向が継続するという読みを示したことになると思います。
 そして、開発中の10%の変換効率のものより、たった1%低いだけの9%の薄膜モノの太陽電池を予定どおりリリースしました。こちらは、第2世代薄膜太陽電池としての量産の開始だそうです。

プレスリリース / シャープ、2008年10月1日
大型ガラス基板採用の 第2世代薄膜太陽電池の量産を開始
081001b
-----image : 同リリースより

" 葛城工場で薄膜太陽電池新ラインを稼動(トータル年間生産能力160MW)
 シャープは、葛城工場(奈良県葛城市)に面積で従来(560mm×925mm)の2.7倍に相当する1,000mm×1,400mmの大型ガラス基板を採用した第2世代の薄膜太陽電池の新ラインを増強し、10月から量産を開始します。
 これにより、葛城工場の薄膜太陽電池の年間生産能力は、160MWに拡大します。 
薄膜太陽電池は、ガラス基板の上にシリコンを薄く堆積させた構造で、結晶太陽電池に比べてシリコン使用量が約100分の1と大幅に削減でき、生産工程もシンプルなことから、ガラス基板の大型化と量産効果により、コストダウンが図れます。また、結晶太陽電池に比べて高温時に変換効率が低下しにくいという優れた温度特性を持っており、気温の高い地域では発電量が多くなります。このため、薄膜太陽電池は南欧など高温地域における大規模太陽光発電施設としてのニーズが急激に高まっています。
 新ラインでは、業界トップクラスのモジュール変換効率9%と高出力128Wの第2世代薄膜太陽電池を生産してまいります。また、基板の大型化と高出力化の実現で従来よりも設置枚数が少なくて済み設置コストの低減ができます。これにより、発電時のコストダウンが期待できます。まず、需要が急拡大している欧州の大規模発電プラント向けに出荷します。
.........

Syukkashiki
-----image(”出荷式 トラック出発風景”) : 同時発表の”大型ガラス基板採用の第2世代 薄膜太陽電池の出荷式”より "


コメント
 現在、世界一がドイツ、Q-Cells、三位が中国のサンテック、、、。二位のシャープとしては、首位奪還なるのでしょうか? また、他の太陽電池メーカーも、増産、新規開発に精力をそそいでいます。今後の展開しだいでは、新たな勢力図の書き換えを含めた、大きな変化がおとずれるかもしれません。

続きを読む "シャープが動く!? 2016年までに6GWの生産能力を目標"

| | コメント (1) | トラックバック (0)

グリーン産業の夜明け! 2020年までに280兆円市場に

 グリーン産業の夜明け! 2020年までに280兆円市場に成長するとUNEPは、最新リポートで報告しました。特に欧州では、風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギーの分野や一般のエネルギーの分野で新たに拡大する”グリーン”な産業で従事する人の数は、急速に増え、大きな勢力となっています。
 ドイツやヨーロッパなどの気候変動ならびにエネルギー問題に対して、具体的な産業の育成という形で積極的に取り組む国々では、化石燃料部門や自動車産業を追い越す勢いで拡大を続けているということです。

プレスリリース / UNEP, 24 September 2008
Landmark New Report Says Emerging Green Economy Could Create Tens of Millions of New "Green Jobs"

" A new, landmark study on the impact of an emerging global "green economy" on the world of work says efforts to tackle climate change could result in the creation of millions of new "green jobs" in the coming decades.
.......... "
-----Green Jobs: Towards Decent Work in a Sustainable, Low-Carbon World

Greenjobs2008unep
-----image : UNEP Green Jobs Report 2008 カバー。上記リリースより「Green Jobs: Towards Decent Work in a Sustainable, Low-Carbon World”」資料がダウンロードできます。

関連記事
「グリーン産業」、2020年までに年間280兆円市場に UNEP報告-----AFP BB News,2008年09月25日
" 環境に優しい製品は、2020年までに生産高が倍増し、年間2兆7000億ドル(約286兆円)規模の市場になると、ニューヨーク(New York)で開催中の国連総会(UN General Assembly)で24日報告された。 "

コメント続き
 一方で、急速に拡大するリサイクル関連事業にたずさわる人々などの労働環境の整備により、新たなグリーンな産業として安全性と健康への配慮が必要という指摘がなされました。
 同じ、リリースなのですが、労働者という見方では、やはり国際労働機関。労働環境、状況のサイトへのリンクもありますので、重複しますがピックアップしておきます。

プレスリリース / ILO(国際労働機関),24 September 2008

続きを読む "グリーン産業の夜明け! 2020年までに280兆円市場に"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

北米トヨタが2.3MWの一つ屋根としては最大の太陽光発電施設を工場に設置

 北米トヨタが、2.3MWの一つ屋根としては最大の太陽光発電施設を工場の屋根への設置工事を開始したということです。

プレスリリース / Toyota Motor Sales, U.S.A.,09/24/2008
Largest Single-Roof Solar Installation In North America To Power Toyota Parts Center

" The largest single-roof solar power installation in North America will begin operation in early October at Toyota's North America Parts Center California (NAPCC), located in Ontario, Calif.

The solar installation will provide nearly 60 percent of the total electricity requirements for the 760,000-square foot NAPCC. The installation covers more than 242,000 square-feet of the NAPCC's roof and includes 10,417 solar modules, enough to cover more than four football fields.

With a total capacity of 2.3 megawatts, the installation is capable of generating 3.7 million kilowatt hours of electricity annually, power that won't be drained from the electrical grid. The system also will avoid carbon dioxide emissions of about 6.4 million pounds annually, equivalent to the annual CO2 emissions from energy use of 255 homes.
.....
The system was designed and built by SunPower, using its high-efficiency panels that deliver 50 percent more power per unit than conventional panels. A lightweight state-of-the-art SunPower mounting system further maximizes power delivery.
.......... "

-----SunPower Release,Sept 24, 2008-----GE Energy Financial Services : GE EFS-Funded Toyota Solar Project Debuts
September 24, 2008

関連記事(ソース)
Toyota and SunPower Install Largest Single-Roof Solar Project in North America-----Clean Edge,September 26, 2008

コメント
 北米トヨタがカリフォルニアの工場の屋根に採用した太陽電池は、SunPower社の太陽電池SunPower(R) T10 Solar Roof Tilesというものだということです。

SunPower / Products & Services / Commercial Solar Roof Tiles
T10_feature_3
-----image(”SunPower T10 Solar Roof Tile ; The SunPower T10 Solar Roof Tile tilts at a 10-degree angle to increase energy capture.
Designed for fast and easy installation, T10 solar tiles are non-penetrating and lightweight, highly durable, resistant to high wind speeds up to 120 mph (193 km/h) and are uniquely flexible to adapt to virtually any flat rooftop or ground site. ”) : 上記サイトより

 上のサイトに商品データーもありました。”タイル”とあるので、屋根全体にしきつめるタイプかとも思いましたが、T10は、十度角度をつけたタイプということなのだそうです。
 この太陽電池、屋根上用に開発されたもののようです。GE Energy Financial Servicesが仲介したシステムということで、同社が進めるアメリカでの大規模太陽光発電所システムのひとつとして、各社の工場や企業の施設の屋上にアピールしそうです。同社のプレスリリースをみると、再生可能エネルギーのビジネスにおいて、太陽電池はかなりの勢いを感じさせるものでした。(t_t)

参考エントリー

続きを読む "北米トヨタが2.3MWの一つ屋根としては最大の太陽光発電施設を工場に設置"

| | コメント (1) | トラックバック (0)

テーマ別 ブックマーク

テーマ別ブックマークを作ってみてます

インデックスへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2008年9月 | トップページ | 2008年11月 »