« 2008年8月 | トップページ | 2008年10月 »

三菱商事、欧州バイオペレット市場に本格参入

 三菱商事が、EU全体で再生可能エネルギーを20%まで引き上げる目標を設定し、それにより木屑等の未利用のバイオマス資源を円柱状に圧縮成型したペレットの市場も大きく拡大していることから、バイオペレットを手掛ける独Vis Nova Trading GmbHの株を取得すると発表しました。これにより45%株を取得、ヨーロッパ市場への足場とするということです。
 また同社は、国内でもバイオペレットに取り組んでいるということです。

《日系進出》三菱商事、バイオペレットメーカーに45%出資[製造]---NNA EU,2008/9/25

関連
三菱商事 : プレスリリース / 2008/09/24 三菱商事、欧州バイオペレット市場に本格参入 (PDF 168KB)

コメント続き
 ペレットストーブとペレットの価格もだいぶこなれ、機材もさまざまなところで入手できるようになってきました。東京西部では、東京ペレットさんの話を知人から聞きました。ぶログもあります。近くで興味のある方はご覧ください。参考になります。

ブログ 東京ペレット

 価格.comでもペレットストーブが紹介されていました。だいぶポピュラーになってきましたね。

価格.com : ストーブ 薪 ペレット

 ペレットストーブについてレクチャーいただいた方とは、森のエネルギー研究所のOさんです。勉強会で講師をやっていただきました。ペレットについても、情報を充実させていきたいと思います。Oさん今後ともよろしくお願いします。(t_t)

参考動画
How Wood Pellets are Made

(Hearthcom,2006年10月11日)

続きを読む "三菱商事、欧州バイオペレット市場に本格参入"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

South African Solar Challenge 2008に東海大のソーラーチームが参戦。ドライバーには、OBの篠塚建次郎さんも参加し南ア4175キロ走破に挑む

 東海大学のソーラーカーチームが現地9月28日スタートのに参戦、全行程4175kmの過酷な南アフリカの灼熱の大地で繰り広げられるレースに挑むということです。ドライバーには、東海大学工学部の卒業生であるプロドライバー、篠塚建次郎さんも参加しているということです。

リリース / 東海大学ニュース、2008.08.27
「サウス・アフリカン・ソーラー・チャレンジ」にライトパワープロジェクトが参戦!!

" ライトパワープロジェクト・ソーラーカーチームが国際自動車連盟(FIA)公認「サウス・アフリカ・ソーラー・チャレンジ」に参戦いたします。

このレースは、アフリカ大陸初のソーラーカー大会であり、11日間(9/28~10/8予定)で、南アフリカ共和国を一周する総延長約4,200kmを走破する壮大なものです。
日本からの参戦は本学のみとなります。
.....
ライトパワープロジェクトのHP

篠塚建次郎オフィシャルサイト
.......... "

関連情報、記事
South African Solar Challenge 2008 / Map
Sasc2008map
-----image : 上記サイトキャプチャー画像
/ FINAL DETAILS

南ア4175キロ過酷ソーラーカーレース 挑む東海大 表彰台狙う-----MSN産経ニュース、2008.9.27

■篠塚、ソーラーカーに挑戦!南アフリカ4200kmの長丁場。-----篠塚建次郎・語録、2008/9/16

コメント

続きを読む "South African Solar Challenge 2008に東海大のソーラーチームが参戦。ドライバーには、OBの篠塚建次郎さんも参加し南ア4175キロ走破に挑む"

| | コメント (4) | トラックバック (1)

京都、蹴上浄水場に20kWの太陽光発電所が完成

 ここのところ、鉄道、道路、飛行場関連施設などに太陽光発電が導入されたという情報を好んで拾っています。太陽光発電が普及しているのは間違いありません。この流れをもっと大きく、有効なエネルギー、気候変動問題へのひとつのソリューション、また再生可能エネルギー利用のひとつの雛形としての可能性として大きく開花させていきたいものだと考えています。
 今回は、京都市の蹴上浄水場に20kWの太陽光発電所が完成したということです。上下水道施設にも、未利用なスペースがあります。全国の他の自治体の中には、東京都のようにすでに取り組んでいるところもありますし、さらに多くの自治体に広がっていくこと流れ、未利用なスペースの有効活用としての太陽光発電という、流れの定番化を期待しています。

プレスリリース / 京都市 上下水道局、2008年9月4日
【お知らせ】蹴上浄水場における景観に配慮した太陽光発電設備の完成について
Keage
-----image(”蹴上浄水場の太陽光発電設備と発電状況”) : 同リリースより

" 上下水道事業は,自然環境の中で循環する水を,安全・安心で良質な飲料水にして市民の皆さまにお届けし,家庭等で排出される汚水等を処理する環境保全事業でありますが,一方で多くのエネルギーを消費することから,省エネルギーの推進や,地球温暖化防止の取組の一環として太陽光発電設備の導入等を進めています。

 このたび,本市の風致地区条例に基づく風致地区内にある蹴上浄水場において,景観に配慮した太陽光発電設備が完成しましたので,お知らせします。

1.設備の概要
(1)設置場所 京都市東山区粟田口華頂町 蹴上浄水場(最高区配水池)
(2)最大出力 20kW
(3)年間想定発電量 19,122kWh(一般家庭約5軒分の年間使用電力量に相当)
(4)発電電力の利用 浄水場の機械を動かす電力の一部として利用します。
(5)事業費 47,000千円

2.設備の特徴
蹴上浄水場は風致地区に指定されているため,景観に配慮し,太陽電池パネルに次のような工夫を施しました。
(1)太陽電池の色を,黒に近い色にしました。
(2)太陽電池パネルの裏側を保持するバックシートを黒にしました。
(3)太陽電池パネルの表面を,光が反射しないように加工しました。
(4)太陽電池パネルの枠を,濃い色(こげ茶色)にしました。 "

コメント続き

続きを読む "京都、蹴上浄水場に20kWの太陽光発電所が完成"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「羽田太陽光発電株式会社」の設立について / プレスリリース 東京電力

" 羽田空港国際線地区貨物ターミナルへの太陽光発電を活用したエネルギーサービス 東京電力株式会社(本社:東京都千代田区、取締役社長:清水正孝)と三井物産株式会社(本社:東京都千代田区、取締役社長:槍田松瑩)は、本日、羽田空港国際線地区貨物ターミナル向けに太陽光発電を活用したエネルギーサービ スを行う新会社「羽田太陽光発電株式会社」を共同で設立いたしました。  新会社は、羽田空港国際線地区貨物ターミナルの屋上に2,000kWの太陽光発電設備を設置し、太陽光発電による発電電力と電力会社の系統電力を組み合わせ、同ターミナルに電力を提供するエネルギーサービスを行います。  この太陽光発電設備の導入により、同ターミナルで使用する電力の約1割(約200万kWh/年)をまかなうこととなり、年間約850tのCO2排出量の削減を見込んでおります。なお、サービスの提供は、同ターミナルが開業する平成22年 10月より開始する予定です。 .......... 添付資料 ・別紙:「羽田太陽光発電株式会社」の概要(PDF 55.5KB)

「.......... 3.太陽光発電設備の概要  太陽電池 : 多層型薄膜シリコン太陽電池  太陽電池出力 : 2,000kW 推定発電量 : 約200 万 kWh/年 .......... 設置面積 : 27,840㎡(サッカー場 約4面分に相当) ..........」

Hanedapv
-----image : 上記添付資料よりキャプチャー画像 "
-----東京電力、三井物産、平成20年9月24日発表より

コメント
 ここのところ、未利用な土地の有効利用という感じでも捉えている、太陽光発電施設の案件が続いています。鉄道関連高速道路関連ときて、そして今回の航空関連施設での太陽光発電所ということで、なんとなく導入が進んでいる印象があります。歓迎すべき動きであることは間違いありません。

続きを読む "「羽田太陽光発電株式会社」の設立について / プレスリリース 東京電力"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

薄膜太陽電池の本格市場投入は、2010年。そして各社変換効率アップも目指す

 次世代の薄膜太陽電池の製品の投入は2010年を各社が進め、それぞれ変換効率10%を目処に開発するというタイムテーブルが発表されました。

三洋電、2010年度にも薄膜太陽電池を量産化=執行役員-----ロイター、2008年 09月 23日
" .....執行役員は、事業化に踏み切る目安は量産レベルで変換効率10%を達成することとし、「2010年度に10%レベルを量産できる水準に持っていきたい」と述べた。 ..... "
住友化学、2010年に有機薄膜太陽電池を事業化-----日刊工業新聞、2008年09月19日
" 住友化学は2010年に、シリコンを使わない次世代の太陽電池「有機薄膜太陽電池」を事業化する。..........同社は「年内にも変換効率10%のテストセル(試作品)を開発.......... "

関連エントリー

シャープ「21世紀型コンビナート」を展開 / プレスリリース-----ソフトエネルギー、2007/08/29
" .....稼動開始:2010年3月まで
・生産品目:薄膜太陽電池 ......"

CIS太陽電池量産技術の共同研究開発について / プレスリリース 昭和シェル石油-----ソフトエネルギー、2008/07/22

コメント続き
 各社薄膜や化合物系にシフトしていますが、結晶系も実はさまざまな技術革新により進化しています。日本のメーカーでは、多結晶で京セラと三菱電機が世界にのぞみます。

京セラ 太陽電池増強650メガに引き上げ-----MSN産経ニュース、2008.9.18
" .....多結晶..... "
京セラサイト内検索 : 薄膜太陽電池 / [PDF] ソーラーエネルギー事業の展開(2008/9/18)
2011年度中に年間生産能力600MW体制へ 太陽光発電システム / プレスリリース 三菱電機-----ソフトエネルギー、2008/08/28

 だいたいどのメーカーも2010年以降に次世代への本格的なシフト、製品の市場投入を目標に動いています。さらに、ベンチャー、新方式もうまれ、世界の太陽光発電が問われる時代となってきました。(t_t)

続きを読む "薄膜太陽電池の本格市場投入は、2010年。そして各社変換効率アップも目指す"

| | コメント (6) | トラックバック (0)

サービスエリアに100%自然エネルギーを活用する『エコトイレ』が誕生 / プレスリリース 西日本高速道路

01
-----image(pop up) & text : 西日本高速道路、平成20年8月25日発表より

" お客様満足度を追求したトイレリニューアルにも環境配慮の取り組み
NEXCO西日本(大阪市北区、代表取締役会長CEO:石田 孝)は、山陽自動車道 龍野西サービスエリア(上下線)トイレリニューアル事業において、使用するエネルギーの全てを自然エネルギーで賄い、使用水量も概ね半減させる「エコトイレ」を実現させます。NEXCO西日本では、5年間で約70箇所程度のSA・PA のトイレを4C( Clear (明るさ)・Clean(清潔)・Comfortable(快適) ・Charming(魅力的) )を目標にお客様に満足していただける施設に改修しております..........
今回導入するエコトイレ(山陽道 龍野西サービスエリア(上・下線)の概要)
(1)使用エネルギーを100%自然エネルギーで賄います。
(国内の高速道路トイレでは初)
従来型同規模施設の消費電力量は、238,000kwh(一般家庭の約65世帯分)
節電仕様機器等の採用、運転管理により138,000kwh(58%)削減
◇年間削減エネルギーの内訳
・太陽熱給湯システム+エコ給湯(ヒートポンプ)
・LED照明
・インバータ換気扇
・その他(人感センサー、節電洗浄便座など) 68,000kwh
61,000kwh
6,000kwh
3,000kwh 年間消費電力量を全て賄える規模(最大発電量100kw級)の太陽光発電施設を導入
節電仕様機器等による削減後の年間使用電力量100,000kwhを賄うため、導入する太陽光発電の年間発電量を100,000kwhの規模として、トイレで消費する年間消費電力量を差し引きゼロとすることを目指した。
(2)水道水使用量を概ね半減します。
..........

Ecotoilet
-----image(pop up) : 添付資料「山陽自動車道 龍野西SA(上下線)トイレリニューアル計画 (505KB)」よりキャプチャー画像 "

関連記事(ソース)
高速初のエコトイレ、サービスエリアに100%自然エネルギーを活用-----Bisiness Media 誠、2008/09/18

コメント
 西日本高速道路の山陽自動車道、龍野西サービスエリアのトイレに、太陽電池、太陽熱利用、そして省エネ仕様の快適なトイレが誕生。ヒートポンプ式給湯設備、LED照明、省エネ換気扇や節電便座などに加え、雨水利用と節水まで総合的なエコ性能を追求したトイレが誕生するということです。
 明るく、快適で清潔な高速道路のサービスエリアのトイレ、なかなかよさそうです。(t_t)

続きを読む "サービスエリアに100%自然エネルギーを活用する『エコトイレ』が誕生 / プレスリリース 西日本高速道路"

| | コメント (2) | トラックバック (0)

千代田線 北綾瀬駅「太陽光発電システム」を稼動いたします。 / プレスリリース 東京メトロ

200847_1
-----image(”駅舎の屋根上に設置した太陽光発電パネル”) & text : 東京メトロ、2008/9/19発表より

" 東京メトロ(社長 ...)では、千代田線北綾瀬駅の駅舎の屋根上に、太陽光を利用した発電システムを設置し、平成20年9月12日(金)から使用開始します。
 太陽光発電システムの設置は、これまで実施しているさまざまな環境保全活動に加えた新たな取り組みとして行うもので、駅設備の照明等に使用する電力の一部を環境にやさしくクリーンな発電システムにより供給するものです。
 東京メトロでは、環境保全活動を個別テーマごとに具体的な目標を設定して計画的に進めており、太陽光発電システムの設置は、環境目標として掲げている「自然エネルギーの活用」の取り組みの一環として実施するものです。
 これにより、晴天時には最大20kWの電力を供給することができ、約19,000kWh/年の電力削減が見込まれます。また、約10t-CO2/年(クスノキ27本分)の二酸化炭素の削減効果が期待できます。
 なお、北綾瀬駅のホームに電力量の表示装置を設置して、太陽光発電システムで供給される電力量をタイムリーに確認できるようにしています。
1 設置場所 千代田線北綾瀬駅の駅舎屋根上  (東京都足立区谷中2-6-21)
2 発電能力    20kW
3 利用施設 駅施設の照明、乗降場待合室空調等 "

関連記事(ソース)
北綾瀬駅に太陽光発電 駅舎屋根にパネル-----東京新聞、2008年9月18日

" .....晴天時の発電能力は最大二十キロワットで、同駅の照明設備に使う電力の約三割を賄える計算。..... "

コメント
 東京メトロ、千代田線北綾瀬駅に20kWpの設備容量の太陽光発電システムが取り付けられ、すでに稼動しているということです。鉄道の駅舎など関連施設への太陽光発電システムの導入はぼちぼちと各社で進んでいます。未利用なスペースをまだまだかかえていると考えられる鉄道関連施設においては、有効性が評価されればさらなる導入にはずみがつきそうです。

 東京新聞には、同駅で利用される照明で消費量の約3割とかかれています。ちょっと参考になる情報でした。
 また、同リリースによれば、20kWpの設備容量の太陽電池で年間約19,000kWhの発電量が見込まれているということです。

続きを読む "千代田線 北綾瀬駅「太陽光発電システム」を稼動いたします。 / プレスリリース 東京メトロ"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

アメリカの風力発電、総設備容量20,000MW超え。その成果と今後

 アメリカの風力発電事業は、急速に発展し総設備容量が20,000MW超えを果たしたとAMERICAN WIND ENERGY ASSOCIATIONが発表しました。2年前の2006年にようやく10,000MWを超え、2004年に対して30%近くののびをマークしたとされる2005年。その単年度2005年分のの増設が2,500MW程度だったことを考えるとこの2年の成果は驚くべきものです。
 さらにアメリカは、2030年に全電力供給量の20%を風力でまかなう計画を発表しています。
 ただしこのような急激な発展の中で、2008年度で優遇税制,federal renewable energy production tax credit (PTC)が切れ、その延長または代替の導入促進策がどのようになるのかが注目されています。現在の金融市場の混乱が、この分野にどのような影響を与えるのかにも注目が集まっているようです。大統領選の年に、まさにアメリカの再生可能エネルギーの代表である風力発電がどのような姿になるのかが注目されます。

プレスリリース / AMERICAN WIND ENERGY ASSOCIATION,September 3, 2008
U.S. WIND ENERGY INSTALLATIONS SURPASS
20,000 MEGAWATTS

" Delay in extending federal tax credit places 2009 project
pipeline on hold, discourages manufacturing investment
The U.S. wind industry has raced past the 20,000-megawatt (MW) installed capacity milestone, achieving in two years what had previously taken more than two decades, the American Wind Energy Association (AWEA) said today (the 10,000-MW mark was reached in 2006). Wind now provides 20,152 MW of electricity generating capacity in the U.S., producing enough electricity to serve 5.3 million American homes or power a fleet of more than 1 million plug-in hybrid vehicles.
“Wind energy installations are well ahead of the curve for contributing 20% of the U.S. electric power supply by 2030 as envisioned by the U.S. Department of Energy,” said AWEA Executive Director Randall Swisher. “However, the looming expiration of the federal renewable energy production tax credit (PTC) less than four months from now threatens this spectacular progress. The PTC has been a critical factor in wind’s very rapid growth as a part of the nation’s power portfolio.” The PTC is currently set to expire at the end of 2008.
.......... "

関連動画
20% Wind Energy by 2030

(americanwindenergy,2008年05月20日)

関連記事(ソース)
米国の風力発電設備容量が2万MWを超える -- しかし懸念材料も-----日刊 温暖化新聞、2008/9/13

コメント続き

続きを読む "アメリカの風力発電、総設備容量20,000MW超え。その成果と今後"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

BN/Siヘテロダイオード太陽電池の試作に成功! / プレスリリース 物質・材料研究機構

Pvbnnsidyode
-----image(pop up ; ”図1太陽電池に用いられるp型BN/n型Siヘテロダイオードの概念図”) & text : 物質・材料研究機構、平成20年9月4日発表より

" 世界初・耐久性に優れ宇宙でも活躍・将来は透明太陽電池も
概要
1.独立行政法人物質・材料研究機構(理事長:岸 輝雄)半導体材料センターの小松正二郎グループリーダーらは、可視光に対して透明で、もっとも丈夫な材料(高温耐火物)のひとつである高密度窒化ホウ素(sp3-結合性BN)による太陽電池の試作に世界で初めて成功した。
2.地球温暖化、燃料資源の枯渇・高騰に対処するため、様々な省エネルギー技術・新エネルギー開発が活発化している。なかでも太陽電池はシリコン太陽電池の実用化により普及が世界的に進んでいる。しかし、シリコンにはない機能や特徴を持つ太陽電池材料の発見、開発の余地もまだ大きく残されており、開発競争は激しい。今回発表するBN/Si系太陽電池は今まで報告例がなく、物質・材料研究機構が世界に先駆けて着手し、作製に成功した。
3.BNは、紫外レーザや透明トランジスタなどを可能にするワイドバンドギャップ1)半導体2)として、期待されている材料だが、従来は半導体化に必要なドーピング3)が困難であった。今回、高密度BN薄膜のドーピングにレーザミキシング・プラズマCVD法という独自の手法を用いた結果、世界で初めてBN/Siヘテロダイオード4)の作製に成功した。これを用いて太陽電池を試作したところ、2%程度の発電効率を示した。これは現在の最も進んだシリコン太陽電池の水準(18%)と比較すると大きな開きがあるが、世界で初めて試作されたBN/Siヘテロダイオード太陽電池の出だしのデータとしては前途有望な値と考えられる。
4.今回採用されたレーザミキシング・プラズマCVD法は、ダイヤモンドと同等な原子間結合様式をもつ高密度BN(sp3-結合性BN)が合成されると同時にシリコンのドーピングが進行するプロセスであり、これにより世界で初めてBN/Siヘテロダイオードが実現できた。また、レーザミキシング・プラズマCVDは、ワンステップで太陽電池セルが作製できることも特徴であり、この製造法では、電池薄膜の表面がミクロンサイズのコーンに覆われるため、太陽光の反射が抑えられ、光吸収効率の向上に役立つ。
5.BN/Si太陽電池は、特に耐久性、信頼性、耐候性などの要求がシビアな無人観測装置や、宇宙環境などの用途に特化したものが製品化される。今後、今回作製に成功したp型BNに加えて、n型BNを作製し、全体がBN製のホモダイオードを作製する予定で、この場合、可視光に対して透明な電池が出来る。これにより、蓄電池との組み合わせによる車載型サンルーフ発電システム、サングラスや窓に貼り付けられる太陽電池などの開発が期待される。
6.本研究成果は9月5日開催の応用物理学会(中部大学)にて発表される予定である。
......
【用語解説】 詳細資料pdf版より
1)バンドギャップ 半導体の中で電子が取り得るエネルギーには制限があり、あるエネルギーの範囲は電子が存在できない。これを日本語で禁制帯、英語でband gapと呼ぶ。このエネルギーのギャップの大きさが、電子が光子とエネルギーの授受を行う際の目安を与えるため、半導体物性では重要になる。
2)半導体・絶縁体 物質は電気の通りやすさ(導電性)に応じて、金属、絶縁体、半導体に大別される。金属では温度が上がると導電性が下がるが、半導体では逆で、温度が上がると導電性が増す。代表的な半導体はシリコンで、以下に述べるドーピングにより、様々な特性が調整され、現代文明の基礎を成す物質である。
3)ドーピング、p型、n型 半導体では、不純物を混入することで導電性を制御できる。シリコンの場合、例えばB(ホウ素)をドープした場合、B原子にシリコン結晶格子中の電子が取られ、電子の不足分が生じ、この電子欠損部分(ホールという)による導電性が発生する。この状況の半導体をp型半導体と呼ぶ。 同様に、例えばシリコンにP(リン)をドープした場合、P原子がシリコン結晶格子に余分な電子を与え、これが導電性を与える。この状況の半導体をn型半導体と呼ぶ。
4)ダイオード、ヘテロダイオード 上記p型半導体とn型半導体を接合した場合、電流.電圧特性に著しい変化が現れる。一つは、整流特性で、p型からn型の方向への電流は流れるが、逆は非常に流れにくくなる。この状況の半導体接合をダイオードと呼ぶ。特に、p型半導体とn型半導体の材料が異なる場合、ヘテロダイオードと呼ぶ。
5)ドーパント ドーピングでドープする物質【 3)の例では、BとP 】をドーパントと呼ぶ "

コメント
 p型BN/n型Siヘテロダイオードを利用した太陽電池の素子の製造に世界で始めて成功したと、物質・材料研究機構が発表しました。当初の発電効率は2%で、「世界で初めて試作されたBN/Siヘテロダイオード太陽電池の出だしのデータとしては前途有望な値」とのことです。

続きを読む "BN/Siヘテロダイオード太陽電池の試作に成功! / プレスリリース 物質・材料研究機構"

| | コメント (2) | トラックバック (1)

経産省:ガス・石油会社も新エネ調達義務化 新法提出へ / クリッピング 毎日.jp

" 経済産業省は、ガス会社や石油会社に、天然ガスや石油に代わるバイオガスやバイオ燃料など新エネルギーの調達を義務づける方針を固めた。 .......... 電力会社に新エネルギーの利用を義務づけた新エネルギー利用特別措置(RPS)法では、電力会社の反発もあり、14年度の達成目標が全体の1.63%と低水準にとどまった。新たに義務を課すガスや石油会社も、高い目標設定には抵抗が予想される。 .......... "
-----毎日.jp、2008年9月14日

コメント
 強調しときましょう。日本の再生可能エネルギーの目標は、2014年度で1.63%です。これって少なくないですか?
 さらに、現RPSの問題点を是正しない政府は、ガス、石油会社に新たな押し付け的な施策を義務付ける方針だそうだ。国のエネルギー政策の中で突出しているのは、ご存知原子力発電。地震大国であることにもかかわらず、原子力政策を堅持している。
 問題は、再生可能エネルギーの利用に関しては、国の施策上の革命的な転換をするか、欧米のように、リスクを分散させ、化石燃料への依存を下げつつ、原子力にも、再生可能エネルギーにも、さらにそれぞれの国の独自のエネルギー調達法などに、2020年ごろまでの目処を考えながら必死に気候変動とエネルギー政策の練り直しをしている。とりあえず、正直なところ、各国での成功もそろそろ検証がかかって、その有効性を再評価、場合によっては、路線の見直しを考えなおしている。日本も現状の数字的には、よくついていっていると評価する人もおられます。しかし、現状、日本の風土を生かした、地方から中央まで、規模とコストを評価しつつ、国作りまでふくめた施策は、あまりに乏しい。
 結果、将来の国、庶民の2020年の暮らしが見えてこない。見えてこないから、増税もできない。ほれほれ、自民党さんの政治も終わりなんだが、代替がない。悲劇的な総選挙を迎えようとしている。エネルギー、気候変動問題と庶民の生活を同時に語れるような、政治家が是非とも必要です。どこかにいますか? (t_t)

続きを読む "経産省:ガス・石油会社も新エネ調達義務化 新法提出へ / クリッピング 毎日.jp"

| | コメント (2) | トラックバック (0)

日本の人工筋肉技術で波力発電、ブイ型ユニットが実用化

 波力発電用のブイに日本製の人工筋肉が使われていることを知っていますか?
 そんなふうに、情報をくれる人たちがいます。初めて聞く話も多く、助かります。今後ともよろしくみなさん。

 今回は、元ネタは、環境新聞さんらしいです。日本のベンチャーが開発した人工筋肉が波力発電機に取り付けられ、上下運動を効率よく、発電へとつなげる動きに変換してくれます。これまでのダイヤフラム型でもゴムが使われていましたが、単なるゴムとはことなり、人工筋肉の場合は、電気が流れると収縮します。この働きを逆に利用することで、波の振動をダイレクトに電気エネルギーへと効率よく変換してくれるということです。動きは、下の動画でよくわかります。このシステムを開発しているSRI InternationalのサイトやYouTubeサイトにより詳しい情報があります。

SRI Wave-Buoy Generator (EPAM)

( perpetualwatt,2007年10月26日)-----オリジナル : SRI Wave-Powered Generators for Clean Energy Production (EPAM)

SRI International's Wave-Powered Generators for Clean Energy

(innovationSRI,2008年04月30日)

関連情報
環境新聞 2008/09/10発売号 (1952) 人工筋肉で波力発電 HYPER DRIVE、欧州市場に照準 来年にも小規模 ユニットを出荷 -----Fujisan.com

HYPER DRIVE / 業務内容

"①EPAM波力発電
=SRIと共同開発を行っている大型発電プロジェクトで
   約40gのEPAM膜を用い、わずか6cmの波で5.4J/波
   の実証実験に世界で始めて成功。現在、製品化にむけ
   開発中。将来的には約2kW/モジュールを目指します。 "

プレスリリース / SRI International,August 3, 2007
Novel Wave-Powered Generators Deployed in Sea Trials off Florida Coast

続きを読む "日本の人工筋肉技術で波力発電、ブイ型ユニットが実用化"

| | コメント (1) | トラックバック (0)

港発電所跡地でのメガソーラー開発について / プレスリリース 九州電力

Kyuudenmegasolar
-----image(pop up ; ”別添資料キャプチャー画像”) & text : 九州電力、平成20年8月25日発表より

" 当社は、地球環境問題への対応、国産エネルギー活用の観点から、風力・ 太陽光・水力・地熱など再生可能エネルギーの開発、導入拡大を進めています。

 この度、当社初となるメガソーラー(大規模太陽光発電システム)を福岡県大牟田市の港発電所跡地に開発することといたしました。開発規模は3,000kWで、九州最大の太陽光発電となります。

 太陽光発電は原子力発電や水力発電と同様、発電を行う過程でCO2を排出しないため、メガソーラー3,000kWによるCO2排出抑制効果は、年間約1,300トンになる見込みです。

 当社は、今後も再生可能エネルギーの開発、並びに新エネルギーからの電力購入及び九州グリーン電力基金への協力などを通じ、低炭素社会の実現に努めてまいります。

【港発電所跡地でのメガソーラー計画の概要】 ○ 所在地 : 福岡県大牟田市新港町
○ 開発規模 : 3,000kW
○ 年間発電電力量 : 約3,150MWh
○ 建設工程 : 着工 平成21年度(予定)
運転開始 平成22年度(予定)

以上

添付ファイル (別添資料)港発電所跡地位置図とメガソーラーのイメージ (572KB) "

コメント
 九州電力が3MWの太陽光発電所を建設するということです。完成は、2010年で、完成すれば九州最大となるということです。

 世界的に大型の太陽光発電所も続々と建設される中で、メガと聞いてもそれほど驚かなくなってきました。しかし、メガワットはやはり大きいです。日本は、国土が狭く、地形も急峻です。太陽光発電の大きな特徴は、規模にかかわらず、日射条件の良い土地を見つければ、発電してくれることです。電気を使う場所で、日射が確保できれば、太陽電池は使えるのです。未利用な土地やスペースの活用という意味でも、太陽電池を適切な規模で使うことが、重要になってきます。小さなものから、大きなものまでさまざまなタイプが自由に活躍できる、そんな太陽光発電の有効な利用方法を考えていきたいものです。(t_t)

参考エントリー
World's largest solar power plant being built in eastern Germany / プレスリリース juwi (ドイツでサッカー場200面の広さの40MW太陽光発電プラント!)-----ソフトエネルギー、2007/02/28

「堺市臨海部におけるメガソーラー発電計画」の推進について / プレスリリース シャープ-----ソフトエネルギー、2008/06/25

Southern California Edison Launches Nation’s Largest Solar Panel Installation / プレスリリース Edison International(カリフォルニアで1企業が世界最大の太陽光発電の設備を計画。合計、250MW!)-----ソフトエネルギー、2008/03/31

World’s largest rooftop solar power station being built in Zaragoza / プレスリリース GM Europe(GMのスペイン工場に、世界最大の屋上設置型の太陽光発電施設)-----ソフトエネルギー、2008/07/10

追加情報

続きを読む "港発電所跡地でのメガソーラー開発について / プレスリリース 九州電力"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

イベント 10/4 わしらの街にペレットを木質バイオマス地産地消に向けて in 東広島

-----イベント案内より-----

" 木質バイオマスの地産地消をテーマにしたシンポジウムを下記日程で開催いたします。
どなたでも参加できます(参加費無料・申込不要)。
多くの方の参加を心よりお待ちしております。

32194
-----image : 同案内より
■開催日時・場所
 日時:2008年10月4日(土)10時~16時40分
 場所:広島大学総合科学部K108教室

■プログラム
1:招待講演(10:00~12:00)
 島田 幸司氏(立命館大学経済学部)
  『低炭素社会づくりにおける地域の役割』
 大場 龍夫氏(森のエネルギー研究所)
  『木質ペレット最前線と導入の工夫』

2:先進地の状況報告(13:30~14:30)
 大学院生による報告

3:地域からの報告(14:30~15:30)
 前垣 壽男氏(西条酒造協会/西条山と水の環境機構)
  『酒屋が取り組んでいること』
 齊藤 一郎氏(並滝こもれびの会)
  『里山林の木質バイオマス利用を体感できるプログラム』

4:総合討論(15:40~16:40)
※ペレットストーブの燃焼実演もあります。
※講演会後に懇親会開催します(当日申し込み可)

■木質ペレットとは?
 木質燃料の一種です。今まで再利用が難しくお金をかけて燃やすか廃棄するしかなかった間伐材、端材、おかくずなどの木質を乾燥させ、細かく破砕し、高圧で固めたものです。木質燃料は、植物が成長する過程で二酸化炭素を吸収していますので、燃やした時に二酸化炭素は出ますが、植物が吸収したものが出るだけで、二酸化炭素を増やすことにはなりません。

■シンポジウムの目的
 今後望まれる低炭素社会において役割が期待される木質バイオマス、中でも地産地消に向いた木質ペレットについて、東広島に於いて普及していく上での問題点と解決策を検討します。

■シンポジウム主催
 総合科学研究科 文理融合型リサーチマネージャ養成プログラム 木質ペレットプロジェクト(WPP)

■シンポジウムに関するお問合せ先
 総合科学研究科 佐藤高晴(TEL:略, E-Mail:略)
 WEBサイト:木質ペレットプロジェクト "

 詳細、お問い合わせは、イベント案内までお願いいたします。

関連
広島大学 : 木質ペレットプロジェクト

森のエネルギー研究所 : シンポジウム『わしらの街へペレットを』で講演します

続きを読む "イベント 10/4 わしらの街にペレットを木質バイオマス地産地消に向けて in 東広島"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

豪で、学生が考案したインクジェットプリンターとピザ用のオーブンで簡単にできる太陽電池が話題に

 オーストラリアのSchool of Photovoltaic and Renewable Energy Engineering at the Univesity of New South Walesの学生が考案した、インクジェットプリンターとピザ用のオーブンで簡単にできる太陽電池が話題になっています。

Solar Star: Nicole Kuepper

(unsw,2008年09月01日)
追記 : 本日は、YouTubeの埋め込みが動画が機能しないようなので、タイトルにリンクを追加しました。

太陽光発電を簡素化、途上国への普及目指す 豪研究者-----CNN.jp,2008.09.06

" .....ケッパー氏によれば、アイジェットは「インクジェット方式のプリンターとマニキュアの除光液、ピザの焼けるオーブンがあれば作れる」太陽光発電機。従来の工程と違い、..... "

 その女子学生の名前は、Nicole Kuepperさん(Wikipedia)、1985年生まれの23才の太陽光発電専門課程を学ぶ学生だそうで、大学のサイトで研究論文が掲載されています。

関連
School of Photovoltaic and Renewable Energy Engineering at the Univesity of New South Wales / Nicole Kuepper

 若い研究者であることもあり、ディープリンクなので、URLは記しませんが、「Photovoltaic technology for developing countries」 [22 nd European Photovoltaic Solar Energy Conference and Exhibition (Milan, 2007)]

" ABSTRACT: The manufacture of silicon solar cells currently involves many complex processes necessitating clean environments and highly skilled people. Many of these processes are not conducive to a developing country’s production environment where the manufacture of solar cells could arguably bring about the most good for the two billion people worldwide who currently lack access to electricity. In this work, a novel rear-contact iJET Cell design that relies on low-cost inkjet printing technologies and low-temperature processes . appropriate for a manufacturing environment in developing countries . is proposed, developed and evaluated. The iJET Cell design capitalises on an innovative way of forming metal-insulator-silicon (MIS) contacts simultaneously to both polarities of semiconductor material. This is done by exploiting pinholes present in a thin tunnel oxide to create good ohmic contacts to both lightly doped n-type and p-type silicon using aluminium in the MIS structure.
Keywords: inkjet printing, metal-insulator-silicon contacts, developing countries "

という内容が公開されていて、インクジェット方式のプリンターとマニキュアの除光液、ピザの焼けるオーブンについてのより詳しい内容を読むことができます。興味のある人は、”検索”し、一読をおすすめします。

続きを読む "豪で、学生が考案したインクジェットプリンターとピザ用のオーブンで簡単にできる太陽電池が話題に"

| | コメント (3) | トラックバック (0)

ソーラーシステムに復活の兆し 低コスト魅力 / クリッピング MSN産経ニュース

" 太陽熱を利用してお湯を沸かすソーラーシステムが復活の兆しをみせている。太陽光発電のほか、電気でお湯も沸かすオール電化住宅の普及に押されていたが、光熱費の値上がりや、太陽光発電に比べ設置費用が安いことで見直されている。補助金を支給する自治体も増えており、普及の追い風になっている。 "
-----MSN産経ニュース、2008.9.6より

関連
ソーラーシステム振興協会 / 協会の出版物 / 2007 ソーラーシステム
データブック(PDF)

コメント
 太陽熱温水器などのソーラーシステムが、原油高もあってここにきて販売が復調のきざしがみられるそうです。確かな兆しであれば、太陽熱温水器は確実な自然エネルギーの家庭での利用方法ですから、嬉しい動きです。

 しかし、ソーラー普及協会の資料[2007 ソーラーシステム
データブック p.27(31)]によれば、1998年の普及率が、12.77%であったものが、2005年の12月までの8年間で、6.79%まで落ちこんでいました。確かにかつては、屋根の上に本当に多くの太陽熱利用システムがのっていたものでした。

 落ち込みには、さまざまな理由があったのでしょうが、政策的な失敗もあったように思います。補助金とその結果の冷静な評価が具体的に残っていないことがその失敗を浮き彫りにします。過去に問題があったとされる販売方法や商品そのもの、そして保証などさまざまなポイント。今後、日本で太陽熱利用機器が復権するためには、コストや製品も含めてその有効性が具体的にわかる形で提示できなければならないと思います。

 世界では、太陽熱温水器の製品やパーツで中国製の情報が目立ちます。ヨーロッパの厳しい製品基準をクリヤーしている製品もあります。聞くところによれば、かつては日本でも高品位の真空型ガラス管温水器が作られていましたが、この分野、高い製品の製造技術と管理が要求される分野での中国の評価は、世界でオンリーワンのコストパフォーマンスを示しているそうです。そのあたりの輸入品の情報も少しづつ入ってきています。是非、使える太陽熱温水器について紹介できるようになりたいと思っています。情報などありましたら、是非教えてください。(t_t)

続きを読む "ソーラーシステムに復活の兆し 低コスト魅力 / クリッピング MSN産経ニュース"

| | コメント (5) | トラックバック (0)

東京ガスが木くずを使用したバイオマス発電へ参画 / クリッピング greenz

" 「ガス・パッ・チョ」のCMでおなじみの、東京ガス。この大手ガス会社が、このたび木くずを使った「バイオマス発電」に参入すると発表した。"
-----greenz,2008/09/04

関連
プレスリリース / 東京ガス、平成20年8月11日
木質バイオマス発電事業(株式会社吾妻バイオパワー)への参画について

" 東京ガス株式会社(本社:東京都港区、社長:鳥原光憲、以下「東京ガス」)は、このたび、木質バイオマス発電事業を予定している株式会社吾妻バイオパワー(本社:群馬県前橋市、社長:木寺靖、以下「吾妻バイオパワー」)に出資し、本発電事業に参画します。
 吾妻バイオパワーは、木屑チップ(剪定枝、廃材などを破砕しチップ化したもの)を燃料とした発電事業を行うために、13,600kW※2の木質バイオマス発電所(群馬県吾妻郡)の建設を今月から開始しており、2010年度からの運転開始を目指しています。本発電所で発電した電力は、CO2を排出しない新エネルギー電力として認定されます。 また、木質バイオマス発電は、再生可能エネルギーによる発電の中でも経済性に優れており、気象状況に左右されず計画に基づいた運転が可能です。東京ガスは、本発電所で発電された電力を全量購入し、特定規模電気事業者(PPS)である株式会社エネット(本社:東京都港区、社長:武井務)などに供給してまいります。
..........
※2: 発電端出力。年間送電量は約23,000世帯分の年間電力使用量に相当する規模です。 会社概要
..........

木質バイオマス発電事業の概要
所在地 :群馬県吾妻郡東吾妻町大字岡崎字金子460-1他
概要 :循環流動層ボイラーを利用したバイオマス燃料(木屑チップ)専焼発電設備を建設し、年間約13万tの木屑チップ燃料を燃焼させて発電を行います。

発電規模 :13,600kW(発電端出力)
発電方式 :蒸気タービンによる汽力発電方式
投入燃料 :木屑チップ100%(剪定枝などの生木50%、建築廃材50%)
事業期間 :2010年~2025年(15年間操業)
燃料供給業者 :群馬県内および近県の木材チップ業者約20社
敷地面積 :約29,000m2

以上 "

エネット

東京ガスの環境活動 : バイオマス利用技術開発

-----イメージ(pop up)


P1030600

-----photo by Rina 2008-----

コメント
 東京ガスが群馬県で剪定枝や建築廃材の木屑チップによる発電所建設計画に参加することを発表しました。

 バイオマス燃料の利用は、建築廃材の利用率は2006年で70%程度あるといわれていますが、内容については、調べているところです。
 また、剪定枝については、自治体によって50から90%と利用率もことなっているようです。情報ポータルとしては、NEDOの下記のデーターベース、経済産業省、農水省のデーターがあります。

NEDO : バイオマス賦存量/利用可能量の推計 / バイオマス種の説明と推計方法

 今後、建築材料として国産材の利用を進めていくという方向で動く流れができあがることになれば、廃材の再利用まで含めたトータルな資源、エネルギーの効率的な利用が進んでいくといいと思います。しかし、いかんせん国産材の利用が20%程度と低く、木造自体の需要減という傾向もあり、将来的な可能性が見えてきません。ただ潜在的には、日本の森林、農地におけるバイオマスエネルギーの可能性は非常に高いと言われる分野です。この国の風土と国のありかたを、気候変動とエネルギー問題への対処という中で、何度も見直せる柔軟性があれば、バイオマスは必ずや大きな位置を獲得する分野です。(t_t)
 
MEMO

続きを読む "東京ガスが木くずを使用したバイオマス発電へ参画 / クリッピング greenz"

| | コメント (1) | トラックバック (0)

環境技術、日・EUが初の政府間協議 まず太陽光発電 / クリッピング NIKKEI NET

" 温暖化対策で国際的な技術協力を進めるため、日本と欧州連合(EU)が初めての政府間協議を開催することが明らかになった。まず9月に太陽光発電に関する専門家会合を開き、蓄電技術や二酸化炭素(CO2)の地中貯留でも技術協力を探る。 "
-----NIKKEI NET,2008/8/29

-----イメージ(pop up)


P1030622

-----photo by Rina 2008-----

コメント
 日本とEUの環境、再生可能エネルギー技術での交流は、さまざまな施策で遅れが懸念されている日本の状況を、多くの国々が問題を抱えながらも、持続可能な地域を模索するEUと課題を共有するという意味でも意味があると考えていました。気候変動とエネルギー問題への対応は、食料、資源、安全保障ともからみ各国にとって重要な問題だからです。しかし、今回福田さんの突然の辞任により、日本政府の動きに遅れがでることは避けられず、なんとも歯がゆい気がします。人に言わせれば、官僚や小社ががんばる! みたいな話も聞きますが。おそらく日本の政治体制に対する不審は、国家間のさまざまな交渉や協力にも暗い影を投げかけるような気がします。EUとの協力は、09年末までの計画とのことですが、COP15が開催されるのが来年の11月、それまで国連の場での議論を経てのタイムリミットが09年末ということです。あと1年強、そのうち数ヶ月の政治空白が日本の姿をまたしても希薄なものにしてしまいそうです。阿部さんのクールアースに福田ビジョン。2050年に50%削減という目標と、それを実現する過程で日本が目指す国づくりの姿は未だ闇の中です。(t_t)

参考記事

続きを読む "環境技術、日・EUが初の政府間協議 まず太陽光発電 / クリッピング NIKKEI NET"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

CIGS太陽電池モジュールで結晶シリコン太陽電池並の変換効率を実現 / プレスリリース 産業技術総合研究所

Fig1080902
-----image(pop up ; ”図1 10cm角集積型CIGSモジュールの写真”) & text : 産業技術総合研究所、2008年8月29日発表より

" 量産型CIGSサブモジュールでの変換効率15.9%を達成
●ポイント
・次世代の太陽電池として期待されているCIGS太陽電池モジュールを高効率化
・市販のCIGS太陽電池モジュールと同じ構造を用いて高性能を実現
・コストと性能で多結晶シリコン太陽電池に競合可能

概要
 独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 吉川 弘之】(以下「産総研」という)太陽光発電研究センター【研究センター長 近藤 道雄】化合物薄膜チーム 仁木 栄 研究チーム長は、CIGS系太陽電池の、銅(Cu)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、セレン(Se)からなる光吸収層の高品質化技術と集積化技術を開発し、量産型CIGSサブモジュールでのエネルギー変換効率15.9%(正式測定値)を実現した。

 現在、市販されているCIGS太陽電池モジュールの効率は11-12%程度である。今回、高品質なCIGS光吸収層を大面積で均一に製膜する技術を開発したこと、そしてその高品質なCIGS光吸収層の特性を生かしたプロセスを確立したことにより、10cm角のガラス基板を用いたサブモジュールでの変換効率が15%を越え、最も普及している多結晶シリコン太陽電池に対してコスト、性能ともに競合できる可能性を示した。

 今回の開発は、太陽電池市場におけるCIGS太陽電池の競争力を向上するものであり、導入・普及の加速が期待される。

 本技術の詳細は、2008年9月1日~5日にバレンシア(スペイン)で開催される第23回欧州太陽光発電国際会議(23rd European Photovoltaic Solar Energy Conference and Exhibition)で発表される。

開発の社会的背景
 地球温暖化対策の重要性が高まるにつれ、太陽光発電への期待はますます高まっている。世界の太陽電池生産量は毎年30%以上の割合で増え続けている。国内の太陽電池の累積設置量は、2006年時点で1.7ギガワット(GW)に達したが、2010年までに4.82GW、2030年までに83GW(国内全電力の約10%)という導入目標が設定されており、今後桁違いに大量の太陽電池の導入が求められている。

 現在、太陽電池の生産量の約9割は結晶シリコン太陽電池が占めているが、シリコン原料が不足し、その生産量はシリコン原料の供給によって制限されているのが現状である。また、さらなる導入普及のためには低コスト化が必須である。CIGS系、薄膜シリコン系などの薄膜太陽電池は大量生産による低コスト化が期待され、各メーカーが量産化に着手している。

 CIGS太陽電池は、研究室レベルの小面積(0.5cm2程度)のセルでは最大変換効率19.9%という高効率が実現されている一方で、商品化されたモジュールの変換効率は11-12%程度に留まっている。実用レベルの大面積CIGS太陽電池モジュールの高効率化が急務となっている。

研究の経緯
..........

研究の内容
CIGS太陽電池は、研究室レベルの小面積(0.5cm2程度)のセルでは最大変換効率19.9%という高効率が実現されている一方で、商品化されたモジュールの変換効率は11-12%程度に留まっている。小面積セルと集積型モジュールの構造の違いを図3に示す。小面積セル、集積型モジュールとも、ガラス基板、モリブデン(Mo)裏面電極、CIGS光吸収層、バッファ層、窓層までの多層膜の構造は全く同じであり、小面積セルのみ表面に金属電極を必要とする。最も大きな違いは集積型モジュールにおいては、P1、P2、P3という3段階のパターニング工程が必要となることである。このパターニングによってP3で切り分けられた個々のセルが電気的に接続されることで集積化が可能になる。集積型モジュールでは、このパターニングによって太陽電池として動作しない不活性な領域が全面積の5-10%をしめる。また、主に縦方向だけに電流が流れる小面積セルの場合と異なり、集積型モジュールでは最大3-5mmの幅にわたって透明導電膜の中を電気が流れる(図3の赤の矢印が電流の流れを模式的に示す)。そのため透明導電膜の電気抵抗を下げる必要があり、小面積セルよりも厚い透明導電膜が必要になる。透明導電膜とはいっても完全に透明ではないために透明導電膜中での光吸収によって入射光強度が減少する。不活性な領域と透明導電膜での光吸収の両方の損失を合わせると変換効率の低下は絶対値で2-3%程度と見積もられる。したがって、小面積セルで18-19%程度の変換効率が実現できれば15%以上の変換効率を持つ集積型モジュールの実現は十分に可能なはずである。

Fig3
-----image(pop up ; ”図3 小面積セル(左)と集積型モジュール(右)の構造”) : 同リリースより
..........  "
関連
産総研 太陽光発電研究センター : 研究チーム・研究内容

23rd European Photovoltaic Solar Energy Conference and Exhibition

コメント
 化合物系の薄膜太陽電池は、すでに市場に投入されている”次世代の太陽電池”です。今回産総研が、CIGS太陽電池の量産型モジュールで15.9%という高い変換効率を達成したことにより、まさに次世代は結晶系太陽電池と伍し、近い将来にはそれを抜き去るメリットを実現することが現実となったということです。

続きを読む "CIGS太陽電池モジュールで結晶シリコン太陽電池並の変換効率を実現 / プレスリリース 産業技術総合研究所"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

東京都が2009年度4月より太陽光発電および太陽熱利用に対して支援策を実施すると発表

 東京都が2009年4月(平成21年4月)より、まずは2年間の計画で一般住宅(戸建て・マンションなど)を対照とした太陽エネルギー利用機器の飛躍的な導入拡大を促すための具体的な支援策を発表しました。全国の自治体にさきがけてと銘打っての旗揚げ発表会には、団体、企業などから多数の参加者が集まりました。

080829tokyosolarkickoff_2-----image : ”太陽エネルギー利用拡大連携プロジェクト・キックオフ大会”の当日の様子[(C)GreenPost2008]

 29日の都庁での発表に出席してきましたが、大会議場がほぼ満員になるぐらいの参加者にびっくり。オープニングを飾ったのは、「21世紀のための自然エネルギー政策ネットワーク:REN21」の理事である大林ミカさん。彼女の基調講演からスタートというのは、自治体主導のプログラムとしては異例のスタートだと感じました。
 企業、業界団体、NGO、NPO、そして自然エネルギーというテーマで活動している事業者と団体が参加していることに、周到な準備がなされているということと、世界的にも先進的な地点を目指してのスタートであることを印象付ける内容になっていたと思います。

太陽エネルギー利用拡大連携プロジェクト・キックオフ大会の実施及び連携企業・団体の募集について-----東京都環境局、2008/8/21

 29日に発表された具体的な内容は、
 補助対象機器および補助額 設備の規模に応じた補助額とする
 (1)太陽光発電システム 30万円程度(3kW)
 (2)太陽熱ソーラーシステム 20万円程度(6平方メートル)
 (3)太陽熱温水器 3万円程度(4平方メートル)

 支援策の特徴としては、自家消費分の環境価値の譲渡を条件に補助金を交付するということです。具体的な補助内容についえては、今後の予算処置(補正予算)を経て決まるもので決定ではないそうです。計算の根拠は、10年分の環境価値を想定、その額を前払いすることで支援効果をあげようというものです。設備の具体的な容量の増加が伴いながら、そのコストを環境価値算定により援助するという具体的な効果をあげることができれば、東京都の環境対策として大きな効果をあげる可能性あるでしょう。成功例を積み上げるという一歩としては、おおいに評価されるべき取り組みでしょう。
 予算が通り正式にプログラムの内容が発表されるタイミングとしては、年内いっぱいかかりそうということです。4月からの施行を目指し、2年間で4万件、90億円の予算を予定していることです。

 このプログラムの特質として、当初から環境価値は認証機構のもとで証書化され、企業などにグリーン証書として販売し、その販売益をさらに基金としてつみあがることで、当初の90億円を”出えん金”として回転させていくことで、継続した支援策を計画するという点です。成功すれば、CO2削減、温暖化対策としての評価、そして他の自治体への波及効果も期待できるのかもしれません。さらに、「手厚い支援策で都民負担を軽減」するために、すでに行われている国や自治体、区市町村の支援と併願できるようにし、さらにはプログラムが想定している10年を経過して機器を利用し続けるユーザーに対しては、11年目以降もなんらかの経済的なメリットがでるような内容を考慮していくということです。
 今後重要になるのは、都民への十分で公平な説明です。それが成功の鍵となると思われます。そのために、太陽エネルギー見本市を都内各地で開催することなども検討されているようです。予算が通り具体的に動き出した時点で、専門の窓口もできるということですから、具体的に動き出すタイミングに注目していきたいと思います。(t_t)

関連記事

続きを読む "東京都が2009年度4月より太陽光発電および太陽熱利用に対して支援策を実施すると発表"

| | コメント (2) | トラックバック (0)

United States, Australia, and Iceland to Promote Geothermal Energy / プレスリリース DOE EERE(アメリカ、オーストラリア、アイスランドの地熱開発協力を推進)

" The United States, Australia, and Iceland signed a charter on August 28 to launch the International Partnership for Geothermal Technology (IPGT), which will foster and promote cutting-edge geothermal technologies and help address energy security and address global climate change. DOE will work with Australia's Ministry of Resources, Energy, and Tourism and Iceland's Ministry of Industry, Energy, and Tourism to identify and encourage research, development, and deployment projects critical to the widespread deployment of enhanced geothermal systems (EGS) and deep drilling technologies. The countries will also exchange best practices, support education and training programs, and share information on their work to promote understanding of geothermal technologies in different geologic settings. The IPGT is open to expansion and may include members from other countries in the future. .......... "
-----DOE Energy Efficiency and Renewable Energy,August 28, 2008

関連
DOE : Enhanced Geothermal Systems Technology

Iceland Deep Drilling Project (IDDP)

Australian Government : Geothermal Energy project
Augeothemalmap
-----image(pop up ; ”Figure 2 Map of crustal temperature across Australia at five kilometre depth using the AUSTHERM05 database. This map has been derived from proprietary information owned by Earth Energy Pty Ltd ACN 078 964 735.”) : 上記サイトより
/ Geothermal Energy project

コメント
 アメリカ、オーストラリア、アイスランドが、地熱発電における情報の共有と研究、さらには企業や事業の協力をも含めた国際的な技術協力関係を構築すると発表しました。地熱は、あたらな技術を取り入れながら、国の根幹のエネルギーとしてこれらの国々では、地位があがっているようです。少なくとも多くの関心をあつめる再生可能エネルギーのエースとして浮上をしてきています。特に、地熱を利用できる地域、地点は、地球上では非常に限られた場所であり、火山や地震の多い地域としてのマイナス面も強調される地域です。しかし、目をエネルギーに転じれば大きなポテンシャルがあることは、古くから知られていることです。
 原油高がひとつの大きな契機となって、地域の再生可能エネルギーの総ざらい的な研究、開発にむけての大きな流れが”世界では形成されつつある”のかもしれません。(t_t)

関連エントリー
Googleが次世代地熱発電に1000万ドル超を投資-----ソフトエネルギー、2008/08/25

続きを読む "United States, Australia, and Iceland to Promote Geothermal Energy / プレスリリース DOE EERE(アメリカ、オーストラリア、アイスランドの地熱開発協力を推進)"

| | コメント (1) | トラックバック (0)

« 2008年8月 | トップページ | 2008年10月 »