東京都が2009年4月(平成21年4月)より、まずは2年間の計画で一般住宅(戸建て・マンションなど)を対照とした太陽エネルギー利用機器の飛躍的な導入拡大を促すための具体的な支援策を発表しました。全国の自治体にさきがけてと銘打っての旗揚げ発表会には、団体、企業などから多数の参加者が集まりました。
-----image : ”太陽エネルギー利用拡大連携プロジェクト・キックオフ大会”の当日の様子[(C)GreenPost2008]
29日の都庁での発表に出席してきましたが、大会議場がほぼ満員になるぐらいの参加者にびっくり。オープニングを飾ったのは、「21世紀のための自然エネルギー政策ネットワーク:REN21」の理事である大林ミカさん。彼女の基調講演からスタートというのは、自治体主導のプログラムとしては異例のスタートだと感じました。
企業、業界団体、NGO、NPO、そして自然エネルギーというテーマで活動している事業者と団体が参加していることに、周到な準備がなされているということと、世界的にも先進的な地点を目指してのスタートであることを印象付ける内容になっていたと思います。
・太陽エネルギー利用拡大連携プロジェクト・キックオフ大会の実施及び連携企業・団体の募集について-----東京都環境局、2008/8/21
29日に発表された具体的な内容は、
補助対象機器および補助額 設備の規模に応じた補助額とする
(1)太陽光発電システム 30万円程度(3kW)
(2)太陽熱ソーラーシステム 20万円程度(6平方メートル)
(3)太陽熱温水器 3万円程度(4平方メートル)
支援策の特徴としては、自家消費分の環境価値の譲渡を条件に補助金を交付するということです。具体的な補助内容についえては、今後の予算処置(補正予算)を経て決まるもので決定ではないそうです。計算の根拠は、10年分の環境価値を想定、その額を前払いすることで支援効果をあげようというものです。設備の具体的な容量の増加が伴いながら、そのコストを環境価値算定により援助するという具体的な効果をあげることができれば、東京都の環境対策として大きな効果をあげる可能性あるでしょう。成功例を積み上げるという一歩としては、おおいに評価されるべき取り組みでしょう。
予算が通り正式にプログラムの内容が発表されるタイミングとしては、年内いっぱいかかりそうということです。4月からの施行を目指し、2年間で4万件、90億円の予算を予定していることです。
このプログラムの特質として、当初から環境価値は認証機構のもとで証書化され、企業などにグリーン証書として販売し、その販売益をさらに基金としてつみあがることで、当初の90億円を”出えん金”として回転させていくことで、継続した支援策を計画するという点です。成功すれば、CO2削減、温暖化対策としての評価、そして他の自治体への波及効果も期待できるのかもしれません。さらに、「手厚い支援策で都民負担を軽減」するために、すでに行われている国や自治体、区市町村の支援と併願できるようにし、さらにはプログラムが想定している10年を経過して機器を利用し続けるユーザーに対しては、11年目以降もなんらかの経済的なメリットがでるような内容を考慮していくということです。
今後重要になるのは、都民への十分で公平な説明です。それが成功の鍵となると思われます。そのために、太陽エネルギー見本市を都内各地で開催することなども検討されているようです。予算が通り具体的に動き出した時点で、専門の窓口もできるということですから、具体的に動き出すタイミングに注目していきたいと思います。(t_t)
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