次世代電力用キャパシタに向けた要素技術を開発 / プレスリリース 三菱電機
" 太陽光発電の出力変動吸収や大型モーターの電力回生などへの大型キャパシタの実用化を容易に 三菱電機株式会社(執行役社長:下村 節宏)は、電力貯蔵デバイスとして期待されている大型の電力用キャパシタ※1の実用化に有用な要素技術を開発しました。今回開発した技術は、より短時間での充放電を可能にする技術やキャパシタの耐電圧を高めて蓄電エネルギーを高める技術などです。これにより、太陽光発電や大型モーターの回生※2といった大電力分野に対応できる次世代電力用キャパシタの開発が容易になります。 ※1: キャパシタ 化学反応を伴わずに充放電できるサイクル寿命に優れた電力貯蔵デバイス ※2: 回生 モーターが回ることにより発電すること .......... 主な開発成果 1. モーターの瞬時電力回生に有効な急速充放電特性で業界最速(1秒)を実現 【瞬発力開発】 キャパシタは、アルミ電解コンデンサに比べて時定数(ΩF値)※3が大きいため、1秒を下回る急速な充電が困難でした(従来の標準的なキャパシタは10秒程度)。超薄膜電極塗工技術や内部抵抗の低減によって0.1ΩFというΩF値を実現しました。1秒を下回る急速充電が可能になると、ピーク電流を無駄なく電力に回収でき、大型モーターについて、より大きな省エネ効果を得ることができます。 ※3: ΩF値 正規化内部抵抗と呼ばれ、充放電できる時間の目安となる。例えば、0.1ΩFだと、1秒周期での充放電で80%の充放電効率(3/4電圧まで)が可能。従来の標準的な2ΩF品だと20秒周期が限界。 2. 業界トップレベルの高電圧(3.0V)を生産性に優れた塗布型電極で実現 【低コスト開発】 キャパシタの蓄電エネルギーは電圧の2乗に比例して増大するため、高電圧化が望まれています。 また、高電圧化すれば同じ蓄電エネルギーで比較して低コスト化が望めます。活性炭電極への添加剤や電解液の改良などによって耐電圧の向上を図り、純粋なキャパシタ(正極/負極とも活性炭を使用するキャパシタ)において、従来2.7Vであった耐電圧を3.0V(国内トップレベル)まで拡大することに成功し、従来に比べ蓄電エネルギーを2割以上増大させました。あわせて、従来の圧延電極よりも量産化に適し、低コスト化につながる塗布型電極を開発しました。 "-----三菱電機、2008年2月7日 -----image(pop up ) : リリース全文(PDFファイル:444KB)より
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・1秒で充電するキャパシタ技術、三菱電機が開発-----IT media News,2008年02月07日
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