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バイオマスから水素ガスを生産する手法を開発、研究報告 / クリッピング AFP BB News

" 生分解性の有機物質から水素ガスを作り出す手法を開発したとする研究結果が、12日発行の米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences、PNAS)に発表された。この技術により、燃焼してもクリーンな燃料を豊富に供給できるようになるかもしれない。 "
-----AFP BB News,2007年11月13日

関連
Clean, carbon-neutral hydrogen on the horizon-----The Pennsylvania State University -Penn State Live-,November 13, 2007

PNAS : Sustainable and efficient biohydrogen production via electrohydrogenesis(Shaoan Cheng and Bruce E. Logan,November 13, 2007)

" Abstract
Hydrogen gas has tremendous potential as an environmentally acceptable energy carrier for vehicles, but most hydrogen is generated from nonrenewable fossil fuels such as natural gas. Here, we show that efficient and sustainable hydrogen production is possible from any type of biodegradable organic matter by electrohydrogenesis. In this process, protons and electrons released by exoelectrogenic bacteria in specially designed reactors (based on modifying microbial fuel cells) are catalyzed to form hydrogen gas through the addition of a small voltage to the circuit.
.......... "

関連記事
Hydrogen brewing gets an electrical boost-----New Scientist Tech,12 November 2007

コメント
 バイオマス資源を有効利用する方法は、世界中で多くの科学者が知恵をしぼっている分野です。しかしながら、作物由来のエタノールなどの利用においては、耕地を奪い、世界の食料事情を悪化させる原因(遠因としても)になりかねないという指摘がなされています。そういった意味からもセルロースを分解するさまざまな方法が生み出され、実用化を競っています。

 今回のニュースの、ペンシルベニア州立大学のブルース・ローガン(Bruce Logan)教授の研究チームが試験に成功した方法は、これまで一定のレベルまでしかセルロースの分解が進まなかった点を、新たなMECsと呼ばれる細胞と反応槽を利用することで高い効率で水素を作り出すことに成功した画期的な研究であるということです。
 単純に微生物を使って有機物を発酵させることは、水素を得る1つの可能な手段ですが、これまでの方法では、発生する水素の量には限界があったようです。それを、このチームが解決した方法において使用されるのは、微生物の電気分解細胞(MECs : microbial electrolysis cells)です。この細胞を利用することで、理論上有機材料から取り出すことができる水素の量の99%まで水素を取り出すことができるということです。ローガン博士の、MECsは、”逆微生物燃料電池”(燃料電池は、水素をつかって電気を作る)の働きをもつと表現できるといいます。

 セルロース分解-----水素を得る----水素は、燃料電池で電気に。そのまま燃料としても利用できる。

 興味深い表現です。燃料電池と生物の分解により逆燃料電池の働き。ひとつの循環型のシステムがイメージできます。

 今回のテストでは、セルロースと糖の分解を行い、これまでの実験結果をはるかにしのぐ効率で水素を作りだすことに成功したとあります。また、その効率は当然のこと、単純に農産物などからエタノールを生産する効率をはるかにしのぐものであったことから、この研究に非常な期待がもたれるということです。コストなどの問題を解決するのに、あと10年という見通しで研究が進められています。次の10年、2010年ころまでには、バイオマス資源から水素を安定して取り出すサイクルが確立できればいいですね。おおいに期待したい技術です。(t_t)



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