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地域の”きずな”をも産み出す再生可能エネルギー

 再生可能エネルギーを利用することは、周囲の環境よりさまざまな形でエネルギーを調達するということです。現在一般的なエネルギーが、遠く離れた石油やウラニウムに依存しているのとは対照的です。問題としては、利用に制約があるということです。都合に合わせて、自由にエネルギーを輸入するというようなわけにはいきません。地域に賦存する地熱、水力、バイオマス、太陽光、太陽熱、風力、潮汐力や海流、波力発電などの海洋からのエネルギーなど、いずれも絶対量と単時間あたりに取り出すことができる量に合わせて消費を調節するというまったく違う消費のあり方を工夫する必要があります。他方、消費の絶対量を削減できれば、地域のエネルギーの構造を変えることもできます。今後、気候変動が問題となっている世界で、条件と工夫により再生可能エネルギーを生かすことができる地域が今後どれだけ生まれることができるか? それは、今後の状況しだいでは、地域の命運と将来像を決定付ける可能性があります。

 私たち先進国に住む人間は、巨大集中型のシステムの中で、周囲の環境に合わせて生きるという知恵を失ってしまっています。気候変動という人類全体にとっての大問題を前にして、その知恵を取り戻すことができるでしょうか? 

 イギリスの研究者が発表した報告書には、再生可能エネルギーの利用により、地域経済だけでなく、地域のきずなが強化される可能性についての報告が発表されました。

クリッピング / Technocrat,22 Jul 2007

Renewable Energy as Community Strengthening
" A study in the UK looked at renewable energy projects and found an additional good point about them. Because so many of them are situated in rural communities, it tends to boost the local economy, something a lot of econimcally depressed rural areas really need, and in addition, it helps to create and maintain a better sense of this "community". Although various projects are contentious and not everyone is always pleased, over-all they have a net social benefit along with the additional energy boost.
"
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関連サイト

Economic and Social Research Council (ESRC) : Community Energy Initiatives: Embedding Sustainable Technology at a Local Level

COMMUNITY ENERGY INITIATIVES: EMBEDDING SUSTAINABLE TECHNOLOGY AT A LOCAL LEVEL

コメント続き
 最近、ソフトエネルギーパス、スモール・イズ・ビューティフルといった概念と具体的な取り組みについての大小のプロジェクトをイギリス関連の情報で目にします。もともと、DIYはさかんだったようですが、完全に手作りエコ生活的な情報と行政の施策が一致しているようにみえるケースもありました。ということで、興味深くUK関連の情報をみていて、今回の話題も発見しました。

 今回のリポートは、以下のような、地域のご近所さん的な地域全体での取り組みをベースにしているものから、農家や個人が行政などの力もかりつつ実現したバイオマス、風力、太陽光発電などの小さなプロジェクトに関するリサーチをもとにしています。

"Table 2: Key aspects of the six cases study projects Location Technology context Institutions Funding Llanwyddn Biomass district heating network linking school and community centre plus 19 local houses Publicprivate partnership £375,000 Moel Moelogan 3 grid connected 1.3MW wind turbines (phase 1), later increased to 12 (phase 2) 3 local farmers £2.6 million Bro Dyfi One 75kW wind turbine, grid connected Committeeco- operative £83,555 Kielder Biomass district heating network linking school, youth hostel, 6 houses, workshop and castle Public sector, local council £630,000 Falstone Solar photovoltaic panel and biomass boiler in village shop, tea rooms and visitor centre Public sector partnership £250,000 Gamblesby Ground source heat pump for renovation project on village hall Village hall committee £42,100 "
-----Community Energy Initiatives: Embedding Sustainable Technology at a Local Level: Full Research ReportP.4より

 これらのプロジェクトに実施により、地域の個人、NGOそして行政の三者の関係が強化され、結果、住民同士の力と関係が強化されるという結論を導きだしたようです。別の実験のリポートを読んでいて、感じたのは気候変動への対応は、急務だと感じている個人、NGO、行政の担当者がうまく強力して良い結果を生み出すということは、それほど例外的なことではなくなっているように思いました。地域の周囲に存在するエネルギーを利用するということが、地域のきずなをうまく育てるという可能性を生かせるならば、福祉、医療、教育、地域コミュニティの活性化など、単にエネルギーの確保にとどまらないメリットをもっていることになります。

 全体のリポートは、現在ざっと目を通しただけです。まずは印象の話としてお読みください。続報も入手しています。具体例をみながら、機会を改めて詳しくみてみたいと思います。(t_t)



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