大停電になると、”桶屋”がもうかる?
日本では、昨年の東電の河川の架線切断事故みたいな話は、東京ではまずお目にかかれない。けれど、数年前まで伊豆に住んでいた私は、数時間に及ぶ停電を2回以上経験している。そのうち一回は、主幹の系統の送電塔が老朽化、あるいは原因不明の腐食により倒れたために発生した。
そして、停電してもアナログ電話が使えることを知ったとき、すべてTAを経由させるようなネット用の契約だと非常時の対応を家族全員が知らないと心配な事態になるかもしれないと思った。日ごろから、非常時について想定しておくことは、めったに停電しない東京の住民となっても必要だろう。下のような記事が目につきました。
クリッピング / デジタル ARENA-”アメリカ家電”そりゃナイス,2007/03/12 ・セントルイス大停電で痛感!「ソーラーパワー家電」のありがたみ ----------
セントルイスは、米国一危険な都市にも選ばれたことがある。財政破綻などの問題が背景にあるようだが、セントルイスの頻発する停電により市民は、太陽電池でも駆動できるようなライトやラジオをもっていると安心ということだ。日本でも同じものや同じような製品が売られている。イザという時、特に今後発生するかもしれない長時間の停電時などに使えるこうしたグッズをチェックしておこうと思いました。ところで、セントルイスの停電は強風のためなどで結構発生しているようですね。これって、以前から言われているアメリカの電力会社のメンテナンス費用がなく、インフラが崩壊してしまいそうな地域があるという話なのか、単なる天候被害なのか、あまり資料はみつかりませんでした。
さて、みなさんの中で太陽電池をつけている人はおられると思います。非常時の対応はできていますか?環境省のサイトを何気にみていたら、
タイトルは、「太陽光発電の賢い使い方 -停電・災害時の自立運転コンセントの活用-」で太陽光発電所ネットワークが協力して作られたもののようです。
-----image(pop up ; 同書カバー)
内容は、太陽光発電のメリットをあげ、その中の一つが災害時などの停電時に使える自立運転モードについて、具体的な機能、使い方、問題点などが記されていて有益な内容です。
ただ、このままでは発電しない「夜はまったく使うことができない」という大事な点が説明されていない。また、夜使う気ならどうすればいいのかが書かれていないのは、片手落ちだと思います。
つまり、自立運転モードでは、停電時にモードを「手動で切り替え」ることで、1から1.5kWの電力をパワーコンディショナー(連系用インバーター、保護装置)の自立運転出力用コンセントに電源コードを直接つないで、つかうという使い方ですが、夜はもちろん曇りだったり急に曇ったりすると出力される電力も上下し、非常に使い勝手が悪いのです。このことは、太陽光発電所ネットワークの関係者もよく知っていることですので、たぶん話が複雑になるということで省いたのだと思います。
しかし、正直このままでは使い勝手が悪いのです。そこで、非常時には、
・自立運転コンセント-----バッテリー充電器(15A程度の多機能型で数万円)-----バッテリー(最低でも50AH以上推奨)-----DC/AC正弦波出力インバーター(1kW以上推奨。10万円前後)
これらの機器を組み込むことで、非常時の電力の利用は昼間も安定し、バッテリーに電力を温存できれば、夜間のちょっとした照明やラジオに利用できます。ただ、機器的には二重投資になります。というのも、
直流300V----交流100V
をパワーコンディショナーで一度作業しているからです。つまり上のシステムは、
直流300V----自立運転コンセント(交流100V)-----バッテリー充電器でACをDCに変換-----バッテリー(直流電源)-----DC/AC正弦波出力インバーターでまたDCをACに、、、
ACは、一般家庭の100Vでおなじみの交流
DCは、バッテリーなどの+、-の極性がある直流です。
むかしは、間にバッテリーを備えたUPS(無停電電源)機能をもった太陽光発電用インバーターがあったのですが、現在はほとんど大型しかみかけなくなりました。ただ、あっても上で紹介したシステムよりもバッテリー電圧が高い(パワコンの直流入力電圧の最低値以上)になるので、トータルのコストは、高くなることもあります。上のシステムなら消耗品のバッテリーは60AH程度なら数万円でありますが、このUPSシステムに内蔵されていたバッテリーの交換にははるかに高いコストが5年ごとにかかりました。ということで現在のシステムに落ち着いているのです。自分の家に太陽電池があって、非常時に役立てたいとお考えなら、是非充電器とバッテリーを最低限導入されることをおすすめします。インバーターがなくとも、DC12V用の機器が動きます。
小社でも、要望があれば、このシステム販売できます。(オレが桶屋か! t_t)
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コメント
daiさん
コメントありがごうございます。
バッテリー内蔵のAC100Vで使える機器。今度どんなのがあるか調べてみます。今回のバッテリーと充電器のシステムは、大地震など何日にもわたる停電時にせっかく太陽電池が屋根にありながら、有効に使うことができなかったという過去のある方の経験から言及したシステムです。確かに、短時間の停電には過重投資ですし、夜間の停電には役に立ちません。太陽光発電の自立運転というシステムそのものの認知度が低いのと、知っておられてても、夜間や荒天だとまったく使い物にならない、ということは知られていない点です。防災の点からは、もうすこし細かい対応が必要のようですね。
ご指摘ありがとうございました。
しなやかな技術研究会 恒任東士
投稿: t_t | 2007/03/15 15:14
常夜灯やラジオのような非常時重要度の高い機器とそれ以外は分けて考えた方がいいと思います。ここに書かれたような自立運転コンセントにバッテリーをつないでも、夜間停電の場合翌朝まで使えないからです。
常夜灯はバッテリー内蔵型のものを使い、普段から(電力会社の電気で)充電しておく。ラジオは乾電池でも充電式でも(手回し式でも)お好みで。これらの機器は内蔵バッテリータイプが基本と思います(12Vバッテリー+インバータではなく)。
自立運転コンセントが活躍するのは何日も停電するような大災害の時でしょう。そういう場合に電気を何に使うか、そっちを充分考えてから必要な手当てを検討した方がいいように思います。
投稿: dai | 2007/03/15 14:33