光を使った高性能薄膜の製造技術を確立 / プレスリリース 産業技術総合研究所
" 世界最高級の超電導薄膜を低価格で提供可能に
ポイント
真空環境を必要とするプロセスで作った超電導薄膜は、高性能だが高コストであり、大気中、溶液プロセスで作った超電導薄膜は、低コストだが低性能であるという「常識」を覆す成果
超電導薄膜の重要な性能指標である臨界電流密度は、世界最高級の600万A/cm2を達成し、真空プロセスで作った超電導薄膜と同等以上の性能を実現
真空プロセスに比べ、成膜コストを1/10以下に低減、超電導薄膜に限らず、あらゆる大面積機能性薄膜の高速製造にも適用可能
概要
独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 吉川 弘之】(以下「産総研」という)先進製造プロセス研究部門【部門長 三留 秀人】相馬 貢 主任研究員、土屋 哲男 主任研究員らは、株式会社日本製鋼所(以下「日本製鋼所」という)【代表取締役社長 永田 昌久】研究開発本部【本部長 岩舘 忠雄(代表取締役専務)】小柳 邦彦 研究員、海老沢 孝 主任研究員らとの共同研究により、溶液プロセスと光(レーザ光)照射とを融合させて高性能薄膜の低コスト・高速製造技術を確立した。
太陽電池、ディスプレイ、センサ、キャパシタ等のデバイスには金属酸化物薄膜が多く用いられている。これら機能性薄膜は主に、高コストな真空環境を必要とするプロセスにより製造されている。一方、真空を必要としない溶液プロセスは、大気中で作製可能なため低コスト化が期待できるが、このプロセスで作製した薄膜では、十分な性能が得られていなかった。 "-----産業技術総合研究所、2006年8月24日
関連記事
・成膜コスト10分の1に 産総研と日本製鋼所が真空不要の新技術 -----FujiSankei Business i. 2006/8/25
コメント
太陽電池などの表面に形成される金属酸化膜を形成するとき、真空を必要とせず工程時間をも短縮化できるという。真空プロセスで作った超電導薄膜と同等以上の性能を実現し、今後は大型化、プラント開発を進めるという。
”エキシマレーザアニーリング
強力なレーザ光を照射すると、熱処理なしに材料の表面のみを改質することができる。エキシマレーザアニーリング装置を用いると、ガラス基板上に作製されたアモルファス(非結晶)シリコン膜はポリ(多結晶)シリコンに改質される。ポリシリコンに改質する事により、性能の優れたTFT(薄膜トランジスタ)を形成する事が可能になる。”(同リリースより)
という技術が注目ですね。(t_t)
関連サイト
・日本製鋼所、エキシマレーザアニール装置
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