疑問視されるバイオエタノールの環境対応

　アメリカのオルターナティブメディアの雄、"guerrilla news network（GNN)"は、プロのジャーナリストも多数参加する、貴重な情報源だが、かといって業界誌的なサイトが扱うネタとしては、たびたび登場するような情報サイトというわけではないように思う。
　それが、

・Green Fuel's Dirty Secret-----Renewable Energy Access,2006/06/14

　に、取り上げられたことで、アメリカの農業コングロマリットであるADMの「石炭」を燃料として農作物からエタノールを精製することによる、二酸化炭素の排出ならびに空気汚染、さらには、ブラジルなど外国にADMが耕地を求めて進出することによる、熱帯林の新たな破壊、そして若年労働者問題を含む、労働搾取が注目を集めることになった。ブラジルの問題は、エタノールではなく、大豆なのだが、大豆を大量に消費する日本人としては、捨て置けない問題だ。
　見た目、グリーンでも、正体はグレーという典型的なケースとして今後大きな問題へと発展する可能性がある。しかし、巨大なコングロマリットの背後には、政府、国があり。彼らの頭の中は、かぎりなくグレーなのだ、、、。問題は複雑化しつつある。

　ネタ元のGNNのニュースは、以下。

・Green Fuel's Dirty Secret-----GNN,12 Jun 2006

　アメリカの農業が、エコではないといわれる理由は、モノカルチャーであるということにつきると思っている。モノカルチャーは経済効率の追求と組み合わされるととてつもない環境破壊を引き起こす。耕地を疲弊させ、環境を破壊し、水を消費し汚染する。さらには、農業従事者からの搾取、人権問題が組み合わされれば、経済植民地というあらたな深刻な問題を、先進国の人間が担っていることに気づかされる。これを正すことができるのは、先進国の市民である。
　消費者として片棒をかついでいるだけでなく、環境破壊とアメリカ国内での零細な営農者の生活破壊という問題を引き起こすからだ。そして、当然、世界の胃袋としての日本も、その片棒をかついでいる。

　沖縄の振興策として、バイオエタノールをやる、ということには必ずしも否定的ではないし、エタノール対応の（プラグイン）ハイブリッド車にも興味大だ。しかし、アメリカ、ブラジルからのエタノールの輸入、消費地となる前に、アメリカの農業問題をや世界の肺といわれるブラジルの熱帯林について、もっと関心をもつ必要がありそうだ。(t_t)

参考記事
・Should You Bet on Ethanol?　-----BUSINESSWEEK,JUNE 12, 2006

参考資料
・Cargill - Eating up the Amazon-----GREENPEACE International,19 May 2006

・GNN FAQ

関連エントリー
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・バイオマス燃料の導入について / プレスリリース　石油連盟-----ソフトエネルギー、2006/01/23