もっと、東京に緑を!
そんなことを感じます。東京がグリーンシティに生まれ変わっていくことを期待しています。
環境省は、ヒートアイランド現象の人への影響を軽減する対策、適応策の効果の調査を行い、試算結果を発表しました。「例えば、10m間隔の並木により日陰を形成し、歩行や信号待ちを日陰で行うようにすれば、並木のない場合に比べ、歩行者が受ける熱ストレスは約23%も削減できる」などという味気ない内容ですが、それでもここからの一歩が大切なのでしょう。
さらに、「上着を着用して歩行した場合に比べると、クールビズ(上着なし)では約11%、さらに日傘を併用すると約20%と、熱ストレスを大きく軽減できることが判明」ということです。自主的な工夫を促進できる制度や働く場の時代に適応した取り組みが必要なようです。
都市のグランドデザインも今回の震災、津波、福島原子力発電所の事故により大きくその要請が変わったと思います。いまこそ、都市のデザインも、人間の生活と安全を中心としたものに変わらなければなりなりせん。特に今年は、省エネ、節電の夏です。熱中症対策としての都市のデザインも重要です。
いまこそ、グリーンシティを各地に作りましょう!
プレスリリース / 環境省、平成23年7月19日
・ヒートアイランド現象に対する適応策の効果の試算結果について
-----image : 同リリース[添付資料「平成22年度ヒートアイランド現象に対する適応策検討調査業務」調査結果概要[PDF 1.213KB]]より
" ・環境省では、都市の気温が上昇するヒートアイランド現象を防止する対策(緩和策)に加え、ヒートアイランド現象が生じた場合でも人への影響を軽減する対策(適応策)の推進が重要との観点から、その効果について調査を進めています。
・昨年度については、夏季の街路での歩行に着目し、様々な適応策の効果を試算し、その結果を取りまとめました。
・調査からは、例えば、10m間隔の並木により日陰を形成し、歩行や信号待ちを日陰で行うようにすれば、並木のない場合に比べ、歩行者が受ける熱ストレスは約23%も削減できるなど、適応策の効果は大きいことが判明しました。
・また、上着を着用して歩行した場合に比べると、クールビズ(上着なし)では約11%、さらに日傘を併用すると約20%と、熱ストレスを大きく軽減できることが判明しました。
・このように適応策の効果は大きいことから、環境省では今後、適応策の普及啓発を進めるとともに、適応策を導入した都市づくりの事例等の収集・提供を行う予定です。
1.目的・調査方法
ヒートアイランド現象による影響は、熱中症増加の懸念等、国民一人ひとりの生活に密接に関わっています。このため、人工排熱削減等のヒートアイランド現象の「緩和策」の視点に加え、暑熱環境がもたらす人への影響を軽減することに主眼を置いた「適応策」を並行して実施することで、ヒートアイランド現象による国民への影響を最小限にする必要があります。
このため、環境省では、夏季の街路の暑熱環境に着目して、いくつかの適応策について評価検討を行う「平成22年度ヒートアイランド現象に対する適応策の検討調査」を実施しました。具体的には、都市内の街路約1kmを信号待ちも含めて日中に約20分歩行するケースについて、街路樹等の街路の改良、クールビズ等の歩行者適応行動等の様々な適応策を取った場合に、歩行者の熱ストレス低減にどの程度効果があるか、累積分泌発汗量等の適切な評価指標を設定して試算をしました。
2.調査結果の概要
調査では、街路樹による日陰の形成、保水性舗装による路面温度の低減、クールビズ、緑陰における信号待ち、日傘の利用を行った場合等のそれぞれの歩行者が受ける熱ストレスについて、累積分泌発汗量を指標として試算しました。主な調査結果は次のとおりです。
【街路の改良による適応策の効果】
・7.5mの間隔により街路樹が連続した緑陰を形成するケースでは、全く街路樹のない歩道に比べ、熱ストレスはおよそ17%低減しました。街路樹の間隔を10mにした場合は、緑陰は連続しなくなりますが、それでも熱ストレスは街路樹のない場合に比べ約9%削減できます。
・歩道と車道を保水性舗装とし、常時給水するケースでの熱ストレスは、10m間隔で街路樹を形成するケースと同等の熱ストレスの低減効果があり、対策なしケースから約8%低減することができます。
【歩行者が行う適応策の効果】
・10m間隔で街路樹を形成するケース(緑陰は連続しない)での熱ストレスは、対策なしケースから約9%低減にとどまりますが、さらに信号待ちを緑陰で行うことで、対策なしケースから約23%低減することができ、交差点における日陰の形成が重要であることが判明しました。
・上着を着用して歩行するケースに比べ、上着を着用しないクールビズを実施するケースの熱ストレスは約11%低減し、さらに日傘を併用すると合計約20%軽減できること、街路樹がないケースで日傘を差す効果は、10m間隔で街路樹を形成する効果に匹敵すること等、熱ストレスの観点からは男女問わず日傘を活用することが望ましいことが判明しました。
・なお、歩行途中にクールシェルター(冷房28℃にした建物内、店舗等を想定)に20分立ち寄るケースと、目的地に直行し到着後20分休憩するケース(両者の移動時間は同じ)の移動時間全体で見ると、平均深部体温上昇や累積発汗量はいずれもクールシェルターケースに立ち寄るケースが低く、熱ストレスが低くなるとの結果を得ましたが、評価方法については更なる検討が必要との指摘がありました。
3.まとめと今後の課題
本調査結果を踏まえ、夏季の街路の歩行者の熱ストレス低減策について、次の点が明らかとなりました。
・夏季の街路における歩行者の熱ストレス低減のためには、街路樹、保水性舗装等の街路の改良を伴う適応策を進めることが重要であることを示す一方で、クールビズの実施や日傘の使用、緑陰での信号待ち、積極的に休憩を取るなど、人のライフスタイルや暑熱回避行動に係る適応策も重要であることが示唆されました。
・このため、街路等の改良の推進とともに、このようなライフスタイルや暑熱回避行動を呼びかける普及啓発、これらを可能にするためのクールシェルターの提供、信号待ちのための緑陰・日除け等の整備、男性用日傘の商品開発・普及等も並行して進める必要があります。
・歩行者空間に日陰を作ることは重要性であることから、街路樹の整備以外にも、商店街などの街路、交差点、人の集まる広場等におけるルーバーやオーニング等の日除けの整備を官民で積極的に進めることが期待されます。
このような結果を踏まえ、環境省ではこのような適応策の有効性について普及啓発を進めるとともに、街区全体の快適性を向上させていくため、街区の改良事例や日陰の形成を始めとするクールスポットの創出事例を収集し、また民間事業者と行政の協働を積み重ねて整備しつつ、提供していくことを予定しています。
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関連
・環境省 : 平成22年度ヒートアイランド現象に対する適応策検討調査業務報告書
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