VW 排出ガス不正問題を受け、国内ディーゼル車の検査方法の見直しが行われます
国土交通省と環境省は、3月3日に排出ガス不正事案を受けたディーゼル乗用車等検査方法見直し検討会の第二回を開催し、そのあとで石井国交相が会見し、これまでの計測方法に加え、路上走行検査を導入することを発表しました。この検討会は、2015年9月に、フォルクスワーゲン(VW)のディーゼル乗用車等において、不正ソフトの使用が発覚し世界的な大問題に発展したことを受けて、国産車の現状と今後の検査方法についての見直し議論の中で開催されることになったものです。
・ディーゼル車、排ガスで路上走行検査導入へ…石井国交相-----レスポンス、2016年3月5日
経緯としては、VW社が欧米等で販売するディーゼル車において、新規検査時に車両を台上に固定し、一定のモード走行により排出ガス量を測定する際には、排出ガス低減装置を働かせる一方、実際の走行時には排出ガス低減装置を働かせないようにする不正ソフトを組み込んでいたというものです。
我が国での新規検査時においても、同様な不正ソフトにより車両を台上に固定し、一定のモード走行により排出ガス量を測定した際に、当該試験に合格してしまうおそれがあることから、現在の台上試験だけで適切な検査ができるか十分に検討した上で、路上走行排出ガス試験の追加等が検討されたものです。
関連
・国土交通省 : 排出ガス不正事案を受けたディーゼル乗用車等検査方法見直し検討会
-----image : 排出ガス不正事案を受けたディーゼル乗用車等検査方法見直し検討会第2回検討会、配布資料1-1-1より「平成27年度排出ガス路上走行試験等調査対象車種」
・環境省 : 排出ガス不正事案を受けたディーゼル乗用車等検査方法見直し検討会
コメント続き
この検討会では、実際に国産メーカー4社6台のクリーンディーゼルを路上走行しました。最大の注目点は、その試験結果です。平成27年度排出ガス路上走行試験等調査対象車種となった人気車種の8車は、以下のとおり、
マツダ CX-5
マツダ デミオ
日産 エクストレイル
三菱 デリカD:5
トヨタ ランドクルーザープラド
トヨタ ハイエース(貨物自動車)
ドイツ車から
BMW 320d
メルセデス・ベンツ ML 350 BlueTEC
検査では、台上試験と路上走行試験の測定結果を比較し、まず不正ソフトの有無が検証されました。結果は、国産車からは不正ソフトはみつからなかったものの、室内で車体を台上に固定して実施する現行の認証試験では問題はなかったものの、いくつかの共通コースを設定し、実際に路上で走行したところ、国内三社の四車種から、排ガス基準を二~十倍程度上回る窒素酸化物(NOx)が検出された。際立ったのが、マツダで、マツダ CX-5、マツダ デミオの両車で、路上でも1.3倍にとどまり、エンジンそのものが”エコ”なスカイアクティブ・ディーゼルエンジンの性能が実証されました。
参考
・ディーゼル車の国産4車種 排ガス基準の2~10倍超過-----東京新聞、2016年3月4日
"
.....マツダの二車種を除く日産エクストレイルなど乗用車三車種とトヨタの貨物車ハイエースは、現行試験のNOx排出量の基準値を二~五倍程度上回った。走行区間によっては十倍程度になる車種もあった。独自技術を持つマツダは運転条件が変わってもおおむね基準値を下回った。..... "
・国産メーカー4社6台のクリーンディーゼルを路上走行試験で明暗-----carview、2016.3.7
・環境省 : ディーゼル車対策技術評価検討会
2016/3/9 のしなかな技術研究会のクリッピング
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