2011/08/29

世界資源研究所 WRI、渇水、旱魃そして洪水など世界的な水資源の情報提供のため Aqueduct プロジェクトを開始

 幸いここのところの日本は深刻な水不足やひところ懸念された四国、九州の一部地域での山火事のリスクも下がっている。しかし、世界的には渇水、旱魃、そして洪水といった水をめぐる深刻な影響が懸念される地域、およびリスクはますます増大していると言われています。

世界資源研究所 WRIは、各国政府、企業によびかけ、渇水、旱魃そして洪水など世界的な水資源の情報提供のため Aqueduct プロジェクトを開始すると発表しました。このプロジェクトでは、その成果を水資源リスク地図 Water Risk Atlas としてまとめ公開していくとのことです。現在は、黄河流域の一部が公開されています。やがては、順次世界中の水資源に関する情報が提供されるということです。
 このプロジェクトには、ゴールドマンサックス、GE、ブルームズバーグ、ダウケミカル、コカコーラ等などの大企業が参加し、情報の共有を約束しているということです。

プレスリリース / World Resources Institute (WRI) ,August 16, 2011
WRI and Partners Launch Aqueduct Alliance to Measure, Map, and Report on Global Water Risk

" Initiative to provide unprecedented level of water risk information for business and government
Recent water-related events - from extreme droughts across the southwestern United States to flooding in central China - provide vivid examples of the potential impacts of water on people, businesses, and local infrastructure. To assess and respond to increasing water risk globally, the World Resources Institute (WRI) is launching the Aqueduct Alliance, a consortium of leading water experts from the private and public sectors, NGOs, and academia. Founded by WRI, Goldman Sachs and General Electric, the alliance has added Bloomberg, The Dow Chemical Company, Talisman Energy, and United Technologies. The Coca-Cola Company is also engaged and will be providing an extensive global database of once proprietary water risk information to support Aqueduct’s work.
In a survey of 150 large corporations conducted by CDP Water Disclosure, nearly 40 percent of responding companies indicated that they had already experienced disruptions in operations, increases in expenses, and other detrimental impacts related to water. Against a backdrop of rapid population growth and climate change, government entities charged with managing water resources are also increasingly concerned with water-related disruptions and seeking viable approaches for mitigating risks.
.......... "

関連
World Resources Projects : Aqueduct
/ The Water Risk Atlas Framework
/ Water Risk Atlas

Aqueduct: Understanding Water-Related Risks and Opportunities-----World Resources Institute,December 7, 2010

Aqueduct_screenshot
-----image(”The Water Risk Atlas’ interactive map of water risk in the Yellow River basin in China.”):上記記事より

参考
Carbon Disclosure Project - Global climate change reporting system
 / Carbon Disclosure Project reveals water constraints now a boardroom issue for global corporations
 / reports - CDP Water Disclosure

Mapping a Healthier Future: How Spatial Analysis Can Guide Pro-Poor Water and Sanitation Planning in Uganda-----orld Resources Institute,October, 2009

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2011/03/28

産業技術総合研究所は、869年に宮城県沖で発生した大地震「貞観(じょうがん)地震」の原発における危険性を警告していた!

残念なことに拡大する核汚染を引き起こした福島第一原子力発電所の状況は非常に深刻なままです。この事故が無事に終息することを、世界の子供たちと生態系すべての生命のために心から願っています。

 さて、869年に宮城県沖で発生したマグニチュード8以上とみられる「貞観(じょうがん)地震」という大地震があり、その津波被害を早期に警告する研究があったことが内外の報道機関によりなされました。下の記事にまとめましたので、是非ご覧ください。

869年に宮城県沖で発生したマグニチュード8以上とみられる「貞観(じょうがん)地震」の再来!-----crisis311,2011/03/27

 上のエントリーにも書きましたが、石橋先生の原発と地震に関する警告といい、今回の貞観地震の津波、その被害の警告といい、地震国であるからこそ無視することが許されない知見だったと思いますが、国と電力会社は聞く耳をもたなかったことは、多くのみなさんが記憶にとどめる必要のあることがらです。

 被災し、食料や水、物資が不足する方々が生存のために奮闘努力する姿にさらに追い討ちをかけることになっている、福島原子力発電所の事故は、地震と津波という震災の複合的なインパクトがいかに人間の高慢を打ち砕いてしまったことは、原発賛成、容認、反対派のいずれの方々も否定できないことです。ましてや、高い知見を発揮できる立場の複数の専門家の警告をも無視してきたことで、「想定外」ということは許されることではないと思います。多くの人が、国と電力会社がこの危機が高まり継続し続ける災厄になんとしても終止符を打ってくれることを願っています。
 あらゆる立場の尽力し、心身を砕かれているみなさまに、心苦しいことですが、お願いします。

 「私たちの子供を、自然を、そして国を助けてください」

 と、しかし、この件がこんなでたらめな経過で立てられた原子力発電所であったことは一刻も忘れることができません。
 なぜならば、石橋先生の警告は、本来この期に及んでも稼動中の中部電力浜岡原子力発電所に関する「迫り来る大地震活動期は未曾有の国難である」というものであったからです。福島原子力発電所の事故が終息しても、地震国日本の地震や津波に耐え得ない原子力発電所をまずとめて、まずは点検し、国民の広い議論のもとに真剣な議論をする必要があります。それが、最低限度の安心をこの国にもたらす条件です。海外のメディアは、地震国日本、そしてでたらめな検討により建設されていることを指摘する多くの記事が掲載されるようになりました。地震国日本が自国のリスク管理を正統にするのでなければ、世界の安定と安心に寄与できる国家として認識されない事態になると考えています。それもど、すでに事態は糊塗することが許されない状況になりつつあります。

 この状況から私たちが脱出できる方法については、まったくわかりません。しかし、少子高齢化に向かう社会でありながら、若年労働者や新卒の学生の就職もままならない状況にあり、地方都市から国まで財政破綻の瀬戸際にすでにこの震災前からあったことを私たちは知っています。また、政治が国民の信頼をかちえる状況になかったことも、震災以前の状況です。

 まずは、既存原発の総点検をかつて警告を発した学者や研究機関とともに、行うことを確約し、危険な原発(古い原発、MOX、すでに大きな地震を経験して停止している原発、再稼動した原発)などのただ国民に開かれた形での検討を最低限お願いしたいのです。

関連
津波の三次元表示

(aistchannel、2011/03/13)

産総研:活断層・地震研究センター 活断層・古地震研究報告第10号  -宮城県石巻・仙台平野および福島県請戸川河口低地における869年貞観津波の数値シミュレーション 行谷佑一・佐竹健治・山木 滋 4.5MB(PDF)

追加情報
東北電、90年に大津波の論文 福島原発に生かされず-----福島民報、2011/05/30

" 東日本大震災との関連が指摘される平安時代の869年に起きた貞観地震による津波について、女川原発(宮城県)の2号機増設の調査をしていた東北電力が1990年、津波が残した砂などの分析から、原発近くの仙台平野では海岸線から3キロ程度が浸水する大規模な津波だったとの調査結果をまとめていたことが30日、分かった。 "

東電、貞観大津波も過小評価か 4メートル未満と推定----asahi.com,2011年5月23日

" 東電は、2009年から10年にかけて、福島県内の5地点で貞観の大津波で運ばれた砂を調べた。この結果、南相馬市で高さ3メートルの地点に砂があったが、4メートルの地点では見つからなかったとして、津波が海岸に駆け上がった高さは「最大で4メートル未満」と結論づけた。 "

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2010/04/23

Oxfam America、リポートで気候変動により2050年に約1億5000万人のアメリカ人が気候難民化する可能性を指摘

 Oxfam Americaは、昨年の10月に「Exposed - Social vulnerability and climate change in the US Southeast」と題した、アメリカの気候変動による影響とその適応策のための提言をまとめたリポートを発表し、同時にわかりやすいインタラクティブマップなどを公開しました。
 同リポートは、気候変動によりアメリカ人が安住の地を追われかねない可能性を指摘しました。アメリカが抱える貧困という問題がさらに被害を深刻化させ、2050年に先進国アメリカで気候難民化する可能性のある人口は約1億5000万人に及ぶというのですから、深刻な内容です。
 タイトルの”Exposed”は無防備な人々とアメリカの現状を一言で表現して、それだけでショッキングです。特に被害が大きい地域は、アーカンサスからバージニア州にいたる13州が属するサウスウェストと呼ばれる地域です。
 このリポートが詳細にマッピングし描きだした懸念される気候変動の影響は、洪水 flooding、乾燥(干ばつ) drought、ハリケーンによる風 hurricane force winds、海面上昇 sea-level rise などです。それぞれの脅威を個別に地図で表示し、さらに総合的な評価を「Regional patterns」としてまとめています。

Exposed: Groundbreaking report details climate change hotspots in US Southeast-----Oxfam America,Oct 21, 2009

Oxfam_america_climatechange2009-----image : リポート「Exposed - Social vulnerability and climate change in the US Southeast」カバー

" Publication Summary
The effects of natural disasters and climate change vary widely by state, county, and community. Although social variables such as income and age do not determine who will be hit by a natural disaster, they do determine a population's ability to prepare, respond, and recover when disaster does strike.

Historically, studies about climate hazards and social vulnerability have been conducted in separate silos. The Social Vulnerability Index (SoVI) is the first study of its kind to examine both the potential impact of natural hazards and which populations are most likely to be negatively affected. The SoVI statistically examines the underlying social and demographic characteristics of the population and how they impact certain segments of the population in disabling ways when it comes to climate change-related hazards.

This research, commissioned by Oxfam America, includes a series of layered maps that depict social and climate change-related hazard vulnerability. The maps assist in identifying hotspots in the US Southeast, which are at significant risk in the face of four particular climate change-related hazards: drought, flooding, hurricane force winds, and sea-level rise.

The specific region of focus is the 13-state region of the US Southeast: Alabama, Arkansas, Florida, Georgia, Kentucky, Louisiana, Maryland, Mississippi, North Carolina, South Carolina, Tennessee, Texas, and Virginia. Roughly 80 percent of all US counties that experience persistent poverty (defined as a county in which at least 20 percent of the population experiences poverty for three decades or more) lie in this region.

For more details and to view interactive maps, visit oxfamamerica.org/adapt. "

Regional_patterns
-----image : 「Exposed - Social vulnerability and climate change in the US Southeast」P.16-17より

関連
Oxfam America : Vulnerability and Climate Change in the US Southeast(interactive maps)

Study Says Climate Change Could Displace 150 Million People by 2050-----U.S. DOE EERE News,November 18, 2009

Environmental Justice Foundation EJF: Climate Refugees Report

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2010/01/26

ハイチ地震、甚大な被害を知り救援にのりだそう。現地の様子を地図情報で知る

 ハイチを襲った今回の地震は、東京大学地震研究所の発表によると、M7.0で震源の深さは13kmと非常に浅いところで起こった断層横ずれ型の直下型地震であったとのことです。耐震化もされていない人口密集地を直撃し、大きな人的、国レベルの被害を引き起こしました。まずは、犠牲となった方に心からの衷心と、そして多くの被災者の方にお見舞いを申し上げます。

2010年1月13日 カリブ海ハイチの地震-----東大地震研究所-----(E)

" 2010年1月13日午前6時53分(日本時間,現地時間では12日16時53分),ハイチ南部でM7.0(USGS)の地震がありました.USGSによる震源速報では,北緯18.457度,西経72.533度,震源の深さは13kmとなっています.マグニチュードが大きく,震源が浅い地殻内の地震のため,大きな被害が出ています.
この地震についての情報を随時お知らせいたします.(アウトリーチ推進室) "

 今回の地震後Googleは、そのサービスを使っていち早く支援のためのさまざまな情報をアップし始めました。その中でショッキングだったのは、公開されたGoogleマップの震災後のハイチを映し出したレイヤーを見た時です。崩壊した建物がそこには延々と映し出されています。通常のレイヤーでは、震災前の姿がそのまま残っているだけになおさら衝撃が大きかったです。またPicasaには、地震前と後の静止画も公開されています。(注:この部分の原稿を書いた23日には、震災前のGoogleマップも同時に閲覧できましたが、本日みたら震災後の画像にすべてなっておりました。)

Haitieq1
-----image : Google Map : National Palace,Port-au-Prince, Haitiより(下:-支援)

Haitieq2
-----image : Google Picasa Hiti

関連
Haiti imagery layer now available-----Google LatLong,January 13, 2010

Google high-resolution maps of Haiti-----Shaking Earth,JANUARY 21, 2010

Picasa Web Albums:Google Maps / haiti

「Google Earth」でハイチ大地震の最新被災状況を確認できるKMZファイルが公開中-----窓の杜ニュース、10/01/21

ハイチPKOに自衛隊派遣=大地震被害に7000万ドル支援へ-平野官房長官-----時事ドットコム、2010/01/25

ロイター : 特集 ハイチ地震

コメント続き
 地震発生から27日で2週間を迎えようとする現在、その被害については、多くの報道によりみなさんも御存知のことと思います。現在確認されているだけでも十数万人が亡くなり、首都の4分の3は建て直しをしなくてはならないということです。最終的な被災者の数も、復興までの年月や行程も推し量ることすらできない状況です。以下に医療支援のためのブックマークを作りましたので、是非ご覧ください。地震国日本に住み暮らしている私たち、現代の科学と技術をもってしても予測も対策も十分ではないこの災厄から逃れることはむずかしい。少しでも被害を減らすように日常から努力し、工夫し、そのためにも地震という大きな災害に立ち向かう人々の支援をすることが大きな意味をもってきます。(t_t)

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