2012/04/02

台風1号 パカー PAKHARが発生し93時間の寿命をまっとう、カンボジア付近で消滅

 台風一号が発生していました。

 今年は、Twitterがエントリー毎に、埋め込みHTMLを生成してくれるので、追いかけるのが楽そうです。まずは、1号。今年の台風のみなさん、お手柔らかにお願いしまつ!

関連
デジタル台風 : 台風201201号 (PAKHAR)

気象庁 : 台風情報

おすすめエントリー
シーメンス Siemensが海洋エネルギーへの取り組みを強化。SeaGen 潮流発電プロジェクト-----再生可能エネルギー GreenPost,2012-04-02

NEDO、太陽光発電の発電量把握のための日射量データベースなどをバージョンアップ。Web版も公開-----ソフトエネルギー、2012/04/02

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2011/07/06

海洋研究国際計画(IPSO)、かつてない海洋生物の大量死の危機を警告

 海洋研究国際計画(International Programme on the State of the Ocean=IPSO)は、今年の4月にオックスフォード大学で開催された海洋専門家による最近研究の成果をまとめた報告書「International Earth system expert workshop on ocean stresses and impacts」を公開しました。このリポートでは、海の環境を悪化させる要因は温暖化、酸性化、低酸素化の三つだとし、いずれも人間活動が直接的にもたらしたものだとしている。これらの複合的な研究は、近年行われたもので、それにより、現在の海洋生物のおかれた状況は、深海ですでに発生している種の絶滅に象徴されるように、かつてない規模での海洋生物の大量死の危機を警告するものとなった。地球の歴史において、こうした海洋生物の大量死は、5500万年前にもあり、深海生物の50%以上が死滅したそうです。

 重要なポイントは、海の酸性化へつながる連鎖反応は、地球の気候系に大量の二酸化炭素が流入することが発端となると指摘していることです。さらに、人間が吐き出す化学物質による海洋汚染や漁業の影響もあり、海洋全体がかつてない危機に面しているとのことです。なかでも海洋汚染(窒素を多く含む化学肥料や病原菌、環境ホルモン)によるサンゴ礁の死滅などは、日本でも現実に起こっていることです。
 この海洋生物の大量死の可能性は、今まさに拡大しつつあり、現在のわれわれが時間をかけて対策を取れる最後の人間となるという指摘と認識は、この水の惑星と生命の生存の運命を左右するものです。

 今回のリポートは、暫定バージョンですが、今後の国際的な研究の基礎となるものです。

プレスリリース / International Programme on the State of the Ocean 海洋研究国際計画(IPSO),June 20th 2011
MULTIPLE OCEAN STRESSES THREATEN "GLOBALLY SIGNIFICANT" MARINE EXTINCTION /

" Multiple ocean stresses threaten “globally significant” marine extinction

An international panel of marine experts warns in a report released today that the world’s ocean is at high risk of entering a phase of extinction of marine species unprecedented in human history.The preliminary report arises from the first ever interdisciplinary international workshop to consider the cumulative impact of all stressors affecting the ocean. Considering the latest research across all areas of marine science, the workshop examined the combined effects of pollution, acidification, ocean warming, overEfishing and hypoxia (deoxygenation).

The scientific panel concluded that:
-The combination of stressors on the ocean is creating the conditions associated with every previous major extinction of species in Earth’s history
-The speed and rate of degeneration in the ocean is far faster than anyone has predicted
-Many of the negative impacts previously identified are greater than the worst predictions.
-Although difficult to assess because of the unprecedented speed of change,the first steps to globally significant extinction may have begun with a rise in the extinction threat to marine species such as reefEforming corals
.......... "

関連
State of the Ocean: An Overview

(stateoftheoceanweb, 2011/06/19)

International Programme on the State of the Ocean(IPSO) / MULTIPLE OCEAN STRESSES THREATEN "GLOBALLY SIGNIFICANT" MARINE EXTINCTION

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-----image : 「The Earth System - IPSO INTERCTIVE GRAPHIC」より

" A high-level international workshop convened by IPSO met at the University of Oxford earlier this year. It was the first inter-disciplinary international meeting of marine scientists of its kind and was designed to consider the cumulative impact of multiple stressors on the ocean, including warming, acidification, and overfishing.

The 3 day workshop, co-sponsored by the International Union for Conservation of Nature (IUCN), looked at the latest science across different disciplines.

The 27 participants from 18 organisations in 6 countries produced a grave assessment of current threats ? and a stark conclusion about future risks to marine and human life if the current trajectory of damage continues: that the world's ocean is at high risk of entering a phase of extinction of marine species unprecedented in human history.
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Report Summary: long version / shorter version
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Case Study 1: The potentially deadly trio of factors ? warming, acidification and anoxia ? affecting today's oceans, by Professor Jelle Bijma, Marine Biogeosciences, Alfred Wegener Institute for Polar and Marine Research. Watch his explanation, beginning with the growing problem of anoxia, or dead zones, in the ocean.
..........
Case Study 2: End of paradise: Coral reefs facing multiple attacks, by Ove Hoegh-Guldberg , Director, Global Change Institute, University of Queensland
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Case Study 3: Pollution and Marine Species: new challenges of an old problem by Professor Tom Hutchinson, Centre for Environment, Fisheries & Aquaculture Science (CEFAS)
..........
Case Study 4: Vanishing Resource: The Tale of the Chinese Bahaba by Dr William Cheung, Lecturer in Marine Ecosystem Services, School of Environmental Sciences at the University of East Anglia
.......... "

Multiple ocean stresses threaten “globally significant” marine extinction-----International Union for Conservation of Nature and Natural Resources(IUCN),20 June 2011(IUCN日本委員会)

IPSO - Every Second Breath-----IPSO Blog, 21 JUNE 2011

海洋生物大量死の危機、5500万年ぶり 専門家集団-----AFP BB News,2011年06月21日

"Shocking" New Report Confirms Threats to World's Oceans and Reefs-----World Resources Institute,June 22, 2011

Ocean Ecosystem Heading for Mass Extinction: IPSO Study-----Goindocal,Jun. 21, 2011

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2011/03/10

海洋研究開発機構、海洋深層の貯熱量が全球広域で増加と発表

海洋研究開発機構は、最新の研究結果として、海洋深層の貯熱量が全球広域で増加と発表しました。世界的にもデーターが必要とされている海洋、とくに把握のむずかしい海洋深層の貯熱量を1985年から2007年までの最近約20年における全球での海洋深層の水温変化を明らかにしたということで、国際的にも注目される研究結果となりました。注目されるのは、海洋深層での貯熱量増加量が海洋表層の8-20%に当たるという点です。

今後さらに、観測点の整備や研究を進め、気圏よりも熱容量の大きな水圏での温度変化と気候変動の相関関係などが明らかになることが期待されます。高精度観測と海洋同化データにより海洋深層の貯熱量長期変動の把握に向けておおきな前進となりそうです。

プレスリリース / 海洋研究開発機構、2011年 3月 5日
海洋深層の貯熱量が全球広域で増加

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-----image[”図1 同化モデルで再現された海洋深層(4000-5500m)水温差(上)と観測から推定した(4000m-海底)の水温差(下)(1997年から2006年までの観測値)-(1985年から1994年までの観測値)。南極付近で大きく昇温しそれが西部南大西洋、西部南太平洋、中部北太平洋に広がっている(下)。観測の様子を同化モデルは良く再現していた。”] : 同リリースより

" 高精度観測と海洋同化データにより海洋深層の貯熱量長期変動の把握へ前進
1.概要
...........地球環境変動領域海洋環境変動研究プログラム海洋循環研究チームは、1990年代にWOCE*1のもとで行われた高精度観測と当プログラムも参加して実施されている2000年以降の再観測*2の結果を比較し、1985年から2007年までの最近約20年における全球での海洋深層の水温変化を明らかにしました。またその結果に基づいて全球海洋深層での貯熱量増加を推定するとともに、同化モデル*3を用いてその信頼性の評価を行い、海洋深層での貯熱量増加量が海洋表層の8-20%に当たることを示しました。
海洋深層の貯熱量の変化については、IPCC等の報告でも不確定とされ、具体的な数値については不明確でしたが、本研究で推定した増加量は、地球の気候変動を理解するために必須である地球の熱の配分を把握する上で、海洋深層の近年の貯熱量増加が無視できない量であることを示しています。また、現在の海洋深層の観測網によりどの程度の信頼性で海洋深層の貯熱量を把握できるのかを示したものであり、今後、推定の信頼性を上げるためには、継続的な観測、及び、観測網の強化が必要であることを示した点で重要です。
この成果は、アメリカ地球物理学連合発行のJournal of Geophysical Research - Oceans誌に3月5日付けで掲載されます。

タイトル:
Deep ocean heat-content changes estimated from observation and reanalysis product and their influence on sea level change
著者名:纐纈 慎也、土居 知将、河野 健、増田 周平、杉浦 望、佐々木 祐二、豊田 隆寛、五十嵐 弘道、川合 義美、勝又 勝郎、内田 裕、深澤 理郎、淡路 敏之

2.背景
私達の生活圏の温度は、太陽と地球からの放射の収支と地球の中で熱がどのように配分されるかということで決まります。また海洋の蓄える熱(貯熱量)は、大気に比べて非常に大きいため、その変化は、地球の貯熱量収支の大きな部分を占めると考えられています。特に海洋深層の水温、貯熱量変化の正確な把握と監視は長期的な気候変動を知る上で重要です。しかしながら、海洋深層については、各所で水温の上昇が報告されてはいるものの(Fukasawaら、2000等)、観測が空間的・時間的にまばらであるため、IPCC等の報告においても全球規模でどの程度上昇しているのかについては十分に把握されていませんでした。

3. 方法
本研究では1985年から2007年にかけて、当機構海洋環境変動研究プログラムと世界各国の研究機関によって実施された高精度の海洋深層観測を用いて海洋深層での貯熱量変化を計算しました。次に、海洋環境変動研究プログラムのもとで開発された、数値モデルと観測を融合させた同化モデルの結果から推定された貯熱量変化と比較を行いました。また同化モデルで再現された海洋の中で、実際に行われた観測と同様の擬似的な観測を1万回行うことで、見積りにどの程度の不確かさがあるかを評価しました。

4. 結果
海洋深層の貯熱量は、全球広域で増加しており、この増加は南極付近で大きく、南大西洋西部、南太平洋西部、北太平洋中央部にも、増加傾向が広がっていることが分かりました(図1)。このような大規模な貯熱量増加を全球で合わせると、8×1020J/年でした。これは、従来の研究で明らかにされている全球海洋表層の貯熱量増加の8-20%の大きさにあたります。この増加量は、地球の熱収支における海洋表層以外の他の要素の増加量と比べても大きな値です(表1)。
また貯熱量変化計算の信頼性を推定したところ、海洋深層の貯熱量増加は4-10×1020J/年の間であった可能性が高いことが分かりました。1980年代以降の推定されている地表付近の気温上昇は0.02℃/年になり、これが大気全体の平均気温上昇であったと仮定すると、大気の貯熱量増加は1×1020J/年なりますが、この値と比較しても今回見積もられた海洋深層貯熱量の増加量(4-10×1020J/年)は非常に大きなものです。

5. 今後の展望
.......... "

参考エントリー
海水温の上昇は、'93-08の16年間で0.1度上昇の意味。Natureに世界的な海洋観測プロジェクト、アルゴ計画のデーター解析が発表されました-----しなやかな技術研究会、2010/06/02

" .....
アルゴ計画に利用されているフロートは、数年間にわたって海面下から2000m程度の深海までの潜行および浮上のサイクルを百回以上繰り返し、最深層から海面に浮上する間に水温や塩分等の鉛直分布観測し、浮上の際に自動的にデーターを衛星に送り出します。
..... "

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2011/02/25

海洋研究開発機構など、世界の気候変動研究を先導する成果を発表。IPCCの第5次報告書にも貢献

 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第5次報告書の原案の作成が進んでいる中で、東京大学大気海洋研究所、気象庁気象研究所は、世界の気候変動研究を先導する成果を発表しました。

「地球環境予測では、将来の二酸化炭素などの濃度シナリオを用いた実験を行い、それを実現させるために要求される化石燃料起源の二酸化炭素排出量を求めたところ、温度上昇を2度以下に抑えることを意識したシナリオの場合、今世紀後半には化石燃料起源の二酸化炭素排出量をゼロ以下(人為的回収)にしなければならないことが分かりました。」

 今世紀後半といっても、採用するシナリオしだいでは、産業革命以後の世界の平均気温上昇を2度以下に抑えるためには、2040年代には化石燃料起源の二酸化炭素(CO2)排出量をほぼゼロに抑えなければならないという試算となるそうです。

 これらの計算には、地球シミュレータの地球システム統合モデルが利用され、将来の気候変動予測研究に新しい知見を加えることができるとのことです。
 具体的な応用としては、極端現象予測において、台風やハリケーンの変化、梅雨の変化などの予測を行い、台風に関しては、台風の活動最盛期である7月から10月の期間に台風の存在頻度が減少すること、台風経路は東へ偏ること、東南アジア沿岸域への接近数が減少すること、最大風速で見た台風の強度は増加することが分かったそうです。
 台風の頻度の低下と強度の増加。最近の天候を考えると被害の拡大が懸念される地域もでてきそうで気になるところです。

プレスリリース / 海洋研究開発機構、東京大学大気海洋研究所、気象庁気象研究所、2011年 2月 23日
IPCCに向けた主要な数値実験の終了とその成果

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-----image(左-図1:実験に用いた4つのCO2濃度シナリオと、RCP8.5の排出量シナリオを元に新ESMで予測したCO2濃度の時間変化。右-図2:図1の4つの濃度シナリオを用い、新ESMを用いた実験から計算された化石燃料起源CO2排出量。) : 同リリースより

" 世界の気候変動研究を先導
【ポイント】
・IPCC AR5に向けて、世界に先駆けた気候変動予測研究の新たな知見を創出
・IPCC 新シナリオを実現するための今世紀の化石燃料起源CO2排出量を算出
・近未来気候予測実験に成功
・温暖化による台風の接近数は減るが強度が増す可能性を予測

..........文部科学省「21世紀気候変動予測革新プログラム」(以下、「革新プログラム」。2007年度~2011年度)に参画し、地球環境予測、近未来予測、極端現象予測等、世界に先駆けた気候変動予測研究を進めております。その中で、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書(AR5)*1に向けた気候変動予測の主要な数値実験がほぼ終わり、その計算結果の解析から新たな知見が出始めました。
地球環境予測では、将来の二酸化炭素などの濃度シナリオを用いた実験を行い、それを実現させるために要求される化石燃料起源の二酸化炭素排出量を求めたところ、温度上昇を2℃以下に抑えることを意識したシナリオの場合、今世紀後半には化石燃料起源の二酸化炭素排出量をゼロ以下(人為的回収)にしなければならないことが分かりました。
近未来予測では、観測データを取り入れた新しい手法により、人為要因による温暖化と自然の気候変動の両方を予測できる可能性が示されました。とくに、過去10年全球温度上昇が鈍ったかにも見えましたが、これからの10年は温暖化が本格化することが予想されました。
極端現象予測では、台風の活動最盛期である7月から10月の期間に台風の存在頻度が減少すること、台風経路は東へ偏ること、東南アジア沿岸域への接近数が減少すること、最大風速で見た台風の強度は増加することが分かりました。
今後、必要な追加実験を実施し、詳細な解析を行うことで、気候変動に関する新たな知見が蓄積され、IPCC AR5に大きく貢献することが期待されます。
..........
2. 研究内容と成果
地球環境予測では、森林などの生態系や二酸化炭素の循環を取り扱った地球システム統合モデルを使用して、西暦2300年までの地球温暖化予測実験を行い、長期的な地球環境の変化を予測しております。将来の二酸化炭素などの濃度シナリオを用いた実験を行い、それを実現させるために要求される化石燃料起源の二酸化炭素排出量を求めたところ、温度上昇を2℃以下に抑えることを意識したシナリオの場合、今世紀後半には化石燃料起源の二酸化炭素排出量をゼロ以下(人為的回収)にしなければならないことが分かりました。(詳細は参考資料1)
近未来予測では、高解像度の大気海洋結合気候モデルを構築し、人為要因による2030年程度までの近未来の気候変化の予測実験を行っております。観測データを取り入れた新しい手法により、人為要因による温暖化と自然の気候変動の両方を予測できる可能性が示されました。とくに、過去10年全球温度上昇が鈍ったかにも見えましたが、これからの10年は温暖化が本格化することが予想されました。(詳細は参考資料2)
極端現象予測では、水平方向に細かい格子を持つ大気モデルを使用した、極端な気象現象の正確な予測を行い、台風やハリケーンの変化、梅雨の変化などの予測を行っております。特に台風に関しては、台風の活動最盛期である7月から10月の期間に台風の存在頻度が減少すること、台風経路は東へ偏ること、東南アジア沿岸域への接近数が減少すること、最大風速で見た台風の強度は増加することが分かりました。(詳細は参考資料3)

3. 今後の期待
今後、最新のデータに基づく追加実験や、自然災害等の気候変動の影響評価を継続し、気候変動に関する知見を蓄積することで、IPCC AR5の策定に大きく貢献するとともに、気候変動に対応するための基礎的な情報として利用されることが期待されます。
..........
参考資料1

地球環境予測:チーム代表 時岡達志
(海洋研究開発機構, IPCC貢献地球環境予測プロジェクトリーダー)
新しい地球システム統合モデルによるシナリオ予測実験の大半を終了
..........RCP2.6(CO2濃度410ppm、メタン等を加え450ppm相当で安定化)を実現させようとしますと、2040年代には化石燃料起源のCO2排出量をほぼゼロにしなければなりません。.......... "

関連
東京大学大気海洋研究所

気象庁気象研究所

IPCC - Intergovernmental Panel on Climate Change / IPCC Fifth Assessment Report (AR5)
/ IPCC Fourth Assessment Report (AR4)

参考エントリー
気候の安定化に向けて直ちに行動を!―科学者からの国民への緊急メッセージ― / 環境-----しなやかな技術研究会、2007/02/05

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2011/02/03

環境省、黄砂飛来情報のホームページを開設

 黄砂はどこからやってくるの?
 
 最近は子どもでも知っている。中国だよと答える子供が多い。中国、特に内蒙古などを中心とした東アジア内陸部から飛来する黄砂は、時には東京の空も黄色く染める。Wikipediaではタクラマカン・ゴビ・黄土高原の名があがる。確かに地図でみるだけで、広大な地域が黄色い。被害はいろいろあるが、健康への影響が懸念されている人たちにとっては、大変な脅威だ。単なる細かい砂による被害だけなく、付着するさまざまな化学物質や汚染物質がさまざまな健康被害を引き起こしてる可能性があるし、実際黄色い砂により、目やのど、呼吸器のトラブル、他の敏感症との併発などの問題が身近でも引き起こされている。

 黄色い砂は、季節の風物誌から、警戒の報への記載の対象へと変わってしまった。今年から環境省が、黄砂飛来情報のホームページを開設し、その動きを知らせてくれることになりました。黄砂の観測日数が増加していることがこうしたサイトの開設につながったということです。観測は、ライダー装と呼ばれるレーザー光を用いて黄砂等粒子状物質の垂直分布をリアルタイムに観測できる黄砂観測機器を各所に設置して行われるということです。測点は、国内12ヶ所に加え、韓国1ヶ所、モンゴル3ヶ所の合計16ヶ所。国際的な観測網の成果である情報を一般と共有するという試みです。

プレスリリース / 環境省、平成23年2月1日
環境省黄砂飛来情報ホームページの運用開始について

" 近年、黄砂が観測されることが多くなっていることから、平成20年2月より、北東アジアの黄砂飛来情報をホームページ上で提供しております。今年は、本日より運用を開始することとしました。また、今年より通年での運用を開始するとともに、新たに携帯電話向けサイトを開設いたします。
 本ホームページ上では、国立環境研究所等の協力を得て、国内外16か所のライダー観測地点の観測データを提供します。
1.経緯及び目的
..........
2.黄砂飛来情報ホームページの概要
(1)情報提供期間(予定)
平成23年2月1日(火)より通年での情報提供(本年より通年での情報提供)

(2)ホームページアドレス
http://soramame.taiki.go.jp/dss/kosa/

(3)主な提供情報
[1]ライダー観測データ(観測地点毎に表示し、1時間毎に最新値へ自動更新。)
地上付近(地上から上空1kmまで)での黄砂の平均濃度を地図上に円柱で表示。
地上から上空6kmまで(曇天時は雲底高度まで)の黄砂の高度分布図を表示。
[2]黄砂濃度の日・時間変化図
観測地点毎に、過去12時間分及び7日分の平均濃度の変化をグラフで表示。
[3]浮遊粒子状物質(SPM)観測データを利用した付加情報
ライダー観測データ及び一般環境大気測定局で観測されたSPMデータを用い、地上付近の黄砂が多く、SPM※濃度が環境基準(1時間値 0.2mg/m3)を超過した際、該当地点上にキャラクターを表示。
[4]黄砂予想分布図
モデル計算による北東アジア地域の黄砂の濃度分布を表示(国立環境研究所と九州大学が共同研究の一環として提供(CFORS))。
[5]その他
今年より携帯電話向けサイトを追加。
 http://soramame.taiki.go.jp/dss/kosa/k/

※SPM:
大気中に浮遊している微小な粒子状物質(粒径が10μm以下)のことであり、自動車の排ガスや工場からのばい煙に加え、微小な黄砂粒子なども含まれます。
(4)観測地点(観測地点の詳細は別添参照)
国立環境研究所を中心にライダー設置試験研究機関の協力を得て、北東アジア地域16か所(日本12か所、韓国1か所、モンゴル3か所)の観測データを提供します。

【参考】
ライダー装置について
 黄砂観測機器であるライダー装置(LIDAR:Light Detection And Ranging)は、レーザー光を用いて黄砂等粒子状物質の垂直分布をリアルタイムで観測するものです。ライダーの特徴として、地上付近だけではなく、上空の黄砂飛来状況が把握できるため、黄砂飛来予測に重要な情報を提供できること、見た目では区別できない粒子状の大気汚染物質と黄砂を区別して観測できること等が挙げられます。

13771378

-----image(”左-ライダー装置、右-ライダー装置による観測”) : 同リリースより
.......... "

関連
黄砂~環境省黄砂飛来情報(ライダー黄砂観測データ提供ページ)
Kosasite
-----上記サイト

国立環境研究所 / ライダーネットワークによる黄砂の3次元構造と輸送状態の把握

・Wikipedia : 黄砂

参考
環境省大気汚染物質広域監視システム そらまめ君

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2011/01/26

国立環境研究所、海水温の上昇により14km/年でサンゴ分布が北へと拡大していると発表

 国立環境研究所が、世界で初めて海水温の上昇により14km/年の驚くべきスピードでサンゴ分布が北へと拡大しているとの研究発表を行いました。日本全国規模で80年間にわたるサンゴ出現のデータベースを整備することにより、熱帯を代表する2種を含む4種が、温帯への分布拡大を示していることを明らかにしたということです。
 科学的にサンゴ北上を全国規模で検出したことは世界初だということです。

 サンゴの白化などのように、温暖化でその生息環境全体の生態系が危機に瀕しているという認識をしていましたが、サンゴが14km/年の驚くべきスピードで、変化する環境に適応していたなんて、、、。凄い話だと思います。本研究の結果に基づき、来年度から日本周辺のサンゴ分布変化のモニタリングが本格的に開始されるということです。

プレスリリース / 国立環境研究所、平成23年1月21日
海水温上昇にともなうサンゴ分布の北への急速な拡大について

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-----image(”図1.本研究における温帯(・)及び亜熱帯(x)の調査地。数字は、過去100年間における冬季の水温上昇(℃)(参考文献2)を示す。”) : 同リリースより

" 国立環境研究所は、近年の水温上昇に対応して日本の温帯域でサンゴ分布が北へと拡大している証拠を示し、その拡大速度が14km/年に達していることを明らかにしました。科学的にサンゴ北上を全国規模で検出したことは世界初です。
日本は、過去100年間で海水温が上昇していることが明らかになっており(気象庁ウェブサイト:http://www.data.kishou.go.jp/shindan/a_1/japan_warm/japan_warm.html)、海洋生物の分布が北上あるいは拡大する可能性が指摘されています。本研究では、日本全国規模で80年間にわたるサンゴ出現のデータベースを整備し、温帯へのサンゴ分布の拡大を検出しました。温帯への分布拡大を示した4種のうち、2種は熱帯を代表する種であり、その拡大速度は14km/年に達し、これまでに報告されている他の生物分布の北上あるいは拡大速度よりはるかに大きいことが明らかとなりました。
サンゴは、光合成による一次生産を行うとともに他の生物の生息場所を提供する、生態系の基盤となる生物であるため、本研究の結果は、海水温上昇によって温帯域の生態系の変化が急速に進んでいる可能性を示すものです。
国立環境研究所地球環境研究センターは、本研究の結果に基づき、来年度から日本周辺のサンゴ分布変化のモニタリングを開始します。
国本研究をまとめた論文は、3月発行予定の国際学術誌「Geophysical Research Letters」に掲載される予定です。
..........
統一したデータベースを作成するためには、過去の調査における見落としや誤同定の可能性を無くす必要がある。そのために、当該海域に多く分布する種、水深10m以浅に分布する種、形態がわかりやすい種という3つの点に基づいて9種のサンゴを選定した(図2)。サンゴの分類体系は過去と現在で異なっており、過去の文献では同じ種に現在とは別の名前が付けられている。そのため、種名の確認を、分類体系を改訂した文献(参考文献6)とともに、過去の文献に掲載されている写真、形態の記載、博物館に所蔵されている標本の調査により行った。以上のように作成した過去からのサンゴ出現データベースに基づいて、分布拡大の見られた種に関して北上速度を計算した。

Zu_02b
-----image(”図2.日本の温帯域(九州西岸~島根県隠岐)におけるサンゴ分布(参考文献7)と、本研究で選定した9種。”) : 同リリースより

3.解析結果
.......... "

関連
気象庁 : 海面水温の長期変化傾向(日本近海)

参考エントリー
暑い夏、変化の激しく大きな気候の変動を体験。2010年の日本と世界の平均気温を気象庁が総括-----しなやかな技術研究会、2010/12/28

気象庁発表、今夏の日本の平均気温は、統計を開始-1898年-以降もっとも高い記録-----しなやかな技術研究会、2010/09/03

海水温の上昇は、'93-08の16年間で0.1度上昇の意味。Natureに世界的な海洋観測プロジェクト、アルゴ計画のデーター解析が発表されました-----しなやかな技術研究会、2010/06/02

[ カテゴリー : 地球温暖化、気候変動、京都議定書 ]

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2010/12/28

暑い夏、変化の激しく大きな気候の変動を体験。2010年の日本と世界の平均気温を気象庁が総括

 2010年、みなさんはどんな経験を積まれたのでしょうか? 私はなによりも暑かった夏の記憶が多いです。たくさん汗をかいて、苦労しながら仕事をしました。
 さて、しな研も明日が大掃除で、お休みに入ります。今年最後のエントリー、何を記そうか考えました。ここは、正月休み中のおだやかな天気を祈願する意味でも、、、やはり気象庁さんの発表から話題をひろわせていただきます。

 世界的にみても暑かったのですね。2010年の日本の年平均気温の平年差は+0.85℃で、1898年以降では4番目タイの高い値となったようです。幸い全般的に日本の水瓶は比較的安定していたので、水不足を心配しないでよかったのがありがたかったです。これで水不足が重なれば深刻さが増してしまいます。

 さて、2011年。どんな”天気”となりますか! 

プレスリリース / 気象庁、平成22年12月21日
2010年(平成22年)の世界と日本の年平均気温について(速報)

Jma2010japantemp
-----image(”日本の年平均気温の平年差の経年変化(1898~2010 年)”) : 同リリース「平成22(2010)年の世界と日本の年平均気温について(速報)[PDF形式: 約220KB]」より

" 概要
 2010年の世界の年平均気温の平年差は+0.36℃で、1891年以降では、第2位の高い値となる見込みです。
 2010年の日本の年平均気温の平年差は+0.85℃で、第4位(タイ)の高い値となる見込みです。

本文
世界の年平均気温
 2010年の世界の年平均気温(陸域における地表付近の気温と海面水温の平均)の平年差*1(1月~11月のデータに基づく速報値)は+0.36℃で、1891年以降では1998年に次いで、2番目に高い値となる見込みです。世界の年平均気温は、長期的には100年あたり0.68℃の割合で上昇しており、特に1990年代半ば以降は高温となる年が多くなっています。地域的にみると、インド洋や大西洋で全体に気温が高く、陸上においても、中央アジアなどを除く多くの地域で、平年より気温が高くなっています。
 なお、陸域のみの年平均気温の平年差(速報値)は+0.68℃で、1891年以降では第1位の高い値となる見込みです。

日本の年平均気温
 2010年の日本の年平均気温の平年差*1(1月~11月のデータに基づく速報値)は+0.85℃で、1898年以降では4番目(タイ)の高い値となる見込みです。日本の年平均気温は、長期的には100年あたり1.15℃の割合で上昇しており、特に1990年代以降、高温となる年が頻出しています。

平均気温の変動の要因
 近年、世界と日本で高温となる年が頻出している要因としては、二酸化炭素などの温室効果ガスの増加に伴う地球温暖化の影響に、数年~数十年程度の時間規模で繰り返される自然変動が重なったものと考えられます。今年の平均気温が高くなった要因としては、これらに加えて、昨年夏から今年春まで持続したエルニーニョ現象が影響しているためと考えられます。


 2010年の年平均気温の確定値は、2011年2月初めに公表します。また、世界及び日本の年平均気温、月平均気温は気象庁ホームページにて随時更新・掲載しています(http://www.data.kishou.go.jp/climate/cpdinfo/temp/index.html)。

*1 平均気温の平年差は平均気温から平年値を差し引いた値です。平年値としては、1971~2000年の30年平均値を使用しています。

.......... "

関連
2010年(平成22年)の世界と日本の年平均気温について(速報)-----気象庁、平成22年12月21日

2010年(平成22年)の日本の天候(速報)-----気象庁、平成22年12月21日

2010 in the top three warmest years, 2001-2010 warmest 10-year period-----WMO,3 December
Compare_datasets_1
-----image : WMO : 17 December 2010 関連記事より

Near record temperatures in 2010 to be followed by cooler 2011-----MET Office(UK),2 December 2010

参考エントリー
気象庁、WMO温室効果ガス年報の概要・和訳を公開。世界の主要温室効果ガス濃度は過去最高値-----しなやかな技術研究会、2010/11/26

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2010/11/26

気象庁、WMO温室効果ガス年報の概要・和訳を公開。世界の主要温室効果ガス濃度は過去最高値

 世界気象機関(WMO)の全世界規模の温暖化効果ガス観測網に参加する気象庁は、2009年の温暖化効果ガスの観測データーをまとめた温室効果ガス年報(Bulletin No. 6: November 2010)の概要および和訳を公開しました。

 全球大気監視(GAW)計画の観測ネットワークで得られた観測データによると、10 年近く増加していなかったメタンが 2007 年から 2009 年にかけて世界的に増加していること。このメタンを含む、二酸化炭素、一酸化二窒素の2009年の世界年平均濃度が、統計を開始した1983年以降の最高値を記録したことを発表しました。二酸化炭素 386.8ppm、メタン 1803ppb、一酸化二窒素 322.5ppbに達し、これらの濃度は、工業化以前(1750年以前)の値より、それぞれ38%、158%、19%高いということです。

 この結果は、11月29日-12月10日の日程で開催される、メキシコのカンクンのCOP16でも報告されるということです。

 メタンが急激に増えた理由の可能性としてこの報告書があげているのが、有機炭素を含む永久凍土からのめたんの発生です。有機炭素を含む永久凍土は、メタンクラスレートとともに、北極地域に存在する大きな炭素貯蔵庫であり、これらは気候の変化による影響を受けやすいということです。急速に温暖化が進んでいる北極地域は、このような炭素貯蔵庫から大気に多量のメタンが発生する可能性があるということです。

 " メタンは強力な温室効果ガスでもあり、同量の二酸化炭素の21倍の温室効果をもたらすとされている。[Wikipedia] "

 上のような温暖化効果ガスとしてのメタンの増加が非常に気になるところです。

プレスリリース / 気象庁、平成22年11月24日
世界の主要温室効果ガス濃度は過去最高値 

" WMO温室効果ガス年報第6号の発行
概要
世界気象機関(WMO)と気象庁などが世界の大気中の温室効果ガス濃度を解析した結果が、11月24日に温室効果ガス年報第6号として発表されました。それによると、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素の2009年の世界平均濃度は過去最高となりました。

本文
 気象庁は、世界気象機関(WMO)の温室効果ガス世界資料センター(World Data Centre for Greenhouse Gases: WDCGG)を運営しており、世界中で観測された温室効果ガスの観測データを収集・解析しています。今般、当庁および世界の温室効果ガス専門家の協力により、2009年12月までの世界の温室効果ガス観測データの解析が取りまとめられ、その結果が、WMOから11月24日に温室効果ガス年報(Greenhouse Gas Bulletin)第6号として発表されました。

 今回発表された年報によると、大気中の主要な温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)及び一酸化二窒素(N2O)の2009年における世界平均濃度は、過去最高値を記録したことが分かりました。このうち近年増加傾向が頭打ちになっていたメタンは、2007年以降3年連続で高い伸びとなりましたが、メタンが最近増加している原因は十分には分かっておらず、今後の見通しははっきりしないとしています。また、二酸化炭素も近年よりは増加量がわずかに小さいものの依然として増加が続いています。

 本年報は、気候変動枠組条約第16回締約国会議(COP16)(11月29日~12月10日、メキシコ・カンクン)で配布される予定です。

 WMO温室効果ガス年報は、以下のURLにてご覧になれます。

WMO/GAW(英語、フランス語など):http://www.wmo.int/pages/prog/arep/gaw/ghg/GHGbulletin.html
WDCGG(英文、和訳):http://gaw.kishou.go.jp/wdcgg/jp/products/bulletin_j.html
気象庁(和訳):http://www.data.kishou.go.jp/obs-env/infohp/wdcgg/wdcgg_bulletin.html

Wmo_co2_2009reportjp

-----image : 「WMO温室効果ガス年報 温室効果ガ ス年報 (気象庁訳)2009年12月までの世界の観測結果に基づく大気中の温室効果ガスの状況」より
.......... "

関連
WMO Greenhouse Gas Bulletin

Wmo_co2_2009report
-----image : 「Bulletin No. 6: November 2010」カバー

Greenhouse gas concentrations reach scary record levels in 2009-----Greenfudge.org,2010/11/25

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2010/09/03

気象庁発表、今夏の日本の平均気温は、統計を開始-1898年-以降もっとも高い記録

 今年の夏は暑かった! そして今や残暑。これまた暑い。まずはみなさま体調など崩されませんように。

 さて、気象庁は今年の夏(2010年6月~8月)の平均気温が統計を開始した1898年以降の113年間で第1位の高い記録となったと発表しました。統計的にも本当に暑かったんです!
 さらに、異常気象として、極端な高温をもたらした循環場を対象に、その要因について分析および検討を開始すると発表しました。
 東京の水瓶では十分な雨があったので、水不足はなかったのが幸いです。しかし、街路樹や林は本当に乾燥しています。お湿りが本当にほしいところです。

参考画像
100831seasurface_temp
-----image : Google EarthにWorld and Regional Sea Surface Temperatureを読み込んで表示させた、2010/8/31の海水面の温度

プレスリリース / 気象庁、平成22年9月1日
平成22(2010)年夏の日本の平均気温について ~今夏の日本の気温は統計開始以来、第1位の高温

" 概要
今夏(2010年6月~8月)の日本の平均気温は、統計を開始した1898年以降の113年間で第1位(これまでの第1位は1994年)の高い記録となりました。

本文
 2010年夏(2010年6月~8月)の日本の平均気温の平年差*は+1.64℃と、夏の気温としては統計を開始した1898年以降で、第1位(これまでの第1位は1994年(1994年6月~8月))の高い記録となりました。

 今夏における各月の日本の月平均気温の平年差は、6月が+1.24℃で第5位、7月が+1.42℃で第11位だったものの、8月は+2.25℃(第1位)の高温となりました。

 このように、2010年夏の日本が記録的な高温になったのは、期間を通して冷涼なオホーツク海高気圧や寒気の影響をほとんど受けなかったこと、梅雨明け後、上空の偏西風が日本付近で平年よりも北に偏って流れ、勢力の強い太平洋高気圧に覆われたこと、今春まで継続していたエルニーニョ現象の影響で北半球中緯度の対流圏全体で気温が上昇したこと等の要因が重なったためと考えられます。また、背景として二酸化炭素などの温室効果ガスの増加に伴う地球温暖化の影響が現れているとみられます。

 世界及び日本の平均気温は気象庁ホームページにて随時更新・掲載しています。
http://www.data.kishou.go.jp/climate/cpdinfo/temp/index.html


 なお、全国の気象台・測候所等で観測した2010年夏(2010年6月~8月)の平均気温は、154地点中55地点で統計開始以来の高い記録を更新しました。詳細は報道発表資料「夏(6~8月)の天候」をご覧ください。
http://www.jma.go.jp/jma/press/1009/01c/tenko100608.html
.......... "

関連
異常気象分析検討会の開催について-----気象庁、平成22年9月1日
" 標記検討会を下記のとおり開催しますのでお知らせします。この会合では、今夏(2010年6月~8月)の極端な高温をもたらした循環場を対象に、その要因について分析・検討を行います。 "

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2010/05/21

地震調査研究推進本部 地震調査委員会、「全国地震動予測地図」の2010年版を公表

 政府の地震調査研究推進本部 地震調査委員会は、「全国地震動予測地図」の2010年版を公表、あらたなデーターに更新しました。今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率などの予想地図において、確率が前の版よりも上下したものに関してのわかりやすい地図も公開されました。
 
プレスリリース / 地震調査研究推進本部 地震調査委員会、平成22年5月20日
地震調査研究推進本部 / 全国地震動予測地図 2010年版 / 「全国地震動予測地図」の更新について(平成22年5月20日公表) (PDF 1,653 KB)

2010jisinmap
-----image(”図3 今回の地図と2009 年版の確率の差の分布図 今後30 年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率(平均ケース))赤色:今回の地図の確率値が2009 年版よりも上昇 青色:今回の地図の確率値が2009 年版よりも下降”) : 上記リリース(pdf)より

" 地震調査研究推進本部は、「地震調査研究の推進について-地震に関する観測、測量、調査及び研究の推進についての総合的かつ基本的な施策-」(平成11 年4月23日)において、当面10 年程度に推進すべき地震調査研究の主要な課題として、「全国を概観した地震動予測地図」の作成を挙げた。それに基づき、地震調査委員会は、平成17 年3月に「全国を概観した地震動予測地図」を公表した。
 引き続き、地震動予測地図の高度化に向けて、地震動予測手法や地下構造モデルなどの改良の検討を実施してきた。そして、それらの成果をとりまとめて「全国地震動予測地図」を作成し、平成21 年7月に公表した。
「全国地震動予測地図」は、その作成手法高度化の検討成果に加え、時間の経過や大地震の発生による地震発生確率の変化を踏まえ、適切な時期に見直していくべきものである。この一環として、地震調査委員会は、平成21 年1月から12 月にかけて公表した主要活断層帯及び海溝型地震の長期評価(一部改訂も含む)の結果や、平成22 年1月1日時点を算定基準日とした地震発生確率の更新結果を反映するための見直し作業を行い、これをとりまとめた。
 今回更新された「全国地震動予測地図」については、国民の防災意識の向上や効果的な地震防災対策を検討する上での基礎資料として活用されることを期待する。
........... "

関連
防災科学技術研究所の地震ハザードステーションJ-SHIS

東京大学地震研究所 / 地震調査委員会(組織、関係図)

太平洋沿岸で確率上昇 地震動予測地図を更新-----47News,2010/05/20

" .....る南海トラフの地震発生確率が高くなり、関東南部から四国にかけての太平洋沿岸の確率が上昇..... "

関連エントリー
気象庁 パンフレット「地震を知る」+ 地震に関するブックマーク集 / おすすめサイト-----しなやかな技術研究会、2010/03/29

「全国を概観した地震動予測地図」報告書の改訂版が発表されました-----しなやかな技術研究会、2006/10/05

防災科学技術研究所が、全国地震動予測地図、新型地震ハザードステーション(J-SHIS)を公開-----しなやかな技術研究会、2009/07/28

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