細菌の7世代受け継がれる”記憶”
テキサス大学の研究によれば、細菌は脳や神経系を持たないが、鉄の濃度を記憶の基盤として利用し、数世代にわたって情報を受け継いでいることが判明。これにより、細菌の行動を理解し、感染症予防や抗生物質耐性菌への対策に応用の可能性が浮上。大腸菌の研究では、鉄の濃度がスウォーミングやバイオフィルム形成、抗生物質耐性に影響し、その記憶は最大7世代まで続くことが示唆されている。これは治療ターゲットとしても重要で、鉄濃度が細菌の行動に与える影響を理解することが細菌との戦いに役立つ可能性があるとのこと。
遺伝する記憶——細菌が「記憶」を数世代受け継ぐ仕組みを発見 ----- fabcross,2023/1/1
参考
・Bacteria store 'memories' and pass them on for generations, study finds ----- YouTube ,Science X,2023/12/20
https://youtu.be/4yTPeVpjfxY?si=l_d-xJeKsoc1kDYC
コメント続き
昨年記憶に関する本を何冊か読みました。人間の脳に関する本でした。記憶は日々生活する上で欠くことべからず機能ですが、過度に苦しいかっつたり、衝撃的な記憶は、その後ずっと人を苦しめる原因にもなります。記憶の反応を退けることは、容易ではありません。
そんな、記憶に関する脳の研究は、一昔前よりも多くの成果を上げているようです。記憶が脳をもつ存在の機能だと考えていましたが、細菌にまで、記憶を代替するような機能があるなんて、興味深い話です。
世界は、考えているよりはるかに創発的な場所なのですね。
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