川崎汽船 "K"LINE、7,500台積み自動車運搬船“DRIVE GREEN HIGHWAY” をお披露目
低燃費・低排出自動車運搬船"DRIVE GREEN HIGHWAY"が竣工、ジャパン マリンユナイテッドの有明事業所(熊本県玉名郡長洲町)にて建造され、川崎汽船株に引き渡されました。引き渡し後にお披露目されたその内容は、省エネ性能だけでなく、太陽光発電や水耕栽培などが取り入れられ、自動車運搬船としての最高の性能だけでなく、随所にちりばめられた工夫が大きな注目を集めました。環境性能は、既存船と比較して輸送車両1台あたり、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の排出量を25%以上削減、さらに環境汚染の因子が含まれる窒素酸化物(NOx)を90%以上、硫黄酸化物(SOx)を50%以上削減できる見込みです。
-----image(”新開発の船舶用水耕栽培システム”) : 川崎汽船見学会(終了)の案内より
水耕栽培の詳細も知りたいのですが、得られたのは上の写真のみ、今後の情報に期待しています。太陽電池は、ソーラーフロンティアのもので、150kWp。船舶向けとしては世界最大規模。発電された電力は、車両デッキすべてのLED照明を賄える見込みです。
プレスリリース / 川崎汽船、2016年02月16日
・7,500台積み自動車運搬船“DRIVE GREEN HIGHWAY” をお披露目
-----image(下-DRIVE GREEN PROJECTの概要) : 同リリースより-----
" 去る2月9日、ジャパンマリンユナイテッド株式会社有明事業所にて、7,500台積み自動車運搬船10隻シリーズの第三船目となる”DRIVE GREEN HIGHWAY”が竣工し、2月12日、13日に横浜港大さん橋国際客船ターミナルでお披露目式・見学会を開催しました。本船の建造は、最先端の技術を結集して究極の省エネと環境保全を追求する「DRIVE GREEN PROJECT」(※)として進められてきたものです。幅広デザインなどにより積載可能台数を約20%増やすとともに、先進の環境技術を採用することで、輸送車両1台あたりの二酸化炭素(CO2)排出量を25%以上、窒素酸化物(NOx)を50%以上、硫黄酸化物(SOx)を90%以上削減することを可能としています(いずれも既存大型船比)。
..........
【本船概要】
主要寸法 :全長199.99m x 幅37.50m x深さ38.23m
載貨重量 :20,034トン
総トン数 :76,387トン
船籍 :パナマ【本船に搭載された主な新技術】
1. NOx生成抑制装置付エンジン
燃料油に水を添加する「水エマルジョン燃料装置」と、排気ガスを掃気に還流させる「排気ガス再循環装置」の組み合わせによりNOx排出量を大幅に低減します。またエンジン出力に応じて効率的な過給機の運転を自動制御する装置も搭載..........2. SOxスクラバー(大型排気ガス浄化装置)
エンジンの排気ガスの出口部分に「スクラバー」と呼ばれる大型の浄化装置を設置し、SOxを海水もしくは清水で洗い流します。..........3. 太陽光発電システム
太陽光によって発電された電力を有効に船内で利用するシステムとして、積荷スペース用LED照明供給を賄います。船舶向け太陽光発電システムとしては世界最大級の発電量を誇ります。本船にはソーラーフロンティア株式会社製の太陽光発電システムを搭載しております。4. 水耕栽培装置
船内で色々な野菜を育てることで、乗組員に新鮮でおいしい野菜を食べてもらうことが出来ます。また船内生活における癒しの提供なども期待されている装置です。本船には兵神機械工業株式会社製の水耕栽培装置を搭載しております。その他にも、高効率プロペラ、冷却海水ポンプならびに機関室通風装置のインバータ制御、発電機エンジン排ガスエコノマイザ、ボイラー水エマルジョン装置、LED照明、低摩擦塗料、遮熱塗料、最適運航支援システムなどの多様な省エネ・CO2削減技術を採用しています。
.......... "
関連
・”DRIVE GREEN PROJECT”
(川崎汽船株式会社 "K"LINE、2015/05/28)
-----“DRIVE GREEN PROJECT”、進行中-----
・DRIVE GREEN PROJECT:メインエンジンの起動試験。艤装が進みソーラーパネルも設置された。
(川崎汽船株式会社 "K"LINE、2016/02/01)
低燃費・低排出自動車運搬船"DRIVE GREEN HIGHWAY"命名・引渡し-ジャパンマリンユナイティッド https://t.co/BbeuWVxZ0x "..川崎汽船株式会社殿向け低燃費・低排出自動車運搬船..次世代舶用主機システム." #renewtp #ecoship
— greenpost (@greenpost) February 18, 2016
・ソーラーフロンティア、CIS薄膜太陽電池パネルを
川崎汽船の世界最高水準の低エミッション船に搭載-----2016年2月9日
参考
・川崎汽船、次世代環境対応フラグシップ「DRIVE GREEN HIGHWAY」見学会
乗用車約7500台を積載できる世界最大級の自動車専用船-----Car Watch、2016/2/16
・Twilog : 2016年02月20日(土)
・Twilog : 2016年02月21日(日)
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント