トヨタ自動車、電源車として3kWを100時間供給できる燃料電池バスを開発
トヨタ自動車は、燃料電池バスから外部へ電源供給できるシステムを開発したと発表しました。このシステムは、各地で運用されている燃料電池ハイブリッドバス「FCHV-BUS」をベースに開発したもので、車内に交流電力(AC100V、1.5kW)を出力するコンセントを2箇所設置し、最大出力3kWの電力を供給することができるということです。このコンセントを利用し、家電製品などに3kWで連続して電力供給する場合、100時間以上使用する能力を有しています。
さらにトヨタ自動車は、燃料電池バスから建物の電気配線を通じて電力を供給するV2H(Vehicle to Home)システムの開発も進めていて、最大出力9.8kWで、連続約50時間の電力供給能力を目指しているとのことです。この供給量は、学校体育館における照明電力の約5日分に相当し、非常用の電源としての活用が期待されます。
プレスリリース / トヨタ自動車、2012年08月31日
・トヨタ自動車、燃料電池バスの外部電源供給システムを開発
-----image(”FCバスの「外部電源供給システム」及び「V2Hシステム」を使った電力供給のイメージ図”) : 同リリースより
"トヨタ自動車(株)(以下、トヨタ)は、燃料電池バス(FCバス)の燃料電池で発電した電力を家電製品などに供給できる外部電源供給システムを開発した。このシステムは、中部国際空港、東京都心~羽田空港間、豊田市内などで運行している燃料電池ハイブリッドバス「FCHV-BUS」をベースに開発したものであり、車内に交流電力(AC100V、1.5kW)を出力するコンセントを2箇所設置し、最大出力3kWの電力を供給する。家電製品などに3kWで連続して電力供給する場合、100時間以上使用する能力を有している。水素を利用し電気エネルギーに変換して走行する燃料電池自動車(FCV)は、今後の自動車用燃料の多様化・ゼロエミッションの実現に向け、有力なエコカーの一つである。さらに、FCVは電気自動車(EV)などに比べ大容量の電力供給が可能であり、中でも水素搭載量が大きいFCバスは、災害時の避難所などでの移動電源車として活用が期待されている。
今回開発した外部電源供給システムを搭載したFCバスは、9月2日に実施される愛知県・豊田市総合防災訓練の「非常時電源供給訓練」において、防災本部テント内の情報モニターに電力を供給する。(外部電源供給システムを搭載したプラグインハイブリッド車(PHV)とあわせて約20台の情報モニターに供給。)
さらにトヨタは、FCバスから建物の電気配線を通じて電力を供給するV2Hシステム*1の開発も進めており、最大出力9.8kWで、連続約50時間の電力供給能力を目指している。この供給量は、学校体育館における照明電力の約5日分に相当する*2。今後は、経済産業省の「次世代エネルギー・社会システム実証事業」として採択されている「豊田市低炭素社会システム実証プロジェクト」の一環として、2013年度から2014年度にかけて、災害時に避難所となる施設への電力供給を想定した実証実験を行う予定である。
*1 Vehicle to Homeの略。EV、PHVの車載蓄電池やFCVの燃料電池からの電力を、施設の電気配線を通じて供給するシステム
*2 FCバス1台の水素を満充填の状態にして、学校体育館の照明使用電力を約100kWh(1日12時間点灯)とした場合の試算
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関連
・トヨタ、日野、東京都心~羽田空港間での燃料電池ハイブリッドバスの営業運行に車両提供-----トヨタ自動車、2010年12月07日
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【「FCHV-BUS」の概要】1.開発
・トヨタと日野が共同で開発した燃料電池ハイブリッドバス。
燃料電池システムはトヨタ、車体をはじめバス本体は日野が担当し、両社がそれぞれ培ってきた技術やノウハウを活用。
*今回使用する燃料電池ハイブリッドバスは、中部国際空港内で営業運行を行なっているランプバスと同仕様のもの。内外装を一新し、営業運行に必要な装備を追加している。2.主な特長
・高圧水素ガスを燃料とする燃料電池とバッテリーを動力源として、モーターを駆動するハイブリッドシステムを採用。地球温暖化の原因であるCO2や大気汚染物質である窒素酸化物などを排出しないほか、エネルギー効率が高く、静粛性に優れている。
-----image(”3.主要諸元”) : 上記リリースより
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・東京ガス、羽田空港燃料電池バス用の「羽田水素ステーション」を大田区京浜島に設置-----しなやかな技術研究会、2010/12/14
・Wikipedia : トヨタ・FCHV - FCHV-BUS
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