新日鉄エンジニアリング、東京大学生産技術研究所、バイオエタノール製造コストを大幅削減する新理論を用いた省エネ蒸留プロセスの実証試験を実施
新日鉄エンジニアリングと東京大学生産技術研究所は、バイオエタノール製造コストを大幅削減する新理論、東京大学生産技術研究所・堤研究室が構築した「自己熱再生理論」を用いた省エネ蒸留プロセスの実証試験を実施しました。この方法を、バイオエタノール蒸留プロセスに適用することで、バイオエタノール製造に必要なエネルギーを大幅に削減することに成功したということです。
従来のプ方法では、燃料を燃焼させて熱を発生させ、加熱していたのに対し、自己熱再生理論では、一切加熱することなく自己熱を循環利用することで、大幅な省エネルギーを実現するプロセス設計理論だということです。この自己熱再生理論を用いることで、蒸留プロセスだけでなく、蒸発、濃縮、乾燥、反応、分離等、ほぼ全てのプロセスにおいて、燃焼加熱に比べてエネルギー消費を1/5~1/20 と大幅に削減できることは、これまでシミュレーションで予想されていたということです。
そして今回、世界で初めて実際に、約85%削減できることが確認され、今後の研究に大きなはずみがつきそうです。強制乾燥ではなく、自己熱利用で乾燥し、分解が進む合理的な反応の設計が可能になりそうです。
プレスリリース / 新日鉄エンジニアリング、平成24年2月2日
・バイオエタノール製造コストを大幅削減! 自己熱再生理論を用いた省エネ蒸留プロセス実証試験/a>
-----image(”実証実験装置 新日鉄エンジニアリング 北九州環境技術センター内”) : 同リリースより
" 東京大学生産技術研究所と新日鉄エンジニアリング株式会社(以下 新日鉄エンジニアリング)は、生産技術研究所・堤研究室が構築した「自己熱再生理論」を、共同でバイオエタノール蒸留プロセスに適用し、バイオエタノール製造に必要なエネルギーを大幅に削減することに成功しました。自己熱再生理論とは、従来のプロセスでは、燃料を燃焼させて熱を発生させ、加熱していたのに対して、一切加熱することなく自己熱を循環利用する省エネルギーなプロセス設計理論のことです。
自己熱再生理論を用いることで、蒸留プロセスだけでなく、蒸発、濃縮、乾燥、反応、分離等、ほぼ全てのプロセスにおいて、燃焼加熱に比べてエネルギー消費を1/5~1/20 と大幅に削減できることが、これまで、シミュレーションで予想されていました。
このたび、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業「セルロース系エタノール革新的生産システム開発事業」において、新日鉄エンジニアリングと東京大学がバイオエタノール蒸留プロセスの設計に自己熱再生理論を導入し、実証試験によって従来の蒸留プロセスで消費するエネルギーを約85%削減できることを確認しました。
自己熱再生理論を実証したのは今回が世界初となります。
バイオエタノールはCO2 削減の手段として期待されておりますが、その製造段階では化石燃料を使用するため、製造で消費するエネルギーを極力少なくする必要があります。
特に蒸留工程は全体のエネルギー消費の半分以上を使用しており、省エネルギー化が望まれていました。今回の技術開発の成果は、エタノール製造で消費するエネルギーを半分以下にでき、製造コストも大幅削減が期待できます。
この成果を元に、東京大学生産技術研究所では自己熱再生理論の普及の促進を図るとともに、新日鉄エンジニアリングは、バイオマス事業体制を強化し、国内・海外ともに、顧客ニーズを踏まえつつ、地球温暖化防止に貢献するバイオエタノール事業の創出を目指して積極的に活動してまいります。
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関連
・東京大学生産技術研究所
参考エントリー
・NEDO、王子製紙呉工場内に国内最大級の木質バイオマスからバイオ燃料を生産するパイロットプラントを完成-----ソフトエネルギー、2011/12/21
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