パナソニックとテスラモーターズがEV用リチウムイオン電池の供給契約を締結
パナソニックとテスラモーターズが、4年間でEV8万台分以上を供給する、EV用リチウムイオン電池の供給契約を締結したと発表しました。まずは、テスラは既に6,000台を超える予約分を含め、2012年に量産体制に入る「モデルS」の生産に十分な電池供給量を確保、目標とするコストと利益の実現に目処をつけることができたということです。パナソニックが供給するリチウムイオン電池は、ニッケル系正極を用いた独自技術により、高エネルギー密度と、業界トップクラスの性能を実現、テスラのモデルSのような高級電気自動車の分野で事業としての将来性の実現に確実な一歩を記したようです。
下の2010年4月のエントリーから、今までの間で電気自動車をまぐる情勢は、少し変わりました。まだ、それほど一般的ではありませんが、新しい車を購入する時に、実際には購入しなくても、検討したという人が身近にもいます。あとは、価格が下がれば、実際に購入する人も増えると思います。
テスラモーターズの電気自動車は、いずれも高級タイプです。より手軽な値段になったといわれるモデルSの価格は、500万円前後ということです。2012に予約した人に販売が開始される予定です。
・テスラモータース Tesla Motors、12台の日本向けロードスター・スポーツを出荷。パナソニック、モデルS向け次世代リチウムイオン電池の仕様を決定-----しなやかな技術研究会、2010/04/28
プレスリリース / パナソニック、2011年10月11日
・パナソニックとテスラモーターズがEV用リチウムイオン電池の供給契約を締結
" 4年間でEV8万台分以上を供給
パナソニック株式会社(略)とテスラモーターズ(本社:米国カリフォルニア州パロアルト市..略)は、自動車用リチウムイオン電池の供給契約を締結しました。
今回、供給する自動車用リチウムイオン電池は、テスラの高級EVセダン「モデルS」に搭載されます。本契約に基づき、パナソニックは、今後4年間でテスラが生産する自動車8万台分以上のリチウムイオン電池を供給します。これにより、テスラは、既に6,000台を超える予約分を含め、2012年に量産体制に入る「モデルS」の生産に十分な電池供給量を確保するとともに、「モデルS」の目標とするコストと利益の実現に目処をつけることができました。
パナソニックとテスラは、次世代電池の開発およびEV市場の拡大を加速するため、これまで複数年に亘り協力関係を築いてきました。2009年に両社は最初の供給契約を交わし、2010年には、協力関係の強化とEV産業の成長を実現するべく、パナソニックがテスラに対し3,000万ドルを出資しました。
パナソニックが供給するリチウムイオン電池は、ニッケル系正極を用いた独自技術により、高エネルギー密度と、業界トップクラスの性能を実現しています。このニッケル系正極の技術をベースに、パナソニックとテスラは共同で次世代電池を開発、EVの要求を満たす性能や寿命の最適化に取り組んできました。「モデルS」に搭載される新しい電池は、テスラロードスターでの1,500万マイル以上の走行実績および数千時間におよぶ電池パック試験により、高性能を実証してきました。
テスラの共同創業者で会長兼CEOのイーロン・マスクは、「世界のリーディング電池メーカーであるパナソニックが、EVの性能や価値を高めるためにテスラをパートナーに選んだことは、我々の技術に対する力強い後押しになる」「『モデルS』のバッテリーパックに、パナソニックの次世代電池が組み入れられることにより、比類なき走行距離と高性能を実現できる。パナソニックと素晴らしいパートナー関係を持つことができて、大変光栄です」とコメントしました。
また、パナソニック(株) エナジー社社長の伊藤正人は、「高容量で走行距離を伸ばすなど、EV用に優れたリチウムイオン電池が開発できた。今後、テスラの『モデルS』への供給をスタートして、サスティナブルモビリティ※1の促進に貢献していきたい」とコメントしました。テスラは、自社のEV生産に加え、EV用の電池パックとパワートレイン※2をトヨタ自動車やダイムラーなど他の自動車メーカー向けに製造しています。
※1:サスティナブルモビリティ:持続可能な社会を目指し環境負荷を最小限に抑えたモビリティ
※2:パワートレイン:電池パック、充電器、インバーター、モータなどのEV駆動システム
.......... "
関連
・PANASONIC ENTERS INTO SUPPLY AGREEMENT WITH TESLA MOTORS TO SUPPLY AUTOMOTIVE-GRADE BATTERY CELLS-----TESLA MOTORS,OCTOBER 11, 2011
・Tesla Motors : モデルS-----( E )
-Blog 2011年10月3日 : Revealing Model S Beta
・The Tesla Factory: Birthplace of the Model S-----Tesla Blog,2010年6月16日
Beta Reveal Pt. 1: Intro & Safety
・First Ride: 2012 Tesla Model S-----motortrend.com,October 10, 2011
コメント続き
Tesla Model Sのバッテリー関連のスペックは、最大航続距離約260 km、370 km、または480 km の 3 タイプがあり、運転スタイルに応じて選べるということです。モデル S は世界中のほぼすべてのコンセントから充電でき、速充電ステーションを使えば45分間のクイックチャージが可能ということです。
また、FAQによると、
「(Q:)バッテリーの寿命はどれくらいですか?
(A:)これまでの試験から、使用開始から7年経過、もしくは160,000 km 走行すると、バッテリー容量は購入時の70 % に減少すると想定しています。」
と書かれています。
さらに、ここには、「どうしたら太陽光発電を利用してモデルSを充電することができますか?」という問いに対して、
「(A:)実際のロードスターの運転データに基づき、平均エネルギー使用量を約188 Wh/kmと想定します。その値にお客様の1日あたりの運転距離をかけると、1日にクルマが消費するエネルギー量を推定することができます」
という貴重な情報が記載されていました。
毎日50km走行するとなると、
負荷容量 188 [Wh/km] * 50 [km] = 9400 [Wh/日]という値を得ます。
国内の標準的な日射条件では、おおよそ、3481 [Wp]=3.481 [kWp]。つまり、Tesla Model Sで毎日50km走行するために必要な太陽光発電システムの設備容量は、約3.5kWpとなります。
自宅の電力用に3.5kWp、として通勤用(往復50km)として、7kWp程度の太陽光発電を設備すれば、家庭の消費電力と移動のための電力を”自給”できる計算になります。(2t)
参考
・PV+EV: We’re getting 72 miles per day of sunlight, or 72 MPS!-----Tesla Blog,2009年6月30日
2012 Tesla Model S - Production
(YouCarPress,2011/01/19)
Charging Demo (silent)
(teslamotorsvideo, 2009/08/28)
Tesla Touch Screen
(techcrunch,2009/04/09)
参考エントリー
・トヨタ自動車、テスラと共同開発の RAV4 EVを発表。一回充電で160kmを目指し、2012年アメリカでの市販化をめざす-----しなやかな技術研究会、2010/11/19
・トヨタ、高級電気自動車ベンチャーのテスラ・モータース Tesla Motors に総額5000万ドルを出資-----しなやかな技術研究会、2010/05/24
・テスラモータースのセダンTesla Model S、電気自動車の予約受付開始-----しなやかな技術研究会、2009年4月13日
-----Google GreenPostサイト内横断検索 : テスラモータース-----
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