東レ、先進複合材料を利用した電気自動車 TEEWAVE(ティーウエーブ)AR1を公開。ゴードン・マレー氏デザイン!
東レは、炭素繊維複合材料などを利用し、軽量化と強度や安全性を同時に実現した電気自動車のコンセプトモデル、TEEWAVE(ティーウエーブ)AR1を発表しました。TEEWAVE AR1の、デザインや設計には、元F1車体設計者であるゴードン・マレー氏を起用し、航続距離185km、最高時速147km/hの性能をもった2シータースポーツモデルとして、実際に公道を走行するための車両登録が可能な仕様を備えているということです。
東レの炭素繊維複合材料は、車体基本構造と衝撃吸収体に熱硬化炭素繊維複合材料(CFRP)が利用され、自動車メーカーに強くアピールするであろう、軽量化と同時に優れた車体剛性と衝突安全性を実現し、加工面では、ボンネットハッチやルーフには1分程度の迅速な成形が可能な熱可塑CFRPの自動車材料としてのメリットが存分に盛り込まれた内容になっているようです。
車体重量は、846kg(蓄電池重量220kg)で、1tを切っています。これからのエコカーの要点である、軽量でかつ強度と安全性を備えた魅力的な車として、アピールできる内容を備えています。
また、完成したTEEWAVE(ティーウエーブ)AR1をベースに試算した結果、4シータ乗用車の性能をもつ従来素材・構造からなるEVとの比較において、車体重量を1,520kgから975kgと約2/3に軽量化できるということです。また、熱硬化炭素繊維複合材料(CFRP)は、エネルギー吸収体の効果によってエネルギー吸収量が約2.5倍になり、非常に高い衝突安全性を発揮するといことです。
これからのエコカーの姿を、車としての完成度を感じさせるTEEWAVE(ティーウエーブ)AR1でちょっと感じさせてくれますね。小型で軽量、そして十分な安全性と快適性を備えた未来の車は、とても軽くて強そうです。
プレスリリース / 東レ、2011年9月9日
・東レの自動車向けグリーンイノベーション戦略を体現する次世代型EVコンセプトカー「“TEEWAVE” AR1」が完成
-----image(下-”2.主な適用素材・技術”) : 同リリースより-----
" 東レ(株)(略)はこのたび、当社がグリーンイノベーション製品(GR製品)と位置づける環境配慮型の先端材料や先端技術を駆使して、次世代型のEV(電気自動車)コンセプトカーを完成させました。 当社は、このコンセプトカーを「“TEEWAVE” AR1」(Toray Eco Efficient Wave Advanced Roadster 1)と命名し、東レグループが取り組む自動車用途向けのグリーンイノベーション戦略を体現するフラッグシップとして、地球環境や利用者ならびに自動車産業に向けたコンセプトを提供して参ります。“TEEWAVE”は、「東レの先端材料・先端技術を駆使し、すべての人に魅力あるコンセプトを提供する」ことを目標とし、(1)地球環境のためには「LCA(Life Cycle Assessment)の観点からCO2排出量の少ない環境対応型の超軽量電気自動車」を、(2)利用者のためには「高い衝突安全性と、LCC(Life Cycle Cost)の観点から経済性を備えたコンパクトカー」を、(3)自動車産業のためには「熱可塑性樹脂の使用、部品点数削減による高生産性車体と塗装代替技術」を提案していきます。
車体基本構造には熱硬化炭素繊維複合材料(CFRP)製のRTM一体成形モノコックとCFRP製衝撃吸収体を採用し、軽量化と同時に優れた車体剛性と衝突安全性を実現するとともに、ボンネットハッチやルーフには1分程度のハイサイクル成形が可能な熱可塑CFRPを適用するなど、それぞれの材料の特徴を最大限に発揮させるよう使用部位を最適化しました。内装材にはリサイクルポリエステル繊維を使用した人工皮革“ウルトラスエードR”および各種バイオマス繊維や発泡体、さらに塗装代替技術として金属光沢調フィルム“ピカサスR”やフィルム加飾技術など、先端材料・先端技術を最大限に盛り込んでいます。
また、車両の意匠デザインや構造設計、製作には英国で環境対応タウンカーの企画・設計を手がける「Gordon Murray Design Ltd.」(代表:元F1車体設計者であるゴードン・マレー氏)を起用し、実際に公道を走行するための車両登録が可能な仕様を備えています。
さらにCFRP製モノコックの採用により、2シータオープンモデルでも軽量で優れた車体剛性や衝突安全性を実現し、この基本設計を活かすことによって、他の車型への展開が容易になるというメリットも実現させました。完成したコンセプトカーの実力を評価するために、今回の2シータオープンモデルをベースに試算した4シータ乗用車の性能を、現在市販されている従来素材・構造からなるEVと比較、検証を行った結果、1回の充電で走行できる距離を一定とした場合、開発したコンセプトカーでは従来EVと比較して、車体重量が1,520kgから975kgと約2/3に軽量化でき、CO2排出量は14.9tが13.6tと約9%低減可能です。
また、CFRPエネルギー吸収体の効果によってエネルギー吸収量が約2.5倍になることでも、非常に高い衝突安全性を発揮します。
今後、この“TEEWAVE”を製作する上で得られた知見をさらに深化させ、自動車分野での材料、成形、設計に関する技術開発を加速し、自動車メーカーや部品メーカーとの共同開発を強力に推進して参ります。
..........
“TEEWAVE”AR1の概要は以下の通りです。
関連
東レ、炭素繊維を使ったEVコンセプトカーを公開 #DigInf
(diginfonewsjapan,2011/09/14)
・Gordon Murray and Toray unveil electric T-Wave AR1 concept-----autoblog.com,Sep 12th 2011
参考
・炭素繊維複合材料の自動車プラットフォームを10分で成形-----東レ、新エネルギー・産業技術総合開発機構、2008年10月21日
・自動車・航空機向け総合技術開発拠点「A&Aセンター」が完成 4月22日「アドバンスドコンポジットセンター(ACC)」開所-----東レ、2009年4月22日
コメント続き
ゴードン・マレイ氏デザインとくれば、以下のエントリーもどうぞ。T27もさらに軽量化されたりするかもしれませんね。82t)
・ゴードン・マレイ氏 Gordon Murray - F1 マクラーレンの自動車デザイナー - 世界でもっとも効率のいい電気自動車、T27開発中-----しなやかな技術研究会、2010/07/14
参考エントリー
・トヨタ Toyota Motorsport GmbH、最高速度260km/hの電動フォーミュラーカーTMG EV P001で新たなサーキットレコードを樹立-----しなやかな技術研究会、2011/09/01
・車は軽くなり、次世代のボディで省エネを! 鉄鋼メーカーが次世代鋼製環境対応のエコカー用車体を発表-----しなやかな技術研究会、2011/05/20
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