NECとJX日鉱日石エネルギー、横浜市で複数の急速充電器と大容量蓄電池からなる本格的充電ステーションを実証実験
世界的に、将来の電気自動車の普及の鍵ともなる充電インフラの整備、実証実験が行われる中、国内でも、NECとJX日鉱日石エネルギーが、横浜市で複数の急速充電器と大容量蓄電池からなる本格的充電ステーションを実証実験すると発表しました。この実証実験は、経済産業省「次世代エネルギー・社会システム実証事業」に採択されて行うもので、JXエネルギーとNECに加え、東京工業大学も共同実施者として加わるということです。
今後、充電インフラの整備が解決すべき問題として、ガソリンスタンドのように、一ヶ所の充電拠点において複数のEVに対して同時に短時間に充電する必要があります。リリースによれば、
「EVへの急速充電には相当な電力が必要なため、充電拠点において電力会社からの電力を受ける受電設備の容量増強による経済的負担の増加や、充電が同一時間帯に集中することによる電力供給不足、また電力供給不足による充電待ち時間の増加等が懸念されます」
とのことです。これらの問題の解決に向けて、地域の電力需給調整から実際の急速充電器による充電まで、大小の技術的、また実際の空間的な広がりのある生活空間に近い環境を想定しての実証実験が行われるということです。
急速充電器については、NECグループの高砂製作所の開発したEV向け急速充電器「TQVC500M2」があり、高容量タイプバッテリー搭載車で、15分~30分程度で、中容量タイプならショッピングなどの駐車中に充電可能な30分~60分程度で、長距離走行可能な容量を充電できるということです。ガソリンスタンドで給油する感覚にはおいつきませんが、確かにコンビニやスーパーでの買い物のついでにということであれば、十分我慢できる時間です。リリースに掲示された図をみると、実際の町で実際に使う、サービスを想定した複合、立体的なシステムの青図はもう描き込まれています。次代の車、電気自動車の普及は、横浜という先進技術に取り込もうとする都市で、今後どのように利用が進むのか楽しみです。
プレスリリース / NEC、2011年9月27日
・横浜市で次世代サービスステーションにおける蓄電・充電統合システムの実証事業を開始
-----image("BCISのシステム概念図") : 同リリースより
" 経済産業省「次世代エネルギー・社会システム実証事業」に採択
JX日鉱日石エネルギー株式会社(略)と日本電気株式会社(略)は、横浜市が推進する「横浜スマートシティプロジェクト(以下、YSCP)」において、「次世代サービスステーションにおける蓄電・充電統合システム」の実証事業を開始します。本事業は、経済産業省の「平成23年度次世代エネルギー・社会システム実証事業」に、JXエネルギーとNECが、国立大学法人東京工業大学とともに共同実施者として採択されたもので、複数の急速充電器と大容量蓄電池から構成される「蓄電・充電統合システム(Battery & Charger Integration System、以下BCIS)」を開発し、横浜市内のJXエネルギー施設などにおいて実証するものです。
電気自動車(以下、EV)の普及が本格化すると、一ヶ所の充電拠点において複数のEVに対して同時に充電することが必要になります。しかし、EVへの急速充電には相当な電力が必要なため、充電拠点において電力会社からの電力を受ける受電設備の容量増強による経済的負担の増加や、充電が同一時間帯に集中することによる電力供給不足、また電力供給不足による充電待ち時間の増加等が懸念されます。
これらの課題に対し、BCISの蓄電池電力の活用や複数充電器の充電制御マネジメントにより、複数のEVへの充電時間短縮や充電電力のピークカット効果を検証します。また、地域エネルギーマネージメントシステム(CEMS)と連携することで、本事業で導入するBCISが地域コミュニティの電力需給調整に貢献できることも検証します。
本事業において、JXエネルギーが充電拠点の運営に関する社会実証を、NECがBCISの開発・構築を、東工大が地域コミュニティへの貢献効果解析を分担して実施し、次世代サービスステーションにおけるEV充電システムやエネルギーマネージメントシステムを構築することで、低炭素社会の実現に貢献してまいります。
.......... "
関連
・横浜市で次世代サービスステーションにおける蓄電・充電統合システムの実証事業を開始-----JX日鉱日石エネルギー、2011年9月27日
・NECグループの環境最前線 第36回 サービスステーションが地域の蓄電池に!?-----NEC、2011年9月27日
・ NECグループの環境最前線 第17回 急速充電器の電源技術-----NEC、2011年9月27日公開
" 16kWの電池を搭載したEVなら、30分程度で満充電 "
・高砂製作所 : 急速充電器「TQVC500M2」
-----image : 上記サイト資料より
" 2011.08.25 EV急速充電器V3が補助金対象に認定されました。
特長
当社が開発したEV急速充電器は、省スペース・高出力タイプで新たにチャデモ認定取得した「TQVC500M3」「TQVC440M3」と中容量タイプ「TQVC200M3」の3つをラインアップ。
高容量タイプならガソリンスタンドで給油する感覚のわずか15分~30分程度で、中容量タイプならショッピングなどの駐車中に充電可能な30分~60分程度で、長距離走行可能な容量を充電をすることができます。 "
コメント続き
世界中でさまざまな急速充電器が作られるようになり、今回のリリースのような実験も欧米でも本格化しています。中でも、ベンチャーのAeroVironment社という会社が注目株という話題をアメリカのEV関連のフォーラムの記事で読みました。注目してみようかなと考えています。
電気自動車の充電時間、15分から30分で80%まで充電できる。この値をどう評価しますか? この充電時間を逆手にとって、いままでガソリンスタンドと無縁だった場所が、充電スポットになる。サービス拠点の新たな開発という意味でも注目ですね。(2t)
Washington Selects AeroVironment to Light Up Nation’s First Electric Highway
July 13, 2011
参考
・First American Electric Vehicle Highway Comes to Washington State-----Solar Feeds,07/15/2011
[ カテゴリー : 電気自動車 ]
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