官邸発モニタリングデーター。そして、福島原子力発電所事故、核汚染拡大の危機に対応するアメリカ
まずは、官邸が発表しているモニタリングデーターは、こんな感じです。福島第一原発から北西方向に、福島市方向にびっくりするくらい大きな数字がでているのは、これまでさまざまな報道で、北西方向の特に高濃度の核汚染にさらされ続けている場所、ホットスポットが出現していると主張されている内容と同じ傾向を示しています。この記事を書いている時点で、4月6日 6:00~18:00の間の”最高値”がμSV/時間の値で掲示されています。
-----image : 同サイトより「福島第一原発周辺のモニタリングデーター(4月6日 6:00~18:00)」より
/ 福島原子力発電所周辺の放射線モニタリングデータ - 福島第1及び第2原子力発電所周辺のモニタリングカーを用いた固定測定点における空間線量率の測定結果(地図)(再掲)
問題は自然放射線やレントゲンと比較されるなど、影響を軽微なものと扱うような誘導がされ続けていることです。その地点がどれだけ核汚染にさらされているかの、タイムラインにそった、積算値が示されるべきです。さらに、30km圏内にとどまるすべての人に放射線量の積算値(被曝量?)を示してくれる個別の計測器さえ配られていない(または、データーが集められ解析されず、データーがストックされないか、されていてもまった公開されない。)ことです。これでは、その地点の汚染度、個人の汚染度の「ヒント」がみられないのです。
それを、日本をも上回る測点のデーターをもって、世界に公開し、核汚染に関する人材を派遣している国があります。
いわずと知れたアメリカです。アメリカエネルギー省の関連サイトに4月4日に公開された情報は、誰でも閲覧でき、下のようにブログで閲覧できる”サービス”まで提供されています。
・The Situation in Japan (Updated 04/04/11) |-----DOE Blog
まず、下のスライドショーをみてください。これは、アメリカエネルギー省の公式の福島原子力発電所事故に対応した最新の核汚染の広がりを「世界にむけて」知らせる試みだといえるでしょう。
関連
・U.S. Department of Energy Releases Radiation Monitoring Data from Fukushima Area-----March 22, 2011,U.S. Department of Energy Releases
" Today the U.S. Department of Energy released data recorded from its Aerial Monitoring System as well as ground detectors deployed along with its Consequence Management Response Teams. The information has also been shared with the government of Japan as part of the United States' ongoing efforts to support Japan with the recovery and response effort.
On March 15, 33 experts from the Department's National Nuclear Security Administration (NNSA) arrived in Japan along with more than 17,200 pounds of equipment. After initial deployments at U.S. consulates and military installations in Japan, these teams have utilized their unique skills, expertise and equipment to help assess, survey, monitor and sample areas for radiation. The 33 team members joined another six DOE personnel already in Japan.
Since arriving in Japan, NNSA teams have collected and analyzed data gathered from more than 40 hours of flights aboard Department of Defense aircraft and thousands of ground monitoring points.
That data has been collected, analyzed and posted on the Department's website at www.energy.gov/japan2011. Consistent with the President's commitment to share important information related to health and safety with the public, the Department will seek to update the data posted on its website daily.
For more information about NNSA's emergency response capabilities, visit www.nnsa.doe.gov.
Download the Data
UPDATE: Download the Data (3/25)
UPDATE: Download the Data (3/29)
UPDATE: Download the Date (04/04)-----AMS_Data_April_4__v1.pptx Google Doc版 .......... "
アメリカが公開した”核汚染地図”の単位は、mR/時間。ミリレントゲン/時間という単位で、日本の計測値の単位、μSV/時間に換算するには10倍すればいいことになります。
1mR/hr = 10 μSv/時間 (左がただしい! すみません。上の解説まではあっていたのですが、、、、訂正します。)
----image : 上記リリース「AMS_Data_April_4__v1.pptx」P.4より
日本の発表よりも広範囲のデーターの”範囲”が把握できします。NHKの報道などによると、日本政府は、20キロ内でも放射線量測定は、4月3日にこの報道まで、公式には測定がされていなかったというのですから、驚きです。
・20キロ内でも放射線量測定-----NHKニュース、4月3日 5時4分
" 福島第一原子力発電所の周辺での放射性物質の拡散状況について、政府と東京電力は、これまで調査を行っていなかった、原発から半径20キロ以内の地域についても、新たに大気中の放射線量の測定を始めました "
そして、問題は積算値。何が放射線を浴びた具体的な時間経過とともに、増える量が知りたいのです。この核汚染は長期化します。友人たちもこの救援活動に参加していますし、友人で30km圏のすぐ外側で作物を作っていた家族もいます。(今は避難しています。)
国民の健康に関する情報。すぐに把握できないのなら、該当する地域に積算値が記録できる計測器をすぐにでもはかり、可能ならば、位置も記録すべきです。専門外ですが、この技術、計測のしくみなんとかしてください。(t_t)
関連
・米国にせっつかれて福島第一原発20キロ圏内でようやく放射線測定始まる-----極東ブログ、2011.04.03
・東日本大震災:福島第1原発事故 米専門部隊、始動へ 放射能汚染の現場、初体験-----毎日.jp2011年4月7日
・U.S. Sees Array of New Threats at Japan’s Nuclear Plant------ NYTimes.com,April 5, 2011
" 当庁は、環境緊急対応(Environmental Emergency Response: EER)地区特別気象センター(Regional Specialized Meteorological Center: RSMC)として、原子力発電所の事故等発生時に、国際原子力機関(IAEA)の要請に応じて、大気中に放出された有害物質の拡散予測情報を提供しています。 "
参考
・福島県内 1,600 箇所の放射線量を可視化してみた-----宇宙線実験の覚え書き、2011-04-11
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コメント続き
各測点の値、私が聞いていた空間線量がXXX μSv/h程度を越えたら、アラートだよという3.11以前の常識を考えると、また実際に放射性降下物が東京にまで達している恐るべき事態を考えると、福島原子力発電所事故現場付近の線量は、とてつもなく危険なものに感じます。しかし、今はおそらく東京という200km圏で暮らす人間にとっては、なれるしかない状況なのかもしれません。繰り返しますが、おそるべき事態です。
しかし、政府や専門家はすぐには健康に被害がない、キャンペーンを実施しています。しかし、今回のように詳しい計測を怠っているかできない事情があって最近まで測定の体制さえ構築されていなかったということを考えると、国家的な欺瞞工作と国際社会の非難の声も正統に感じさせるものがあります。
となれば、とりあえず50km圏内に暮らす人には、積算でのちのち判断できる被曝量のわかる計測器を自治体を通じて配布すべきだと思います。さらに、動物、作物、そして魚や樹木や土などのサンプルも集めるべきです。安全を口にされるなら、是非徹底的に10年間の白血病の増加、60年後に現れる一般癌の増加などと放射線の、内外被曝の記録となるデーターを取るべきです。この情報、世界のほうに情報を求めると、危機的になりすぎ? 国内のマスメディアだとあまりにのんきすぎると思います。内部被曝のこともあります。引き続き、情報を集めることになりそうです。本当は、しなやかな未来を作る技術のほうにどんどん比重を移したいのですが、現実は現実です。
下は、3.11以降爆発的にアクセス数が増えたという知人のブログです。参考までにご覧ください。
・分散型エネルギー社会を目指して / 避難を検討しているあなたへ / 危険性の判断に使うデータと目安
・放射性降下物の危険、パターンがありそうだ-----crisis311,2011/04/04
追加情報
・コウナゴ 福島で基準25倍検出------東京新聞、2011年4月14日
" 厚生労働省は十三日、福島県いわき市沖で同日採取されたコウナゴ(イカナゴの稚魚)から食品衛生法の暫定規制値(一キログラム当たり五〇〇ベクレル)の二十五倍に当たる一万二五〇〇ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。 "
・福島・浪江で34ミリシーベルト=大震災後の積算放射線量推計-安全委-----しなやかな技術研究会、2011/04/11
" 1年間の推計積算値は計12カ所で、20ミリシーベルトを上回った。 "
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コメント
elm200さん
ご指摘ありがとうございます。元原稿はあっていたのに、、、、
1mR/hr = 10μSv/時間
でした。訂正しました。
しな研 t_t
投稿: t_t | 2011/04/12 18:01
参考になりました。ありがとうございます。
1mR/hr = 10 mSv/時間
とありますが、正しくは
1mR/hr = 10μSv/時間
ではないかと。
投稿: elm200 | 2011/04/12 17:08
データの一覧を確認出来るようです。
先程、知事がおばかな発言をしているようだ、なんて連絡がありましたが、本当に困ったちゃんです。
何れにせよ、何処の政府関係者もしっかりして頂かないと、ですよね。
RadNet Data for Saipan, Commonwealth of the Northern Marianna Islands
http://www.epa.gov/radiation/rert/radnet-saipan-exp-rate.html
投稿: saipan-sky | 2011/04/12 15:40
saipan-skyさん
恐れていたけれど、いざ現実になってしまうと、あまりの被害と影響の大きさに、日本全体の”危機”に反応する意識や思考が麻痺してきているような気がしています。核汚染の拡大に、飲料水、食物の”食べて安全な”汚染度そのものがどんどん引き上げられる、、、、
サイパンの空。今は、前よりもあこがれますなぁ。最近では屋外で太極拳をしながらも、結構風向とかも気にしていて、やっかい。
まあ、すべてが変わってしまったけど、驚くほど表面上は変わっていないふりをしている東京の人々という印象があります。このあまりの危機の大きさに、パニックにならずに、普通の日常を送る意識、東京人はたいしたものです。私も含めて、、、
いただいた情報もクリップしておきました。いろいろな人に情報をまとめて、と頼まれますが、クリップがせいいっぱいです。
ということで、また何かあったら教えてください。
http://bit.ly/eFxCUN
t_t
投稿: t_t | 2011/04/08 17:36
3月23日の地元紙に、RadNetで監視、
なんて記事がありました。
これも同じ様な意味合いでしょうか。
http://www.mvariety.com/2011032235274/local-news/wind-water-monitored.php
昨夜の地震発生時、CNNは即時にNHKニュースを流していましたが、やはり関心事は福島原発なんだな、と改めて思い知るのです。
投稿: saipan-sky | 2011/04/08 11:42