東レ、高耐久性逆浸透膜の開発に成功。さらに、中国の海水淡水化プラント用ROシステムを相次いで受注
これが、3月14日に公開を予定していた記事です。ずいぶん、平時のしな研の記事内容から離れてしまっています。今読み直したら、ROということで話題になっているので、そのままアップします。
すみません。福島原子力発電所事故におけるROの記事ではありません。紛らわしくて失礼しました。検索で」こちらに来てしまっている方がおられるようです。関連情報ありましたら、ここにアップしたいと思います。
日本の技術は、膜や界面にあり。数年前、ある技術者がそういってこぶしを握りました。この分野で世界の健康とエコに大きく貢献できるという自負と世界でのビジネスの展開のむずかしさの両方を意味していたと思います。
さて、東レが高耐久性逆浸透膜の開発に成功。さらに、中国で逆浸透膜を利用した海水淡水化プラント用システムを相次いで受注したと発表しました。
水の資源としての重要性は、人が生活するすべての分野でますます認識されるようになってきています。都市や工業地帯がますます、水を必要とする一方で、環境汚染、気候変動の影響などで、”使える水”の必要性が増してきています。
プレスリリース / 東レ、2011年2月24日
・東レの逆浸透膜、中国の海水淡水化プラント向けに相次いで受注
-----image(”プラント所在地”) : 同リリースより
" TBMCの稼働開始により、中国での水処理膜事業拡大を加速
東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:、以下「東レ」)は、このたび、中国の青島(山東省青島市)ならびに曹妃甸(河北省唐山市)の海水淡水化プラント向けに、相次いで逆浸透(RO)膜納入の受注をしました。2つのプラントの合計造水量は15万m3/日で、いずれも今年中の稼働開始予定です。特に青島の海水淡水化プラントは、造水量が10万m3/日と海水淡水化プラントでは中国最大規模であり、中国初の本格的な飲料水向けプラントとなります。今回、RO膜納入を受注した2つの海水淡水化プラントの概要は下記の通りです。
<プラント所在地>
(1)青島(チンタオ)海水淡水化プラント(山東省青島市)
(造水量:10万m3/日、稼働予定:2011年)
ベフェサ社(Befesa、本社:スペイン)が青島市政府と合弁で青島市膠州湾岸に建設中の同国最大規模のRO法海水淡水化プラント。生産水は主に水不足に悩む人口750万人の青島市民の飲料水として使用される予定です。中国において淡水化された水の本格的な飲料水利用は今回の青島市が初めてとなります。(2)曹妃甸(ツァオフェイディエン)海水淡水化プラント(河北省唐山市)
(造水量:5万m3/日、稼働予定:2011年)
曹妃甸は唐山市郊外の中国最大規模の工業開発区です。今回の海水淡水化プラントは唐山市曹妃甸発展投資集団とアクアリュング社(Aqualyng、本社:ノルウェー・UAE)の現地法人が共同出資し、杭州水処理技術研究開発中心有限公司(本社:浙江省杭州市)が建設を請負いました。生産水は国家飲用水基準を満たすレベルであり、主に同工業開発区の工業用水および一部飲料水として使用される予定です。中国では、高い経済成長に伴う工業化の進展により、水の使用量が急激に増加しています。特に都市部では人口増加により水需要が急増する一方、北部では干ばつの影響などにより、水の供給不足問題が起きています。
こうした状況の中、水処理膜を用いた海水淡水化や下廃水の再利用への需要が高まっており、中国のRO膜市場は年率20%以上の成長を続けています。東レは、独自技術による高機能RO膜を中国市場に向けて広く展開しており、これまで寧夏石炭化学の廃水再利用プラント(7.8万m3/日)や天津TEDA下廃水再利用プラント(3.0万m3/日)などで採用実績があります。2009年7月には中国の急増する水需要に応えるべく、中国藍星(集団)股有限公司と合弁で、海外企業としては初となるRO膜の製膜およびエレメント生産を行う「藍星東麗膜科技(北京)有限公司」(略称:TBMC)を設立し、本年から本格的に稼働を開始しました。これにより安定した製品供給体制を確立し、東レが培った高度な水処理技術と藍星グループが持つ強力な販売ネットワークを活かして、中国における水処理膜事業の拡大を加速します。
東レは水処理事業を、今後戦略的に拡大を図る“グリーンイノベーション事業”の中核事業として位置付け、グローバルな営業体制の拡充・強化を行うとともに、生産体制整備と能力増強、新技術・新製品の創出によって、膜事業世界ナンバーワンの地位を確固たるものとして参ります。
......... "
関連
・高耐久性逆浸透膜の開発に成功-----東レ、2011年2月21日
" 独自の分子設計・界面重合技術により、サブナノメートルの細孔構造の安定化を実現
..........膜の基本性能である除去性能および透水性能を高いレベルで保持しつつ、膜洗浄で用いられる酸、アルカリ、塩素などの薬品に対する耐久性を大幅に向上させた「高耐久性逆浸透(RO)膜1)」の開発に成功しました。本開発品は、膜汚れ時の繰り返し洗浄に対しても高い性能を維持できることから、原水の水質悪化のため特に膜の洗浄頻度が高いかん水淡水化用途や下廃水再利用用途への適用が期待されます。
.......... "
・逆浸透膜“ロメンブラ”サイト(英語) / 25. May 2011 Toray wins big bids in China
コメント続き
水を得るために、こうした高い技術をもちいる必要があることを考えると水とエネルギー消費の関係も気になるところです。下のようなニュースを見ても、中国がエネルギー問題に並々ならぬ決意と覚悟で望んでいる理由がわかります。
・中国の原油備蓄わずか10日分、中東情勢に緊迫-----サーチナ、2011/03/08
" 中国の石油備蓄量は、10日~15日分の1200万トンしかなく、国際基準の20%にも満たない "
とはいえ、人は生きるためだけにでも水を必要とします。エネルギー問題は、即食料と水の問題に発展します。そして、それは水はただと思っている日本人にとっても、世界にエネルギーや食料などを依存しているわけですから、大きな問題となります。(t_t)
以上3月14日公開予定の記事でした。逆j浸透膜は核汚染でも有効とされる注目の浄水技術です。そうした面からも情報を集める必要がありますね、、、。
参考
・Pike Research:2016年までの海水淡水化投資は878億ドル-----インフラ投資ジャーナル/Infra Japan:ITmedia オルタナティブ・ブログ、2010/12/22
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