産業技術総合研究所は、869年に宮城県沖で発生した大地震「貞観(じょうがん)地震」の原発における危険性を警告していた!
残念なことに拡大する核汚染を引き起こした福島第一原子力発電所の状況は非常に深刻なままです。この事故が無事に終息することを、世界の子供たちと生態系すべての生命のために心から願っています。
さて、869年に宮城県沖で発生したマグニチュード8以上とみられる「貞観(じょうがん)地震」という大地震があり、その津波被害を早期に警告する研究があったことが内外の報道機関によりなされました。下の記事にまとめましたので、是非ご覧ください。
・869年に宮城県沖で発生したマグニチュード8以上とみられる「貞観(じょうがん)地震」の再来!-----crisis311,2011/03/27
上のエントリーにも書きましたが、石橋先生の原発と地震に関する警告といい、今回の貞観地震の津波、その被害の警告といい、地震国であるからこそ無視することが許されない知見だったと思いますが、国と電力会社は聞く耳をもたなかったことは、多くのみなさんが記憶にとどめる必要のあることがらです。
被災し、食料や水、物資が不足する方々が生存のために奮闘努力する姿にさらに追い討ちをかけることになっている、福島原子力発電所の事故は、地震と津波という震災の複合的なインパクトがいかに人間の高慢を打ち砕いてしまったことは、原発賛成、容認、反対派のいずれの方々も否定できないことです。ましてや、高い知見を発揮できる立場の複数の専門家の警告をも無視してきたことで、「想定外」ということは許されることではないと思います。多くの人が、国と電力会社がこの危機が高まり継続し続ける災厄になんとしても終止符を打ってくれることを願っています。
あらゆる立場の尽力し、心身を砕かれているみなさまに、心苦しいことですが、お願いします。
「私たちの子供を、自然を、そして国を助けてください」
と、しかし、この件がこんなでたらめな経過で立てられた原子力発電所であったことは一刻も忘れることができません。
なぜならば、石橋先生の警告は、本来この期に及んでも稼動中の中部電力浜岡原子力発電所に関する「迫り来る大地震活動期は未曾有の国難である」というものであったからです。福島原子力発電所の事故が終息しても、地震国日本の地震や津波に耐え得ない原子力発電所をまずとめて、まずは点検し、国民の広い議論のもとに真剣な議論をする必要があります。それが、最低限度の安心をこの国にもたらす条件です。海外のメディアは、地震国日本、そしてでたらめな検討により建設されていることを指摘する多くの記事が掲載されるようになりました。地震国日本が自国のリスク管理を正統にするのでなければ、世界の安定と安心に寄与できる国家として認識されない事態になると考えています。それもど、すでに事態は糊塗することが許されない状況になりつつあります。
この状況から私たちが脱出できる方法については、まったくわかりません。しかし、少子高齢化に向かう社会でありながら、若年労働者や新卒の学生の就職もままならない状況にあり、地方都市から国まで財政破綻の瀬戸際にすでにこの震災前からあったことを私たちは知っています。また、政治が国民の信頼をかちえる状況になかったことも、震災以前の状況です。
まずは、既存原発の総点検をかつて警告を発した学者や研究機関とともに、行うことを確約し、危険な原発(古い原発、MOX、すでに大きな地震を経験して停止している原発、再稼動した原発)などのただ国民に開かれた形での検討を最低限お願いしたいのです。
関連
津波の三次元表示
(aistchannel、2011/03/13)
・産総研:活断層・地震研究センター 活断層・古地震研究報告第10号 -宮城県石巻・仙台平野および福島県請戸川河口低地における869年貞観津波の数値シミュレーション 行谷佑一・佐竹健治・山木 滋 4.5MB(PDF)
追加情報
・東北電、90年に大津波の論文 福島原発に生かされず-----福島民報、2011/05/30
" 東日本大震災との関連が指摘される平安時代の869年に起きた貞観地震による津波について、女川原発(宮城県)の2号機増設の調査をしていた東北電力が1990年、津波が残した砂などの分析から、原発近くの仙台平野では海岸線から3キロ程度が浸水する大規模な津波だったとの調査結果をまとめていたことが30日、分かった。 "
・東電、貞観大津波も過小評価か 4メートル未満と推定----asahi.com,2011年5月23日
" 東電は、2009年から10年にかけて、福島県内の5地点で貞観の大津波で運ばれた砂を調べた。この結果、南相馬市で高さ3メートルの地点に砂があったが、4メートルの地点では見つからなかったとして、津波が海岸に駆け上がった高さは「最大で4メートル未満」と結論づけた。 "
コメント続き
産業技術総合研究所の地質調査総合センターには、今回の地震関連の分析、情報があがっています。関心のある方には、必読、是非コピーをとり多くが保管してお読みください。
・産業技術総合研究所 地質調査総合センター / 2011. 3.16 地震研究情報「平成23年度 東北地方太平洋沖地震の関連情報」
この過去に大きな地震があった地震の巣に原発は作れないのです。作れたのは、地質学的な時間のオーダーが長く、単に人間の歴史の中ではその通常変化の一つである巨大地震や津波に遭遇しないと”限定的な知見で思い込みたかった人々の運がよかった”からです。長い目でみれば、プレート境界は激しく動き続けているのです。300万年、30万年、3万年とオーダーを下げ、ついには、1000年(貞観 じょうがん 地震は、869年。1142年前)以下にまで予測できないと切り捨てたことになります。なぜこんなことをしたのか考えると、頭が真っ白になります。
参考
・Global CMT Web Page
-----image : 上記サイト(地図は、1976-2005のだいたい深さ60kmまで浅発地震をプロットしたもの)
・Seismic Monitor(最近の地震を示す。画像をクリックすると情報が表示されます。)
いずれの地図でも日本は地震の表示で埋め尽くされます。素人の常識、こんなとこに地震をたてていいのか? という疑問を、ただ納得できるまで追及して一人一人が判断し、エネルギー、気候変動問題ではなく、まず国の基本的な風土を維持して安全な暮らしをしていくという問題として是非考えてください。(t_t)
参考エントリー
・日本は、まだまだゆれています!-----しなやかな技術研究会、2011/03/24
-----Google GreenPostサイト横断検索 : 原子力発電 地震-----
追加情報
・「地震予知、即刻中止を」 東大教授、英誌に掲載-----47NEWS,2011/4/13
" ..........
また、福島第1原発事故についても「最大38メートルの津波が東北地方を襲ったとされる1896年の明治三陸地震は世界的によく知られている」とし、「当然、原発も対策されているべきで、『想定外』は論外だ」とした。 "
・地震予知は「不可能」、国民は想定外の準備を=東大教授-----ロイター、2011年 04月 14日
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