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2011/01/26

国立環境研究所、海水温の上昇により14km/年でサンゴ分布が北へと拡大していると発表

 国立環境研究所が、世界で初めて海水温の上昇により14km/年の驚くべきスピードでサンゴ分布が北へと拡大しているとの研究発表を行いました。日本全国規模で80年間にわたるサンゴ出現のデータベースを整備することにより、熱帯を代表する2種を含む4種が、温帯への分布拡大を示していることを明らかにしたということです。
 科学的にサンゴ北上を全国規模で検出したことは世界初だということです。

 サンゴの白化などのように、温暖化でその生息環境全体の生態系が危機に瀕しているという認識をしていましたが、サンゴが14km/年の驚くべきスピードで、変化する環境に適応していたなんて、、、。凄い話だと思います。本研究の結果に基づき、来年度から日本周辺のサンゴ分布変化のモニタリングが本格的に開始されるということです。

プレスリリース / 国立環境研究所、平成23年1月21日
海水温上昇にともなうサンゴ分布の北への急速な拡大について

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-----image(”図1.本研究における温帯(・)及び亜熱帯(x)の調査地。数字は、過去100年間における冬季の水温上昇(℃)(参考文献2)を示す。”) : 同リリースより

" 国立環境研究所は、近年の水温上昇に対応して日本の温帯域でサンゴ分布が北へと拡大している証拠を示し、その拡大速度が14km/年に達していることを明らかにしました。科学的にサンゴ北上を全国規模で検出したことは世界初です。
日本は、過去100年間で海水温が上昇していることが明らかになっており(気象庁ウェブサイト:http://www.data.kishou.go.jp/shindan/a_1/japan_warm/japan_warm.html)、海洋生物の分布が北上あるいは拡大する可能性が指摘されています。本研究では、日本全国規模で80年間にわたるサンゴ出現のデータベースを整備し、温帯へのサンゴ分布の拡大を検出しました。温帯への分布拡大を示した4種のうち、2種は熱帯を代表する種であり、その拡大速度は14km/年に達し、これまでに報告されている他の生物分布の北上あるいは拡大速度よりはるかに大きいことが明らかとなりました。
サンゴは、光合成による一次生産を行うとともに他の生物の生息場所を提供する、生態系の基盤となる生物であるため、本研究の結果は、海水温上昇によって温帯域の生態系の変化が急速に進んでいる可能性を示すものです。
国立環境研究所地球環境研究センターは、本研究の結果に基づき、来年度から日本周辺のサンゴ分布変化のモニタリングを開始します。
国本研究をまとめた論文は、3月発行予定の国際学術誌「Geophysical Research Letters」に掲載される予定です。
..........
統一したデータベースを作成するためには、過去の調査における見落としや誤同定の可能性を無くす必要がある。そのために、当該海域に多く分布する種、水深10m以浅に分布する種、形態がわかりやすい種という3つの点に基づいて9種のサンゴを選定した(図2)。サンゴの分類体系は過去と現在で異なっており、過去の文献では同じ種に現在とは別の名前が付けられている。そのため、種名の確認を、分類体系を改訂した文献(参考文献6)とともに、過去の文献に掲載されている写真、形態の記載、博物館に所蔵されている標本の調査により行った。以上のように作成した過去からのサンゴ出現データベースに基づいて、分布拡大の見られた種に関して北上速度を計算した。

Zu_02b
-----image(”図2.日本の温帯域(九州西岸~島根県隠岐)におけるサンゴ分布(参考文献7)と、本研究で選定した9種。”) : 同リリースより

3.解析結果
.......... "

関連
気象庁 : 海面水温の長期変化傾向(日本近海)

参考エントリー
暑い夏、変化の激しく大きな気候の変動を体験。2010年の日本と世界の平均気温を気象庁が総括-----しなやかな技術研究会、2010/12/28

気象庁発表、今夏の日本の平均気温は、統計を開始-1898年-以降もっとも高い記録-----しなやかな技術研究会、2010/09/03

海水温の上昇は、'93-08の16年間で0.1度上昇の意味。Natureに世界的な海洋観測プロジェクト、アルゴ計画のデーター解析が発表されました-----しなやかな技術研究会、2010/06/02

[ カテゴリー : 地球温暖化、気候変動、京都議定書 ]

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