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2010/11/10

都市大学、水素ハイブリッドトラックの開発に成功

 東京都市大学(旧武蔵工業大学)は、日野自動車のハイブリットディーゼルトラック、デュトロをベースに水素燃料エンジンを搭載した水素ハイブリットトラックの開発に成功したということです。これにより、水素エンジンとモーターを動力源とし、日野自動車のディーゼルエンジンとモーターの既存車と同等の性能を水素により可能としたことで、将来の水素燃料の具体的な用途、技術開発に道を開きました。

 東京都市大学(旧武蔵工業大学)は、30年以上にわたり水素燃料エンジンを搭載した自動車の研究を行い、低速トルクを向上させるとともに、点火システムの変更により高回転時 の出力向上と耐久性の確保を実現、宅配便や資源回収車等の幅広い用途に使用可能ということです。

東京都市大学 水素ハイブリッドトラックの開発に成功! 【2010 年11月】

(gotoikuei,2010年11月05日)

プレスリリース / 東京都市大学(五島育英会)、10.11.6
東京都市大学 水素ハイブリッドトラックの開発に成功!

201011021023201011021024
-----image(左-”[ベース車]日野自動車製小型ハイブリッドトラック「デュトロ」”、右-”水素ハイブリッドトラック完成デザイン図” ) : 同リリースより

" 水素エンジンとモーターを動力源とする“水素ハイブリッドトラック” YouTubeで動画配信も開始
東京都市大学(旧:武蔵工業大学 東京都世田谷区 学長:中村英夫)では、30年以上にわたり水素燃料エンジンを搭載した自動車の研究を行ってきましたが、今回、新たに本学総合研究所所属 伊東明美准教授を中心に、日野自動車株式会社の協力のもと、既存のハイブリットディーゼルトラックをベースに、水素燃料エンジンを搭載した水素ハイブリットトラックの開発に成功いたしました。

水素燃料エンジンは、水以外の排出物を出さない環境に優しい技術として、化石燃料を使用するエンジンに代わり、トラックやバスなどの商用車での実用化が期待できる代替機関として注目されています。本学では、2009年4月に水素燃料エンジン搭載バスを開発、国内初の公道走行を実現しており、このバスによる実証試験等により明らかになった分析結果や課題を活かし、新たに水素エンジンとモーターを動力源とする水素ハイブリッドトラックの開発を行ってきました。

今回、開発いたしました水素ハイブリットトラックは、日野自動車株式会社の日野デュトロ ハイブリッド(排気量:4,009cc)をベース車両とし、ハイブリッドシステムを採用することにより低速トルクを向上させるとともに、点火システムの変更により高回転時の出力向上と耐久性の確保を実現しました。同トラックは、ディーゼルエンジンを搭載するトラックと同等の動力性能を有し、宅配便や資源回収車等の幅広い用途に使用可能です。
..........
2010年11月4日(木)に東京都市大学世田谷キャンパスにおいて、水素ハイブリッドトラックの完成を報道関係の皆様に披露いたしました。
..........
東京都市大学 水素ハイブリッドトラック 仕様概要

■サ イ ズ:全長6290mm、全幅2195mm、全高2920mm
■排 気 量:4,009cc
■最大出力:93kW@2500rpm(126PS)
■最大トルク:320Nm@2200rpm
■圧 縮 比: 12:1
■車両重量:3640kg(積載重量:2000kg、車両総重量:5750kg)
■エンジン:ハイブリッドシステム搭載直列4気筒水素エンジン
■ベース車両:日野自動車製小型ハイブリッドトラック「デュトロ」
..........
【水素燃料エンジンバスからの改良点】
・低速トルク不足をハイブリッドシステムにより解消
 トルク不足が感じられた低速域をモーターによりアシストすることで、力強い加速を実現。モーターに使用する電気は、ブレーキ時のエネルギー回生によりバッテリーに蓄積。
・点火システムの変更により高回転時の出力向上と耐久性確保を同時に達成
 従来のトランジスタ式点火方式+対策ケーブルに変わりCDI方式を採用することで、バックファイヤを抑制し、高回転時の出力をより向上させることに成功。さらに耐久性が課題で あった対策ケーブルが不要になり、点火系の耐久性を大幅に向上。
.......... "

関連
水素ハイブリッドトラックの開発に成功、プレス発表会を開催しました-----東京都市大学、2010/11/09

日野自動車 : 日野デュトロ / ハイブリッド デュトロ

コメント続き

プレス発表とともに、YouTubeなどの動画も発表するスタイルが日本でも多くなってきました。ブログで紹介する記事で、より具体的にオリジナルに近い内容を知ることができて助かります。

東京都市大学 水素燃料エンジンバスの開発に成功 【2009年4月3日発表】

(gotoikuei, 2009年04月05日)
"..東京都市大学(旧 武蔵工業大学)は、日野自動車(株)や岩谷産業(株)協力のもと、「水素燃料エンジン バス」の開発に成功し、日本で初めて公道での走行を可能としました。
水以外の排出物を出さない環境に優しい本学の「水素燃料エンジンバス」は今後、本学キ ャンパス間のシャトルバスとして運行予定のほか、室蘭工業大学と協力し、更なる研究開 発を行ってまいります。なお、バスのデザインは、本学と連携協定を締結した多摩美術大 学の学生によりなされたものです。"

 さて、そもそもの水素をどうするのか? という一大問題については、技術的には確立済みの部分も多いとされています。一方で問題はコスト、水素製造の低コスト化の研究が進められています。
 ただ、この時代。つまり安い化石燃料を使うことで発展してきた人類の歴史において、湧き上がる需要に対して、これまでと同じペースでさえ利用できる状況がそろそろ終焉するというタイミングにおいて、水素は期待されてきた役目を担う時代が訪れてきています。
 昨日の報道では、こんなニュースがありました。サハリンで風力発電を使い、水素を製造し日本に輸出するプロジェクトの実現性をさぐるために、両国の企業や研究機関が合同プロジェクトの事業化に向けた調査を近く始めたというものです。

次世代燃料の水素確保へ サハリンで日ロ合同調査-----47News,2010/11/09

 世界では、さらに水素を新しく作るための技術が研究され、効率やコスト、技術の確立の上でまだまだ問題を抱えているという否定的な意見をものともせず、大きな影響力をもつ研究者も現れています。Green Energy Newsにも紹介されたダニエル・ノセラ教授 Daniel Nocera,Ph.D. の研究がもっとも目立つところでしょうか。

SOLAR HYDROGEN POWER FOR HOMES. -----Green Energy News,September 6, 2010

 この研究は、一重に効率がいつ実用可能になるかというタイミングだとされ、そのタイミングは2010年代にやってくる可能性もあると支持者たちには考えられています。ダニエル・ノセラ教授 Daniel Nocera,Ph.D. の研究は、ソフトエネルギーにも掲載しました。

'Major discovery' from MIT primed to unleash solar revolution / プレスリリース MIT(太陽光発電システムの革命的な運用を可能にするシステム)-----ソフトエネルギー、2008/08/07

 こんなビデオクリップも公開されています。

Brink - Storing Solar Energy

(ScienceChannel、2009年01月20日)

ダニエル・ノセラ教授 Daniel Nocera,Ph.D. の研究については、新しい資料も手に入って、今読んでいるところです。近いうちになんらかの進展があるかもしれないと考えています。

 さらに、大きなレベルで再生可能エネルギーと水素を中心とした研究開発も進められています。日本で再生可能エネルギー起源の水素の普及を進めるR水素のサイトで紹介されていたものです。

Hawaii Clean Energy Initiative

(DigitalSplashMedia,2010年03月13日)

 Hawaii Clean Energy Initiative が進める、再生可能エネルギーと水素を使い、さらに効率化により2030年に70%のクリーンエネルギー化を実現するというビジョンが明確に伝わってきます。

”The Hawaii Clean Energy Initiative is leading the way in relieving our dependence on oil by setting goals and a roadmap to achieve 70% clean energy by 2030 with 30% from efficiency measures, and 40% coming from locally generated renewable sources.”-----Hawaii Clean Energy Initiative より

 前オイルショックの時に水素燃料時代がやってくるということで大いに盛り上がりましたが、その後その流れは安くて質のいい化石燃料を使い続けることが可能になったことで、いったんは息を潜めてきました。それが、新しい技術や素材の開発という大きな流れとともに2010年代に、エネルギーと気候変動問題に人類が対処するための、新しい足がかり、手がかりをもたらしてくれる可能性は、より高まっています。(t_t)

参考
(NPO)R水素ネットワーク - 水から生まれる、幸せのエネルギー。 Renewable Hydrogen Network ? ENERGY for WORLDSHIFT



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