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2010/11/24

東京大学大気海洋研究所の研究グループ、北半球各地域の暑夏の主要因を究明。2010年夏季の天候再現実験などにより、記録的猛暑の2割強、近年の海水温の温暖化が原因

東京大学大気海洋研究所の研究グループは、地球シミュレータ上で開発されてきた高解像度の大気・海洋・陸面結合大循環モデルMIROCを用いて、2010 年夏季の北半球各地域の暑夏の主要因を究明し、2010年夏季の天候再現実験などにより、熱帯域の高い海水温によることを明らかにした。過去30年ほどの長期的な海水温の上昇が2010年夏季に観測された日本域の高温状態の2割強を説明することを示すことができたということです。
 近年の海水温の温暖化がもたらした気候変動の影響度を全体像の中で描く画期的なシミュレーションとなりました。

プレスリリース / 東京大学大気海洋研究所の研究グループ、2010年11月19日
東京大学気候システム研究系 / 2010年夏季の天候再現実験に成功― 近年の海水温上昇が猛暑を底上げ

2010hotsummer_japan

-----image : 配布資料「2010 年夏季の天候再現実験に成功」PDFより

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4.発表概要:
国立大学法人東京大学大気海洋研究所の研究グループは、高解像度の大気大循環モデルMIROC[※1]を用いて2010 年夏季の全球的な天候再現実験を行い、日本周辺の暑夏だけでなく、北米東岸やロシア西部の高温の状況を再現することに成功した。こうした北半球各地域の暑夏の主要因が、ラニーニャに関連する熱帯海水温の偏差および北極域の海氷減少であることをつきとめ、特に8月の日本に猛暑をもたらした太平洋高気圧の強化が、熱帯域の高い海水温によることを明らかにした。さらに、追加実験から、過去30年ほどの長期的な海水温の上昇が2010年夏季に観測された日本域の高温状態の2割強を説明することを示すことができた。
本研究は,文部科学省「21世紀気候変動予測革新プログラム」における研究課題「高解像度気候モデルによる近未来気候変動予測に関する研究」の一環として実施された。
[※1] 東京大学気候システム研究センター(大気海洋研究所の前身)、独立行政法人国立環境研究所、および独立行政法人海洋研究開発機構で共同開発され、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)のシナリオにもとづく地球温暖化予測計算に使われてきた気候モデルであり(詳細は2004年9月に行われた記者発表資料を参照)、本研究ではその大気部分を用いた。
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関連
地球シミュレータセンター / 平成21年度 地球シミュレータ利用報告会
" 地球シミュレータ上で開発されてきた大気・海洋・陸面結合大循環モデル(CCSR/NIES/FRCGC大気海洋陸面結合大循環モデル:MIROC) "

地球シミュレータによる最新の地球温暖化予測計算が完-----東京大学気候システム研究センター、平成16年9月16日

日本近海の海面水温異常が日本の夏に強い影響を及ぼす事を発見-----2010年 9月 10日、海洋研究開発機構

記録的猛暑の2割強、海水温の温暖化が原因-----YOMIURI ONLINE,2010年11月20日

コメント続き

 今年の夏は、本当に暑かったです。
 

気象庁発表、今夏の日本の平均気温は、統計を開始-1898年-以降もっとも高い記録-----しなやかな技術研究会、2010/09/03

 今回の記者発表の記述によれば、

「2010 年夏季の日本の平均気温は 1898 年の観測開始以来最高で、特に 8月の月平均気温が平年を 2.25℃上回ったことが大きい。これに伴い、全国 42 の地点で最高気温35℃以上の猛暑日が 20 日を超え、水資源、農作物、水産などに大きな影響が生じた。」-----配布資料「2010 年夏季の天候再現実験に成功」PDFより

 この暑さに近年の世界の海水温度の変化が影響を与えていることは、各国の研究者が言及している内容ですが、具体的にその経過を確認できたのは、大きな成果です。地球シュミレーターの話題で言えば、こんなことがありました。スパコンで栄えある一位です。昨年の仕訳で、世界一談義がありましたが、この重要な働きを考えると演算能力の高さも重要だと思えます。

「地球シミュレータ」がHPCチャレンジアワードの1指標で第1位を受賞-----海洋研究開発機構、2010/11/17

 あとは、機会の計算を血の通った政策や制度、そして生活の現場で生かせる動きに変えることができるか? それは、私たちのコミュニティと個人が問われていることだと思います。(t_t)

[ カテゴリー : 地球温暖化、気候変動、京都議定書 ]



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