三菱化学、アイ・シー・エルら、太陽光発電を利用したトラック用アイドリングストップクーラーシステム i-Cool ソーラーを開発
三菱化学、アイ・シー・エル、日本フルハーフは、太陽光発電を利用したトラック用アイドリングストップクーラーシステム i-Cool ソーラーを開発したと発表しました。
アイ・シー・エルが5月に開発したi-coolは、走行中に充電した車載バッテリーで電動コンプレッサーを稼働させることにより、エンジンを止めた状態でも運転室内の冷房ができるトラック用アイドリングストップクーラーでした。そこに、今回は三菱化学の太陽電池を10tトラックの荷台に取り付けることで、ソーラー駆動のトラック用アイドリングストップクーラーシステム i-Cool ソーラーを開発、1台当たり年間約1,500リットルの軽油消費が可能となるということです。
三菱化学は、1年前に実証実験を開始。そして、今回一段階実用化への道を上ったようですね。
・三菱化学、太陽光発電によるトラック冷房システムを開発、アイドリングストップによる燃費・CO2排出の実証実験を開始-----しなやかな技術研究会、2009/10/28
高速のPAでエンジンをかけっぱなしで仮眠をとるトラック群の省エネ対策としてはこれまでもいろいろなものが発案されてきました。今回は、すでに実装がはじまっているi-Cool というシステムに太陽電池を組み合わせるということですので、普及のためには、あとは太陽電池の価格が安くなるのを待つばかりなり、というところでしょう。
プレスリリース / 三菱化学、平成22年10月26日
・太陽光発電を利用したトラック用アイドリングストップクーラーシステム「i-Cool ソーラー」の開発について
" 株式会社アイ・シー・エル、三菱化学株式会社、日本フルハーフ株式会社は、3社共同で、太陽光発電を利用したトラック用アイドリングストップクーラーシステム「i-Cool ソーラー」を開発しました。アイ・シー・エルが本年5月24日に発売開始したi-Coolは、走行中に充電した車載バッテリーで電動コンプレッサーを稼働させることにより、エンジンを止めた状態でも運転室内の冷房ができるトラック用アイドリングストップクーラーです。
満充電のバッテリーであれば夏季昼間に5~7時間連続して冷房ができ、運転手の労働環境改善、アイドリングストップによる燃費削減や騒音低減に大きな効果があります。アイ・シー・エルのi-Coolと組み合わせて、三菱化学の太陽電池パネルを日本フルハーフの専用架台でトラック荷台上面に実装し、太陽光発電を利用して冷房する「i-Cool ソーラー」により、以下のような効果が期待できます。(10トントラックにおける一般的な走行パターンを想定)
①停車中に、アイドリングをせず「i-Cool ソーラー」で冷房することで、停車時間1時間当たり約1.8リットルの軽油消費を削減できる。
②走行中に、既設エアコンによる冷房と「i-Cool ソーラー」冷房を併用することで、約1パーセントの軽油消費を削減できる。
③ ①②を合わせて、1台当たり年間約1,500リットルの軽油消費を削減できる。
④ ③は、1台当たり年間約3,300キログラムのCO2排出削減に相当する。日本国内のすべての10トンバントラックが「i-Cool ソーラー」を利用すれば、年間約50万トンのCO2排出を削減できることになる。
⑤ バッテリーを常時満充電に近い状態に維持できるため、ウィング開閉やテールゲート昇降等、バッテリー電力による荷役装置の稼動を安定的に行える。また、バッテリーの過放電を低減し、バッテリーを長寿命化できる。三菱化学は太陽光発電によるトラック冷房システムを発案し、2台の試作車による実証実験を昨年8月から11月まで実施してきました。このたびの3社の「i-Cool ソーラー」共同開発は、三菱化学の実験による知見をベースに、システム設計や詳細な効果測定を行い、実用化に向け、いっそうの前進を図るものです。
今後3社は、さらなる実証実験と必要な仕様改善を進め、2012年春を目標に「i-Cool ソーラー」を発売開始する予定です。
.......... "
関連
・トラック用品 ICL アイシーエル
/ アイドリングストップクーラー アイクール icool
-----image : 上記サイトより
" バッテリーで電動コンプレッサーを稼働させることで、
エンジンを止めた状態で冷房が行える「アイドリングストップクーラー」 "
/ GIGA用アクセサリー / GIGA Functional 機能性
-----image : 上記サイトより
今回、トラック用品のICL アイシーエルさんのサイトを見ていたら、上のようにトラックの冷暖房用の興味深い製品を見つけました。「アイドリングストップクーラー i-Cool<アイクール>」の他に、「蓄熱式仮眠マット一休さん」、「蓄熱式仮眠マットひだまりくん」、「畜冷式ベッドクーラー (オートエアコン用)」なんてものもあります。実物を見てみたいですね。
コメント続き
三菱化学の太陽電池としては、モルファスシリコン型薄膜太陽電池と樹脂製の屋根用防水シートを一体化した製品で、屋上や屋根に防水屋さんが行うような施工手順で取り付けられる太陽光発電システムがあります。
その他にもさまざまな用途開発が行われているようです。産業用のさまざまな太陽光発電システムの分野も多機能化してきたようです。(t_t)
・三菱化学、4月から屋根用防水シート型太陽電池、ジオアシートPVを発売。さらに外壁用太陽電池なども開発中-----ソフトエネルギー、2010/03/16
参考エントリー
・三洋電機、三菱化学のコンテナ野菜工場に太陽電池、リチウムイオン電池を納入-----ソフトエネルギー、2010/01/27
・三菱化学、建材一体型太陽電池を4月から販売 / クリッピング 日刊工業新聞-----自然エネルギー、2009/03/05
・ベバスト Webasto からのトラック業界に朗報。夏場のエアコン、冬のヒーター、アイドリングストップで省エネ-----しなやかな技術研究会、2010/07/08
[ カテゴリー : 働く機械 ]
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