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2010/09/27

住友林業、日産自動車、住宅における電気自動車用リチウムイオン蓄電池の再利用実験へ

住友林業と日産自動車が、まもなく発売される電気自動車・日産リーフに搭載されるリチウムイオンバッテリーを、住宅用蓄電池として再活用する利用実験を実施するということです。
 リチウムイオン蓄電池は、車で利用されたあとでも、住宅用の太陽光発電と組み合わせることで、住友林業のライフサイクルカーボンマイナス(LCCM)住宅計画においてエネルギーのマネージメントを有効に行う用途に活かせるということです。今回の実験により太陽光発電、蓄電池システム、電気自動車の合理的な利用が可能になるかもしれません。

プレスリリース / 住友林業、平成22年9月15日
「日産リーフ」に搭載されるリチウムイオンバッテリーを活用した共同実証実験を実施 電気自動車用蓄電池を活用し、CO2マイナス住宅の開発へ

201009154
-----image(”電気自動車用リチウムイオンバッテリーを活用した蓄電池搭載住宅の概念図”) : 同リリースより

" ライフサイクルカーボンマイナス住宅を目指して
.....材料の調達から建設段階までのCO2排出量が少ない「住友林業の家」において、居住段階におけるエネルギーの効率的な消費と最適なマネジメントを行うことで、最終的に住宅のライフサイクルにおけるCO2排出量がマイナスになる「ライフサイクルカーボンマイナス(LCCM)住宅」の研究開発を進めております。

このたび、LCCM住宅において使用するエネルギーの自給自足に欠かせない技術として、日産自動車株式会社(以下、日産)が発売を予定する電気自動車「日産リーフ」に搭載されるリチウムイオンバッテリーを住宅用蓄電池として活用し、将来的な二次利用を視野に入れてLCCM住宅の構築を目指すことを決定しましたので、お知らせ致します。

・住宅用蓄電池開発の経緯
当社は、住友商事株式会社(以下、住友商事)との合意に基づき、住友林業筑波研究所において、先に日本電気株式会社(以下、NEC)、およびNECエナジーデバイス社が製造するリチウムイオンバッテリーを用いた住宅用蓄電池の共同実証実験を行ってまいりました。

今回、住友商事と日産が合弁で設立した、電気自動車用リチウムイオンバッテリーの二次利用の事業化を目的とする、フォーアールエナジー株式会社(以下、4R)との間で「日産リーフ」用リチウムイオンバッテリーを使用した実証実験を行うこととなりました。これらの成果に基づき、将来の事業化に向けて、4RとNEC共同で検討が行われる予定であり、当社の住宅用蓄電池を含めた「LCCM住宅」の実現に向けて大きく前進することになります。
.......... "

関連
日産自動車と住友商事、「4R」事業推進に向けて合弁調査会社を設立-----住友商事、2010年09月15日

日産自動車と住友商事、「4R」事業推進に向けて合弁調査会社を設立-----日産自動車、2010年9月15日

参考エントリー
三菱自動車、GSユアサなどと4社体制で、電気自動車i-MiEVの使用後のリチウムイオン電池の太陽電池付き充電スタンドでの再利用実験を秋より開始-----しなやかな技術研究会、2010/06/30

大和ハウス工業、エリーパワーの家庭用リチウムイオン蓄電池システムを組み込んだ太陽光発電、LED照明、エネルギーマネージメントシステムなど搭載の展示住宅を公開-----しなやかな技術研究会、2010/07/06

日産自動車、日立製作所そしてオリックスおよびオリックス自動車のV2Gプロジェクト-放電対応EVを用いたEMS、NEDOの蓄電複合システム化技術開発に採択-----ソフトエネルギー、2010/09/03

コメント続き

 もともとリチウムイオン蓄電池の原材料となるリチウムの資源量には限界があることが指摘されてきました。さらに、今回尖閣諸島において中国漁船の拿捕事件によって明らかになったように、希少金属が戦略的な資源として政治に利用され、入手が困難になる事態もありうることを考えられます。電気自動車の利用と普及にはまだまだ本質的な問題があるようです。とはいえ、一定の規模では、電気自動車の普及は進むと考えられます。リチウムイオン蓄電池の再利用や再資源化は日本の得意分野ですので、さまざまな工夫がなされるでしょう。今回の話も蓄電池が家庭に設備されることで、総合的にどのようなメリット、そして問題点があるのかに焦点があたる利用実験と思われるので、その成果に注目したいところです。
 さらに今後は、リチウムイオン蓄電池以外の安価で、資源的にももないがなく、ある程度の性能をもった蓄電池の開発も行われていくでしょう。そうした蓄電池が開発されれば、電気と移動の電力を太陽光発電でほぼ賄う個人住宅が実現することが可能です。省エネと太陽光発電で、総合的に低炭素社会の構築に寄与できる住宅の開発動向をみていきたいと思います。(t_t)



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本日付けの紙面に、米国環境保護庁がアメリカン領サモアでのプラスチックバッグの利用を禁ずる、とあった。 このプラスチックバッグとは、もちろんスーパーマーケット等で配布している、いわゆる買物袋の事で、中途半端な廃棄に因る海洋環境を守る為のものらしい。 確か以前、パプア・ニューギニアでも禁止になったと伝えた記憶があるけれど(Part1だったかな?)、サイパン島でも無差別に使いまくっているヒトの方が多いので、見習うべきだと思います。 先週末、マリアナ諸島の政府議会は予算案が通過せず閉鎖になってしまっ... [続きを読む]

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