GSユアサ、ハイブリッド電気自動車向けリン酸バナジウムリチウムを正極材料に用いたリチウムイオン電池を開発
GSユアサ、ハイブリッド電気自動車向けリン酸バナジウムリチウムを正極材料に用いたリチウムイオン電池を開発したと発表しました。これにより、高い安全性、高い出力密度、優れた充電特性、そして安価な合成法による合成というその優れた特徴を生かした、リチウムイオン電池の開発を進めるということです。
プレスリリース / GSユアサ、2010/09/09
・ニュースリリース / ハイブリッド電気自動車(HEV)用次世代正極材料「リン酸バナジウムリチウム」の大幅な性能向上に成功(pdf)
-----image(”リン酸バナジウムリチウムを正極材料に用いたリチウムイオン電池の試作品”) : 同リリースより
" 株式会社 GSユアサは(略)は、安全性が高く出力特性に優れるリチウムイオン電池用正極材料「リン酸バナジウムリチウム」を開発しました。このリン酸バナジウムリチウムは、高い出力密度や、優れた安全性による電池システムコストの削減が期待できることから、ハイブリッド電気自動車(HEV)やアイドリングストップを含むマイクロHEV向けに当社は今後、このリン酸バナジウムリチウムを正極材料に用いたリチウムイオン電池の開発を進めていく予定です。
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[リン酸バナジウムリチウムの特長]
1.安全性が高い
2.高い出力密度
3.抵抗が低いので、充放電性能に優れている
4.安価な合成法で合成可能[リン酸バナジウムリチウムを正極材料に用いたリチウムイオン電池の試作品の仕様]
公称電圧(V) 3.5
容量(Ah) 5.0
寸法(mm) 112*21*81
重量(g) 318
.......... "
コメント続き
以前から、リチウムイオン蓄電池開発において、リン酸バナジウムリチウムというリン酸鉄リチウムを代替する正極材料の開発が注目されていると聞いていました。今回の、GSユアサの開発により、新たなステップが刻まれたのかもしれませんね。まだ、その価値がどのていど世界で評価されるべきものなのか、しな研としても推し量っているところです。
他社でには、 資源量が豊富とされるマンガン系正極材料でリチウムイオン電池の寿命を伸ばすなどの技術も開発されています。いずれにしろ、世界でしのぎがけずられている高性能リチウムイオン蓄電池の開発において、日本企業の工夫と知恵に期待したいところです。
そもそもリチウムの資源量が、今後の高性能蓄電池市場で期待される量を満たすことができないという指摘もあります。一方で、安価なリチウム化合物の精製法に関する研究も進められています。次代の移動・輸送手段を担う電気駆動の乗り物の未来の行方も左右する技術の今後から目は話せません。
参考
・リチウムイオン二次電池正極材事業への新規参入について-----チッソ、2010年09月13日
・リチウムイオン二次電池用のコバルトを含まない正極材料を開発-----産業技術総合研究所、2009年8月17日
・ホンダ Honda、2012年に電気自動車とプラグインハイブリッド車を市場に投入と発表-----しなやかな技術研究会、2010/07/26
・GSユアサとHondaリチウムイオン電池で合弁会社を設立-----しなやかな技術研究会、2009/01/08
[ カテゴリー : 蓄電技術 ]
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