東京エレクトロン デバイス TED、INFINITE POWER SOLUTIONS社の低自己放電率の全固体薄膜2次電池 THINERGYの取り扱いを開始
太陽電池などの再生可能エネルギーの最大の特徴は、環境から利用場所の周囲に存在する光、熱などのエネルギーを確保できる点です。エネルギーが希薄で、天候や昼夜のエネルギーの差が欠点となるとされていますが、実は計画的にエネルギーを確保できます。小型機器の場合には、蓄電技術とデバイスが鍵となります。蓄電することで、配線のくびきから開放され、センサー、スイッチそして通信機器などを屋内外に自由に配置できる可能性があります。
東京エレクトロン デバイス TEDが、INFINITE POWER SOLUTIONS社の低自己放電率の全固体薄膜2次電池 THINERGYの取り扱いを開始したと発表しました。THINERGYシリーズで最小のMEC125は、4.1Vで0.1mAhと0.2mAhから最大のMEC102で4.1Vで1.7mAh
と2.5mAhまで、4タイプがリリースされ、いずれも0.17mmの極薄のシートタイプの薄膜二次電池です。サイズは、MEC125が12.7mm x 12.7mm、MEC102が25.4mm x 50.8mmと大きさもコンパクトです。電源は4Vの充電電圧を太陽電池などで確保します。このスペックならば、屋内の照明も太陽電池のソースとして利用できます。
プレスリリース / 東京エレクトロン デバイス、2010年7月13日
・IPS社と販売代理店契約を締結 薄さ0.17mm、自己放電率の低さが世界トップクラスの環境エネルギー貯蔵デバイスを販売
" .....太陽光、熱、振動等の環境から収集したエネルギーを貯蔵して永久電源を実現できる全固体マイクロエネルギーセル(二次電池)「THINERGY」(シナジー)の販売を7月20日より開始します。
..........
THINERGYは環境エネルギー収穫ソリューションとのシームレスな接続が可能で、自己放電率が低く充電性能が高い貯蔵デバイスです。エネルギー密度にも優れており、充分なピーク電流の供給が可能です。また、25.4mm×25.4mmという切手ほどのサイズで0.17mmという薄さのため、無線センサー、アクティブRFIDタグ、スマートカード、体内医療機器といった小型システムへの埋め込みが可能です。電池交換の必要がなく寿命も一般的な二次電池の約100倍と長いため、システムのTCOも削減できます。製品の特徴
●あらゆる形態の環境エネルギーを貯蔵可能
●繰り返し充電して再利用することが可能(10,000回以上)
●0.17mmの薄さでプリント基板内への実装が可能なため、基板のフットプリント削減に寄与
●自己放電率の低さは世界トップクラス(1年でわずか1%)
●固体の電解質であるLiPON(リン酸リチウムオキシナイトライド)を使用しているため、
有害な化学物質を排出せず、爆発、火事の発生の心配無し
●温度変化に強い(動作可能温度範囲:-40℃~85℃)適用分野例
環境発電(エナジーハーベスト)の蓄電デバイス、組み込み型無線センサー、アクティブRFIDタグ、貨物追跡タグ、パワードスマートカード、体内埋め込み式医療機器などのモバイル機器や遠隔操作機器
..........
注)電気二重層コンデンサ
スーパーキャパシタ(日本電気株式会社の登録商標)とも呼ばれる。液体と固体の間に、正負の電荷が蓄えられることを利用したエネルギーの蓄電・供給装置。※このニュース リリースに記載されている会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。 .......... "
関連
・INFINITE POWER SOLUTIONS
/ July 12, 2010 - IPS and Tokyo Electron Device Sign Distribution Agreement
/ THINERGY - THINERGY MEC, Micro-Energy Cells & Ultra-Thin MECs
・TED、IPSと販売代理店契約を締結し低自己放電率の全固体薄膜2次電池を販売-----マイコムジャーナル、2010/07/13
" THINERGYは、固体の電解質であるLiPON(リン酸リチウムオキシナイトライド)を使用しているため、有害な化学物質を排出しないほか爆発、火事の発生の心配も無い。また、温度変化に強く、動作可能温度範囲は-40℃~+85℃となっている。 "
コメント続き
小さな太陽電池と極薄い蓄電池で何ができるかは、知らない人はびっくりするくらいいろいろなことができます。最新のエレクトロニクスデバイスは、見て、記録し、反応し、通信し、データーを保存し、送受信でき、プログラムも可能ですから。
通信機能を備えたICタグという技術も小型化、高機能多機能化が進んでいます。ICタグが電源を独自に確保できるとさまざまな用途が広がります。今回の小型蓄電池と振動や圧力で発電できる素子、太陽電池、熱発電素子などを組み合わせることができれば、新たな用途が広がっていきます。
こうした機器の小型化と高機能化は、プライバシーや個人情報の取り扱い、管理というやっかいな問題を引き起こす可能性もあります。またスマートグリッドや省エネの自動化などのテーマでは、大きな進歩をもたらす可能性があります。ただ、確実にこうした機器は進化し浸透していきます。懸念としては、私たちが技術のスピードにおいついていかない場合、問題が起こるということです。何らかのコンセンサスや規制、安全への配慮が必要な分野でもあります。(t_t)
参考エントリー
・日本TI、太陽電池を組み込んだ無線ネットワーク向けユニットをリリース-----ソフトエネルギー、2009/01/22
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コメント
saipan-skyさん
「島で利用する際、どんな使い方」をいろいろ考えていたら、いつの間にか失念。年ですかねぇ。すんません。
製品の案内にあるとおり、センサー、データーカード、スイッチなどなんでも使えそうです。
「適用分野例
環境発電(エナジーハーベスト)の蓄電デバイス、組み込み型無線センサー、アクティブRFIDタグ、貨物追跡タグ、パワードスマートカード、体内埋め込み式医療機器などのモバイル機器や遠隔操作機器」
島で利用するなら、観光客に配って、サービスクーポンとして来島者に無料で配り、サービスや割引を提供し、離島時に回収、移動やサービスの利用内容を回収することもできますし、個人情報の問題が解決できれば、さらにリアルタイムの顧客情報の管理にも利用できそうです。問題は当局に利用されると、まんま入国管理、個人管理のツールになることです。こうした機器の技術レベルがあがると、どこにでも知らぬ間に情報を収集、蓄積するツールが登場することになります。
いいこと、省エネ、環境保護、幼児や弱者の保護や適切なサービスの提供に使える一方で、税金、クレジットカード、住民票などと情報が統合される自体にでもなると、管理強化のツールに、また大企業による理不尽な顧客囲い込みのツールになる可能性があります。
いずれにしろ、電源フリーになると、さまざまなことに使えます。最初はレギュレーションの整備が追いつかない可能性を懸念しつつ、例えば車や電気製品にICタグが埋め込まれ、長期間電源を抜かれた状態でも、スイッチONでリコール情報がダイレクトに車搭載のコンソールに表示されるというような使い方が便利だと思います。
また思いついたらコメントします。ではまた、今後ともよろしくお願いします。
しな研 t_t
投稿: t_t | 2010/08/27 15:16
こんにちは、
記事を拝見しワクワクしました。
それにしてもコンパクトですね。
小さな機器に利用出来る事はわかりますが、
例えば島で利用する際、どんな使い方があると思われますか。
もっと基本的な生活にも利用可能なのか知りたいです。
投稿: saipan-sky | 2010/08/06 12:26