三菱重工、船舶用エンジンの排ガスを利用しハイブリッド過給機により発電、船に必要な電力を賄うシステムを開発
三菱重工、船舶用エンジンの排ガスを利用しハイブリッド過給機により発電、船に必要な電力を賄うシステムを開発したと発表しました。ターボチャージャーを使った船の高速化、パワーアップ化は世界の船舶業界にとって必然ともいえる選択で、船舶不況の中にあっても、ターボ化、メンテナンス業界の業績は堅調のようです。
そんななか、舶用エンジンの排ガスで発電するハイブリッド過給機が開発され、発電された電力で、船内で消費される電力を賄い、かつ発電機をモーターとして利用し、過給機の運用にも利用できるということです。今後実際の船舶で実証実験が行われるということです。
船舶貨物に商品や資源の輸出入を利用している我が国にとって、既存エネルギーの節約につながるさまざまな技術が開発され、より省エネで価格競争力のある船舶輸送を実現することには大きなメリットがありそうです。
プレスリリース / 三菱重工業、2010年8月23日
・舶用エンジンの排ガスで発電するハイブリッド過給機を開発
-----image(”ハイブリッド過給機「MET83MAG」断面図”) : 同リリースより
" 三菱重工業は、船舶用ディーゼルエンジンの過給機に発電機を内蔵したハイブリッド過給機「MET83MAG」を開発した。エンジンの排ガスを、過給機コンプレッサの駆動だけでなく、発電に活かすことで航海中に必要なすべての電力を供給することができ、燃料消費量とCO2排出量の削減に貢献する。日本郵船株式会社、ユニバーサル造船株式会社、日立造船株式会社の協力により製品化したもので、2011年に就航する大型ばら積み運搬船に搭載して、世界で初めて実証試験を行う。初号機の完成を記念して、長崎造船所で23日に披露式典を開いた。
MET83MAGの発電機最大発電出力は754kW(毎分9,500回転時)。さらに発電機を電動機として作動させて過給機を加勢して、補助ブロワの代用とできるメリットがある。
実証試験は、ハイブリッド過給機MET83MAG 1台を装備したエンジンを、ユニバーサル造船が日本郵船向けに建造するケープサイズのばら積み運搬船に搭載して実施する計画。
今回のハイブリッド過給機は排ガスを利用する排熱回収システムの一つで、発電機を過給機に内蔵したことで省スペースとなり、既設過給機からの置換え需要にも対応できる。
当社はコンテナ船や原油運搬船などの電力消費が大きい船舶用として、排ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせて発電し、燃料コストの10%低減を可能とした排熱回収システム「MERS(Mitsubishi Energy Recovery System)」を製品化、好評を博している。
.......... "
関連
・三菱重工業 : MET過給機
コメント続き
エコシップ計画・開発のニュースは、世界中でたくさんありますが、世界経済の先行きということでは現状、大型の投資が行われるのは、経済が回復した後という話のようです。そんな中で、知人から船舶用のターボエンジンの保守、置換えは堅調だという話を聞きました。確かに、駆動系を置き換えるだけで高速化、効率化が実現でき、さらにトータルで省エネということになれば、新造船よりも現在の状況では需要があるだろなと納得したしだいです。
ということで、今回の話題をクリップしてみました。新機軸を採用したエコシップも見てみたいですが、それはもう少し先の話のようですから。(t_t)
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