政府 経産省、「グリーン・イノベーションによる環境・エネルギー大国戦略」などの新成長戦略を公開
政府、経済産業省は、6月18日に新成長戦略「元気な日本」復活のシナリオ~を閣議決定しpdfファイルにして92頁の政策ビジョンを発表しました。政府は、2020年に温暖化効果ガスを25%削減を掲げるも廃案継続審議となり、参議院後の対応は不透明です。
ただ、2010年6月15日 エネルギー白書2010年度版、2010年6月10日 再生可能エネルギーの全量買取に関するプロジェクトチームヒアリング、そして2010年6月9日 エネルギー基本計画(案)など、環境・エネルギー政策の方向性ははっきりとだしてきています。
民主党政権は、「1次エネルギーの総供給量に占める再生可能エネルギーの割合を、2020年までに10%程度の水準まで引き上げる。」ために再生可能エネルギーの全種、全量買い上げなどのより積極的な扱いを前に出すも、実際の低炭素社会へのエネルギー政策の中心には、準国産のエネルギーとして原子力発電を据えています。そして、この施策は温暖化効果ガス削減のための国際的な議論でも常識的な対応だという姿勢を貫いています。しかし、日本の地盤、地震、そしてこれまでも地震で再三にわたり原子力発電所が長期にわたり停止し、復旧のために膨大な作業と、後手後手の耐震化”基準”をパッチのようにあて、それが将来を担うエネルギーとして適当としています。
当しなやかな技術研究会は、しかしながら、この地震の巣のような国で、原子力エネルギーを推進する、新設と稼働率アップのための無理な体制により運転を続けることは、いつおこるともわからない巨大地震による原発震災の危険を招くものだと考えています。
したがって、ますますの効率化と省エネを国策、製品化の中にも取り入れ、国として2050年に現在のエネルギー消費の半分以上に減らし、低炭素社会における化石燃料を生かした技術と工夫により、極省エネで快適で健康な社会を実現し、半分に減らした残りにおいて、可能な限り再生可能エネルギーに置き換える政策を進めるべきだと考えています。原子力は暫時撤退により、現行の約30%から老朽化した炉、そして地震の危険の高い地域にある原発から廃炉、暫時縮小が望ましいと考えます。
そして、それでも不足する分に関しては、政府も成長分野と注目する海洋エネルギーの戦略的な利用により、国をあげて、海洋立国を2100年に向けての国の創造的な成長分野の中心に据えるべきだと考えています。
プレスリリース / 経済産業省、2010年6月18日
・新成長戦略~「元気な日本」復活のシナリオ~
"2010年(平成22年)6月18日、新成長戦略~「元気な日本」復活のシナリオ~を閣議決定いたしましたので、公表します。
新成長戦略~「元気な日本」復活のシナリオ~(PDF形式:1.22MB)新成長戦略~「元気な日本」復活のシナリオ~公表までの経緯
2009年12月30日、「新成長戦略・基本方針」を閣議決定。
直嶋経済産業大臣からの指示に基づき、「基本方針」をふまえつつ、「今後、日本は何で稼ぎ、雇用していくのか」について検討し、具体的な施策を「新成長戦略」及び「産業構造ビジョン」に反映すべく、産業構造審議会に産業競争力部会を新たに設置し、省内各部局において多岐にわたる分野での施策検討・立案を開始。
2010年6月3日、「産業構造ビジョン2010」を取りまとめ。
2010年6月18日、「新成長戦略」を閣議決定。「成長戦略実行計画(工程表)」を策定し、政策の着実な実現を確保。
関連サイト産業構造審議会産業競争力部会
産業構造ビジョン2010
新成長戦略と産業構造ビジョン(PDF形式:65KB)(2010年6月22日)
国家戦略室
ご参考:新成長戦略(基本方針)~輝きのある日本へ~の趣旨平成21年12月30日、「新成長戦略(基本方針)」を閣議決定致しました。当省で行ってきた「成長戦略検討会議」での議論を土台に、政府全体の方針を策定致しました。今後「基本方針」に沿って、平成22年初めから「肉付け」の作業を行い、平成22年6月初めを目途に「成長戦略実行計画」(工程表)を含めた「成長戦略」のとりまとめを行う予定です。 平成22年明け以降に策定する「工程表」のたたき台として、当省で低炭素分野におけるイメージを作成しましたので、併せて公表します。また、成長戦略を速やかに実行に移す観点から、戦略が掲げる6つの柱ごとに、予算、法律、税制など、今年度及び来年度に着手すべき施策を「早期実行プロジェクト25」として取りまとめました。これらの施策を着実に実行することにより、スピード感をもって、中長期的な成長に向けて取り組んでまいります。
「早期実行プロジェクト25」~「新成長戦略(基本方針)」を早期に実行するための経済産業省の取組~(2010年1月5日)
「早期実行プロジェクト25」の例~「グリーン・イノベーションによる環境・エネルギー大国戦略」~(2010年1月5日)
新成長戦略(基本方針)~輝きのある日本へ~」(2009年12月30日)
新成長戦略(基本方針)~輝きのある日本へ~」のイメージ(2009年12月30日)
工程表(グリーン・イノベーションによる環境・エネルギー大国戦略)(2009年12月30日)
成長戦略検討会議について鳩山総理大臣の指示を受け、直嶋経済産業大臣が、アジアも視野に入れた日本の経済成長の姿について、戦略を策定する。
アジアと一体となった成長
温暖化対策をチャンスとして成長
国民一人一人が参加し、成果を実感できる成長
を基本コンセプトとし、内需と外需のバランスのとれた、日本の新たな経済成長を目指す内容とする。
.......... "
関連
・産業構造ビジョン2010
コメント続き
今回の選挙で、環境・エネルギー政策が議論の中心ではなく、経済と旧政権から新政権への”合理的・効率的な移行”の実現可能性と、それが国民生活に与える可能性という文脈において、かろうじて私たちの要点にもなるという状況です。議論がないままに具体的に、現実に選択することは本当に難しいです。しかし、現政権がこの半年にできたこと、しようとしたことと今回のエントリーの情報により、”真剣に一票を投じたい”と思っています。
ただ、ひとつ言えることは、再生可能エネルギーの分野での世界的な技術開発と投資において、日本の技術と具体的な取組は、ほとんどみるところがない。今後の発展は、太陽電池と発電機以外は海外の”高い技術と総合的なパッケージ”に依存せざるをえないというのが正直な技術大国日本の現状であるということです。日本が、この分野で産業的なプレゼンスを高めるためには、現行の原子力政策につぎ込んでいる予算と時間と同じかそれ以上の努力が必要とされているということです(t_t)
参考 - 「新成長戦略~「元気な日本」復活のシナリオ~(PDF形式:1.22MB)」より
"P.2
第一の「グリーン・イノベーション」には、2020 年における温室効果ガスの 25%削減目標を掲げた地球温暖化対策も含まれる。運輸部門や生活関連部門、原子力や再生可能エネルギー産業を含むエネルギー部門、さらにはまちづくりの分野で新技術の開発や新事業の展開が期待される分野が数多く存在し、その向こうには巨大な需要が広がっている。"
" P.16 (総合的な政策パッケージにより世界ナンバーワンの環境・エネルギー大国へ) 気候変動問題は、もはや個々の要素技術で対応できる範囲を超えており、新たな制度設計や制度の変更、新たな規制・規制緩和などの総合的な政策パッケージにより、低炭素社会づくりを推進するとともに、環境技術・製品の急速な普及拡大を後押しすることが不可欠である。 したがって、グリーン・イノベーション(環境エネルギー分野革新)の促進や総合的な政策パッケージによって、我が国のトップレベルの環境技術を普及・促進し、世界ナンバーワンの「環境・エネルギー大国」を目指す。 このため、すべての主要国による公平かつ実効性ある国際的枠組みの構築や意欲的な目標の合意を前提として、2020 年に、 年比で 25%削減するとの目標を掲げ、あらゆる政策を総動員した「チャレンジ25」の取組を推進する。(グリーン・イノベーションによる成長とそれを支える資源確保の推進)
電力の固定価格買取制度の拡充等による再生可能エネルギー(太陽光、風力、小水力、バイオマス、地熱等)の普及拡大支援策や、低炭素投融資の促進、情報通信技術の活用等を通じて日本の経済社会を低炭素型に革新する。安全を第一として、国民の理解と信頼を得ながら、原子力利用について着実に取り組む。
蓄電池や次世代自動車、火力発電所の効率化、情報通信システムの低消費電力化など、革新的技術開発の前倒しを行う。さらに、モーダルシフトの推進、省エネ家電の普及等により、運輸・家庭部門での総合的な温室効果ガス削減を実現する。
電力供給側と電力ユーザー側を情報システムでつなぐ日本型スマートグリッドにより効率的な電力需給を実現し、家庭における関連機器等の新たな需要を喚起することで、成長産業として振興を図る。さらに、成長する海外の関連市場の獲得を支援する。
リサイクルの推進による国内資源の循環的な利用の徹底や、レアメタル、レアアース等の代替材料などの技術開発を推進するとともに、総合的な資源エネルギー確保戦略を推進する。 "
-----image: 上-P.57 同資料より 下 - P.58-----
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