環境省、生物多様性総合評価「生物多様性総合評価の結果等について」を公開
環境省は、生物多様性総合評価検討委員会の生物多様性総合評価の結果が取りまとめた「生物多様性総合評価の結果等について」を公開しました。このリポートでは、日本の社会経済状況の推移を昭和30年代から評価、生物多様性の損失の要因を分析しています。また、気候変動の影響など総合的な分析を経て、生物多様性の損失を食い止めるための方策までの生物多様性の確保をめぐる厳しい状況を概観しています。
・生物多様性 -Biodiversity- / 2010.05.10 生物多様性総合評価の結果を公表しました
" 主な結論
1.人間活動にともなうわが国の生物多様性の損失は全ての生態系に及んでおり、全体的にみれば損失は今も続いている。
2.特に、陸水生態系、沿岸・海洋生態系、島嶼(とうしょ)生態系における生物多様性の損失が大きく、現在も損失が続く傾向にある。
3.損失の要因としては、「第1の危機(開発・改変、直接的利用、水質汚濁)」、とりわけ開発・改変の影響力が最も大きいが、.........
4.現在、我々が享受している物質的に豊かで便利な国民生活は、過去50年の国内の生物多様性の損失と国外からの生態系サービスの供給の上に成り立ってきた。2010年以降も、過去の開発・改変による影響が継続すること(第1の危機)、里地里山などの利用・管理の縮小が深刻さを増していくこと(第2の危機)、一部の外来種の定着・拡大が進むこと(第3の危機)、気温の上昇等が一層進むこと(地球温暖化の危機)などが、さらなる損失を生じさせると予想され、間接的な要因も考慮した対応が求められる。そのためには地域レベルの合意形成が重要である。
5.陸水生態系、島嶼生態系、沿岸生態系における生物多様性の損失の一部は、今後、不可逆な変化を起こすなど重大な損失に発展するおそれがある。
生物多様性総合評価(報告書)表紙、序言、目次(238KB)
.......... "
プレスリリース / 環境省、平成22年5月10日
・生物多様性総合評価の結果等について(お知らせ)
" 環境省が設置した「生物多様性総合評価検討委員会(座長:中静透 東北大学大学院教授)」において実施された生物多様性総合評価の結果が取りまとめられましたので結果をお知らせします。
また、生物多様性条約事務局が作成を進めてきた地球規模生物多様性概況第3版(GBO3)が世界各地で5月10日に同時発表されますのでお知らせします。1.生物多様性総合評価について
..........
2.地球規模生物多様性概況第3版(GBO3)について
生物多様性条約事務局では、生物多様性条約第6回締約国会議(2002年、オランダ・ハーグ)において採択された「締約国は現在の生物多様性の損失速度を2010年までに顕著に減少させる」という2010年目標の達成状況を評価するため、地球規模生物多様性概況第3版(Global Biodiversity Outlook (GBO3))の作成を進めてきましたが、生物多様性条約第14回科学技術助言補助機関会合(SBSTTA)が開催されるケニア(ナイロビ)など、世界各地で5月10日に同時発表されます(ナイロビでは現地時間の12:30(日本時間の5月10日18:30)に生物多様性条約事務局が発表の予定)。
GBO3の概要については、本日、13:30から国連大学において開催されるシンポジウムにおいても報告が行われる予定です。3.報告書等の入手先
生物多様性総合評価の報告書、本日のシンポジウムで配布される生物多様性総合評価報の概要(和文)及びGBO3の概要(和文)は、以下のホームページからダウンロードすることが可能です。
http://www.biodic.go.jp/biodiversity/
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関連
・Global Biodiversity Outlook 3
" Arabic Chinese Russian French Spanish English "など各国版が公開されています。
-----image : Global Biodiversity Outlook 3英語版表紙(A4版96頁)
コメント続き
同時に公開された「地球規模生物多様性概況第3版(GBO3)の概要(和文)(3.9MB)」では、「締約国は現在の生物多様性の損失速度を2010年までに顕著に減少させる」という目標に対する評価が発表されています。結論を読むと、
「2010年目標の達成のあために設定された21の個別目標の中で、地球規模で達成されたものはない。生物多様性を保全するための取組は増加したが、その一方で生物多様性への圧力は増加し続けているため、生物多様性の損失は続いている。」
-----image : 「地球規模生物多様性概況第3版(GBO3)の概要(和文)」表紙
ということです。生物の種の絶滅を含めた地球規模の危機は、人間が引き起こし、人間の生命や生活に甚大な影響を与える問題だという認識が必要です。その上で、エネルギー、気候変動問題といったより利害があからさまに対立する政治や経済の問題の中で、地球上に生きるという根源的な問いへの答えと強力な具体策の推進が必要とされていると、いまさらながらに感じました。(t_t)
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