日本ガイシ、世界最高効率63%の発電効率のSOFC燃料電池を開発
日本ガイシが、世界最高効率63%の発電効率と90%の高い燃料利用率を達成した独自構造の固体酸化物形燃料電池(SOFC)を開発したということです。スマートグリッドの概念が広まるにつれ、家庭用、そして大規模な燃料電池への期待も底上げされてきているようです。家庭や事業所での利用がどのようになるのか? 蓄電池や電気自動車の開発状況などにもあわせて総合的なソリューションへの期待は、かつてない規模で大きくなってきています。
プレスリリース / 日本ガイシ、2009年06月11日
・世界最高効率の燃料電池を開発
-----image(”3.SOFCスタック(中央)とセル(右下)”) : 同リリースより
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当社は長年培ってきた高度なセラミック技術を駆使して独自構造のSOFCセルとスタックを開発し、出力700W、作動温度800℃の定置型スタックで世界最高レベルとなる63%の発電効率(LHV)と90%の高い燃料利用率を達成しました。主な特長は以下の通りです。
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現在、このSOFCスタックを国内大手石油会社に提供し、発電性能評価を行っています。今後、SOFCセルのさらなる高性能化を進めるとともに、コンビニエンスストアやショッピングセンターなどの事業所や家庭での実用化を目指し、他社との技術提携や共同開発なども視野に入れて開発を進めていく方針です。
用語解説SOFC
固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cells)の略で、水素と酸素から発電する燃料電池の一種。電解質や電極がセラミックスで構成され、家庭用として製品化されている固体高分子形燃料電池(PEFC)に比べて高温(600~1000℃)で作動する。排熱をコージェネレーション(熱電併給)だけでなく、PEFCでは別途熱源が必要となる改質(燃料から水素をつくる反応)にも利用できるため、エネルギーの利用効率が高い。次世代の燃料電池として数年内の実用化が期待されている。
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参考資料1.平板円筒型(流路内蔵)セルの構造
-----image(”左 : 流路内蔵セル外観写真,右 : セル内部構造説明図”) : 同リリースより
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コメント続き
みなさんの、現在の燃料電池への評価はどんなものでしょうか? 正直なところ、数年前に言われた水素社会への期待は薄れ、燃料電池はエネルギー源ではなく、エネルギー変換装置であることが理解されるにつれ、根本的なソリューションではないことがわかったというところでしょうか?
しかし、オバマさんの登場により世界的な規模で広まったスマートグリッドという概念が、総合的なエネルギーのソリューションを世界が必要としているのではないかという可能性を見せ始める中で、また燃料電池の役割が再評価されてきています。とはいえ、巷間の評価とは別に地道に続けられてきた研究開発に携わるみなさんの努力が実るのに、これだけの時間が必要だったということもあります。
とにかく、2010年代に燃料電池の活躍の場が広がるのは間違いなさそうです。(t_t)
参考
・家庭用燃料電池 山梨大、新触媒で製造コスト削減-----NIKKEI NET,2009/6/29
-----Googleニュース検索 : 燃料電池-----
-----Yahoo : 燃料電池-----
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