トヨタ自動車、トヨタホームが蓄電機能を備えた家庭用エネルギーマネージメントシステム(HEMS)の開発を推進
家庭、送電網、給電のためのシステム、そして再生可能エネルギーや大規模な発電所まで、最新のIT産業が生み出した技術やネットワークを屈指して、電気の消費と発電のすべての過程に合理性と省エネ効果をもたらすようなマネージメントのための技術の研究が進んでいます。時には、スマートという言葉で表現されるそれらのシステムにおいては、見える化と適切な制御、保安のための技術の開発が不可欠です。もしそれらがうまくマネージメントされると、5%から数割の効率化が成し遂げられるとする専門家もいます。
そして、今後家庭に電気自動車やプラグインハイブリッド車が普及することで、家庭におけるエネルギーのマネージメントの可能性は飛躍的に拡大します。そして今回トヨタ自動車、トヨタホームが蓄電機能を備えた家庭用エネルギーマネージメントシステム(HEMS)の開発を推進すると発表しました。家のエネルギーのマネージメントに蓄電が加わることで何が生まれるのかHome Energy Management Systemにどんな可能性が生まれていくのか、なかなか興味深い開発研究が始まりそうです。
プレスリリース / トヨタ自動車、トヨタホーム、2009/04/14
・トヨタ自動車とトヨタホーム、蓄電機能を備えたホーム・エネルギー・マネジメント・システム(HEMS)開発に着手
-----image(”「蓄電機能を備えたHEMS」の概念図”) : 同リリースより
" 2011年実用化目指す 家と車の連携も視野に
トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ自動車)とトヨタホーム株式会社(以下、トヨタホーム)は、家庭向けの「蓄電機能を備えたホーム・エネルギー・マネジメント・システム(HEMS)」の本格開発に着手し、2011年に「トヨタホーム」での実用化を目指す。現在のHEMS※1関連製品・サービスがエネルギー使用の「表示」とエアコン・照明等の家電製品の「制御」が主であるのに対し、トヨタ自動車とトヨタホームが開発を進めるHEMSは、「表示」・「制御」に加え、“電力を蓄える”「蓄電」の機能を持たせる点が大きな特徴である。このシステムは、比較的安価でCO2排出量が少ない夜間電力※2を貯めておき昼間に利用したり、太陽光発電を蓄電して使えるようにすることで、電力マネジメント、及び省エネ意識を喚起し、光熱費低減と、環境負荷低減を図ることが可能になる。
今回、開発を進める「蓄電機能を備えたHEMS」は、蓄電池、電力変換機、制御機で構成する「装置本体」と「表示・操作盤」で構成する。開発は、トヨタ自動車が主体となり、トヨタホームが商品企画面を担当する。また、株式会社デンソーが「装置本体」、ミサワホーム株式会社が「表示」関係でそれぞれ協力する。
現在、リチウムイオン電池を使用した一次試作品を完成させており、その蓄電量は5kWh。なお、実用化の際に使用する電池は、今後、住宅の電力負荷を想定した評価等を行いつつ、検討していく。また、エネルギー事情は今後、大きく変化することが予想されるが、電力料金体系等が変わっても、常に安価でCO2排出量が少ない電力の利用ができるよう、柔軟なシステムとする計画である。「蓄電機能を備えたHEMS」は、“電力の供給源”として今後普及することが確実な太陽光発電システムや、近い将来、普及が見込まれるPHV(プラグインハイブリッド車)やEV(電気自動車)などとの連携も視野に入れており、本システムを介して「家も車も、CO2ゼロ」の実現を目指す。 2011年に実用化の目途をつけ、試行販売する考えで、将来の本格販売時には数十万円程度の製品価格を想定している。
※1 : HEMSは、住宅のエネルギー消費機器である複数の家電機器や給湯機器を、IT技術の活用によりネットワークでつなぎ、自動制御するシステムで、家庭でのエネルギー使用量や機器の動作を計測・表示して、省エネルギーを喚起するほか、機器の使用量などを制限してエネルギー使用量を抑えることが可能。
※2 : 夜間電力は他の時間帯に比べ安い料金体系となっている。また基本的に原子力をエネルギー源とする発電の比率が高いためCO2の排出量が少ないとされる。
-----image(”一次試作品”) : 同リリースより "
・北海道洞爺湖サミットにおける『ゼロエミッションハウス』展示について / プレスリリース 経済産業省-----しなやかな技術研究会、2008/06/20
コメント続き
次の2本のエントリーでお伝えした米デラウェア州で実験されている注目の実験では、将来運用開始される洋上風車、既存電力ライン、家庭(太陽光発電、電気自動車)などのスマート・グリッド化を視野に、地域での家庭から送電、発電、給電、そしてマネージメントまでの実験が行われています。家庭にバッテリーをもった電気自動車など、そして蓄電設備が入ることでシステム全体に大きな変化を生める可能性がありそうです。(t_t)
・洋上風車などの再生可能エネルギーの開発、そして電気自動車を都市作り電力供給計画にまで活用するVehicle-to-Grid (V2G)が米デラウェア州ニューアークで開始-----ソフトエネルギー、2009/01/21
・アメリカ、デラウェア州ニューアークの電気自動車の蓄電池を利用した電力平準化実験の続報-----自然エネルギー、2009/02/01
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