三菱電機、次世代ネットワークを利用した家庭用「エネルギー管理システム」を開発
三菱電機が、通信品質と安全性が確保された通信インフラの整備を前提に、家庭内のさまざまな機器の制御などを期待できるシステムの開発を進めているということです。家庭のエネルギー消費を外部から監視して機器を制御し、省エネを推進することも可能なる技術ということで、アメリカを始めとする各国でも検討されているスマートな家電、電力消費の制御というテーマに国内でもさまざまな研究開発が進められる中で、大きなテーマになりそうな技術開発だと思います。
ホームオートメーションなる言葉が聞かれなくなり、IT家電もその製品化、裾野の広がりの鍵はまだ見えてこない。そんな中で、省エネを強く意識した合理的な電力の利用と消費削減を可能にする家庭用エネルギーマネージメントシステムの開発が期待されています。
プレスリリース / 三菱電機、2009年2月18日
・次世代ネットワーク(NGN)を利用した新しいサービス HGWによる「エネルギー管理システム」を開発
-----image : pdfリリースp.2より
" リリース全文(PDFファイル:461KB)
三菱電機株式会社(執行役社長:下村 節宏)は、次世代ネットワーク(NGN)などの信頼性の高い通信ネットワークに接続したホームゲートウェイ(HGW※1)により、家庭内の省エネを支援する「エネルギー管理システム」の試作システムを開発しました。
※1: Home Gateway
開発の背景
近年、通信品質と安全性が確保されたNGNなどの通信インフラの導入が進められており、ホームゲートウェイを通じて家庭内のさまざまな機器の制御などが期待されています。中でも、家庭のエネルギー消費を外部から監視して機器を制御し、省エネを推進するサービスへの期待が高まっています。
一方、温度調整など、使い方による省エネも有効で、省エネに関する表示を行うと使用者の節電意識が高まって5~15%の省エネ効果が得られ、消費電力などの具体的数値を表示するとさらに効果が高まると言われています。ところが、各家電機器の使用状態を把握するにはこれまで個々の家電機器、あるいはコンセントに通信アダプターが必要とされ、費用面からも導入が困難でした。
当社は今回、NGNなど、通信インフラに接続して家庭内の省エネを支援するエネルギー管理システムの試作システムとして、分電盤に取り付けるだけで家庭内の総消費電力量と各家電機器の使用状態を検出し、HGWを通じて使用状況をテレビなどに表示するシステムを開発しました。主な開発成果
1. 家庭内の総消費電力量と各家電機器の使用状況を検出する「ライフパターンセンサー」を開発
分電盤に取り付けるだけで家庭の総消費電力量と各家電機器の使用状況を検出するライフパターンセンサーを開発しました※2。ライフパターンセンサーは、電流波形から各家電機器固有の波形を検出し、稼働中の機器を判定するので、家電機器ごとにセンサーを取り付ける必要が無く、情報をHGWへ送信します。総消費電力量や家電機器の使用状況が検出できると、省エネ対策に役立つだけでなく、高齢者世帯の生活状況を見守る手段としての活用も期待できます。
※2: 2009年1月12日 民生機器関連の国際学会(ICCE-2009 1.1-1)で発表済み2. HGW搭載用ソフトウェアを開発
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今後の展開
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コメント続き
分電盤に取り付けられたセンサーで家庭内で利用されているさまざまな家電を選別し、個別の消費電力量と利用パターンを把握できるというライフパターンセンサーが興味深い技術ですね。個別に選別できるということは、将来的に個別に制御することができることになります。そのシステムが、安価に合理的に家庭内の家電などの負荷の量と動向を把握、制御する技術の確立につながるということになれば、三菱電機も販売している太陽光発電システムと組み合わせ、住宅は単なる電気を消費する場から、送電網と通信網で結ばれた大きなグリッドの中で、最小セルとして動的に、質的に全体にも影響を与えるような働きができるようになることも考えられます。
ただ、個人情報やセキュリティなどまだまだ多くの問題があるでしょうし、また、まだ見つかっていない新しい深刻な問題も抱える可能性もあります。センサー、制御技術には期待もしますが、慎重な開発研究が必要だと思います。(t_t)
参考エントリー
・三菱電機、多結晶シリコン太陽電池セルで世界最高の発電効率18.9%を達成し記録を更新-----ソフトエネルギー、2009/02/20
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