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2009/01/30

NEDOが屋内の照明下でも機能する可視光光触媒の開発・量産化に成功

 光触媒の働きで、自動的にきれいになる建物や製品、その機能は環境、衛生の分野でますます注目を集めるだろう分野です。これまで、光触媒といえば酸化チタンに紫外線があたることで活性酸素が生まれ、その働きで汚れが除去されるということでしたが、屋外での利用が主でした。今回、それが新エネルギー・産業技術総合開発機構の酸化タングステン微粒子を原料とした本可視光型光触媒により、屋内での照明の可視光にり、屋外と同等の機能が期待できるという研究開発が発表されたことで、新たな用途と応用が期待されます。

プレスリリース / 新エネルギー・産業技術総合開発機構、平成21年1月28日
世界最高クラスの性能を持つ光触媒の量産化に成功

" NEDO技術開発機構は、従来の10倍以上の活性を持つ可視光※1型光触媒の開発・量産化に成功しました。強い可視光活性により、室内における新型インフルエンザ対策や空気環境の改善等、光触媒の用途拡大が期待されます。今までの光触媒は屋外でしか充分な効果を発揮出来ないものでしたが、今後製品形態で実証研究を進め、屋外のみならず室内で効果を発揮する光触媒製品の実用化を目指します。
..........
2.新規可視光型光触媒の開発

酸化タングステン微粒子に銅イオンを担持した可視光型光触媒を開発しました。この触媒は、従来の可視光型光触媒である窒素ドープ型酸化チタン※2と比較して、10倍以上の活性を有しています。光触媒の可視光活性向上のメカニズムとして、担持した金属への電子の移動(界面電荷移動※3)とその金属における電子の貯蔵(多電子還元※4)が有効であることを明らかにしております。


Img02
-----image[”図2 イソプロピルアルコールの気相分解における炭酸ガス発生量による
活性比較(照射光波長域 400~530nm)”] : 同リリースより

 ただし、酸化タングステン微粒子を原料とした本可視光型光触媒は、耐アルカリ性(洗剤等への耐久性)やコストに課題があり、今後さらなる検討が必要です。最終的には、より安価で安定な物質である酸化チタンを原料として、同レベルの可視光型光触媒の開発を目標としています。

2 窒素ドープ型酸化チタン:酸化チタンの結晶格子の中に少量の窒素イオンが添加されている物質のこと。窒素イオンが不純物準位を形成することで可視光を吸収することができ、近年では有望な可視光型光触媒として期待されていた。

3 界面電荷移動:触媒表面上において、酸化チタンや酸化タングステンから担持した金属へ電子が移動すること。

4 多電子還元:白金や銅イオンが光誘起電子のアクセプター(電子を受け取ることが出来る物質)となり、多電子を貯蔵し、効率的に還元反応を行うこと。

3.可視光型光触媒の製造面について

昭和電工グループ 昭和タイタニウム株式会社(富山県)にて、パイロット設備を設置し、今回開発した酸化タングステン光触媒の量産化を可能にする体制を整えました。既に数kgオーダーのサンプルを作成し、プロジェクト参画企業による製品形態での性能評価を始めるところです。今後、窒素ドープ型酸化チタンと同等程度の価格での販売を目指しています。

4.新規光触媒製品の開発について

本プロジェクトでは、パナソニック電工株式会社(大阪府)が、東京大学駒場リサーチキャンパス内に実証住宅を建設し、光触媒製品の効果の検証を行っています。 4月を目処に、プロジェクト参画各社が、今回開発した可視光型光触媒を用いた部材サンプルを本実証住宅に設置し、光触媒効果を実感できる光触媒活性の目標値を明確にします。同時に、酸化タングステンを原料とした場合の課題の抽出と、それら課題を回避できる用途展開について検討します。

本プロジェクトは、産学官が連携して材料開発から製品開発まで一体となって推進すると共に、マーケティング担当メンバーまで参画して、将来の市場をにらんだ事業化を目指しています。また、プロジェクト内で光触媒機能の評価方法の標準化活動(JIS化・ISO化)も行い、光触媒製品の信頼性向上にも努めて参ります。
.......... "

関連記事
昭和電工、性能10倍の光触媒量産へ 有害化学物質を分解-----NIKKEI NET,2009/1/28

可視光で10倍高性能の光触媒=空気清浄機や内装に応用へ-量産化に成功-----時事ドットコム、2009/01/28

参考
Wikipedia : 光触媒

コメント

 光触媒の製品を、これまでいくつか使ってみました。太陽の光があたる車の窓に取り付けると空気のいやなにおいを分解してくれる製品は今も使っています。光を当てると小さなスペースがきれいになるという小物もいろいろと売られています。
 手軽で実用的といえば、光触媒を使った水の保存袋、タンクなどの商品が防災ショップで安価に売られています。太陽の光さえあてれば、3年間も水が保存できたり、塩素をつかわずに殺菌できる点はすぐれものです。袋状の水の保存袋は、キャンプにも使えて便利ですね。

 製品的には、知人がTOTOの外装用塗料の利用を検討しています。
 単に建物がきれいになるだけでなく、空気の浄化にも寄与するといわれている製品です。

TOTO OKITSUMO COATINGS : ハイドロテクトカラーコートECO-EX

 上のサイトを見ると、赤外線を遮る効果により省エネの効果もうたわれています。知人が使ってみての結果を是非聞いてみたいと思っています。(t_t)

気になる製品(水の保存、布への光触媒加工)
トライカンパニー(メデタンク、メデタンカプセル、メデパック、メデタンク1トン)

信州セラミックス(未来布)



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