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2008/09/16

世界の海水温度、予想の1.5倍の速さで上昇 / クリッピング AFP BB News

" 世界の海水温度は、地球温暖化が原因で過去40年間に予想されていた数値の1.5倍の速さで上昇しているという。オーストラリアと米国の気象研究チームがこのような研究結果をまとめ、18日の英科学誌「ネイチャー(Nature)」で発表した。 "
-----AFP BB News,2008年06月20日

プレスリリース / Commonwealth Scientific and Industrial Research Organisation(CSIRO)
Ocean warming on the rise
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-----image(”Lead author Dr Catia Domingues (far right) with co-authors of the Nature paper (left to right) Jeff Dunn, Susan Wijffels, Neil White, Argo engineer Vito Dirita and Paul Barker ? with Argo robotic floats, a key tool for scientists observing change in ocean conditions. Photo by: Bruce Miller”) : 同リリースより

" Increased scientific confidence that ocean observations are accurately reflecting rising global temperatures is central to new Australian research published today in the journal, Nature.
19 June 2008
The team of Australian and US climate researchers found the world’s oceans warmed and rose at a rate 50 per cent faster in the last four decades of the 20th century than documented in the 2007 Intergovernmental Panel on Climate Change Report (IPCC AR4).

The research gives significantly greater credibility to the way climate models simulate the degree of warming in the world’s oceans ? a key indicator of sea-level rise and climate change.

The results were added to other recent estimates of contributions to sea-level rise, including glaciers, ice caps, Greenland and Antarctic ice sheets, and thermal expansion changes in the deep ocean. The sum of all contributions is more consistent with observed sea-level rise than earlier studies.

“For the first time, we can provide a reasonable account of the processes causing the rate of global sea-level rise over the past four decades ? a puzzle that has led to a lot of scientific discussion since the 2001 IPCC report but with no significant advances until now,” says CSIRO Wealth from Oceans National Research Flagship scientist, Dr Catia Domingues, from the Centre for Australian Weather and Climate Research.
..........
“We show that the rate of ocean warming from 1961 to 2003 is about 50 per cent larger than previously reported,”
Dr Domingues says.
.......... "

関連
Nature : Improved estimates of upper-ocean warming and multi-decadal sea-level rise(3 May 2008)

CSIRO : Sea Level Rise

コメント
AFPの報道によれば、表題のオーストラリアの研究チームが海水温度の上昇に関して、「.....新たな技法により1961-2003年の、深さ700メートルの海洋における温度を算出。その結果、海水温の上昇により海水位が毎年0.53ミリ上昇していることが判明した。」
 ということです。気候変動による海面上昇には、熱膨張と氷の融解による増水があるそうがが、今回の研究による成果として、シュミレーションと実際の海の温度の上昇が合致する結果となったそうです。結果判明したことは、IPCCのリポートの数値(0.32ミリ)を上回る勢いで海面が上昇していることです。

 ハリケーンの大型化、被害の拡大は気候変動の影響であるとの見方が各方面から発表、被害の拡大が懸念されています。気候変動と海の環境の変化は相関関係にあることは専門家に指摘されるまでもないが、熱容量が大気とはことなる海水の温度が上昇しているという今回のオーストラリアの研究者の指摘には、海洋国家に住む人間としても、世界の気候変動に大きな責任と対応を期待されている国民であるわれわれとしても、大いに耳を傾ける必要があります。

 日本の台風は、今年はいまのところ上陸数が少ないが、10月末までまだまだ油断はできないです。今年の海の温度は、まだまだ高いということです。ところで、大気の温度変化、ひいては陸の気候と、海の内部の温度の変化には、かなりのタイムラグがありそうです。日ごろ接する海の温度の上昇は、表面温度ですが、今回の研究のように、より深いところで起こっている海の温度の上昇については、世界的に研究が続けられる必要があります。
 ただ、新たな現実は、当初の予想よりも厳しいという結果には、驚くばかりです。グリーンランドの氷に深刻な変化が報告されています。

グリーンランドの氷床は数百年以内に消滅か、過去の温暖化をもとに予測-----AFP BB News,2008年09月02日
" グリーンランドの氷床が急激にとける可能性をもはや否定することはできない――。米ウィスコンシン大学(University of Wisconsin)の研究者らは、31日の英科学誌「ネイチャー・ジオサイエンス(Nature Geoscience)」(電子版)にこのような論文を掲載した。 "

関連
Greenland's ancient analogue-----2 September 2008 Nature

 さらに、北極海では、海氷が溶けることで新たに生まれる北極海航路が商用的、資源的な新航路として関係国で関心を呼んでいるが、今年の夏、9/11の海氷の様子は、下の画像のようにほとんど開通しそうな状態です。大気と海の温度の変化が、世界の環境に大きな影響を与えている状況がますます顕在化してきました。(t_t)

080911seaicensadc2
-----Google Earth、[2008/9/11の海氷の様子を、NSIDCのSea ice, snow
View yesterday’s snow and ice dataレイヤーを読み込んで]

追加MEMO
気象庁 : アルゴ計画 リアルタイムデータベース

NASA | Sea Ice 2008

(NASAexplorer,2008年09月26日)

関連エントリー
カナダ北端、エルズミア島の巨大氷棚が、気候変動が原因で崩壊!-----GreenPost -Heuristic Life -,2008/9/5



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 IPCCの第三次報告書の頃から論争になり続けていた問題について、決着となるかもしれない研究報告がNature誌に掲載されたようです。 Top of sea warming 50% faster than thought http://www.telegraph.co.uk/earth/main.jhtml?view=DETAILS&grid=&xml=/earth/2008/06/18/scisea118.xml ”The new study by Australian and US clim... [続きを読む]

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