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2008/07/14

シャープの液晶テレビと太陽電池の”商品の提案”

 洞爺湖サミット、成果については、両論あるものの、概して評価は低いようです。将来の建設的な議論と決定のための土壌作りに対する最大限の評価を与えている人も、今後については、具体的には見当すらつけられないのが正直なところでしょう。
 ただ傾向としては、”人間は、そろそろ持続可能な開発という幻想を捨てる段階に入ってきた”と感じる人、”子や孫の世代には、エネルギー、食料などの重要な資源において、ますます厳しい状況になる”と考える人が確実に増えている、それは世界規模のトレンドのように思えます。
 技術を重視する人も、単なる技術だけでは乗り越えられない、技術を超えた技術を真剣に考えたいと考えている人も増えています。
 当然、地域、個人発の小規模分散型の”しなやかな技術”も見える形で、真剣に短期の方向性についての議論を行い、長期の議論を組み立てていく必要があることを痛感し、きつくても楽しみな動きも生まれています。

 さて、洞爺湖サミットではさまざまなメーカーがさまざまな分野で、環境、エネルギーの技術分野で多くのコンセプト製品をだしました。アイディアの活性化のためにも、いくつか拾い出してみたいと思います。
 今回は、シャープの省エネ型の液晶テレビと電源としての太陽電池の提案について考えていみたいと思います。

プレスリリース / シャープ、2008/7/4
080704a2_2
-----image (pop up) : 同発表より
北海道洞爺湖サミット 「環境ショーケース」と
「ゼロエミッションハウス」に出展

" シャープは、北海道洞爺湖サミット..........に、それぞれ液晶テレビや太陽電池など環境配慮型商品や先進の環境技術を展示いたします。地球温暖化防止の切り札となる「省エネ」「創エネ」技術を世界に発信していくことにより、北海道洞爺湖サミットの開催に協力してまいります。
■ 出展商品 ※詳細については、http://www.sharp.co.jp/eco-showcase/をご覧ください。
<環境ショーケース>
1. 26V型※1低消費電力液晶テレビ(試作品)
画面の面積がほぼ同じ28型のブラウン管テレビ※2に比べ、約1/4の低消費電力で使用できます。
2. 液晶テレビAQUOS
..........
3. 薄膜太陽電池モジュール
..........
4. ソーラーLED照明灯
..........
<ゼロエミッションハウス>
 65V型 次世代液晶テレビ(試作品)
..........
※1 テレビのV型とは、有効画面の対角寸法を基準とした大きさの目安です。
※2 当社28C-PB500(2002年発売 )

詳細情報より
1. 26V型 低消費電力液晶テレビ(試作品)
 1) 低消費電力性
画面の面積がほぼ同じ28型のブラウン管テレビに比べ、約1/4の消費電力、約1/3の年間消費電力量※3で使用できます。従来の液晶テレビ※4と比べても、消費電力で約1/3、年間消費電力量で約1/2となる低消費電力性を実現しました。
 2) 太陽電池とセットすれば、無電化地域でも使用可能に
消費電力が非常に少ないため、たとえば画面サイズとほぼ同程度の面積の太陽電池で駆動させることも可能です。今後、テレビを太陽電池と組み合わせて実用化することで、環境への貢献はもとより、世界に約16億人いるとされる無電化地域でもテレビを視聴していただくことが可能となり、こうした地域の人々の生活向上の一助になるものと期待しています。.....
080704a2_1-----image(pop up) : 同リリースより
※3 年間消費電力量とは、省エネ法に基づいて、型サイズや受信機の種類別の算定式により、一般家庭での一日あたりの平均視聴時間(4.5時間)を基準に算出した、一年間に使用する電力量です。
※4 当社LC-26GH3(2007年発売) "
----------

コメント

 ちょうど、太陽電池の利用を希望されている方から適当な液晶テレビについての照会があったので、このニュースリリースを参考に考えてみました。

 今回のコンセプト製品 
 26V型低消費電力液晶テレビ(試作品)
 ブラウン管テレビと比べて、約1/4の低消費電力
 従来の液晶テレビと比べても、消費電力で約1/3

 リリースで比較されている同社の製品は、以下のようなスペックのようです。

 同社の比較ブラウン管テレビ28C-PB500(2002年発売)のサイズと消費電力など
  28型ブラウン管テレビ(幅広画面型)
消費電力 168W(待機電力情報発見できず)
年間消費電力量 193kWh/年(上記リリース※3参照)
  外形寸法 52.0*78.6 *奥行49cm
  重さ 40.3kg

 同社の薄型液晶テレビLC-26GH3(2007年発売)のサイズと消費電力など
  28型液晶テレビ(幅広画面型)
消費電力 152W(待機時電力 : 0.1W、クイック起動「する」時電力:25W)
年間消費電力量 135kWh/年(上記リリース※3参照)
  外形寸法 45.4*64*奥行8.7cm(壁掛け時)
  重さ 11.5kg(壁掛け時)
 
 今回のコンセプト製品 26V型低消費電力液晶テレビ(試作品)の消費電力は、記述の数値とはぴったりしないのですが、たぶん50W程度になります。対照商品にいくつかの型式があるようなので、だいたい50Wと考えておきます。写真では、液晶画面と比較すると結構小さめの太陽電池と組み合わせてありますが、これだと1日平均4.5時間は見ることができないような気がします。検証してみましょう。
 太陽電池の変換効率など細かい数字は表現されていないので、不明な数字は、想像しときます。
 一般家庭での一日あたりの平均視聴時間(4.5時間)とすると、50Wのテレビとし、使わないときには、コンセントからはずすことにし、待機電力はゼロとします。
 一日の負荷容量は、50W × 4.5時間 = 225 Wh
 この数字が負荷容量で単位は、Wh / dayとなります。
 必要な太陽電池は、独立系で標準的な日射の地域とすると、
 225 [Wh / day] ÷ 2.3 = 97.8 [W]
 
 この2.3という係数は、小社が独自に概算のためによく利用する係数で、年間日照時間1850時間の地域で、冬至の日の朝10:00時から午後2:00まで南中方向角度30度に取り付けられた太陽電池面に直接太陽の光があたり続けるという基準で、バッテリーありのシステムのシステム損失を勘案して計算した数字です。
 
 だいたい100Wの太陽電池が必要となります。大きさですが、変換効率12%の太陽電池の場合の実際の太陽電池の大きさは、0.8平方メートル(セルを並べた大きさではなく、実際の余白やフレームを含めた大きさをモジュールの大きさといいます。)程度なので、将来のコンセプト製品として、変換効率15%とすると、サイズは0.64平方メートルとなり、26型液晶テレビの正面サイズの3倍程度の太陽電池があれば、いいことになります。
 確かに、思ったより小さな太陽電池でまかなうことができます。これだと、写真の配置という点をプラスに評価すれば、納得できるサイズだと思いました。
 最近の住宅用の太陽電池は、結構結構大きくて、150Wpのもので1.2平方メートルぐらいの大きさです。
 いかに省エネ機器を利用することで、太陽電池の必要な容量を減らすことができるかがわかります。無電化地域対応ということだけでなく、将来的には自前の電力で暮らしたいと考える人が増えています。長期的な見通しで、もし太陽電池の設備のためのコストが三分の一程度になれば、150万円程度の投資で、家の電力と毎日往復100kmぐらいの電気自動車での移動の電力は、自宅の屋根の太陽電池でまかなうということができるようになる。そうした未来が、より多くの人にとって現実となります。(t_t)



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コメント

dswithさん

 コメントありがとうございます。サイパンでの一般的な電力使用量みたいなデーターを掲示しているような情報ありますか?
 また電力料金ってどのくらいします?

 単なる興味で申し訳ないのですが、わかったら教えてください。

 しな研 つねとうとうじ

投稿: t_t | 2008/07/27 13:12

多くの日本人が入植していた戦前は、
多分もっと多くの野菜を育てていたと
思われます。南瓜は最近、栗南瓜の
様なものが売られていますけどイマイチ。

電力を何に使うかと云えば、やはり冷房が
主ですよね。それと調理や家電。

太陽熱温水器、もちろんあったら便利ですよね。
我が家を含め、バスタブを持たない家が
多い島ですが、その辺り如何でしょう。

雨水は専用タンクがあり、水道水を送って
もらえない時には(これも専用タンクあり)
雨水を移して利用します。

投稿: dswith | 2008/07/25 11:38

dswithさん
 コメントありがとうございます。
 日本は、焦げるほど暑い日が続いています。

 ご紹介ありがととうございます。
 作物豊富ですね。土は結構地味豊かそうですね。

>我が家でもハーブも
>可能になりました。ゴーヤも勝手に生えて>います。

>販売されているのは、
>インゲン・中国葉もの野菜・茄子・ワケギ
>西瓜や冬瓜、まだ未完成な南瓜。
>もちろん島ではスクスク育つパパイヤや
>マンゴーも青い実を漬け物にしますし、
>キャッサバや紅芋等からおやつも出来ます>よ。

 上は、すべて地場産品ということですね。バイオマスがはやり有効そうに見えます。電力については、太陽電池、風力あたりが有望そうですが、コストがかかります。日本では、ペットボトルで太陽熱温水器を作る人たちがいて、結構本格的に使っています。
 太陽熱温水器、雨水の利用システムあたりを切り口にするとおもしろとサイトを拝見していて思います。興味ありますか?

 しな研 つねとうとうじ

投稿: t_t | 2008/07/23 13:10

ご無沙汰しております。
こちらの記事、とても気に入っており
とうとうご紹介させて頂きました。

ところで、別のところに返信頂いた件ですが、
島で栽培可能な野菜は最近増えている様です。
土の問題を解決すれば、我が家でもハーブも
可能になりました。ゴーヤも勝手に生えています。

販売されているのは、
インゲン・中国葉もの野菜・茄子・ワケギ
西瓜や冬瓜、まだ未完成な南瓜。
もちろん島ではスクスク育つパパイヤや
マンゴーも青い実を漬け物にしますし、
キャッサバや紅芋等からおやつも出来ますよ。

投稿: dswith | 2008/07/21 12:05

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