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2008/04/28

アジア域の大気汚染物質排出シナリオを用いた将来のオゾンの増加予測 / プレスリリース 海洋研究開発機構

Img1
-----image(pop up ; ”図1 計算に用いられたモデル領域”) & text : 海洋研究開発機構、2008年04月24日

" 概要
海洋研究開発機構(理事長 加藤康宏)地球環境フロンティア研究センター大気組成変動予測研究プログラムの山地一代研究員・秋元肇プログラムディレクターらは、国立環境研究所の大原利眞室長、九州大学の鵜野伊津志教授と共同で、中国の経済成長を考慮したモデルによる東アジア域のオゾン(※1)の将来予測を行いました。
現状推移型(※2)で推移する場合、2020年における中国華北平原(図1のNCP)におけるオゾン濃度(※3)は夏季(6~8月)の3ヶ月平均で約18 ppb増加し、その影響で、わが国の本州中部(図1のCJP)ではわが国自身のNOxの排出量が減少すると予測されているにも関わらず、夏季平均で約6 ppb増加することが分かりました。
この成果は近日中に米国地球物理学会誌[Journal of Geophysical Research]に掲載される予定です。
背景
昨年は新潟県、大分県において初めての光化学オキシダント注意報が発令され、その他の地域でも発令回数が増加する傾向があるなど、オゾンに対する中国などアジア域からの越境大気汚染の懸念が議論されています。しかしわが国のオゾン濃度の推移予測に関し、中国のNOx排出量の増加予測を組み込んだ研究は、これまで行われていませんでした。
..........
注記説明
※1 :オゾンは光化学オキシダント(大気汚染物質から光化学反応によって生成される酸化性物質の総称。オゾン、過酸化水素、有機過酸化物などの化学物質の総称)の主成分である。オゾンは成層圏では紫外線を吸収するといった有益な面もあるが、反応性が強いため人体には有害であり、吸入するとぜんそく等の呼吸器障害を引き起こす可能性がある。
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Img3

-----image(pop up ; ”図3 中国が現状推移型(2000年基準)シナリオに従った場合の、地表付近における2020年の東アジアオゾン濃度分布(左列)及び2020年と2000年とのオゾン濃度の差(右列)。上段は6月の1ヶ月平均、下段は通年平均。 ”)  "

コメント
 中国から黄土とともに汚染された大気がやってくる、、、以前から指摘されてきたことですが、実際に、現状と将来の予想がでると大変なことだと再認識します。経済発展とともに、公害や乱開発が広がるという流れは、わが国が経験してきたことでもあります。しかしながら、現在急速な発展を遂げる国や地域においても、同じようなことが繰り返されてしまう、、、? ある意味、歴史の流れといえるのかもしれませんが、すでに先進国が痛めつけてしまった世界を、さらに悪化させてしまい、環境世界にさらなる負荷、負担がかかってしまう今の現状は、世界に広がる大気汚染の恐るべき影響以上に、人類全体の大きな懸念材料になってきています。
 越境大気汚染、どんな解決方法がありうるのでしょうか?(t_t)



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