米国政府、新しい光源技術開発に本腰--環境対策へ「研究開発費は無制限」 / CNET Japan
" 米国政府が日本の技術を基にした、新しい光源技術の開発に乗り出す。既存のLEDよりはるかに明るく省電力な白色LEDや面で発光するレーザーダイオードを開発し、世界のエネルギー利用量の20~30%を占めるといわれる照明分野で、あらたな覇権を握りたい考えだ。 "-----CNET Japan,2007/10/16
関連
・ニューパラダイムテクノロジー社 / 世界を視野に捉えた我々の役割
関連記事
・米IC INOVAとNPT、新LED照明で地球温暖化阻止、日米で共同開発プロジェクト-----BCN News,2007年10月16日-----asahi.com掲載版
" 今回のプロジェクト立ち上げには、米国の13団体、17社が参加。日本からは、NPTほか京都大学、三重大学などが支援する。目標達成時期は2年後の09年10月をめどとしている。 "
コメント
照明用の高輝度LEDの開発、「研究開発費は無制限」という文字が躍っていたのでびっくり。
しかも、
”共同で、2009年10月までに現在の白色LEDの発光効率である150lm/Wを大幅に上回る250lm/Wの白色LEDを開発する。また、面発光レーザーダイオードについては、実用化レベルの青色、および緑色のものを完成させる。 ”
と記事にあります。現状が、実験室レベルで50 - 60 lm/Wで、製品レベルでは、せいぜい40 lm/W程度のようです。このあたりの数字は、高輝度照明用のデーターが5年前には、かなりいいかげんで電球の10倍の発光効率という書き方をする場合もあったのですが、現在では「発光効率の定義」も確立し、他の光源との比較もできるようになりました。
知人に教えてもらった資料によりますと、
" 白色LEDの発光効率は、2009 年頃、100lm/W に到達する見込みです。"
参考 ・LED照明推進協議会 / JLEDS - お知らせ / JLEDS ロードマップ(暫定版)より
ということですから、若干今回の”現在の白色LEDの発光効率である150lm/W”というアナウンスには驚きました。つい、150 lm/Wの照明用発光ダイオードを探してみました、いろいろな角度で検索してみましたが、現状見つけていません。上のロードマップ発表後に市場でみられた製品の中には、100 lm / Wを達成しているものもありましたので、予定は早まっています。それでも、今回のアナウンスを個人的には少なくとも3割減という感じで捉えてます。なんにせよ、日米共同の大規模なプロジェクトが、次世代のLED照明の開発に取り組むということですから、大歓迎です。
ところで、発光効率ですが、
60Wの電球の全光束は、約850lumens。したがって、
850 / 60 = おおよそ 14 lumens /W(lm / W)
この場合の電球の発光効率は、14 lumens /Wとなります。
つまり電気のエネルギーの三分の二を熱に変換する装置である電球であるとして省エネの観点からは評判の悪い電球の発光効率は、14 lm /Wです。
海外の省エネキャンペーンでは、発電、送電ロスを考え投入されたエネルギーで家庭に届くのは、三分の一。各家庭で電球を使ことは、さらにこの貴重なエネルギーを三分の一にする。
「電球は、エネルギーを九分の一にする装置です。」
というキャンペーンもあるようです。(噂として聞いた話です。今、事実関係、根拠の数字調査中です。)
製品ベースの高輝度発光ダイオードの発光効率は、ようやくこの電球を越えつつあるというのが正直なカタログをならべての感想です。アメリカでの今年のキャンペーンで一気に世界的な動きになった、電球を電球型蛍光灯に置き換えるキャンペーンは、みなさんもご存知の通り日本では、すでにかなり一般的な省エネ行動です。
効率の良い電球型蛍光灯では、製品レベルで80 lm / Wを達成しています。つまり電球から蛍光灯に換えるだけで、5倍以上もの省エネになるケースがあるということです。値段からいうと、当分蛍光灯がエースという現状に変わりなく、それに変化が訪れるのは、少なくともまだ先の話だと思いました。(t_t)
参考
・LEDs Magazine / Edison Opto launches 250-lumen single-die LED
関連エントリー
----------照明/電気製品----------
人気blogランキング参加中。クリックお願いします!
上のバナーをクリックしていただくだけで当サイトの- 評価 -の向上になります。ご協力ありがとうございます。
しなやかな技術研究会のタイムライン2 [ 1 ] --- グリーン・ポストのおすすめ”本”(amazon.co.jpインスタントストア)-----しなやかな技術研究会のGoogleマップ
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント