地球温暖化:オホーツク -北太平洋、海水温0.7度上昇 過去50年、北大低温研調査 / クリッピング MSN毎日インタラクティブ
" 水深200~1200メートル オホーツク海から北太平洋にかけての「中層水」と呼ばれる水深約200~1200メートルの海中水温が、50年前より最大で約0・7度も上昇していることが、北海道大学低温科学研究所長の若土正曉教授ら研究グループの調査で分かった。若土所長は「地球温暖化の影響でオホーツク海で作られる海氷(流氷)の量が減ったことが大きな原因。海の生態系全体に重大な影響を与える」と警告。早急な温暖化対策を訴えている。 ..........温度上昇の傾向が最大だったのはオホーツク海西部で、50年間で0・68度、水温が上昇し、酸素量も1リットル当たり最大0・7ミリリットル減少した。 "-----毎日新聞、2007年2月18日
関連記事、サイト
・温暖化:中層水の海水温、50年前より上昇 北大調査-----毎日新聞 2007年2月17日
" 研究所などが観測した最近のデータを含む過去50年間のオホーツク海と北太平洋6万3000カ所の海水温、溶存酸素量データを、若土所長と大島慶一郎助教授、中野渡拓也研究員の3人が解析した。溶存酸素量は海水中に溶けている酸素の量で、水温が低いほど多くなる。 "
・北海道大学低温科学研究所 / 最近の研究トピックス : オホーツク海から北太平洋の中層で、過去50年間における地球上最大級の昇温化トレンドが発見された!生物生産性豊かな海に黄信号! 2007年1月16日
参考サイト
・気象庁 / 海洋の健康診断表 / 統計資料 北西太平洋・全球 海面水温平年値
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海の環境に大きな変化が生じている。大気よりも熱容量の大きな海水の温度が大気と同じレベルで上昇しているということは、大気よりも温まりにくく、さめにくいということを考えると、より深刻な事態が進行中だということです。海の環境に大きな変化が起り、それが深層にまで及んでいる可能性が指摘されてきたが、今回の北大の研究により、深層までおよぶ温度上昇が確認されたことになる。
海は、”地球の恒常性維持”のためのみごとな働きをもっています。海は、比熱が大きく、気化と凝固(氷)により熱環境(熱循環)をより安定的に保ってくれています。生物の生存という見地からも海は熱的にも大変をおおきな安定装置として働いてくれることを期待したし、資源の少ない日本も、ひとたび広大な海に目を移せば、そこにも、、、危機が。その海にも変化が訪れている。
海の温度上昇が貧酸素状態をもたらすことは知られています。しかし、生物への影響は、”厳密な科学的な議論としては、因果”についての研究は、途上にあるようです。地球に関する知識を急速に蓄積しつつある人類ですが、時間的な余裕はなさそうです。
生命が滅びてから、やっぱり「関係があった」ではこまります。海の温度上昇は、地球全体の温度上昇と無縁ではないことは、理解できるし、地球全体の温度上昇に人類が深く関与していることも確かだと思います。自分で、自分の首をしめるだけでなく、海にデッドゾーンを作り、環境を”殺す”、、、、
日本でも、貧酸素水塊、無酸素水 などの現象は漁業関係から瀬戸内以外でも報告されている現象です。高級魚のことばかりが問題になりますが、小さな生物の生息環境を観察すると、問題がより広汎に見えてくるような気がします。
この分野は、興味ある分野なので、勉強中です。調べてみると、海洋生物学者のレイチェル・カーソンが「沈黙の春(amazon.co.jp)」を書いたのが1958年だそうです。思ったより、”古典”でした。この50年近くで、さらに、われわれは海洋をめぐる事情を悪化させてしまってます。(t_t)
参考記事
・「海が煮える」底の酸素枯渇。浄化願い試行続く(中国新聞)
関連エントリー
・今期、夏の海水温度の上昇を衛星の目が確認-----しなやかな技術研究会、2006/08/31
・Scientists Predict Bigger Gulf 'Dead Zone' This Year(海に広がるデッドゾーン)/ クリッピング Live Science-----しなやかな技術研究会、2006/07/27
・海面上昇 高さをきめて表示できる洪水マップ-----しなやかな技術研究会、2006/05/17
・メキシコ湾で酸欠海域「デッドゾーン」が拡大/クリッピング ワイアード・ニュース・レポート----しなやかな技術研究会、2004/08/18
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