イラクからの撤退について
首相官邸のご意見箱に以下をポストしました。
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政府は、イラクからの撤退を表明し、誘拐グループとの交渉を開始するべきだと思う。
今回のイラクへの自衛隊の派遣が「人命を重んじた」、人道援助だというのならば、撤退を選択することは、当然の帰結だと思う。まったく躊躇する必要がない。
確かに、「テロに屈しての撤退」はむずかしいことだろう。アメリカを支援するという立場である限り、政治、経済の立場から考えれば、そんなことはできない。また、面目を考えれば、そんなことはできない。
しかし、今回の自衛隊の派遣は、人道援助。イラクの人々の自立、再建を目指すのが目的だ。死者を出すことが許されない故に、武装した集団として、自衛できる者が選択された。平和な地であれば、NGO、NPOが、もっと安価なコストと効果で、民間交流をもしながら有効な支援をするという方策もあったはずだが、イラクは先が見えない、国家の命令で行くのだから安全の確保、保安のために銃が必要だった。選ばれたのは、サマワの復興。サマワは、イラクの中でも、比較的安定した地域であることで、人道援助の対象として選んだ。
間違っても、アメリカへのアピール、日本の戦後の国際社会への面目の向上が目的の派遣ではない。
それは、人道援助。日本はアメリカの主動する占領統治のもとで、金だけでなく、汗も出すことでできる。我々は、自衛隊に入隊する際には、考えもしなかった内容のプログラムを自衛隊員に課すことで、国際貢献を肩代わりしてもらうこともできる。
派遣の前提は、そこが紛争地域でないこと。百歩譲っても「比較的安定した地域」での活動であることが前提だ。国家の命令で赴く人々に、一人の犠牲がでてはならない。一人の犠牲がでても、その作戦は失敗なのだ。
今日、イラクは平和ではない。多数の死者がでている。
アメリカの占領統治は、失敗しようとしている。
日本の役割は、無理な占領統治には一言もせず、イラクの人すら見ずに、場当たり的に、初体験を飾ることだけが目的だとしても、それが人道援助という名目で、承認され、任地が平和でなければならないのであるから、遅かれ早かれ、成果のないまま撤退を余儀なくされる危険性が高い。
何をためらう?
国家の政治とは別に、個人の選択として、そのイラクで自分なりの援助を一人と一人のつながりの中で実現しようと夢みた若者たちがが、あと1日と何時間の猶予のなかでさらされている。
ならば、小泉首相もあなたの好きな高邁な態度のまま、アメリカの盟友にその失敗と不手際をアドバイスし、「テロに屈するのではない。わたしたちは、人道援助を行いたかったが、あなたがたが失敗したので引き上げます。我が国民のいのちは、銃をもとうが、カメラをもとうが、画材や文具をもとうが、みな平等に尊い。そして、そのことは、あなた方が起草を手伝ってくれた憲法にも書かれている。」
と、告げ。イラクの国民にもそのことを伝えればいい。
ためらうとすれば、何が失われるのか? 失われるものがあまりに大きいとすれば、そこに至るあなたたちの決断、それを支持した私たち国民の責任において、それぞれが自ら非を認めなければならない。
認めた上で、何をためらう? 撤退を前提として交渉しなさい。
一国民より
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意見のポスト先は、
http://www.kantei.go.jp/
の右下にあります。
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コメント
「意見等を整理し、総理大臣に報告します。あわせて外務省、内閣官房安全保障危機管理担当、防衛庁へも送付します。」というくだりが、きになりますね。
事件がおちついたら、このことについても官邸に送られた、意見の情報(メールアドレスなど個人情報)管理の方法ならびに、漏洩防止について聞いてみないといけまないですね。
投稿: tt | 2004/04/14 18:45
官邸より以下のような自動返信とみられるメールが届いていました。
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Subject: [首相官邸より]
Date: Tue, 13 Apr 2004 09:00:02 +0900
小泉総理大臣あてにメールをお送りいただきありがとうございました。いただいたご意見等は、今後の政策立案や執務上の参考とさせていただきます。
皆様から非常にたくさんのメールをいただいておりますが、内閣官房の職員がご意見等を整理し、総理大臣に報告します。あわせて外務省、内閣官房安全保障危機管理担当、防衛庁へも送付します。
今後とも、メールを送信される場合は官邸ホームページの「ご意見募集」からお願いします。
内閣官房 官邸メール担当
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投稿: tt | 2004/04/14 18:43
イラク人質事件関連リンク
-ワールドピースナウ-
http://www.worldpeacenow.jp/
-緊急設置サイト-
http://iraqhc.jugem.cc/
投稿: tt | 2004/04/10 14:56