2012/10/09

IHIの燃料電池ユニットを積んだボーイング 737 ecoDemonstratorがテストフライトを実施

 IHIの燃料電池ユニットを積んだボーイング 737 ecoDemonstratorがテストフライトを実施したとのことです。ボーイング社は、燃費の向上、静穏化、そして環境を意識した使用部材の調達などに一貫して取り組む実証機の開発、 ecoDemonstratorプロジェクトを実施しています。

 今回は、米国シアトル近郊においてアメリカン・エアラインのボーイング737型機を用いてのテスト飛行が行われました。その機には、民間航空機用補助電源の製品化に向けて開発されたIHIの燃料電池ユニットが搭載されたとのことです。発電規模などは明らかになっていませんが、フライト試験では、航空機の離陸前から高度上昇中において、燃料電池からの発電による電力供給を行い、巡航飛行時に航空機の電源を用いて充電を実施、その後、再度、発電、充電、発電のサイクルを行うことに成功したとのことです。

 また、過去にはボーイング社や電動プロペラ小型機による燃料電池駆動型の小型飛行機を開発を行っています。きわめて高い安全性と機能性が問われる航空機搭載用の発電ユニットとしての燃料電池の開発が続いています。

ボーイング社が燃料電池駆動型の小型飛行機を開発-----しなやかな技術研究会、2008/04/08

プレスリリース / IHI、2012年10月4日
世界初となる再生型燃料電池システムの民間航空機飛行実証に成功 -IHI/ボーイング共同研究によるフライト試験-

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-----image : 同リリースより

"IHIとIHIエアロスペースは、米ボーイング社と共同で再生型燃料電池システムを民間航空機に搭載し、飛行実証することに成功しました。再生型燃料電池システムの飛行実証は、世界初の試みとなっています。

 再生型燃料電池は、充電可能な燃料電池であり、エンジンとは独立して電力を供給することが出来ます。また副産物は水のみであるため、省エネルギー化、二酸化炭素排出削減を可能とし、航空機の環境負荷を低減することができます。今回の飛行実証は、ボーイング社の環境対応技術実証を目的としたecoDemonstrator計画の一環として、米国シアトル近郊においてアメリカン・エアラインのボーイング737型機を用いて行われました。フライト試験では、航空機の離陸前から高度上昇中において、燃料電池からの発電による電力供給を行い、巡航飛行時に航空機の電源を用いて充電を実施、その後、再度、発電、充電、発電のサイクルを行うことに成功しています。

 再生型燃料電池の航空機適用技術は、経済産業省が公募した「航空機用先進システム基盤技術開発(航空機システム革新技術開発)」で採択されたプログラムを活用し、平成21年度より研究を行ってまいりました。 ここで得られた研究結果を、ボーイング社との共同研究でのフライト実証試験につなげることにより、今回の成功に至っています。
 航空機という閉鎖空間に、水素ガスを用いた燃料電池システムを搭載する必要があったため、飛行安全をどのように確保するかという部分が、一番重要な課題でした。水素ガスを民間航空機に搭載するための基準が現状は存在しないため、航空機の安全性確保のための安全設計基準を検討し、安全性解析、システム設計をボーイング社と共同で繰り返して行いました。 本システムにおいては、航空機を安全に飛行させるためのバックアップを含め、各種安全機能が備えられていることが特徴となっています。

 IHIは、ジェットエンジンでは国内最大のシェアを有し、航空機装備品メーカーとしての経験は豊富です。また、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)と地上発電用燃料電池の研究開発を行った経験があり、IHIエアロスペースにおいてもJAXA(宇宙航空研究開発機構)と成層圏プラットフォーム飛行船プロジェクトの電源系開発の一環として再生型燃料電池の研究を進めてきており、今回 実証した再生型燃料電池システムの基礎技術になっています。

 IHIは、今回得られた経験をもとに、再生型燃料電池の小型化、大出力化の改良を進め、航空機の低燃費及び環境負荷低減に寄与する将来の民間航空機用補助電源の製品化に向けた検討を実施していきます。
.......... "

関連
Boeing, American Airlines, FAA collaborate on 737 ecoDemonstrator Airplane-----Boeing,Sept.18, 2012(PRNewswire版)

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-----image : 上記リリースより

" Boeing (NYSE: BA) and American Airlines today showcased a Next-Generation 737-800 airplane known as ecoDemonstrator in Washington, D.C., to highlight testing of environmentally progressive technologies. The visit to the nation's capital follows extensive flight testing in Glasgow, Montana, where it flew a series of missions designed to test and accelerate advanced technologies that increase fuel efficiency and reduce airplane noise.
Top officials from Boeing, American Airlines, and the Federal Aviation Administration (FAA) held a joint news conference at Reagan National Airport to highlight innovation and collaboration among government and industry.
..........
Other technologies on the 2012 ecoDemonstrator airplane include variable area fan nozzles, active engine vibration reduction, a regenerative fuel cell, and testing of flight trajectory optimization to enable more efficient routing for fuel savings. With fuel now the leading operating expenditure for airlines worldwide and increasingly stringent environmental regulations, improving fuel efficiency and reducing carbon and noise emissions is a top priority for the aviation sector.
.......... "



Boeing : ecoDemonstrator Takes Flight-----September 17, 2012)


参考エントリー
ボーイング社が燃料電池駆動型の小型飛行機を開発-----しなやかな技術研究会、2008/04/08


おすすめエントリー
週刊GreenPost 43号 - しなやかな技術研究会 2012/10/9-12日版

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2011/09/20

JX日鉱日石エネルギー、新型エネファームを販売開始。2012年夏は、オリジナル蓄電池をオプションで

 JX日鉱日石エネルギーは、ガス対応(LPガス仕様、都市ガス)で、より小型効率化を実現した新型エネファームを10月より販売開始すると発表しました。また、2012年夏には、オリジナル蓄電池をオプションで追加するとのことです。
 今回、JX日鉱日石エネルギーが開発した固体酸化物形燃料電池(SOFC : Solid Oxide Fuel Cell)は、現行の固体高分子形燃料電池(PEFC : Polymer Electrolyte Fuel Cell)よりも約40%(容積比)小型化するとともに、定格発電効率45%%を実現し、世界最高の発電効率を達成(同社発表)、24時間連続運転により、ご家庭で使用する電気の約70%をまかなうことが可能ということです。

 また、2012年夏よりオリジナル蓄電池を市場投入予定とのことです。蓄電容量は6kWhで、販売価格は100万円以下ということです。本体価格は、同社希望小売価格が270万円(消費税込み、工事費別)とのことですから、まだまだ高価です。しかし、今年の計画停電などにより、来年も関心を集めることは確かで、JX日鉱日石エネルギーでは、エネファーム、蓄電池、そして太陽光発電システムも加えた上で、3電池の最適な組み合わせを始め、住宅性能や暮らし方の改善等をご提案できる体制を確立していくということです。

プレスリリース / JX日鉱日石エネルギー、2011年9月15日
いよいよ10月よりSOFC型エネファームを販売開始

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-----image(”7.商品構成 発電ユニット、貯湯ユニット、台所リモコン、浴室リモコン”) : 同リリースより

" 当社(社長:木村 康)は、現行の家庭用燃料電池「エネファーム」(PEFC型※1)に比べ、約40%(容積比)小型化するとともに、定格発電効率45%を実現した、世界最小サイズ※2・世界最高の発電効率※2を有するSOFC型※3のエネファームを10月17日に販売開始しますのでお知らせいたします。
..........
 また、「ENEOS創エネ事業」推進のソフト面での中心的な施策として、ご家庭毎にエネルギーの最適化を提案する、エネルギー診断サービス事業※4を展開いたします。2013年度中を目標に、当社独自の専門研修を経て育成・認定するエネルギー診断士を全国に約1,000名配置することで、お客様毎の「省エネ」「再エネ」「自立」に対するニーズに沿った3電池の最適な組み合わせを始め、住宅性能や暮らし方の改善等をご提案できる体制を確立してまいります。

【SOFC型エネファームの概要】

 1.販売開始日      2011年10月17日
 2.販売機種      LPガス仕様、都市ガス仕様
 3.希望小売価格   270万円 (消費税込み、工事費別)
 4.保証期間      10年間 
 5.販売エリア     北海道・沖縄県を除く地域
(但し、気温・標高・沿岸からの距離など、条件により設置できないエリアがあります)
 6.製品仕様
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-----image : 同リリースより
 8.SOFC型のエネファームの主な特長
 (1)大きさ :世界最小サイズ※2の家庭用燃料電池コージェネレーションシステム
 設置スペースも2㎡と縮小(都市ガス仕様の場合PEFC型比▲0.9㎡)し、従来型では設置スペースの確保が困難であったお客様にもご利用いただけます。

 (2)発電 :世界最高発電効率※2と24時間連続運転により、ご家庭で使用する電気の約70%を発電
 定格発電効率45%の達成(PEFC型(都市ガス仕様)比+10%)とともに、日中の消費電力に合わせて発電(お湯を多く使用する夜までに貯湯量も増やせる)し、深夜も冷蔵庫や待機電力などに電気を供給し続けるなど、ライフスタイルに合わせた24時間連続運転※5を行います。
 これにより、ご家庭で使用する電気の約70%※6をまかなうことが可能となりました。

 (3)給湯 :高効率バックアップボイラーを標準装備
 エネファームは、発電時に発生する熱を利用してお湯を作り、バックアップボイラー(ガス給湯器)機能も付いていますので、お湯が不足することはありません。
 SOFC型においては、バックアップボイラーとして、ガス燃焼時の排熱を再利用することで熱回収効率を95%まで高めた(従来の給湯器比+15%)潜熱回収型高効率給湯器を標準装備します。
 エネファームで作ったお湯は、風呂や台所、ガス温水式床暖房など※7で使用できます。

 (4)省エネ・環境性 :エネルギー効率87%により、省エネとCO2排出量削減に貢献
 従来のエネルギーシステム※8からエネファーム(SOFC型)に切り替えた場合、CO2排出量を約40%削減可能です。

※1 固体高分子形燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell) :電解質に高分子膜を用いる燃料電池。作動温度が低く起動・停止が容易なことから、家庭用のほか自動車用にも適している。日本では、2009年5月より各社が販売を開始しました。
..........
※3 固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell):電解質にセラミックを用い、各種燃料電池のなかでも発電効率が最も高い。セルに貴金属が不要なことも特徴。
※4 本サービスは、当社および当社子会社であるENEOSグローブ株式会社と共同で企画・開発を取り進めております。
※5 家庭の電力負荷に応じ、0~700Wまでの出力範囲で継続運転を可能としました。
※6 当社試算モデルに基づく。 試算条件は以下のとおり。 
   ●一戸建住宅 4人家族を想定 ●電力需要 450kWh/月 ●給湯需要 1,200MJ/月
※7 SOFC型では、ガス式床暖房などの暖房機器で使用するお湯はバックアップボイラーより給湯されます。
※8 火力発電所からの電気と従来のガス給湯器を使用した場合を想定。
   ●CO2排出量換算係数 LPガス 0.0587kg-CO2/MJ、都市ガス 0.0509kg-CO2/MJ、電気 0.69kg-CO2/kWh

.....「独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)」および「財団法人 新エネルギー財団(NEF)」の事業(2007~2010年度:固体酸化物形燃料電池(SOFC)実証研究、2005~2009年度:固体高分子形燃料電池(PEFC)実用化戦略的技術開発)に参画し、そこで得られた成果を製品開発に活用しています。

ENEOS創エネ事業の概要 (SOFC型エネファームの主な特長、オリジナル蓄電池システムの概要、エネルギー診断サービスの概要)(PDF:625.7 KB/10ページ)

Noexsofcbt6
-----image : 上記PDF資料より
.......... "

参考エントリー
東京ガス、パナソニック、家庭用燃料電池エネファームの新型を開発-----しなやかな技術研究会、2011/02/24

トヨタ、アイシン、NEDOの固体酸化物形燃料電池実証研究事業に家庭用燃料電池コージェネレーションシステムの2010年度モデルを提供------しなやかな技術研究会、2010/09/10

[ カテゴリー : 水素/燃料電池など ]

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2011/08/10

東京ガス、一般家庭プランからスマートコミュニティまで「わかる」。東京ガス千住見学サイト「Ei-WALK」(イー・ウォーク)を9月より開設

 東京ガスは、本年9月5日より東京ガス千住見学サイト「Ei-WALK」を、東京ガス千住テクノステーション(東京都荒川区)内に開設すると発表しました。
 「Ei-WALK」の内容は、(1)地域全体でエネルギー利用効率を最大化する「千住スマートエネルギーネットワーク(SEN)」、(2)家庭におけるエネルギー利用とライフスタイルを提案するコンセプトハウス「暮(Ku)・楽(Ra)・創(Sou)ハウス」、(3)炎を操る燃焼技術力を体感できる「アス×ラボ」、(4)都市ガスから水素を製造して燃料電池自動車に充填する「千住水素ステーション」の4つの施設で構成。一般家庭向けプランから、移動手段、スマートコミュニティまでが「わかる」ように工夫された施設であるとのことです。
 注目は、千住スマートエネルギーネットワーク(SEN)。太陽熱やコージェネレーションシステムの廃熱を優先活用する熱源統合制御や、太陽光発電の出力変動をコージェネレーションシステム等の出力制御により緩和する系統電力安定化の実証が行われています。見学者の対象は、学識経験者、オピニオンリーダー、企業関係者とされていますが、今こそガス屋さんならではの提案を地域に個人にも幅広くご提供いただけることを期待しています。

 来年から、是非夏休みの子供たち向けのプログラムも作ってください!

プレスリリース / 東京ガス、平成23年8月3日
最先端のエネルギー技術の実証・実験施設を歩いてめぐる 東京ガス千住見学サイト「Ei-WALK」(イー・ウォーク)の開設について

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-----image(”コンセプトルーム”) : 同リリースより

" 東京ガス株式会社(略)は、本年9月5日(月)に、東京ガス千住見学サイト「Ei-WALK」を、東京ガス千住テクノステーション(東京都荒川区)内に開設します。本見学サイトは、東京ガスの最先端のエネルギー技術を、主に学識経験者、オピニオンリーダー、企業関係者にご紹介するものです。エネルギー技術の革新を意味する「Energy innovation」の頭文字「Ei」と、明るい未来を見据えながら敷地内の実証・実験施設を歩いてめぐることを示す「WALK」という2つの言葉を組み合わせ、「Ei-WALK」と名づけました。
「Ei-WALK」開設にあたり、ご見学者向けにプレゼンテーション等を行う「コンセプトルーム」を新設しました。「環境に呼応して変化する空間」をコンセプトに、建築家の伊東豊雄氏が設計を担当し、時代の変化とともに進化を続けてきた東京ガスのエネルギー技術を表現しています。
「Ei-WALK」は、(1)地域全体でエネルギー利用効率を最大化する「千住スマートエネルギーネットワーク(SEN)」、(2)家庭におけるエネルギー利用とライフスタイルを提案するコンセプトハウス「暮(Ku)・楽(Ra)・創(Sou)ハウス」、(3)炎を操る燃焼技術力を体感できる「アス×ラボ」、(4)都市ガスから水素を製造して燃料電池自動車に充填する「千住水素ステーション」の4つの施設で構成されています。
ご見学については、完全事前予約制とし、年間約12,000人を見込んでいます。
東京ガスは、今後もエネルギー技術の革新を推進し、持続可能な社会の実現を目指してまいります。

コンセプトルーム概要
場所: 東京都荒川区南千住3-13-1 「東京ガス千住テクノステーション」内
建築面積: 124.119m2 延床面積: 119.376m2 構造・規模:鉄骨造、平屋
設計: 株式会社伊東豊雄建築設計事務所 施工: 内藤建設株式会社

見学施設概要
施設名 内容
千住スマートエネルギーネットワーク(SEN)
2011年4月稼働開始
地域全体でエネルギー利用効率を最大化する「スマートエネルギーネットワーク(SEN)」の実証試験を行う施設です。
太陽熱やコージェネレーションシステムの廃熱を優先活用する熱源統合制御や、太陽光発電の出力変動をコージェネレーションシステム等の出力制御により緩和する系統電力安定化の実証を行っています。
また、地域熱導管を敷設して、隣接する荒川区立特別養護老人ホームに熱を融通しています。

暮(Ku)・楽(Ra)・創(Sou)ハウス
2011年5月改修完了
1階と2階で異なる世帯が暮らすことを想定した2階建てのコンセプトハウスです。
■1階:「W2(ダブルダブル)ハウス」
家庭用燃料電池「エネファーム」と太陽光発電を併用し(ダブル発電)、共働き子育て世帯(ダブルインカム)が、仕事も子育ても活き活きと楽しむ暮らしを体験していただけます。
■2階:「S2(エスエス)ハウス」
太陽熱(ソーラー)利用、熱の融通等の新しい省エネ技術とともに、身体への負担を軽減する設備やデザインも取り入れた快適で充実した第二の人生(セカンドライフ)を体験していただけます。

アス×ラボ
新設
産業用の燃焼技術の開発や、燃焼技術の講習会等をする施設です。
見学では、工業炉やボイラで天然ガスを高度利用する燃焼技術を、さまざまなバーナで実際に天然ガスを燃焼させながら紹介します。

千住水素ステーション
2003年5月開所
燃料電池自動車の実用化に向け、都市ガスから高効率に水素を製造する技術や、車載水素タンクへの水素充填方法の実証などを行っています。

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-----image(”千住SEN(太陽熱集熱器)”) : 同リリースより

2011080301_03
-----image(”暮・楽・創ハウス(外観)”) : 同リリースより

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-----image(”アス×ラボ(リジェネレイティブバーナ)”) : 同リリースより

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-----image(”千住水素ステーション(外観)”) : 同リリースより
.......... "

関連
東京ガス CSRハイライト : 動き出したスマートエネルギーネットワーク
1hilight2t_fig01
-----image(”千住テクノステーションにおけるスマートエネルギーネットワークの実証図”) : 上記サイトより

" 高効率のコージェネを中心に、太陽熱や太陽光発電などの再生可能エネルギーを組み合わせ、情報通信技術を活用して、エネルギー需給を最適に制御します。敷地内の建物だけでなく、区道を隔てた荒川区立特別養護老人ホームへの熱供給も行います。 "

JHFC千住水素ステーションでの70MPa実証-----東京ガス、平成20年9月11日

東京ガスと大阪ガス、分散型エネルギーシステムに再生可能エネルギー、未利用エネルギーを大幅に導入したスマートエネルギーネットワーク実証事業を開始-----ソフトエネルギー、2010/05/17

-----Google GreenPostサイト横断検索 : 東京ガス-----

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2011/05/12

トヨタ自動車、カリフォルニアで燃料電池車用のパイプライン直結の水素ステーションを開設

トヨタ自動車の現地法人Toyota Motor Salesは、カリフォルニア州の自社施設内に燃料電池車 Fuel Cell Hybrid Vehicle 向けの水素ステーションを開設し公開しました。水素は、シェル石油の水素を供給するパイプラインから直接供給を受けるアメリカでも初めてとなる供給形態のものです。燃料電池車 Fuel Cell Hybrid Vehicleは、水素を電気に変換し、モーターにより駆動します。156リットルの水素貯蔵タンクを搭載し、1回の水素の補給で760kmの航続走行距離を走る能力を備えます。今回の水素補給ステーションの完成により、今後の開発プログラムはより本格化し、2013年までに100台による実証実験を行う予定です。

 トヨタは、2015年までに燃料電池車の量産車を完成させる計画を発表しているということです。水素を車社会アメリカのオルターナティブの一つとして選択しようとしてきたカリフォルニア州がその実際の姿をより具体化することができるのかに注目が集まりそうです。

プレスリリース / Toyota Motor Sales,May 10, 2011
Toyota Announces Opening of First Pipeline-Fed Hydrogen Station in the United States-----Toyota Announces Opening of First Pipeline-Fed Hydrogen Station in the United States(News)

Hydrogen_station_ceremony_4
---image : 同リリースより---Hydrogen_station_ceremony_7

" Shell Demonstration Station Supports Ongoing Toyota Fuel Cell Hybrid Vehicle Demo Program Hydrogen Pipeline Will Also Fuel Stationary Fuel Cell on Toyota Campus

Toyota Motor Sales, U.S.A., Inc. (TMS) today celebrated the opening of the first hydrogen fueling station in the U.S. fed directly from an active industrial hydrogen pipeline. The station is a collaborative effort between Toyota, Air Products, Shell, South Coast Air Quality Management District (SCAQMD) and the Department of Energy (DOE). The facility will provide hydrogen for the Toyota fuel cell hybrid demonstration program vehicles as well as other manufacturers’ fuel cell vehicle fleets in the Los Angeles area.
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Toyota’s fuel cell hybrid vehicle fleet has logged several million miles since hitting the road in 2002, with significant technological improvements along the way. The first generation fuel cell hybrid vehicles (FCHV) estimated range was 130 miles. In 2009, the latest generation vehicle, Fuel Cell Hybrid Vehicle - Advanced (FCHV-adv), achieved an estimated range of 431 miles on a single fill of hydrogen. In addition to fuel cell stack efficiency and range improvements, durability and cold temperature operation have greatly improved along with significant reductions in manufacturing and materials costs. Toyota’s current FCHV-adv nationwide demonstration program is placing more than 100 vehicles with demonstration partners by 2013, providing one of the largest fleets of active fuel cell vehicles in the country. The primary goal of the demonstration program is to spur infrastructure development prior to fuel cell vehicle market introduction in 2015. Successful infrastructure development will require collaborative efforts between manufacturers, government regulators, and business, similar to the partnerships formed to open the Torrance Shell hydrogen demo station.

“Vehicle demonstration programs and demonstration stations like the Torrance station are a critical next step in preparing the market for advanced technology vehicles and future fuels,” said Hostetter. “These innovative programs allow us educate, inform and prepare our customers for the future.”
.......... "

関連
Toyota Highlander FCHV

(ToyotaUSA,2009/08/06)

Toyota Fuel Cell Vehicle Demonstration Program Expands-----Toyota Motor Sales,January 11, 2010

Toyota ESQ Communications / Fuel Cell Hybrid Vehicle / Spec

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2011/04/22

Honda、埼玉県庁にソーラー水素ステーション」を設置し、燃料電池車 FCXクラリティの10kW以上の外部出力電源機能などの実証実験を実施

 Hondaは、埼玉県庁にソーラー水素ステーション」を設置し、FCXクラリティの10kW以上の外部出力電源機能などの実証実験を実施する計画を発表しました。燃料電池車FCXクラリティが一般家庭およそ2世帯分に相当する10kW以上の外部出力電源機能をもっているということは、今回の震災により、同車が新しい機能を担う可能性が注目をあつめそうです。

 これは、Hondaが埼玉県と共同で行う次世代パーソナルモビリティー実証実験の一環として行うもので、すでにアメリカで同様の実験を行っています。
 
プレスリリース / Honda, 2011年4月20日
埼玉県庁敷地内へのソーラー水素ステーション設置計画を公表

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----image[”ソーラー水素ステーション(イメージ図)”] : 同リリースより

" ~実証実験で使用するFCXクラリティに外部出力電源機能を装備~
Hondaは本日、埼玉県と共同で取り組んでいる次世代パーソナルモビリティー実証実験の一環として、埼玉県庁敷地内に「ソーラー水素ステーション」を設置する計画を公表しました。
また、今回の実証実験で使用する燃料電池電気自動車「FCXクラリティ」に、新たに一般家庭およそ2世帯分の使用電力※に相当する10kW以上の外部出力が可能な電源機能を装備します。これにより、水素と酸素を化学反応させて発生する電気を動力源とするFCXクラリティは、CO2を一切排出しない移動可能な発電設備としても活用することができます。
なお、このソーラー水素ステーションの埼玉県庁敷地内への設置と、実証実験に使用するFCXクラリティの外部出力電源機能の装備は、本年度中を目指します。

Hondaと埼玉県は、2009年3月に締結した「環境分野における協力に関する協定」に基づき、2010年12月より電動化技術や情報通信技術などを活用し、将来の低炭素モビリティー社会実現に向けた実証実験を行っています。
今回、この実証実験の一環として将来の水素社会実現に向け、埼玉県庁敷地内への「ソーラー水素ステーション」の設置と、「大容量の発電機能を持つ燃料電池電気自動車」を活用し、ステーションの技術的課題や実際の都市環境下での運用など、様々な検証を行っていきます。

Hondaはかねてより、化石燃料の代替、排出ガスの削減、地球温暖化への影響の低減という観点から、燃料電池を将来の究極のクリーンパワーととらえ、積極的に開発を行っています。将来の水素社会の実現に向け、走行中にCO2を一切排出しない究極のクリーン性能を持つクルマとして、FCXクラリティを2008年7月より米国で、同年11月より日本でリース販売を行っています。また、水素の製造から、貯蔵、供給までのプロセスにおいてもCO2を排出しないことが重要ととらえ、2010年1月からHondaのアメリカの研究施設において、小型・低騒音・低コスト化を実現した家庭用の次世代ソーラー水素ステーションを設置し、実証実験を行っています。

※一般家庭1世帯で使用する電力を5kWと想定
.......... "

関連
埼玉県 : 次世代パーソナルモビリティの実証実験を年内に開始 埼玉県とHondaが協力して実施-----県政ニュース、平成22年7月20日

ホンダが埼玉県との次世代パーソナルモビリティーによる実証実験計画を公表-----Car@nifty,2010/12/20

追加情報
ホンダ Honda、埼玉県と共同でソーラー水素ステーションと燃料電池車 FCXクラリティの実証を開始-----ソフトエネルギー、2012/04/05

参考
New 2012 Honda FCX Clarity

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2010/12/20

メルセデス・ベンツ、カリフォルニアで初の燃料電池車 B-Class F-CELL を納車。F-CELL Roadster いいね !

 メルセデス・ベンツが、カリフォルニアで初の燃料電池車 B-Class F-CELL を納車したということです。水素補給のインフラ整備も、カリフォルニアを中心に進められています。燃料電池の実証運転の地としての取り組みが本格化しそうです。

Mercedes-Benz USA Delivers First F-CELL Powered B-Class to Californian-----eMercedesBenz,16 December 2010

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-----image : PHOTO GALLERYより

関連
Mercedes-Benz B-Class: First Fuel Cell Electric Car on US Roads

(TheAutoChannel,2010年12月06日)

Mercedes-Benz A-Class and B-Class Deliver Their 2.5 Millionth Vehicle-----eMercedesBenz,24 March 2010

 12月13日に本格的な出荷がアメリカではじめったゼネラルモータースGMの シボレー・ボルト Voltやリーフの話題に続き、メルセデス・ベンツの燃料電池車 B-Class F-CELLまでも路上に登場したアメリカ。車産業の中心としてさまざまな可能性の見本市としての存在感がでてきました。アメリカの次は、日本ではなく、中国となりそうなのが残念ですが、そうした状況も現在の日本の社会や政治的な状況を考えればいたしかたないでしょう。後塵ではなく、じっくりと彼我の研究と行きたいところです。
 さらに、アメリカではかんなニュースが、エネルギー省が1億8400万ドルの先進の車の開発のための資金を確保したということです。省エネ、そして新しい電気自動車関連のインフラや基準や規格作りにおいて世界をリードする以降です。もちろん、国内だけでなく、中国の巨大市場も見据えた動きです。

Secretary Chu Announces up to $184 Million Available for Advanced Vehicle Research and Development-----US DOE,December 16, 2010

参考
Department of Energy - US-China EV Forum -

ホンダ Hondaの太陽光発電と水素製造装置による燃料電池車への水素充填システム-----自然エネルギー、2010/07/27

Mercedes-Benz.tv: F-CELL en Route

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2010/12/14

東京ガス、羽田空港燃料電池バス用の「羽田水素ステーション」を大田区京浜島に設置

 東京ガスは、羽田空港と結び運行される燃料電池リムジンバスの運用実験用に羽田空港近傍の大田区京浜島に「羽田水素ステーション」を設置しました。これは国内初の天然ガススタンド併設型ステーションで、今後のインフラ整備において、設備と施設の運用実施において、この併設型を一つのモデルケースとして課題の克服うために、問題点の洗い出しなどを行うということです。

 燃料電池バスは、リムジンバスの東京空港交通により、羽田空港-西新宿、羽田空港-東京シティエアターミナル(中央区)間で実際に運転されるそうです。車体はトヨタと日野自動車が製作、ベース車両は、日野ブルーリボンシティ(ノンステップ大型路線バス)で、「FCHV-BUS」燃料電池ハイブリッドバスとして乗車し公道で見ることができます。
 また、同様にHySUT水素ハイウェイプロジェクトとして東京・杉並水素ステーションも開所、合わせて運用されるということです。

プレスリリース / 東京ガス、平成22年12月7日
「水素ハイウェイプロジェクト」における「羽田水素ステーション」の開所について

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-----image(左-”羽田水素ステーション”、右-”燃料電池バスが停車中の羽田水素ステーションと京浜島エコ・ステーション”) : 同リリースより

" 国内初の天然ガススタンド併設型水素ステーション
 東京ガス株式会社(社長:岡本毅、以下「東京ガス」)は、羽田空港近傍の大田区京浜島に「羽田水素ステーション」(以下「本ステーション」)を建設し、本年12月15日に開所いたします。
 本ステーションは、経済産業省の「水素利用社会システム構築実証事業」のひとつである「水素ハイウェイプロジェクト※1」において、同事業実施者である水素供給・利用技術研究組合※2(理事長:吉田正寛)からの委託を受けて建設・運用するものです。
 本ステーションは、既存の天然ガススタンドに併設するもので、日本初の天然ガススタンド併設型の水素ステーションになります。本ステーションでは、都市ガスを改質して水素を製造し、その際に発生するCO2の分離・回収を行います。水素ステーションで供給する水素を製造しながら、CO2の分離・回収の実証を行うのは日本で初めてです。
 本ステーションは、本年12月16日から羽田空港(東京都大田区)~新宿駅西口(東京都新宿区)間、羽田空港~東京シティエアターミナル(東京都中央区)間に定期営業運行する燃料電池バスに水素を供給します。
 東京ガスは本ステーションで、事業化段階に近い稼働条件での運転データの収集や、水素ステーション利用者へのアンケート調査などを実施し、水素供給の事業化に向けた課題の抽出と解決を図ってまいります。

本ステーションの特長
1.天然ガススタンド併設型水素ステーション
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2.都市ガスから水素を製造する際に発生するCO2を分離・回収
 水素は使用時にはCO2を排出しませんが、都市ガスから水素を製造する際にはCO2を排出します。本ステーションでは、水素製造時に発生するCO2を分離・回収し、液化する実証を行います。今回の実証では、1時間あたり、一般のご家庭1件が約半月で使用する都市ガスに相当する19Nm3の都市ガスを原料として、燃料電池自動車(乗用車)約1.5台分※4にあたる50Nm3の水素を製造し、あわせて、10kgのCO2を液体で回収します。回収したCO2については、工業用原料として有効利用する方法などを検討します。
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※1 「水素ハイウェイプロジェクト」は、「羽田水素ステーション」、「成田水素ステーション」、「東京・杉並水素ステーション」の3つの水素ステーションを建設・運用し、日本初となる燃料電池自動車の高速道路経由での定期的な運行を行うプロジェクトです。
※2 水素供給・利用技術研究組合は、燃料電池自動車・水素供給インフラ普及に向けた社会実証試験を実行することを目的として2009年7月31日に経済産業大臣の認可を得て設立された法人で、東京ガスを含む13社が参加しています(2010年12月時点)。
※3 「京浜島エコ・ステーション」は東京ガスが大田清掃工場内の土地を東京二十三区清掃一部事務組合から賃借して設置したものです。
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仕様概要
建設・運用 東京ガス株式会社
水素供給方式 都市ガス改質(水蒸気改質 + PSA)
CO2分離回収
圧縮設備 能力 50Nm3/h
圧力 40MPa
蓄ガス設備 内容積 300L×18本
圧力 40MPa
充填圧力 35MPa
主要構成機器 水素製造装置、水素圧縮機、蓄圧器、ディスペンサー、 CO2分離回収装置
所在地 東京都大田区京浜島3-7-1

システムフロー図
2010120701_03
-----image : 同リリースより

水素製造装置:都市ガスの主成分のメタン(CH4)に水(H20)と熱を加え、触媒を用いて水素(H2)、一酸化炭素(C0)、二酸化炭素(C02)に分解します。反応温度は約800℃です。その後、吸着剤を用いて水素以外の不純物ガスを除去し、99.99%の水素を製造します。除去した一酸化炭素などの不純物ガスは、都市ガスとあわせて水素製造時の加熱に利用します。

C02分離回収装置:水素製造装置で除去した不純物ガスから、吸着剤を用いてC02のみを分離し、回収します。回収したC02を運搬しやすくするため、加圧、冷却し、液化炭酸ガスとして容器に詰めます。

水素圧縮機:水素製造装置で製造した水素の圧力を、燃料電池自動車に充填するために必要な圧力まで高めます。
蓄圧器:圧力を高めた水素を貯めておきます。
ディスペンサー:水素を燃料電池自動車の燃料タンクに充填します。
......... "

関連
東京空港交通 : 羽田国際線ターミナル情報

トヨタ、日野、東京都心~羽田空港間での燃料電池ハイブリッドバスの営業運行に車両提供-----日野自動車、2010年12月07日

".....トヨタと日野が、燃料電池ハイブリッドバス「FCHV-BUS」をリムジンバス仕様に改造しHySUTに貸与、東京空港交通が運行を行なう形態をとる。東京空港交通は、営業路線である新宿駅西口~羽田空港間および東京シティエアターミナル~羽田空港間で12月16日からそれぞれ1往復/日、高速道路経由での営業運行を実施する。
..........
トヨタと日野は、燃料電池ハイブリッドバスの実用化に向け、走行実態から取得したデータを検証し、着実に研究開発を進めていく。なお、水素の充填は、12月15日より稼動する東京・杉並水素ステーションならびに羽田水素ステーションの二ヶ所を使用する。


燃料電池ハイブリッドバス「FCHV-BUS」の営業運行計画と車両概要は、以下のとおり。

【「FCHV-BUS」の営業運行計画】
・運行開始日  2010年12月16日(木)
・運行会社   東京空港交通
・運行路線   羽田空港線(東京空港交通営業路線)
午前:新宿駅西口⇔羽田空港
午後:東京シティエアターミナル⇔羽田空港
・使用台数   1台(別に予備車両1台)
・運行ダイヤ  次表のとおり
.......... "

トヨタ、日野、東京都心~羽田空港間での燃料電池ハイブリッドバスの営業運行に車両提供-----トヨタ自動車、2010/12/07

「HySUT水素ハイウェイプロジェクト」における「東京・杉並水素ステーション」が開所-----JX日鉱日石エネルギー、2010年12月 7日
20101207_01_01_0950121
-----image(”東京・杉並水素ステーションのイメージ図”) : 上記リリースより

水素供給・利用技術研究組合(HySUT) / 2010.12.07 水素ハイウェイプロジェクトに関しプレスリリースしました。(PDF/540KB)
- HySUT : FCVと水素ステーションの普及に向けたシナリオ(FCCJ作成)

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2010/11/10

都市大学、水素ハイブリッドトラックの開発に成功

 東京都市大学(旧武蔵工業大学)は、日野自動車のハイブリットディーゼルトラック、デュトロをベースに水素燃料エンジンを搭載した水素ハイブリットトラックの開発に成功したということです。これにより、水素エンジンとモーターを動力源とし、日野自動車のディーゼルエンジンとモーターの既存車と同等の性能を水素により可能としたことで、将来の水素燃料の具体的な用途、技術開発に道を開きました。

 東京都市大学(旧武蔵工業大学)は、30年以上にわたり水素燃料エンジンを搭載した自動車の研究を行い、低速トルクを向上させるとともに、点火システムの変更により高回転時 の出力向上と耐久性の確保を実現、宅配便や資源回収車等の幅広い用途に使用可能ということです。

東京都市大学 水素ハイブリッドトラックの開発に成功! 【2010 年11月】

(gotoikuei,2010年11月05日)

プレスリリース / 東京都市大学(五島育英会)、10.11.6
東京都市大学 水素ハイブリッドトラックの開発に成功!

201011021023201011021024
-----image(左-”[ベース車]日野自動車製小型ハイブリッドトラック「デュトロ」”、右-”水素ハイブリッドトラック完成デザイン図” ) : 同リリースより

" 水素エンジンとモーターを動力源とする“水素ハイブリッドトラック” YouTubeで動画配信も開始
東京都市大学(旧:武蔵工業大学 東京都世田谷区 学長:中村英夫)では、30年以上にわたり水素燃料エンジンを搭載した自動車の研究を行ってきましたが、今回、新たに本学総合研究所所属 伊東明美准教授を中心に、日野自動車株式会社の協力のもと、既存のハイブリットディーゼルトラックをベースに、水素燃料エンジンを搭載した水素ハイブリットトラックの開発に成功いたしました。

水素燃料エンジンは、水以外の排出物を出さない環境に優しい技術として、化石燃料を使用するエンジンに代わり、トラックやバスなどの商用車での実用化が期待できる代替機関として注目されています。本学では、2009年4月に水素燃料エンジン搭載バスを開発、国内初の公道走行を実現しており、このバスによる実証試験等により明らかになった分析結果や課題を活かし、新たに水素エンジンとモーターを動力源とする水素ハイブリッドトラックの開発を行ってきました。

今回、開発いたしました水素ハイブリットトラックは、日野自動車株式会社の日野デュトロ ハイブリッド(排気量:4,009cc)をベース車両とし、ハイブリッドシステムを採用することにより低速トルクを向上させるとともに、点火システムの変更により高回転時の出力向上と耐久性の確保を実現しました。同トラックは、ディーゼルエンジンを搭載するトラックと同等の動力性能を有し、宅配便や資源回収車等の幅広い用途に使用可能です。
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2010年11月4日(木)に東京都市大学世田谷キャンパスにおいて、水素ハイブリッドトラックの完成を報道関係の皆様に披露いたしました。
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東京都市大学 水素ハイブリッドトラック 仕様概要

■サ イ ズ:全長6290mm、全幅2195mm、全高2920mm
■排 気 量:4,009cc
■最大出力:93kW@2500rpm(126PS)
■最大トルク:320Nm@2200rpm
■圧 縮 比: 12:1
■車両重量:3640kg(積載重量:2000kg、車両総重量:5750kg)
■エンジン:ハイブリッドシステム搭載直列4気筒水素エンジン
■ベース車両:日野自動車製小型ハイブリッドトラック「デュトロ」
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【水素燃料エンジンバスからの改良点】
・低速トルク不足をハイブリッドシステムにより解消
 トルク不足が感じられた低速域をモーターによりアシストすることで、力強い加速を実現。モーターに使用する電気は、ブレーキ時のエネルギー回生によりバッテリーに蓄積。
・点火システムの変更により高回転時の出力向上と耐久性確保を同時に達成
 従来のトランジスタ式点火方式+対策ケーブルに変わりCDI方式を採用することで、バックファイヤを抑制し、高回転時の出力をより向上させることに成功。さらに耐久性が課題で あった対策ケーブルが不要になり、点火系の耐久性を大幅に向上。
.......... "

関連
水素ハイブリッドトラックの開発に成功、プレス発表会を開催しました-----東京都市大学、2010/11/09

日野自動車 : 日野デュトロ / ハイブリッド デュトロ

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2010/09/16

英Intelligent Energy リリース:ロータス Lotus の燃料電池タクシー Fuel Cell Taxi 、2012年のオリンピックに向けて開発中

 イギリスの英Intelligent Energy リリース社が、同社のエネルギーユニットを搭載したロータス Lotus の燃料電池タクシー Fuel Cell Taxi がお披露目されたことを伝えるニュースを見つけました。、2012年のオリンピックに向けて開発中で、リリースによれば、7月にロンドンで公開され伝統の黒塗りのタクシー London black cab の変わらぬカラーとボディイメージのデザインと先進のゼロエミッションカーとしての性能を披露したということです。
 最高時速は、時速128km。5分で水素の補給が可能で、巡航距離は400km。燃料電池で水素から電気を作り、バッテリーにより前後2個のモーターにより駆動。モーターのスペックは公開されていないようなのだが、車重は2.6トンということなので、かなりの容量と予想されます。ユニークなのは、バッテリーと水素タンクのそれぞれの残量計が当然のごとく装備されている点です。水素タンクは前のボンネット部分にあるということです。バッテリーは、車体半ばにおかれていて、ミッドシップの車のような走行安定性を確保しているようです。
 2012年のロンドンオリンピックまでに、タクシーに加え、バスなどにも燃料電池車の導入を決めている。さらに、電気自動車の導入も進め新しいロンドンの交通網における自動車の利用の姿を世界に提案することを狙っているようです。

プレスリリース / Intelligent Energy,7th June, 2010
Zero Emissions Fuel Cell Hybrid taxi unveiled at London's City Hall

Zeroemissionscab_web
-----image : 同リリースより

" Black cabs go green; vehicles being readied for 2012
City Hall, London, UK, 7th June, 2010
Intelligent Energy, Lotus Engineering, LTI Vehicles and TRW Conekt, with funding from the UK Government’s Technology Strategy Board, today unveiled a full performance, zero-emissions Fuel Cell Hybrid London taxi.

While the taxi looks and drives like an iconic London black cab, the Fuel Cell Black Cab is powered by an Intelligent Energy hydrogen fuel cell system hybridised with lithium polymer batteries; allowing the vehicle to operate for a full day without the need for refuelling. Capable of achieving a top speed of over 80 mph, it has a range of more than 250 miles on a full tank of hydrogen, refuels in about 5 minutes and produces no emissions other than water vapour.
.......... "

関連
Lotus fuel cell taxi prototype demonstration

(v,2010年08月06日)

Lotus : Intelligent Energy / Fuel Cell Taxi

London.gov.uk : London Hydrogen Partnership-----London’s ‘hydrogen network’ plans unveiled 26 MARCH 2010

Lotus builds hydrogen fuel cell taxi for London 2012-----BBC News,3 August 2010

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2010/03/17

産総研、セシウムで表面処理した高性能光触媒を開発。太陽光を用いた新しい水素製造システムの実現に向けて一歩

 産業技術総合研究所(産総研)は、セシウムで表面処理した高性能光触媒を開発し、太陽光を用いた新しい水素製造システムの実現に近づきあるとし、その成果を発表しました。
 水素の製造といえば、しくみてきには水の電気分解やそれに類似した過程を経るもの、まく面を利用するものなどが考えられます。今回の産総研が開発したしくみは、セシウム Cs処理した新しい触媒により光触媒の能力を従来の10倍以上に向上させたということです。これにより、太陽光を利用し光触媒により水分解の電解電圧をほぼ半減でき、水素製造の低コスト化が可能となる技術の確立に一歩近づいたということです。
 将来の水素製造プラントの模型の写真が公開され、その姿をイメージできる点も今回の発表で興味深い点です。

プレスリリース / 産業技術総合研究所、2010年3月11日
セシウムで表面処理した高性能光触媒を開発

Photo1
-----image(”写真1 今回開発した高性能光触媒(左上)と光触媒―電解ハイブリッドシステムの全体模型 太陽エネルギー変換する光触媒反応を利用して水分解水素製造の電解電圧を低減する。”) : 同リリースより

" 太陽光を用いた新しい水素製造システムの実現に近づく
・セシウムによる表面処理で酸化タングステン光触媒の反応活性が大幅に向上
・可視光に対する量子収率は従来報告値の約50倍
・光触媒の効果により水分解の電解電圧をほぼ半減でき、水素製造の低コスト化が可能

概要
 .....太陽光エネルギー変換グループ 佐山 和弘 研究グループ長、三石 雄悟 研究員らは、従来に比較して飛躍的に高い可視光量子収率を示す酸化タングステン(WO3)光触媒(写真1の左上)を開発した。この触媒を用いた光触媒―電解ハイブリッドシステム(写真1)は太陽光を有効利用する水素製造システムであり、水を酸化して鉄3価イオン(Fe3+)を鉄2価イオン(Fe2+)に還元しながら酸素を生成する光触媒と、Fe2+をFe3+に再酸化しながら水を還元して水素を生成する低電圧電気分解を組み合わせた産総研の独自開発システムである。

 この光触媒の高効率化は、WO3光触媒を、セシウム(Cs)で表面処理する手法を開発したことにより実現した。Cs処理した新しい触媒の活性は未処理触媒に比べて10倍以上に向上した。可視光量子収率は波長420 nmで19 %であり、これまでに報告された値(0.4 %)※と比較して約50倍である。太陽エネルギーを用いることで水分解の電解電圧はほぼ半減するので、低コストの水素製造が期待できる。

 この技術の詳細は、2010年3月19日に東海大学で開催される第57回応用物理学関係連合講演会エネルギー環境研究会企画シンポジウムで発表される。
..........
研究の経緯
 産総研では、これまでの光触媒水素製造の欠点を克服できる光触媒―電解ハイブリッドシステムを考案し、研究を進めてきた(図1と図2)。このシステムでは、光触媒の効率向上の可能性だけでなく、純粋な水素が製造でき、水素捕集のための大面積透明フードが不要という利点がある。通常の水の電解水素製造と比較しても電解電圧の低下による低コスト水素製造が期待できる。つまり、従来の光触媒法と通常の電解法の両方の長所を活かした技術と言える。酸化還元反応に用いるレドックス媒体にはいくつかの候補があるが、Fe2+イオンからの低電圧水素製造は既にその技術が確立していることを考慮すると、鉄レドックス媒体(Fe2+とFe3+イオン対)の利用が現状では最も現実的である。以上より、本ハイブリッドシステム実現の残された重要課題は、水から酸素を発生させながらレドックス媒体の還元(Fe3+からFe2+へ)を行う高性能な光触媒の開発であった。

Fig1

-----image(”図1 光触媒-電解ハイブリッドシステムの仕組み”) : 同リリースより

Fig2

-----image(”図2 さまざまな水分解水素製造の反応機構のポテンシャル図
(a)光触媒による水分解 (b) 本発表の光触媒-電解ハイブリッドシステム (c)通常の水の電気分解。大きな電圧が必要”) : 同リリースより

研究の内容
.......... "

関連
以下のことは知っておいたほうがよさそうだ、、、、

Wikipedia : セシウム

" 人工的に作られる(ウランの核分裂により生ずる)セシウム137は、半減期30.07年の放射性元素である。医療用の放射線源に使われるが、体内に入るとカリウムと置き換わるため大変危険である。 "

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