2015/01/07

国は、夏までに自民党政権としてのエネルギー政策(エネルギーミックス)を明らかにする方針

"..今回の議論で、経済産業省は、太陽光など再生可能エネルギーの割合を増やした場合、コストの高さに伴って、どれぐらい国民負担が増えるのかも検証するとしています.."

 新春早々の報道によれば、政府は自民党政権としての具体的なエネルギー政策に関する議論を進め、夏ごろまでには焦点となる原発の割合などのエネルギーミックスを決める方針とのことです。具体的には、総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会の下に、長期エネルギー需給見通し小委員会を設置するとのことです。
 前政権が、閣議決定こそ見送ったものの、原発ゼロを目指すエネルギー政策を発表していることもあり、議論の内容はもちろん、議論のあり方についてどのような、透明性や公開性が確保され、配慮されるのかについても注目されるところです。

 また、各電源のコストについても、同小委員会の下に発電コスト検証ワーキンググループを設置し、過去の検証結果も踏まえつつ、最新のデータ等を反映し、改めて試算を行うとしています。


プレスリリース / 経済産業省、平成26年12月26日
エネルギーミックスを検討するため「長期エネルギー需給見通し小委員会」を設置します

"本件の概要
経済産業省は、本年4月に閣議決定された「第4次エネルギー基本計画」の方針に基づき、長期的なエネルギー需給の見通しについて検討を行うため、「長期エネルギー需給見通し小委員会」を設置します。
また、発電コストの試算を行うため、「発電コスト検証ワーキンググループ」を本小委員会の下に設置します。

1.趣旨

本年4月11日、第4次エネルギー基本計画を閣議決定しました。
このエネルギー基本計画に記載された方針に基づき、現実的かつバランスの取れたエネルギー需給構造の将来像について検討するため、新たに、総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会の下に、長期エネルギー需給見通し小委員会を設置します。
また、電源毎の発電コストについて、本小委員会の下に発電コスト検証ワーキンググループを設置し、過去の検証結果も踏まえつつ、最新のデータ等を反映し、改めて試算を行います。

2.委員・スケジュール

委員名簿については、別紙をご覧下さい。
今後のスケジュールについては、確定次第随時当省HPにてお知らせする予定です。
.......... "


 

関連
エネルギーミックス 原発の割合焦点に-----NHK、1月3日

追加情報
国は、エネルギーミックスの議論を開始。#meti #電源構成 #エネルギー政策-----ソフトエネルギー、2015/02/19


おすすめエントリー
資料2014 「未利用材の供給不足が懸念される木質バイオマス発電」 農林中金総合研究所-----自然エネルギー、2015/01/08

再生可能エネルギー技術入門講座(資源エネルギー庁関連 E-ラーニング)が始まりました-----ソフトエネルギー、2015/01/06
 

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2012/12/07

GSユアサと三菱商事、チリのコクラン石炭火力発電所向けに大規模リチウムイオン電池システムを納入

 GSユアサと三菱商事は、チリの約50万kWのコクラン石炭火力発電所向けに、最大出力20MWの容量約6.3MWhの大規模リチウムイオン電池システムを納入すると発表しました。リチウムイオン電池は、GSユアサ及び三菱商事の出資先であるリチウムエナジー ジャパンが製造し、最終的に40ftコンテナ10本に組み込まれた形で、発電所の隣接地に設置されることになるそうです。
 チリでの一部地域では発電事業者は発電能力の一定量を運転予備用として温存することが義務づけられているということで、今回の案件は、海外における商業ベースで最大級の蓄電システムに日本製のリチウムイオン電池が採用された初めての案件となったということです。

プレスリリース / 三菱商事、2012年12月5日
大規模リチウムイオン電池システムをチリ国に納入

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-----image(”上-システム外観イメージ(隣接地アンガモス発電所) 、下-プロジェクト立地”) : 同リリースより-----
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"株式会社 GSユアサ(略)、三菱商事株式会社(略)は、チリ国※1「コクラン石炭火力発電所」向けに、最大出力20MWの※2運転予備用リチウムイオン電池約6.3MWhを納入いたします。


 リチウムイオン蓄電システムは、同発電所の蓄電システム一式を請け負う米国パーカー・ハネフィン・コーポレーション(社長:Donald E. Washkewicz、本社:米国オハイオ州クリーブランド。以下、パーカー社)より三菱商事が受注し、機器製作をGSユアサが行います。リチウムイオン電池は、GSユアサ及び三菱商事の出資先である株式会社 リチウムエナジー ジャパン(略)が製造、パーカー社Grid Tie Division(米国ノースカロライナ州シャーロット)がトータルリチウムイオン蓄電システムを構築致します。最終的に40ftコンテナ10本に組み込まれた形で、発電所の隣接地に設置されることとなります。


※1チリ国第二位の発電事業者であるAESヘネル社(社長:Luis Felipe Ceron C., 本社:チリ国サンチャゴ市)と三菱商事が同国北部第Ⅱ州メヒジョネス郊外に建設を予定する発電容量net 47.2万kW / gross 53.2万kWの発電所

※2 運転予備(Spinning Reserve) チリでの一部地域では発電事業者は発電能力の一定量を運転予備用として温存することが義務づけられている。


 本件は、海外における商業ベースで最大級の蓄電システムに日本製のリチウムイオン電池が採用された初めての案件です。本件のような発電所の予備電力、あるいは再生可能エネルギーの増加に伴う電力系統の安定化対策として、大型リチウムイオン電池が担う役割は今後さらに大きくなるものと期待されております。GSユアサの長年のリチウムイオン電池開発の経験に基づく技術力、三菱商事の再生可能エネルギー含めた発電事業ノウハウを融合させながら、世界的なクリーンエネルギーへのシフトを支えて参ります。
.......... "

関連
GSユアサ : News / 2012/12/05 大規模リチウムイオン蓄電システムをチリ国に納入(PDF)
Gsyuasa_
-----image(”産業用リチウムイオン電池モジュール「LIM50E」シリーズ”) : 上記リリースより
- 産業用リチウムイオン電池LIMシリーズ / LIM50E
Main_lim50
-----image : 上記サイトより

リチウムエナジー ジャパン


おすすめエントリー
週刊GreenPost 51号 しなやかな技術研究会 2012/12/3-7日版

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2012/03/05

今日の図版:エネルギー需給構造の国際比較 / Twitterから

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2011/12/26

川崎重工、炭坑通気メタン(VAM)焚きガスタービン発電装置を開発。未利用の低濃度メタンガス利用は世界初!

 世界中の炭鉱で石炭採掘時に湧出する希薄な炭坑通気メタンは、利用するすべもないまま、これまでは空気中に排出されてきたということです。今回、川崎重工は世界で始めて、メタン含有量が1%未満と希薄な炭坑通気メタン(VAM:Ventilation Air Methane)と30%未満の炭鉱メタン(CMM:Coal Mine Mewthane)の両方を処理しつつ発電する、炭坑通気メタン(VAM)焚きガスタービン発電装置を開発したということです。

 濃度30%以上の炭鉱メタン(CMM:Coal Mine Mewthane)は、これまでも発電に利用されてきましたが、今回の低濃度メタンガス利用発電により、二酸化炭素(CO2)の約21もの温暖化効果をもつといわれている温暖化効果ガスであるメタンの放出を画期的におさえる技術として期待されるものです。今後、信頼性や耐久性等を確認した後に商品化、VAM放出量が多い中国やオーストラリア等の炭鉱や、低濃度メタンガスの放出量が多い米国等のごみ埋め立て地などに向けて販売する計画だということです。(2t)

プレスリリース / 川崎重工、2011年12月21日
世界初、「炭坑通気メタン(VAM)焚きガスタービン発電装置」を開発

C31112211
-----image : 同リリースより

" 川崎重工は、石炭採掘時に湧出する希薄な炭坑通気メタン(VAM:Ventilation Air Methane)(*1)を燃料として活用し処理する、「炭坑通気メタン(VAM)焚きガスタービン発電装置」を世界で初めて開発しました。本装置は、世界の炭鉱から空気中に大量に放出されている未利用の低濃度メタンガスの大量処理による温室効果ガスの削減と発電による有効活用を目指し、商品化を進めているものです。
 石炭層中には、石炭の生成過程で生じたメタンガスが含有されており、石炭採掘時に湧出します。湧出したメタンガスのうちメタン含有量が30%以上の炭鉱メタン(CMM:Coal Mine Methane)(*2)は発電等に利用されていますが、メタン含有量が1~30%のCMMとメタン含有量が1%未満と希薄なVAMは、現状では利用方法がないため大気中に放出されています。
 メタンガスは京都議定書で定義されている温室効果ガスの一つで、その温室効果は二酸化炭素(CO2)の約21倍であるため、採炭過程において排出されるメタンガスの60~80%を占めるVAMを大気中に放出することは、エネルギーを無駄にするだけでなく地球温暖化の一因にもなっています。
当社が開発した「VAM焚きガスタービン発電装置」は、大気中に放出されているVAMに少量のメタン含有量1~30%の CMMを加えた低濃度メタン・空気混合気を燃料として触媒燃焼器で燃焼させて発電することができます。また、発電装置の排熱を利用してVAMを酸化処理するVAM浄化装置を組み合わせることで、更なる温室効果ガスの排出低減が可能です。
 本発電装置および浄化装置には、クリーンで環境にやさしい触媒燃焼を採用しています。触媒燃焼は通常の燃焼方法では燃焼させることができない低濃度のメタンガスを燃焼させることができ、燃焼温度が低いため酸性雨の原因となる窒素酸化物(NOx)を全く発生しません。
 今後当社は、今回開発した「VAM焚きガスタービン発電装置」の信頼性や耐久性等を確認した後に商品化し、VAM放出量が多い中国やオーストラリア等の炭鉱や、低濃度メタンガスの放出量が多い米国等のごみ埋め立て地などに向けて販売する計画です。
 当社は大気中に放出されている低濃度メタンガス(温室効果ガス)の処理と発電への利用を通じて地球温暖化防止を進め、地球環境の未来に貢献していきます。

Kawasakihiair_methane_ge
-----image : 添付書類「主要目など(PDF:157.0KB)」より-----
Kawasakihiair_methane_ge2
.......... "

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2011/05/19

イベント 6/4 脱原発・エネルギーシフトをめざす6・4シンポジウム

追加情報

【活動報告】Ustreamで見る‘6・4シンポジウム’ 『これからの「未来」の話をしよう!自然エネルギー主流のエネルギー政策は可能だ!』-----eシフト 、2011/6/6(記録動画を見ることができます!)

 この注目のイベントは、Ustreamで配信されます。
・Ustream : e-shift: 『eシフト』(脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会)のイベントなどを中継します。http://e-shift.org/ eシフトは2011年3月11日の福島第一原発事故を契機に、脱原発と自然エネルギーを中心とした持続可能なエネルギー政策を実現させることを決意した、団体... http://bit.ly/mECznq

・Twitter eshift : 【ご報告】シンポジウムへの事前申込は満員につき本日16時をもって締め切らせて頂きました。事前申込へのご協力ありがとうございます。当日の模様は中継されますので、ご来場出来ない方はこちらでご覧下さい! http://bit.ly/jCJf9W #eshift


-----イベント案内より-----(要事前申込)

110604eshiftevent
-----image : 同イベントフライヤー

" 【シンポジウム】これからの「未来」の話をしよう!自然エネルギー主流のエネルギー政策は可能だ!

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脱原発・エネルギーシフトをめざす6・4シンポジウム
これからの「未来」の話をしよう!
自然エネルギー主流のエネルギー政策は可能だ!
 >チラシはこちら
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「あんなにたくさんの人がタイヘンだったのに
 どうしてゲンパツをとめられなかったの?」

もしも、“未来”を生きる子供たちにこんな言葉で問われたら、
“今”を生きる私たちは、どうやって弁明するのだろう。
そもそも、「弁明すること」を考えること自体、
本当にいま、私たちがやるべきことなのだろうか。
“未来を生きる人たち”のために、
“今を生きる私たち”がやるべきことは?
「ゲンパツ当たり前」から「自然エネルギー当り前」へ。
自然エネルギー主流としたエネルギー政策を実現するための
ファーストステップ!「6・4シンポジウム」から始まります!
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

【日時】
2011年6月4日(土) 12:00 開場/12:30 開会/20:00 閉会(予定)

【会場】
国立オリンピック記念青少年総合センター
カルチャー棟 大ホール(小田急線参宮橋駅より徒歩7分)
地図 http://nyc.niye.go.jp/facilities/d7.html

【参加費】
1,000円(資料代)

【プログラム】
本シンポジウムでは、自然エネルギーを主流化するための政策を
提案し、議論するための5つのセッションをお届けします。

●セッション1 「福島現地からの訴え」
 コーディネーター:満田夏花 (FoE Japan)
 福島現地の皆さんの報告。いま何が起こっているのかを聞きましょう。

●セッション2 「私たちのエネシフト宣言」
コーディネーター:
 マエキタ ミヤコ 氏(クリエイティブディレクター/サステナ代表)

 国会議員、経済界、自治体など各界からのエネルギー政策転換の提案。
 これまでの原発推進一辺倒から変化が。

●セッション3 「私たちはエネシフト実現にむけて何ができるか」
 孫 正義氏、緊急アピール!(ビデオレター)
 コーディネーター:飯田 哲也(環境エネルギー政策研究所)
 パネリスト:宮台 真司(首都大学東京教授)
 平田 仁子(気候ネットワーク) ほか

 ゲンパツのない社会のリアリティ。
 「自然エネルギー」と「選べる電気」の時代を用意してきた
 キーパーソンが確かな解決策を提案します。

●エネシフ・ミニコンサート
 生田卍&So-So、AQUA

●セッション4 「エネシフ・素朴な疑問大会」
 コーディネーター:おしどり マコ・ケン
 コメンテーター:崎山 比佐子
          飯田 哲也 ほか
 いま抱いている疑問を、思い切りぶつける時間。
 放射線のこと、電気のこと、自然エネルギーのこと。
 コメンテーターがバッチリ答えます。

●セッション5 「未来にむけての話をしよう」
 コーディネーター:小野寺 愛(ピースボート子どもの家代表)
 パネリスト:土谷 和之(A SEED JAPAN エコ貯金プロジェクト)
 羽仁 カンタ(FLAT SPACE代表/エネルギーシフトパレード呼びかけ人)
 林 良樹(安房マネー)

 次の時代を担う代表たちのセッション。
 どんな時代をつくるのかを考えます。
 会場からの意見も募集します!

●エンディング IZANAI踊り

【主催】
 A SEED JAPAN、FoE Japan、環境エネルギー政策研究所、気候ネットワーク、原水爆禁止日本国民会議、全国労働安全衛生センター連絡会議、ふぇみん婦人民主クラブ、水源連、大地を守る会、「環境・持続社会」研究センター(JACSES)、脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会(略称:eシフト)

*eシフトとは:2011年3月11日の福島第一原発事故を契機に、脱原発と自然エネルギーを中心とした持続可能なエネルギー政策を実現させることを決意した、環境NGOなどの団体・個人の集まりです。

【申込み】
 会場の関係で事前登録をお願いします。
 こちらからご登録ください。(パソコンからを推奨)
http://tinyurl.com/42jwd8c
【募集中】
 セッション4への素朴な疑問、セッション5へのあなたの提案も、あわせて募集しています。
E-mail:略
【問合せ】国際環境NGO FoE Japan内(担当:吉田)
Tel:略
URL:
.......... "

関連
http://e-shift.org - eシフト: 脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会

・Twitter : eshift

 詳細、お問い合わせは、イベント案内をご覧ください。

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2010/11/16

大いなる転換点(脱炭素社会へ) / クリッピング Our World 2.0

 昨日は、立て続けにピークオイルに関するつぶやきを連発しました。それも、この記事を紹介するために情報を一巡するためでした。

 

”21世紀を定義する言葉があるとすれば、「石油の終焉」だろう。
If there is one thing that defines the 21st century, it is the end of oil. ”

 石油の終焉が意味しているものは、需要>供給ということだけでなく。”利用可能”な量がピークを打ったということだ。安く便利な石油に依存し、多くを得た、または得つつある人類にとって、これは本当に大きな転換点です。

大いなる転換点(脱炭素社会へ)-----Our World 2.0,2010年10月20日-----( E )

Ourworld20site
-----image : 上記サイト

 Our World 2.0は、国際連合大学提供のウェッブマガジンで質の高い内容を伝えてくれます。今回の石油、石炭、天然ガス、原子力すらも埋め合わせを行うことはできないという見方を完全に化石燃料に依存して生きている私たちは、どのように受け止めるべきか?

 これは、問いで始まり。生涯、問い続ける必要のある大きなテーマに私たちが直面したということなのです。この記事、必読です。

 そして、私は、私たちは石油の終焉後の世界へと、その問いかけのエネルギーを向けなおす時を迎えたのです。

参考
“石油ピーク”は2006年に過ぎた?-----ナショナルジオグラフィック ニュース,November 10, 2010

・Twilog : greenpost(@greenpost)/「#peakoil」の検索結果

Wikipedia : 石油ピーク

広島大学 地球資源論研究室 : ピーク・オイル

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2009/07/16

イギリス、温暖化効果ガス削減中期2020年目標1990年比34%を明記し、再生可能エネルギーの推進など、意欲的な低炭素経済への包括的改革案を発表

 イギリス政府は、7月15日にThe UK Low Carbon Transition Planという分厚い低炭素経済社会へと移行させるための、包括的なプランを発表しました。
 2020年までの温暖化効果ガスの削減目標としては、1990年比34%削減を確認する形で明記、さらに産業、家庭、運輸などの総合的な低炭素経済社会への移行をつづったものとなっています。
 原子力は、安全と経済性の確保ができればという条件で、また再生可能エネルギーにも予算を割き積極的に取り組むことが書かれています。2020年までに電力、暖房、運輸の部門で15%の再生可能エネルギーへの移行を目標としてかかげています。電力部門では、約40%が2020年に再生可能エネルギー、原子力、クリーンコール(石炭)となる見当のようです。

 イギリスが出してきたプランは、COP15を意識して、国民と世界にエネルギーと気候変動問題への取り組みをより具体的に提示する内容となっています。あまりにも膨大な量の情報なので、ざっとみただけですが、省庁横断的に、さらに2020年の暮らしというものがより具体的にイメージできる内容となっています。投資額の見積もでていますから、より具体的にみることができました。

プレスリリース / Department of Energy and Climate Change (DECC),15 July 09
Ed Miliband announces the UK Low Carbon Transition Plan, 15 July 2009.

(energyclimatechange,2009年07月14日)

UK at forefront of a low carbon economic revolution

" A comprehensive plan to move the UK onto a permanent low carbon footing and to maximise economic opportunities, growth and jobs was published by the Government today.

The UK Low Carbon Transition Plan plots out how the UK will meet the cut in emissions set out in the budget of 34% on 1990 levels by 2020. A 21% reduction has already been delivered ? equivalent to cutting emissions entirely from four cities the size of London.
..........
Also published today are the Renewable Energy Strategy which maps out how we will deliver the UK’s target of getting 15% of all energy (electricity, heat and transport) from renewables by 2020, and the Government’s Low Carbon Transport Plan which sets out how to reduce carbon emissions from domestic transport by up to 14% over the next decade.

Energy and Climate Change Secretary Ed Miliband said:

“The UK was the first country in the world to legislate for carbon budgets. It was a dramatic change in approach. This is a transition plan for Britain, a route-map to 2020, with carbon savings expected across every sector and a carbon budget assigned to every government department alongside its financial budget.

“Renewables, nuclear and clean fossil fuels are the trinity of low carbon and the future of energy in Britain. Under our plans we will get 40% of our electricity from low carbon energy by 2020 and more in the years afterwards.
.......... "

関連
Uktransitionplan2009-----image : The UK Low Carbon Transition Plan(228頁におよぶ低炭素経済への移行プラン!)カバー画像
The UK Low Carbon Transition Plan-----Department of Energy and Climate Change (DECC),15 July 09

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2009/04/28

オバマ大統領がアースデイで、風力と潮流発電などの海上での開発促進を表明 Make Every Day Earth Day

 オバマ大統領のアースデイでのスピーチは、再生可能エネルギー重視の姿勢をより鮮明に印象づける内容になりました。海上での風力や潮流発電などに具体的に触れています。アメリカエネルギー省のアースデイのサイトには、Make Every Day Earth Day、毎日がアースデイという標語とともに、これからアメリカがエネルギーの分野で選び、描こうとしている社会が描かれていました。

Seeing Green in Iowa

(whitehouse,2009年04月24日、38分)

" The President visits Trinity Structural Towers, the former Maytag plant which now houses a green manufacturing facility that produces towers for wind energy production, in Newton. Iowa, a leader in wind energy, is a perfect example of how a community can rebuild a local economy with investments in clean energy and efficiency. Trinity employs dozens of former Maytag employees and is part of the revitalization of a town hard hit by the closing of the Maytag plant. President Obama gives remarks discussing components of his comprehensive energy plan, which include promoting clean energy innovation to help end our dependence on foreign oil, creating millions of new jobs, and preventing the worst consequences of climate change.
(public domain) "

関連
米、沿岸で風力発電推進 大統領「環境と景気回復両立」-----NIKKEI NET,2009/4/23

" .....沿岸部の「連邦大陸棚」と呼ばれる海上での風力や波力、潮力による発電プロジェクトを推進する考えを表明..... "

Obama Talks Up Wind Power on Earth Day

(AssociatedPress,2009年04月22日)

・YouTube : Obama touts green jobs on Earth Day-----ReutersVideo,2009年04月22日

'Green jobs' at heart of Obama's Earth Day push on energy-----NewYork Times,April 22, 2009

コメント続き
 U.S. Department Energy Make Every Day Earth Day
Doeearhtdayp1
-----image : www.energy.govよりキャプチャー画像1page目

 トップページからのリンクをたどると、アメリカのエネルギーの施策に関する興味深いリンクの一覧がができあがりました。

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2008/07/07

WWFがG8参加各国の気候変動対策通信簿を発表。日本は5位で及第

 WWFがG8参加各国の地球温暖化対策の評価した成績表「G8気候変動対策スコアカード 2008」版を発表しました。3ランクの格付けで、日本は、イギリス、フランス、ドイツ、イタリアに次ぐ5位で「努力が必要」ランクでした。以下、落第はロシア、カナダ、アメリカの順。合格した国はありませんでした。

活動情報 / WWF(J),2008年7月4日
G8関連情報:G8各国は不合格?温暖化対策の「成績表」-----WWF News & Facts : G8 nations lagging in climate change race

"  G8洞爺湖サミットに向け、WWFと国際的な金融サービスグループのアリアンツは、G8各国の地球温暖化対策の評価した成績表「G8気候変動対策スコアカード 2008」の最新版を発表。世界をリードするG8各国の取り組みが、現状では全く不十分であることを明らかにしました。WWFは、サミットの首脳会議において、各国が拘束力のある大幅な排出量削減目標をかかげ、実施を約束するよう求めています。
......独立系コンサルタント会社エコフィスに調査を委託し、作成したもので、G8各国の温室効果ガス排出の推移や京都議定書の目標達成状況など、9つの定量的な指標を基に、順位付けをしたものです。
  また、エネルギー効率、再生可能エネルギー、炭素取引市場の進展という3つの個別政策分野に関しても、各国の現状を評価.....
各国はいずれも、温暖化による地球規模の異変を回避するのに必要とされる、「産業革命前と比べて気温の上昇を2度未満に抑える」という目標のゴールはもとより、京都議定書で掲げた二酸化炭素など温室効果ガスの排出削減目標を達成することも難しい状況にあります。
  日本の順位は5位

20080704b

-----image : 同発表より

...........
G8気候変動対策スコアカード 2008
  PDF形式    ▼全文(英語:1.6MB)    ▼要約版(日本語:476KB)

共同記者発表資料
2008年7月3日 G8諸国の気候変動対策に遅れ "

コメント
 ”成績表”では日本は、過去の省エネなどの取り組みでは評価が高いが原子力偏重、再生可能エネルギーの軽視などで評価を下げている。過去の政策では評価を受けるが、気候変動対策、政策的には、低い評価となってしまっている。

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2008/06/03

「平成19年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書)」について / プレスリリース 経済産業省

" 本件の概要 エネルギー政策基本法(平成14年法律第71号)第11条の規定に基づくエネルギーの需給に関して講じた施策の概況に関する年次報告が、5月25日に閣議決定・国会報告されたことを踏まえ、その内容を公表致します。 .......... 発表資料名 「平成19年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書)」について (概要)平成19年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書)   "
-----経済産業省、2008年5月27日
" エネルギー白書 2008(PDF)
概要(1393KB)
  目次(78KB)
第1部 エネルギーを巡る課題と対応
第1章 原油価格高騰の要因分析及びエネルギー需給への影響の分析
    第1節 原油価格高騰の要因分析(4.5MB)     第2節 原油価格高騰によるエネルギー需給構造への影響(3.7MB)     第3節 原油価格高騰への対応策(0.9MB)
第2章 地球温暖化問題解決に向けた対応
    第1節 地球温暖化問題をめぐる状況(1.5MB)     第2節 地球温暖化とエネルギー問題の一体的解決(6.6MB) 第2部 エネルギー動向
第1章 国内エネルギー動向(6.5MB)
    第1節 エネルギー需給の概要     第2節 部門別エネルギー消費の動向     第3節 一次エネルギーの動向     第4節 二次エネルギーの動向 第2章 国際エネルギー動向(5MB)
    第1節 エネルギー需給の概要等     第2節 一次エネルギーの動向     第3節 二次エネルギーの動向     第4節 国際的なエネルギーコストの比較 第3部 平成19年度においてエネルギーの需給に関して講じた施策の概況
第1章 平成19年度に講じた施策について(0.5MB)
第2章 エネルギー需要対策の推進(0.9MB)
第3章 多様なエネルギー開発・導入及び利用(1.7MB)
第4章 石油の安定供給確保等に向けた戦略的・総合的取組の強化(1.2MB)
第5章 エネルギー環境分野における国際協力の推進(0.6MB)
第6章 緊急時対応の充実・強化(0.8MB)
第7章 電気事業制度・ガス事業制度のあり方(1.2MB)
第8章 長期的、総合的かつ計画的に構ずべき研究開発等(0.6MB)
第9章 広報・広聴・情報公開の推進及び知識の普及(0. 5MB) "
-----(概要)平成19年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書)  より目次。

関連
経済産業省 : エネルギー白書

経済産業省 : わかりやすい「エネルギー白書」の解説のページ

-----イメージ(pop up ; sizumiyuku fune ”)


Sizumiyuku_fune

-----photo by Rina 2008-----

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