環境省、2009年度温室効果ガス排出量の速報値を公開。景気後退により2年連続の減少
環境省は、昨年末に2009年度温室効果ガス排出量の速報値を公開しました。2009年度の温室効果ガスの総排出量の速報値は、12億900万トン。京都議定書の規定による基準年(CO2、CH4、N2Oは1990年度、HFCs、PFCs、SF6は1995年)の総排出量と比べると、4.1%の減少となり、2008年度の総排出量と比べると、産業部門をはじめとする各部門の二酸化炭素排出量が減少したことなどにより、5.7%の減少となっています。主に景気後退による影響により、2008年に続き2年連続の減少となっています。
単純に考えると基準年比6%減の目標値に近づきつつあるのが、なんとも皮肉な結果です。積極的な施策・政策ではなく、景気後退を原因との分析では、国民生活の未来は見えてきません。それを垣間見る、みせる努力がなんとしても2011年には見たいと思います。
プレスリリース / 環境省、平成22年12月27日
・2009年度(平成21年度)の温室効果ガス排出量(速報値)について
-----image : 「我が国の温暖化効果ガス排出量」、同リリース添付資料より
" 今般、2009年度(平成21年度)の温室効果ガス排出量(速報値)をとりまとめました。
2009年度の温室効果ガスの総排出量(速報値(注1))は、12億900万トンでした。これは、京都議定書の規定による基準年(CO2、CH4、N2Oは1990年度、HFCs、PFCs、SF6は1995年)の総排出量と比べると、4.1%の減少となっています(注2)。
2008年度の総排出量と比べると、産業部門をはじめとする各部門の二酸化炭素排出量が減少したことなどにより、5.7%減少しています。
2008年度と比べて2009年度の排出量が減少した原因としては、2008年10月に発生した金融危機の影響による景気後退に伴う産業部門をはじめとする各部門のエネルギー需要の減少が2009年度も続いたこと、原子力発電所の設備利用率の上昇等に伴い電力排出原単位が改善したことなどが挙げられます。(注1)
速報値の算定について……温室効果ガスの排出量は各種統計の年報値等に基づいて算定されますが、現段階では2009年度の年報値は公表されていないものがあります。そこで、2009年度の年報値が公表されていないものについては、2008年度の年報値等を代用しています。このため、今般とりまとめた速報値と2011年4月に報告予定の確定値との間には誤差が生じる可能性があります。
(注2)
京都議定書目標との関係について……4.1%減少という数値は森林吸収源対策や京都メカニズムからのクレジットを含むものではないため、この数値と、我が国の削減目標であるマイナス6%とを直接対比することはできません。
添付資料
2009年度(平成21年度)の温室効果ガス排出量(速報値)について[PDF 751KB]
2009年度(平成21年度)の温室効果ガス排出量(速報値)<概要>[PDF 279KB]
”【2008年度からのエネルギー起源二酸化炭素の増減の内訳】
○ 産業部門(工場等):3,310万トン(7.9%)減
・ 景気後退による生産量の減少に伴い製造業等からの排出量が減少。
○ 運輸部門(自動車・船舶等):590万トン(2.5%)減
・ 貨物輸送量の減少により貨物自動車/トラックからの排出量が減少。
○ 業務その他部門(商業・サービス・事業所等):1,540万トン(6.6%)減
・ 電力排出原単位の改善による電力消費に伴う排出量及び石油製品(重油等)の消
費減少に伴う排出量が減少。
○ 家庭部門:930万トン(5.5%)減
・ 電力排出原単位の改善による電力消費に伴う排出量が減少。
○ エネルギー転換部門(発電所等):50万トン(0.7%)増”----上記添付資料より
.......... "
関連
・温暖化ガス排出量(速報値)、京都議定書の基準年から初の減少-----ECO JAPAN,2011年1月5日
・2009年度のCO2排出量、景気悪化で2年連続の減少-----ECO JAPAN,2010年11月10日
・気象庁、WMO温室効果ガス年報の概要・和訳を公開。世界の主要温室効果ガス濃度は過去最高値-----ソフトエネルギー、2010/11/26
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